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新医薬品の 「使用上の注意」の解説76

第 5 章

3.7 新医薬品の 「使用上の注意」の解説76

新医薬品の「使用上の注意」の解説は、新医薬品の最も基 本的な安全対策として位置付けられた、医薬品の製造販売業 者等が作成する解説書である。新医薬品の適正使用に必須と なる「使用上の注意」についてわかりやすく解説している。原則と して医療機関が新医薬品を初めて使用する前にMRが配布し、

「使用上の注意」の説明を行い、理解を得、安全確保に万全を 記すこととなっている。

1997年4月の添付文書及び使用上の注意の記載要領改 訂の通知を受けて、本解説書作成の手引きが公表され

(1997年6月27日付薬安第88号)、以後の新医薬品から 作成が始められた。なお、2001年10月以降に承認された新医 薬品においては、市販直後調査のロゴマークが表示され、市販 直後調査の実施期間が明記されることになった(第4章. 3.

GVPを参照)。

4.安全性情報提供の電子化

厚生労働省は1997年に設置された「インターネットを利用し た医療関係者等に対する医薬品情報の提供方策に関する研 究班」の報告を受け、インターネットを利用して医薬品情報を医 療関係者等に提供するシステム(医薬品情報提供システム)

を1999年5月末より稼動した。(現・医薬品医療機器情報提 供ホームページ)

http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0001.html

77 公開される情報は医薬品の適正使用に関するお知らせ、医 療用医薬品添付文書情報、厚生労働省から出された安全性 情報,厚生労働省に集積された副作用が疑われる症例報告 に関する情報のほか、緊急安全性情報・安全性速報、患者向 医薬品ガイド、重篤副作用疾患別対応マニュアル、新薬承認 情報、回収情報等である。

医薬品の適正使用に関するお知らせのうち、「PMDAからの 医薬品適正使用のお願い」は、警告等の重大な使用上の注意 等の改訂を行った以降も副作用等の報告や不適正な使用によ る副作用が減少しない場合などに作成及び掲載が検討され、

必要に応じ製造販売業者も印刷媒体の配布等を検討すること とされている。

医療用医薬品の添付文書情報については基本フォーマットと してSGML (Standard Generalized Markup Language) を採用し、医療現場での多様なニーズに対応した二次的な加 工等の応用を可能にしたほか、PDF (Portable Document Format)での提供も行われている。

なお、一般用医薬品添付文書情報の提供が2007年3月よ り、さらに医薬品インタビューフォーム情報の提供が2009年5月 より開始された。

また、使用上の注意の改訂等の医薬品医療機器情報提供 ホームページに掲載された情報を、あらかじめ登録されたアドレス にメールを配信してお知らせするサービス(PMDAメディナビ)が 無料で提供されている。2014年11月末現在の登録者数は、

約11万人となっている。

5.一般用医薬品添付文書

旧厚生省は医療用医薬品添付文書の記載要領の改訂に 続いて、一般用医薬品添付文書について1996年8月より「一 般用医薬品の添付文書の改善に関する研究班」を設置し、

1998年9月に報告書をまとめた。

添付文書に記載すべき項目、「使用上の注意」の記載方 法、更に外部容器に記載すべき情報等に関する事項を1999 年8月12日付医薬安全局長通知として一般用医薬品添付文 書の記載要領が示されたが、購入時の選択に資するよう外部の 容器又は被包への記載の見直し等が行われ、2011年10月 14日付医薬食品局長通知として記載要領が改正され、1999 年8月12日付医薬安全局長通知は廃止された。また、承認基 準が制定されている一般用漢方製剤については、2011年10 月14日付薬食安発1014第7号・薬食審査発1014第8号に より添付文書等に記載する使用上の注意の内容が示され、

2013年3月27日付薬食安発0327第1号・薬食審査発 0327第1号通知により一部改正された。

一般用医薬品添加物の表示については、日本製薬団体連 合会の自主申し合わせ(1991年3月27日付日薬連発第 165号)、1991年6月3日 薬務局安全課事務連絡により、

医療用医薬品と同様の表示が求められていたが、さらに、2002 年3月13日付日薬連発第170号の自主申し合わせにより、

2004年3月31日までに添付文書に全成分表示を行い、外箱

(又はそれに代わるもの)にも自主記載指定成分を含む添加 物の名称を表示することになった。

当該自主申し合わせにより、日薬連発第165号は廃止、ま た、2002年4月9日付医薬安発第0409001号通知により、

1991年6月3日付薬務局安全課事務連絡も廃止された。

医薬品の添加物の表示に関する経緯は、1.4 医薬品添加 物の表示の項を参照のこと。

また、2014年11月25日施行の法改正により、添付文書等 記載事項については、医療医薬品と同様に、最新の論文等より

得られた知見に基づいて記載しなければならない。ただし、製品 に添付等する添付文書等記載事項についての特例が医療用 医薬品と同様に認められる(1. 医療用医薬品の添付文書を 参照)。

6.要指導医薬品の添付文書

要指導医薬品(第2章 3.2 医薬品の分類を参照)の添 付文書は、医療用医薬品の添付文書と同様に、最新の論文 等より得られた知見に基づいて記載すること、また、販売名並び に使用及び取扱い上の必要な注意について、製造販売開始時 及び変更の際には事前に届出し、直ちに機構ウェブサイトへの掲 載によって公表することが求められる(2014年8月6日付薬食 発0806第3号)。

届出方法については、所定の届出様式に添付文書等記載 事項(写)を添付して機構へ提出する(2014年9月1日付 薬食安発0901第01号)。

また、製品に添付する添付文書についての特例が医療用医 薬品と同様に認められる(1. 医療用医薬品の添付文書を参 照)。

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図 17 医療用医薬品 添付文書の構成とレイアウト

添付文書は、原則として前項「添付文書の記載項目及び順序」に沿って記載します。各項目の記載内容は、収集した情報を十分 検討して、できる限り全項目について記載するように努めていますが、記載すべき適切な情報がない場合には「項目名」を含めて省略し ます。また、レイアウトは作成の都合等で多少異なることもあります。

注)「警告」(右肩に赤カギ表示)がある場合

作成又は改訂年月(版数) 日本標準商品分類番号

貯法、取扱い上の注意等 薬効分類名

規制区分 販売名 承認番号

日本薬局方等の名称 薬価基準収載年月、販売開始年月

一般的名称 再審査・再評価結果の公表年月

欧文名 効能・効果の追加承認年月

特定生物由来製品に関する記載

警 告 高齢者への投与

禁 忌 妊婦、産婦、授乳婦等への投与

(原則禁忌) 小児等への投与

組成・性状 臨床検査結果に及ぼす影響

効能・効果 過量投与

効能・効果に関連する使用上の注意 適用上の注意

用法・用量 その他の注意

用法・用量に関連する使用上の注意 薬物動態

使用上の注意 臨床成績

慎重投与 薬効薬理

重要な基本的注意 有効成分に関する理化学的知見

相互作用 取扱い上の注意

併用禁忌 承認条件

併用注意 包 装

副作用 主要文献及び文献請求先

重大な副作用 投薬期間制限医薬品に関する情報

その他の副作用 製造販売業者の氏名又は名称及び住所

(日本製薬工業協会・医薬品評価委員会・PMS部会) 注) 部:使用上の注意事項

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図 18

添付文書改訂業務の標準処理手順(その1)

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図 19 添付文書改訂業務の標準処理手順(その2)

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