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ICH(日米 EU 医薬品規制調和国際会議)

第 3 章

4.5 ICH(日米 EU 医薬品規制調和国際会議)

ICHは、日本、米国、EUの医薬品規制当局と医薬品産業 団体の6団体(厚生労働省、日本製薬工業協会、FDA、

PhRMA、EC/EMA、EFPIA)を構成メンバーととしており、その 企画立案は運営委員会が行う。ICHには、オブザーバーとして WHO、カナダ、EFTA(欧州自由貿易連合)が参加してい る。それぞれの課題ごとに、6団体から専門家や行政官からなる 専門家委員会(EWG)が設置されている。

ICHのハーモナイゼーションはICHプロセスといわれる次の5つの ステップにより、行われている。

ステップ1:トピックの選定・問題点の分析、EWGの設置、

ICH調和ガイドライン案の起草

ステップ2: ICH調和ガイドライン案の決定・各極における 意見聴取の承認

ステップ3:各極におけるガイドライン案に対する意見聴 取、寄せられた意見に基づくガイドライン案の修正 ステップ4: ICH調和ガイドラインの最終合意 ステップ5:各極における国内規制等への実装

現時点では、表6(ICH トピック&ガイドライン 進捗状 況)のとおり、改正版も含めて70を超えるトピックが日米欧の3 極における合意(ステップ4あるいは5)に至っている。

なお,2012年6月のICH会議において,上記ステップに以 下の変更がなされた。

① ICHガイドラインの策定過程における規制当局と産業界 の責任を明確にするため、ステップ2をステップ2a及び2bの 二段階に分類した。ステップ2aは技術文書として規制当 局・産業界での合意、ステップ2bは各極における意見聴 取実施の規制当局間の合意とし、それ以降はガイドライ ン策定として規制当局の責任のもと実施されることとされ た。

② 各ガイドラインの作成において、従来のラポーターとは別 に、議長を設置し、その議長は規制当局が行うこととされ

③ た。 新規トピックの採択に際し、3規制当局側と3産業界側が 合意に至らない場合の例外的措置として、3規制当局の 合意のもとでかかるトピックの採択ができるとされた。

ICHについて詳しくは、下記のICHのHPを参照されたい。

http://www.pmda.go.jp/ich/ich_index.html 邦文:

http://www.ich.org/cache/compo/276-254-1.html 英文:

48 基礎調査

スクリーニングテスト

製剤・製法研究及び薬理学的研究 非臨床試験

1. 理化学的試験

2. GLP省令による毒性試験 (本省) (機構)

3. 薬理学的・薬物動態的試験

治験相談 非臨床試験の評価

治験届管理 治験届受付 機構理事長への治験計画届出

臨床試験

(GCP省令による)

1. 第Ⅰ相試験 調査が必要な 治験届の

2. 第Ⅱ相試験 場合に指導 内容調査

3. 第Ⅲ相試験

臨床試験及び非臨床試験の評価 新医薬品の承認申請

承認審査

相談 適合

助言

指名 審査結果通知

部 会

諮問

薬事分科会

答申

承認及び薬価基準への収載

製造販売後調査

(PMS) (GVP・GPSP省令による) 機構 製造販売後調査等に係る資料の収集・作成、記録の保存

② 製造販売後臨床試験 基準適合性調査

③ 再審査 (GPSP等)

再評価

図 8 新医薬品における開発承認のフローチャート

薬 事 ・ 食 品

衛生審議会 専門委員 承認審査 適合性調査 GMP調査

厚生労働省 医薬食品局 審査管理課

厚生労働大臣 承認の最終判断

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新医薬品に係る承認審査の標準的プロセスにおけるタイムライン

以下のタイムラインは、審査の経過上、特段の問題がなかった場合の標準的なプロセスについて、平成26年度以降に申請 された新医薬品について申請受付から承認までの総審査期間の目標である12ヶ月(通常品目)を達成するよう努力する ため、審査の実績を踏まえて、各審査イベント毎の審査期間の目安注1)を示したものである。

注1)審査期間の目安の設定に当たっては、平成 25年度における新医薬品の承認審査における実績を用いた。なお、算 出に用いた申請から承認までの各イベント毎の件数は、初回面談35件、重要事項照会31件、専門協議85件、

部会審議83件、製造販売承認96件である。

注2)重要事項照会:初回面談後に行われる最初の照会

図 9 新医薬品に係る承認審査の標準的プロセスにおけるタイムライン

申請企業医薬品医療機器総合機構厚生労働省 製造販売承認

製造販売承認申請 部会審議

初回面談

2)

