明
田
宗祖親驚聖人︵以干︑宗祖︶の教学は全体に︑浄土真
実のはたらきによって時機が自覚され︑その自覚によっ
て願生するという︑このような関係性を明らかにしてい
るが︑それについて教学の面で大きく寄与しているのは︑
曇鷲
の﹃
無量
寿経
優婆
提舎
願生
傷註
﹄︵
以下
︑﹁
論註
﹂︶
の
表現であろう︒その中でも﹁真実功徳︑不実功徳﹂とい
う︑曇驚の徹底した時機の自覚に基づく︑法と機の関係
性の押さえは︑他力思想の根幹をなすものであり︑後に
宗祖の思想へとつながっていくものである︒そこで今回
は︑﹃論註﹄で明らかにされる︑曇鷲の﹁真実功徳﹂の
語について考察していきたいと思う︒
語義の確認
まず前提として︑﹁真実功徳﹂︑もしくは﹁真実功徳
76
相﹂の原語の意味をたどったとき︑山口益によると︑
先づ︑それの原語は︑﹁
E 2
m・戸
E 2
E r
g s
﹂で
あったであろうことが推察せされる︒﹁真実︑
g
え15
﹂は﹁真如円山岳民間﹂と同義語であり︑それが空性勝義諦であることは勿論である︒﹁功徳﹂は︑
阿弥陀経の﹁功徳荘厳﹂が﹁
m g
t
斗同
E
﹂であるところから﹁
m E
乙であることが知られる︒ぬ戸口印
は︑勝論学派の実・徳・業仏岡山
4 3
官官官
5 2
というときの
m
戸E
であって︑徳︵m E
白︶
は実
体の
持つ
属性
︵伊
丹
E
E Z
︶を意味する︒実体は徳に
よって︑われわれの知覚認識の世界︑すなわち︑世
間的実用のものとなるのである︒次に﹁相︵﹈白
r z
−
E
︶﹂は︵中略︶﹁知覚の対象として与えられている﹂の意味であって︑いまも空性真如が世間的実用
のあり方で顕われることをいう︒そうすると︑﹁功
徳﹂も﹁相﹂も殆ど同じような意味の請であって︑
空性真如が世間的な態としての顕現をいう︒
とあり︑整理すると︑か出舵問の真実が︑功徳相として
かたちを示すことで山間的にわれわれにとっての意味を
持つことUであると考えられる︒この真実功徳相の語に
つい
て店
机は
誓願
の尊
号︑
曇驚
は二
十九
種品
川取
を指
す︑
と捉えている点で差異が見られるが︑いずれも﹁空性真
如が世間的な態としての顕現﹂という意味においては共
通していると考えられる︒この点をふまえた上で﹃論
註﹄において﹁真実功徳﹂の語がどのよう意味を持つの
かを
見て
いき
たい
︒
﹁ 論
註 ﹄
のなかの﹁真実功徳﹂の意味
真宗の聖教のなかに初めて真実功徳の語が現れるのは︑
天親
の﹁
無量
寿経
優婆
提舎
願生
借﹄
︵以
下︑
﹃浄
土論
﹄︶
に
おけ
る︑
ア ニ テ ヲ
我依二修多羅巽賓功徳相一説二願偶摺持一輿二備
ス ヘ yご ヲ ン テ
敬一
相懸
の一文の中においてである︒曇鷲はこの四句一丈を以て︑
建章の四句︵帰敬侶︶を受けて五念門の観察門・回向門
を聞く︑成上起下の丈と杭置づけている︒曇鷲は﹃浄土
論﹄の瓦念門行を菩薩の漸次修行ではなく︑一心帰命の
内山
谷を
明ら
かに
した
もの
とし
て理
解し
︑前
今一
ゐ門
を成
して
後二門を起こす︑ということについて︑その依るべき典
籍︑
依る
べき
根拠
︑依
るべ
きト
刀法
を︑
一二
依釈
とし
て押
切ら
えて
いる
ので
ある
︒
