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K 理論

ドキュメント内 topology.dvi (ページ 43-50)

4.5 同境理論

5.1.1 K 理論

【定義 5.1 (K群)】   空間X上のF-ベクトル束の同値類全体の作る

可換半群VF(X)に対して,そのGrothendiek可換群をK群といい,

KF(X)と表す.KF(X)の元は仮想束と呼ばれる.特に,F =Cお よびF =Rのとき,KF(X)をそれぞれK(X),KO(X)と表す.

【命題 5.2】  コンパクト空間XのK群KF(X)について次の性質が 成り立つ:

i) KF(X)は束の直和とテンソル積により可換環となり,KF

(コンパクト)位相空間の圏から可換環の圏への反変関手となる.

ii) KF(X)の任意の元は適当なベクトル束V と自明なN 次元ベクトル 束θNF (N 0)を用いて,[V]FN]と表される.

iii) KF(X)において[V][W] = 0となるための必要十分条件は,適 当な自明ベクトル束θFN に対してV ⊕θNF =W ⊕θNF となることで ある.

【定義 5.3 (簡約K群)】   Xを基点ptを持つ空間として,制限写像

KF(X)→KF(pt)=Zの核を簡約K群と呼び,K˜F(X)と表す.

【定義 5.4(安定同値)】   位相空間X上の2つのベクトル束V,Wに

対して,2つの自明なベクトル束θm, θnが存在してV ⊕θm =W⊕θn となるとき,V とWは安定同値であるという.

【命題 5.5】  コンパクト空間Xの簡約K群K˜F(X)について次の性 質が成り立つ:

i) ˜KF(X)はKF(X)から誘導される和と積により可換環となり,K˜F は(コンパクト)位相空間の圏から可換環の圏への反変関手となる.

ii) ˜KF(X)の任意の元は,適当なベクトル束VV と同じ次元Nの自 明なベクトル束θFN(N 0)を用いて,[V]NF]と表される.

iii) ˜KF(X)において[V] = [W]となるための必要十分条件は,V とW が安定同値となることである.特に,K˜F(X)とX上のF-ベクトル 束の安定同値類全体の集合は一対一に対応する.

【定義 5.6 (相対K群)】   空間Xとその空でない閉部分空間Y の組 に対して,相対K群KF(X, Y)を

KF(X, Y) := ˜KF(X/Y)

により定義する.ただし,X/Y の基点をY とする.Y = に対し ては

KF(X,) :=KF(X)

と定義する.

【定義 5.7 (L群)】   位相空間対(X, A)(AはXの閉部分空間)に 対して,X 上のベクトル束V0, V1 とそのAへの制限の間の束写像 σ :V0|A V1|A の組V = (V0, V1;σ)からなる集合をL(X, A)とす る.L(X, A)の2つの元V,Vは,束同型φi : Vi Viφ1σ = σφ0となるとき同値といい,V = Vと表す.L(X, A) は束の直 和から誘導される和により自然に可換半群となる.L(X, A) の元 E = (E0, E1;σ)は,E0 = E1かつσ = idのとき要素的であるとい う.さらに,L(X, A)の2つの元V,Vに対して,適当な要素的元 E,Eが存在して

V E =VE

となるとき,同値とする.この同値関係によるL(X, A)の同値類 [V0, V1;σ]の集合をL(X, A)と表す.L(X, A)は可換群である.

【命題 5.8】  A=のとき,

χ([V0, V1]) = [V0][V1]

となる,関手の間の同値変換χ:L(X, A)→K(X, A)が一意的に存 在する.具体的には,一般のV = [V0, V1;σ] L(X, A)に対して,

χ(V)は次のように構成される.X0 =0, X1 =1をXのコ ピーとして,

[ ˜V]N] = [V0σV1][V1idV1]∈K(X0AX1)

を作ると,この元のX =X0への制限はK(X)でゼロとなる.これ より,V˜ はX1上で自明束安定同値となり,K(X/A)の元χ(V) を

一意的に決定する.

【定義 5.9】  X, Y を位相空間,pX :X×Y →X, pY :X×Y →Y を 標準射影とする.このとき,a⊗b ∈K(X)⊗K(Y)にpX(a)pY(b) K(X ×Y)を対応させることにより定義される群準同型K(X) K(Y)→K(X×Y)をK群のクロス積という.これは,部分集合に 制限することにより,K˜ 群のクロス積K(X)˜ ⊗K(Y˜ )→K(X˜ ×Y)

を誘導する.

【命題 5.10】  X, Y を基点付き空間とするとき,そのブーケX∨Y およびスマッシュ積X∧Y に対して次が成り立つ:

i) 包含写像i: X∨Y ⊂X×Y および射影p: X×Y X∧Y は次 の完全列を誘導する:

0→K(X˜ ∧Y)−→p K(X˜ ×Y)−→i K(X˜ ∨Y)0.

ii) クロス積とiの結合

K(X)˜ ⊗K˜(Y)→K(X˜ ×Y)−→i K(X˜ ∨Y) はゼロ写像である.

