霧化器を横方向に 10 ° 傾けた場合
9.57 MHz MHz
9.57 MHz
SAW 素子 IDT
9.57 MHz 9.57 MHz
SAW 素子 IDT SAW 素子 SAW 素子 霧化器Wedge 霧化器Wedge
側面図 側面図
IDT 霧
SAW 素子 液体
素子 D
素子 C
(a) 霧化器の構成
1 mm1 mm
27 °
22 °
1 mm
1 mm LiNbO3
(a) SAW 素子先端形状
図 5-1 霧化器 Wedge の SAW 素子先端形状及び構成
第 5 章 SAW 素子先端形状の工夫
5-1-2 各素子の諸特性
(1) 共振周波数
図 5-1 中の素子 C と素子 D の共振周波数を求めるため、各素子のアドミタンス
特性を測定した。その結果を図 5-2 に示す。ここで、測定は素子間に液体を挟み込ん だ状態で行った。各素子の共振周波数、コンダクタンス G、共振の鋭さ Q を表 5-1 に示す。
20
10 5 0 -5
G [mS]
9.5 10.0 10.5
9.0 9.5 10.0 10.5
9.0
周波数[MHz]
G G
B
15 10 5
0 -5
B [mS]
15
20
(a) 素子 C
20
10 5 0 -5
G [mS]
9.5 10.0 10.5
9.0 9.5 10.0 10.5
9.0
周波数 [MHz]
G G B
15 10 5
0 -5
B [mS]
15
20
(b) 素子 D
図 5-2 各素子のアドミタンス特性 表 5-1 素子 C、素子 D の諸特性
素子名 共振周波数 コンダクタンス G 共振の鋭さ Q
C 9.57 MHz 10.0 mS 81.0
D 9.57 MHz 11.0 mS 135.0
第 5 章 SAW 素子先端形状の工夫
(2) 振動振幅分布
各素子のレイリー波の伝搬方向に対する垂直方向の振動変位振幅と印加電圧との位 相差の関係を LDV により測定した。素子 C に関しては、図 5-3 中の x 軸、y 軸、
u 軸、v 軸に関して測定し、素子 D に関しては、y 軸に関して測定した。測定結果
を図 5-4 に示す。ここでの駆動周波数を 9.57 MHz とし、バースト繰り返し周波
数:1 kHz、波数:1000 とした。
x y x
y
SAW 素子 表面 SAW 素子 表面
IDT
u v u v
SAW 素子 裏面 SAW 素子 裏面
図 5-3 測定軸
0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
位置[mm]
0 30 20 10
振動振幅A[mn]
0
-180 180
位相差
θ
[°]0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
位置[mm]
0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
位置[mm]
0 30 20 10
振動振幅A[mn]
0 30 20 10
振動振幅A[mn]
0
-180 180
位相差
θ
[°]0
-180 180
位相差
θ
[°]θ
A(a) 素子 C y 軸の振動振幅分布
0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
位置 [mm]
0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
位置 [mm]
0 30 20 10
振動振幅A[mn]
0 30 20 10
振動振幅A[mn]
0 -180
180
位相差
θ
[°]0 -180
180
位相差
θ
[°]θ
A(b) 素子 D y 軸の振動振幅分布
図 5-4 (1) 各素子の振動振幅分布
第 章 素子先端形状の工夫
0 0.5 1.0 1.5 2.0
位置 [mm]
0 30 20 10
振動振幅A[mn]
0 -180
180
位相差
θ
[°]θ
A5 SAW
(c) 素子 C u 軸の振動振幅分布
0 0.5 1.0 1.5 2.0
位置 [mm]
0 15 10 5
振動振幅A[mn]
0 -180
180
位相差
θ
[°]θ
A
(d) 素子 C v 軸の振動振幅分布 図 5-4 (2) 各素子の振動振幅分布
図 5-4 (1) (a)、(b) より、y 軸に関しては、進行波成分と定在波成分が存在してい ることがわかる。また、素子の最先端部分では振動振幅の大きさが減少しているのが わかる。この素子を作成する際、素子先端を楔形にすることによって先端部分での振 幅の増幅を期待していたのだが、大きく予想とは異なった。しかし、(b) の 0.5 mm 以下で見られるように、明らかに振動のモードが変化していることが分かる。これは、
レイリー波の垂直成分が基板の底に到達し、反射してきた波と干渉が起こり、素子先 端部分においてはバルク波にモード変化しているのではないかと考えられる。この点 については、今後検討が必要である。各素子において位相差が 180°となっており、
さらに振動振幅分布の山と谷の現れる位置が、反対になっているということがわかる。
これは、2 枚の素子をバースト交流電圧の位相差 0°で同時に駆動させると、2 枚の 素子は非対称で振動するということである。
図 5-4 (2) (c) の u 軸に関しては、楔部分基板裏面でも振動しており、波長を計算 すると、基板裏面とほぼ同じ値となり、このことによって、基板表面を伝わってきた レイリー波が楔部分で基板裏面に回り込んでいることがわかる。また、素子先端では 表面とほぼ同じレベルの振幅が得られている。
第 5 章 SAW 素子先端形状の工夫
図 5-4 (2) (d) の v に関しては、振幅は非常に微小ではあるが、振動していること が確認できた。5-1-3 霧化特性
「霧化器 Wedge」の霧化特性について測定した。ここでの測定条件は、各素子共に、
駆動周波数 9.57 MHz、バースト繰り返し周波数 1 kHz、波数 1000 とし、素子間隔 は最も霧化量の得られた 1.27 mm とした。霧化させる液体には水道水を用いた。
また、素子への印加電圧を高くしていくと、SAW ストリーミング力が強過ぎて、
液体が霧化する前に、液体が流されて素子裏面に回り込んでしまう。そこで、液体が 素子先端裏側に流れるのを防ぐため、先端部の裏面にグリスを塗って撥水性をもたせ た。このことにより、素子裏側に液体が流れるのを防ぐことができる。
その際、グリスが基板上の振動を吸収してしまい、振幅が小さくなってしまったり、
振動のモードが変化してしまったり、グリスの振動への影響が考えられる。しかしな がら、LDV で確認したところ、振動が弱くなったり振動のモードが変化してしまっ たりした現象はみられなかたので、本研究では素子に撥水性を持たせるためグリスを 用いることにする。
第 5 章 SAW 素子先端形状の工夫
(1) 霧化量
2 枚の素子の振動分布と霧化量の関係を、霧化器への供給電力と霧化量の関係とし て、図 5-5 に示す。
「霧化器 Wedge」を構成する素子の場合、2 節 (2) で述べたように、素子自体の 振動の位相が 180°ずれた分布となっている。したがって、SAW 素子を対向させ、2 枚の素子それぞれへ印加するバースト交流電圧の位相差が 0° のとき、2 枚の素子は 非対称に振動している。また、印加するバースト交流電圧の位相差が 180°のとき、
2 枚の素子は対称に振動している。
図 5-5 より、2 枚の素子が対称に振動しているときのほうが、非対称に振動してい
るときに比べて、およそ 1.5 倍の霧化量を得られることがわかった。
0 2.0 4.0 6.0 8
全供給電力 [Wh]
0 0.12 0.10 0.08 0.06
霧化量[ml/min]