重 要 事 項 照 会

専門協議 審査報告書作成終了

信 頼 性 調査

GMP調 査

審査機関の目安

25パーセンタイル値~

中央値~75パーセンタイル値

2.3~2.4~2.8月 0.5~0.6~0.7月 5.1~5.7~6.8月 1.2~1.5~2.0 0.7~0.9~1.6月

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表 3 医療用医薬品製造販売承認等の申請の際に必要な提出書類

取扱通知(2014年11月21日付薬食発1121第2号)別表 2-(1) 抜粋

注1)右欄の記号及び番号は別表1に規定する資料の記号及び番号を示し、原則として、○は添付を×は添付の不要を△は 個々の医薬品により判断されることを意味するものとする。

注2)右欄注の1)については下記のとおりであること。

1)製造方法の変更又は試験方法の変更等、添付文書の記載に変更を生じない内容に関する申請に限り、原則として、チの資 料の添付は要しない。

左 欄 右 欄

1 2 3

1 2 3

1 2 3

1 2 3

1 2 3 4 5 6

1 2 3 4 5 6 7

(1) 新有効成分含有医薬品 ○○○ ○○○ ○○○ ○○△ ○○○○×△ ○○○△○△△ (2) 新医療用配合剤 ○○○ ×○○ ○○○ ○△△ ○○○○×△ ○○×××△× (3) 新投与経路医薬品 ○○○ ×○○ ○○○ ○△△ ○○○○×△ ○○×△○△△ (4) 新効能医薬品 ○○○ ××× ××× ○×× △△△△×△ ××××××× (5) 新剤形医薬品 ○○○ ×○○ ○○○ ××× ○○○○×△ ××××××× (6) 新用量医薬品 ○○○ ××× ××× ○×× ○○○○×△ ××××××× (7) バイオ後続品 ○○○ ○○○ ○△△ ○×× △△△△×△ △○×××△△ (8) 剤形追加に係る医薬品

(再審査期間中のもの)

(8-2) 剤形追加に係る医薬品

(再審査期間中でないもの)

○○○ ×○○ △△○ ××× ××××○× ××××××× ×

(9) 類似処方医療用配合剤

(再審査期間中のもの)

(9-2) 類似処方医療用配合剤

(再審査期間中でないもの)

○○○ ×○○ ○○○ △△× ×××××× ○△×××△×

(10) その他の医薬品

(再審査期間中のもの)

(10-2) その他の医薬品

((10)の場合であって、生物 製剤等の製造方法の変更に係 るもの)

(10-3) その他の医薬品

(再審査期間中でないもの)

(10-4) その他の医薬品

((10-3)の場合であって、生 物製剤等の製造方法の変更に 係るもの)

××× ×△○ ××○ ××× ××××○× ××××××× × 1)

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(表 3 続き)表中各簡略記載項目のタイトル

(1) 新有効成分含有医薬品とは、既に製造販売の承認を与えられている医薬品及び日本薬局方に定められている医薬品(以下「既承認医 薬品等」という。)のいずれにも有効成分として含有されていない成分を有効成分として含有する医薬品をいう。

(2) 新医療用配合剤とは、日本薬局方に収められている配合剤及び医療用医薬品として製造販売の承認を与えられている配合剤とその有効 成分又はその配合割合が異なる医療用医薬品たる配合剤をいう。ただし(8)に規定する類似処方医療用配合剤及び総合消化酵素並びに作 用が緩和なパップ剤等のうち総合的に評価して新規性がないと判断されるものは除く。

(3) 新投与経路医薬品とは、既承認医薬品等と有効成分は同一であるが、投与経路(経口、皮下・筋肉内、静脈内、経皮、経直腸、経 膣、点眼、点耳、点鼻、吸入等の別をいう。)が異なる医薬品をいう。

(4) 新効能医薬品とは、既承認医薬品等と有効成分及び投与経路は同一であるが、効能・効果が異なる医薬品をいう。

(5) 新剤形医薬品とは、既承認医薬品等と有効成分、投与経路及び効能・効果は同一であるが、徐放化等の薬剤学的な変更により用法等 が異なるような新たな剤形の医薬品をいう。ただし、(7)に規定する剤形追加に係る医薬品は除く。

(6) 新用量医薬品とは、既承認医薬品等と有効成分及び投与経路は同一であるが、用量が異なる医薬品をいう。

(7) バイオ後続品とは、既に販売承認を与えられているバイオテクノロジー応用医薬品と同等/同質の医薬品をいう。

(8) 剤形追加に係る医薬品とは、既承認医薬品等と有効成分、投与経路、効能・効果及び用法・用量は同一であるが、剤形又は含量が異 なる医薬品をいう。

(9) 類似処方医療用配合剤とは、日本薬局方に収められている配合剤及び医療用医薬品として製造販売の承認を与えられている配合剤とそ の有効成分及び配合割合が類似していると判断される医療用医薬品たる配合剤をいう。