【定義 5.11 (K群のカップ積)】   上の命題より誘導される写像 K(X)˜ ⊗K(Y˜ )→K(X˜ ∧Y)

を簡約K群のカップ積と呼ぶ.さらに,2つの空間対(X, A),(Y, B) に対してK˜ 群のカップ積

K(X/A)˜ ⊗K(Y /B)˜ →K((X/A)˜ (Y /B)) = ˜K((X×Y)/(X×B)∪(A×Y)) から誘導される写像

K(X, A)⊗K(Y, B)→K(X×Y,(X×B)∪(A×Y))

を相対K群のカップ積という.

【定義 5.12 (次数付きK群)】   iを非負整数として,基点を持つコ

ンパクト空間Xに対して,

K˜i(X) := ˜K(Si∧X), コンパクト空間対(X, Y)に対して,

Ki(X, Y) := ˜Ki(X/Y),

基点を持たないコンパクト空間Xに対して,X+ = (X,)(は仮想 基点),ptをSiの基点として

Ki(X)≡Ki(X,) := ˜Ki(X+) =K(Si×X,pt×X) と定義する.特に,

Ki(pt) = ˜K(Si)

である.

【命題 5.13】  位相空間X, Y と非負整数i, jに対して,簡約K群の カップ積

K(S˜ i∧X)⊗K(S˜ j∧Y)→K((S˜ i∧X)∧(Sj ∧Y)) は次数付き簡約K群のカップ積

K˜i(X)⊗K˜j(Y)→K˜ij(X∧Y)

を誘導する.この積により,K(pt)は次数付き環となる.また,K(X) は次数付きK(pt)-加群となる.

【定理 5.14 (Bottの周期性定理:複素K群)】  

i) 環K−∗(pt)はξ K−2(pt) = ˜K(S2)を生成元とする多項式環に同 型である:

K−∗(pt)=Z[ξ].

ii) (X, A)を任意のコンパクトHausdorff空間対とする.このとき,ξ

によるカップ積から誘導される準同型

μξ :Ki(X, A)→Ki−2(X, A) は任意の非負整数iに対して同型となる.

【定理 5.15 (Bottの周期性定理:実K群)】  

i) 環KO−∗(pt)は,

η∈KO−1(pt), y∈KO−4(pt), x∈ KO−8(pt), として,

KO−∗(pt)=Z[η, y, x]/ <2η, η3, ηy, y24x > .

ii) (X, A)を任意のコンパクトHausdorff空間対とする.このとき,x によるカップ積から誘導される準同型

μx :KOi(X, A)→KOi−8(X, A) は任意の非負整数iに対して同型となる.

【定義 5.16 (コンパクト台のK群)】   局所コンパクト空間Xに対し

て,X+Xの一点コンパクト化X+ = X∪ {pt}として,Xのコ ンパクト台のK群を

Kcpt(X) := ˜K(X+), Kcpti(X) :=Kcpt(X×Ri)

で定義する.また,空間対(X, A)(Aは閉集合)に対して,コンパク ト台の相対K群を

Kcpti :=Kcpt((X−A)×Ri)

により定義する.

【定理 5.17 (Kcptに対するBottの周期性定理)】   任意の局所コン パクト空間Xに対して,次の関係が成り立つ:

Kcpt(X)=Kcpt(X×C), KOcpt(X)=KOcpt(X×R8).

この同型は,それぞれξ Kcpt(C) = ˜K(S2),x KOcpt(R8) = KO(S˜ 8)とのカップ積により誘導される.

【命題5.18】W =W0⊕W1をZ2次数付きC−Cn加群,Ek =Dn× Wkn次元球体Dn(Cn)上の自明なベクトル束,μ:E0|Sn−1 E1|Sn−1(Sn−1 =∂Dn)を同型μ(u, w) = (u, u·w)(|u|= 1)として,

φ(W) := [E0, E1;μ]∈K(Dn, Sn−1)

とおくと,φはZ2次数付きCCn加群のGrothendieck環からK 群への準同型

φ :MˆnC →K(Dn, Sn−1)

を与える.このとき,包含写像i : Rn Rn+1 から誘導される Grothendieck 環の準同型i : MˆnC+1 MˆnC に対して,i∗◦φ = 0 となる.よって,φは準同型

φn:MˆnC/iMˆnC+1→K(Dn, Sn−1)=Kn(pt)

を与える.同様に,Z2次数付きClifford加群の実表現環に対して φn :Mˆn/iMˆn+1→KO(Dn, Sn−1)=KOn(pt)

が定義される.ここで,

MˆnC/iMˆnC+1 =MnC−1/iMnC =

Z n: even 0 n: odd および

Mˆn/iMˆn+1 =Mn−1/iMn=

⎧⎪

⎪⎩

Z n≡0,4(mod8) Z2 n≡1,2(mod8)

0 他の場合

が成り立つ.

【定理 5.19 (Atiyah-Bott-Shapiro同型)】   次の次数付き環としての 同型が成り立つ:

φ :MˆC/iMˆ∗+1C −→= K−∗(pt), φ :Mˆ/iMˆ∗+1 −→= KO−∗(pt)

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