2. 企業・社会の変化と技術革新
2.2 IT とメディア
20世紀末期から, メディアの活用技術がマルチメディアやインターネッ トへの関心と高まりを観ることができる。 ITのめまぐるしい変化と速度 に比べて, 従来の広告・メディア等の分野は, 新しい技術の戦略的理論化 への努力が遅れていたが, 最近, マルチメディアの情報の技術戦略的思考 が取り入れられ急激に活発化し, コンピュータと通信技術等を結合し, さ らに広範囲に活用・展開する傾向にある。 そこで, メディアが新しい技術 思考によりどのように変化しているのか。 マルチメディア化の考現学的側
面から概観する。 企業の市場活動という視点からマルチメディア化を観る と, ①インターネットとツールとしての利用, ②地上デジタル放送, 各地 域のケーブルテレビの利用可能, ③オンラインゲーム, 屋外大型スクリー ンなどの新しいメディアの販売促進利用などを含む次世代メディア開発, などが挙げられる。
96年に開始されたインターネットテキスト・テレビ, インターネット 対応テレビ, 衛星デジタル放送などである。 また, 都市型ケーブルテレビ, 衛星デジタル放送, 移動通信システムなどいずれも, 多様なコンテンツと サービスを融合させることが可能であり, マルチメディア時代の基幹的シ ステムとして注目されている。 インターネット, ソフトウェア, インター ネット接続に伴い, Webサイト利用会員登録者人数が, 大幅に増加して いるのがよく分かる。 また, 情報通信の社会基盤整備も急がれている時期 でもある。 インフラの整備が進んでいる過程で新しいサービスが開始され たりもしている。 ウェブ広告もそのサービスの一つである。
このように, メディアが従来にない変化を見せているのは, 情報技術の 発展によるものであると言える。 また, マス対応からワン・トゥ・ワン対 応へと変わり, 情報技術のさらなる進化, すなわちコンピュータの性能向 上, デジタル化により, より詳細なオペレーションの実現が可能になり, 顧客を一人ひとり, 把握する新しい競争のパラダイムへと変化させ, 大量 規模における個別対応の可能性でコンピュータとデータベース, ネットワー クによる柔軟な生産方式とテレコミュニケーション技術の急速な発達へと 期待もされているのである。
インターネットに代表される情報技術の変化は, その機能や役割の可能 性を従来のメディアという範囲で把握することはできない。 個人個人で対 応ができ双方向かつ受発注や決済の機能を持つメディアの出現は広告, 販 売, コミュニケーション活動, ビジネス活動そのものを統合化し, マルチ メディア化と合わせて, オンライン・ショッピングや電子商取引が語られ,
いろいろな実験やビジネストライがあるのも, 従来のメディア概念を越え たからであるといえる。 しかし, 一方で, 情報技術の大衆化や生活者のラ イフスタイルの変化を十分把握し, 見据えた時間軸においてビジネス化に 取り組む必要がある。 特に, 新しいメディアへの過剰な期待があるが現状 では, オンライン・ショッピング (インターネットとパソコンを含む) で インターネット利用といえるものは8%にすぎない。 それも書籍類が大半 を占めている。 そして, 利用者の90%は20代から30代の男性であるこ とを考えると消費者としての積極性に乏しいのが現状である。 その理由と して商品にたどり着くまでがわずらわしい, 品揃えが不十分など目で見て, 手で触れながらいろいろな商品に接しショッピングを楽しむ感覚と習慣に 慣れてしまっているからでもある。
以上のように, 情報通信産業やその周辺産業の活発な動きは, その産業 分類・種類を分化することになる。 今では, コンテンツ・アプリケーショ ン, プラットホーム, 通信, 端末などに分化し成長を続けている。 さらに, いろいろなサービスは, PCと携帯 (電話含む) 情報端末の2つに分け目 的に沿って利用するようになると推測できる。 このような情報が社会に対 して行った行為, ここでは変化となるが, この変化の中心がメディアであ ると考える。 一般社会では, メディアとは, 新聞やテレビなどのマスメディ ア, またFDやCD, DVDなどの記憶媒体などを想像するだろう。 現在 では, 電子メールなどのコミュニケーションメディアを指す場合もあるだ ろう。 メディアの形式には, 内容も重要ではあるが, 人と人との関係, ラ イフスタイル社会・文化などを表す。 このようなメディアの共通点は, 情 報をやり取りするための道具であること。 大昔の情報を遠くに伝えるため の, 狼煙や太鼓と同様である。 そして, 現在では電波や電気信号が情報と 化している。 いろいろな分野が発展し今日に至っているが, グローバル化 や統合化の影響もあって一体化傾向にもなっている。
以前, 考えられ実現されなかったが, 今は実現が可能であったり, 既に
実現されているものも少なくない。 コンピュータは従来の人工知能を目指 していた時代があったが, 今は社会そのものを目指している。 つまり, ネッ トワーク社会や情報社会である。 完全なネットワーク社会や情報社会を目 指しているのである。 コンピュータは, 社会基盤として情報を流通させる ためのメディアとしての機能を有している。