ン ヲ ノ ヲ ス ノ ヲ ノ ヱ カ ル ノ ニ カ ル カ 凡 ト
成二上三門一起こ下二門一何所依・何故依云何依・何
所依者・依二修多羅一何故依者・以二如来即真賓功徳
サ ル ヲ 一 と ン ヲ ヲ ス ル カ ニ ン 一 ア コ ト ヲ
相故一去何依者・修二五念門一相懸故成二上一起日下一
﹃At−
立 見
「『浄土論註』における「真実功徳」の語について」
このように﹁論詰﹄の三依釈は表﹂白的には優婆提舎と
成上起ドということについて施されたものであるが︑む
しろそこでは﹁願生偶﹂の全体を貫くもの︑すなわち一
心帰命の願生心における︑帰依の対象︑帰依の根拠︑帰
依の内存が明らかにされていると見るべきであろう︒そ
の中で︑真実功徳の語は︑その相をもって帰依の根拠と
されている︒
そこで真実功徳とはいかなることかという問題が起こ
るが︑それについて︑﹃論註﹄の丈をみてみると︑
ノ ン テ ス
真賓功徳相者有一こ種功徳二者従一一有漏心一生・不ニ
セ ニ ユ ル イ ハ ノ
順二法性一所二謂一九夫人天諸善人天果報若因・若呆・皆
ナ リ ノ ニ ク ノ
口疋
・顛
倒・
皆是
・虚
偽是
故名
−不
賓功
徳一
二者
・従
一菩
薩
ノ リ テ ス ヲ テ ニ ル ノ ニ
知日
︹慧
︺清
浄業
一起
荘二
巌悌
事一
依一
一法
性一
入二
清序
相一
ノ ス セ ス ナ ラ テ ス ト ル セ
是法
不二
顛倒
一不
二虚
偽一
名為
二真
賓功
徳一
云何
不一
顛倒
一
テ セ ル カ ニ ニ ル ナ ラ シ テ ヲ シ ム ル カ
依二法性一順二二諦一故云何不二虚偽一揖二衆生一入ニ畢
克浄
一故
というように表現されている︒ここで曇鷺は︑真実功徳
相の語を明らかにするにあたって︑功徳に三種あること
77
をまず主張する︒そしてはじめに不実功徳ということを
説明している︒これは︑有漏の心から起こり︑真如法性
に随順しない︑いわゆる凡夫が修めるような普およびそ
の果報である︒これらは因も果もみな顛倒であり︑みな
虚偽であるから不実功徳と名づけられるのである︒
そしてそれに対する形ではじめて︑真実功徳が明かさ
れている︒菩陸の︑法性に順ずる清浄な行業を起こして
仏の果報を成就し︑清浄の相にかなっているもの︑これ
は前に明らかにした顛倒でもなく虚偽でもないから真実
功徳と名づけるのである︒そして顛倒でない理由につい
て︑法性に順い︑真俗二諦の道理にかなっているから︑
といい︑虚偽でない理由について︑衆生を摂めて最上の
さとりに入らせるからとしている︒
このような︑虚偽であり顛倒する不実と︑それに対す
る真実という関係性については﹃論註﹂巻上の国士荘厳
ス ル ニ ノ ノ ヲ セ リ ノ
清浄功徳に︑﹃浄土論﹄の﹁観二彼世界相一勝二過三界
一 一 一 に
3︶
ル ニ 道一﹂の一文を釈す箇所にも誓えを挙げて明らかにし
ノ ハ レ ナ サ ヘ 日
︶
ている︒曇驚はこの一文について︑﹁此清海是捻相﹂
と位置づけている︒そして仏の荘厳清浄功徳を起こされ
た所以をみるに︑
ト ユ ヘ ン タ マ
7
ヲ ハ ミ ソ ナ ハ ン テ
悌本所ヨ以起こ此荘巌清浄功徳一者見下三界是虚
78
されみh
す
︾