(10) 生物製剤等とは、生物学的製剤基準に収載されているワクチン、血液製剤等の生物学的製剤、組換えDNA技術応用医薬品、細胞培

養医薬品その他ハバイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品をいう。

イ 起原又は発見の経緯及び外国における使 用状況等に関する資料

1. 起原又は発見の経緯 2. 外国における使用状況

3. 特性及び他の医薬品との比較検討等 ロ 製造方法並びに規格及び試験方法等に関

する資料

1. 構造決定及び物理的化学的性質等 2. 製造方法

3. 規格及び試験方法 ハ 安定性に関する資料 1. 長期保存試験

2. 苛酷試験

3. 加速試験

ニ 薬理作用に関する資料 1. 効力を裏付ける試験 2. 副次的薬理・安全性薬理 3. その他の薬理

ホ 吸収、分布、代謝、排泄に関する資料 1. 吸収 2. 分布 3. 代謝

4.排泄

5. 生物学的同等性 6. その他の薬物動態 ヘ 急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、催奇

形性、その他の毒性に関する資料

1. 単回投与毒性 2. 反復投与毒性 3. 遺伝毒性 4. がん原性

5. 生殖発生毒性 6. 局所刺激性 7. その他の毒性

ト 臨床試験の成績に関する資料 臨床試験成績 法第五十二条第一項に規定する添付文書

等記載事項に関する資料

添付文書等記載事項

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表 4 要指導・一般用医薬品の承認申請に際し添付すべき資料の範囲

取扱通知 (2014年11月21日付薬食発1121第2号)別表 2-(2) 抜粋

左 欄 右 欄

1 2 3

1 2 3

1 2 3

1 2 3

1 2 3 4 5 6

1 2 3 4 5 6 7

(1) 新有効成分含有医薬品 ○○○ ○○○ ○○○ ○○△ ○○○○×△ ○○○△○△△ (2) 新投与経路医薬品 ○○○ ×○○ ○○○ ○△△ ○○○○×△ ○○×△○△△

(3-1) 新効能医薬品 ○○○ ××× ××× ○×× △△△△×△ ×××××××

(3-2) 新剤形医薬品 ○○○ ×○○ ○○○ ××× ○○○○×△ ×××××××

(3-3) 新用量医薬品 ○○○ ××× ××× ××× ○○○○×△ ×××××××

(4) 要指導(一般用)新有効成分

含有医薬品 ○○○ ××○ △×△2) ××× △××××× △△×××△△

(5-1) 要指導(一般用)新投与経

路医薬品 ○○○ ××○ △×△2) ××× △××××× △△×××△△

(5-2) 要指導(一般用)新効能医

薬品 ○○○ ××× ××× ××× △××××× ×××××××

(5-3) 要指導(一般用)新剤形医

薬品 ○○○ ××○ △×△2) ××× △××××× ×××××××

(5-4) 要指導(一般用)新用量医

薬品 ○○○ ××× ××× ××× △××××× ××××××× (6) 要指導(一般用)新配合剤 ○○○ ××○ △×△2) ××× △××××× △△×××△×

(7-1) 類似処方一般用配合剤 ××○ ××○ △×△2) ××× △××××× △△××××× ×

(7-2) 類似剤形一般用医薬品 ××○ ××○ △×△2) ××× △××××× ××××××× ×

(8) その他の一般用医薬品

(承認基準品目等) ××○1) ××○ △×△2) ××× ×××××× ××××××× × × 注1)右欄の記号及び番号は別表1に規定する資料の記号及び番号を示し、原則として、○は添付を×は添付の不要を△は個々

の医薬品により判断されることを意味するものとする。

注2)右欄注の1) から2) については下記のとおりであること。

1) 承認基準に適合する医薬品については、承認基準と申請品目の有効成分及びその分量に関する対比表を添付すること でよい。承認基準に適合する医薬品以外については、処方設計の根拠及び有効性・安全性等について十分説明するこ と。

2) 加速試験により3年以上の安定性が推定されないものについては長期保存試験成績が必要である。ただし、申請時にお いて長期保存試験により、暫定的に1年以上の有効期間を設定できるものについては、長期保存試験の途中であっても 承認申請して差し支えないこと。その場合、申請者は、承認時までにその後引き続き試験した長期保存試験の成績を提 出するものとする。

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