︑ 佐 相 是 輪 特 相 日 子 尤 続 出 恥 ン テ 札 一 一 郎 ば 民 判 制 も 時 修
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時 ス ル ヵ 加 的 リ 国 財 人 百 誠 一 段 公 一 郎 ヵ ラ 相 ヮ ル 配 レ ナ ル 都 衆 生 マツ ワル
︑ヲ kI zz r ノ ノ ニ オ ホ ン メ ス テ ヲ ヱ
締中野町昨此三界顛倒不湯上欲下置一一一衆生於二不虚
偽一
周一
於一
不輪
轄一
鹿一
於一
一小
元窮
一男
一得
中畢
寛安
楽大
清
ヲ ノ ニ シ タ マ フ ノ ヲ
︵
7︶
国伊
一局
よ是
故起
二此
清涼
荘巌
功徳
一也
として二つの警えを出している︒一つは尺取り虫が器の
縁を果てしなく巡るさまを︑凡夫が自らの業によって輪
廻する様にたとえて﹁輪轄相﹂といい︑また二つには︑
蚕が自ら繭を出して自らの身を縛るさまを︑凡夫が自ら
罪を作って自ら迷︑つ様にたとえて﹁無窮相﹂と言うので
ある︒この二つの誓えによって︑一二界の衆生における虚
妄顛倒の相を表現したのである︒そしてその様子を不浄
と見定め︑それに対するものを清浄とするのである︒こ
の清浄が国上十七種荘厳の全体を通じた総相としている︒
そしてこの清浄の成就には︑﹁論註﹄巻下の同士荘厳清
浄功徳成就偏にあるように︑
レ か な る や て の せ る れ は こ と そ の
此云何不思議・布二九犬人煩悩成就一亦得−一一生二彼浄はかる
に の し て ひ か し て せ ぞ ろ を
土三界繋業畢寛不二牽一則是不三断二煩悩一得二但繋分一けん
い つ く 人 そ き や す お
︶
需可二思議一
として︑浄土に往生すれば煩悩を断滅することなくして
浬繋の楽を得るという不思議のはたらきにあずかるとい
うことが表されるのである︒
以上の内容から注意すべきは︑曇鷲の理解するところ
の真実と不実の関係は︑三界の衆生については徹底して
不実︑不浄なるものとして位置づけ︑真実︑清浄なるも
のはその不実︑不浄に対するものとして明らかにされる
ものであるということであろう︒そこには不実性を立場
としたままには真実に関係し得ないという︑断絶した関
係がある︒しかしそれは逆に依処が真実の側に転ぜられ
たとき︑不実なるものはその不実性が断ぜられることの
ないまま摂取されるというのである︒
衆生の相対有限な有り様を虚偽・顛倒という表現で表
し︑それに対する形で仏および浄土の絶対的真実性が明
らかになるというのが曇驚の理解である︒このような真
実と不実の関係性は︑豆柵註﹂上巻末の八番問答におけ
る第六問答において︑さらに明らかにされている︒
ニノタマハクハンハカリノキモノマゼソヒクン
問日
・業
道一
純一
三一
口業
道如
二橋
一重
者先
牽・
如親
元量
書
ニ ノ タ ソ フ カ テ リ ヲ ぞ う ム ノ ヲ ン ン ヲ
一経
一一
二日
一有
二人
一造
二五
逆十
悪一
旦ハ
二諸
不善
一際
下堕
二悪
ニ ン ナ ヲ ク ノ ヲ テ ノ ニ テ ノ ニ
道一遥二歴多却一受中元量苦t臨
二人
叩終
時一
遇二
議口
知識
敬一
セ ム ト キ ノ ン テ ヲ テ ヲ ン テ
裕二南元元量書偽一如二是一至二心一令三聾不二絶一具二