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Hawking 輻射と gravitational anomaly

ドキュメント内 Kaluza-Klein (ページ 36-39)

第 3 章 Hawking 輻射 23

3.3 gravitational anomaly の方法

3.3.1 Hawking 輻射と gravitational anomaly

この節ではgravitational anomalyの方法[10, 11]のレビューを行う。

次の形の計量を考えよう。

ds2=−f(r)dt2+ 1

f(r)dr2+r2dΩ2D−2 . (3.3.1) ホライズンの位置をr = rH としよう。そこではf(rH) = 0となる。surface gravityは式 (2.1.42)より、κ=f0(rH)/2と書かれる。まず、この時空上のスカラー場はホライズン近傍 で2次元の理論に帰着できることを示そう。スカラー場の作用は

S[ϕ] =1 2

Z

dDx√

−g ϕ∇2ϕ

=1 2

Z

dDx rD−2 γϕ

µ

1

f∂t2+ 1

rD−2rrD−2f ∂r+ 1 r2

ϕ ,

(3.3.2)

である。ここでγdΩ2D−2 のdeterminant2の角度微分の項である。ここで、

r→rH の極限をとってdominant termだけを残すと S[ϕ] =rHD−2

2 Z

dDx√ γ ϕ

µ

1

f∂t2+rf ∂r

ϕ

=X

n

rHD−2 2

Z

dtdr ϕn µ

1

f∂t2+rf ∂r

ϕn

(3.3.3)

となる。2行目においてϕを(D2)次元球面調和関数で展開した。この作用は ds2 =−f(r)dt2+ 1

f(r)dr2 . (3.3.4)

上の無限個のスカラー場の作用の足し上げになっている。このようにして、D次元ブラック ホール時空上のスカラー場の理論が2次元の理論に帰着できることが分かった。

この2次元の観点で、ブラックホールホライズンを時空の境界と考えよう。ホライズン近

傍のingoing modeはホライズンの外側のスカラー場のダイナミクスに影響を与えないので、

ホライズンの外側だけの理論を考えるとすればこのingoing modeは無視して良いだろう。

この片方向に走る粒子しか存在しない理論をカイラルな理論という。ホライズンの外側の領 域を二つに分けよう。rH ≤r≤rH+²を理論がカイラルな領域、rH+²≤rをカイラルでな い領域とする。最終的には²→0とする。2次元のカイラルな理論においてはgravitational

anomalyが存在することが知られており、そのアノマリー方程式は[14, 15, 16]

µTµν = 1 96π

−g²βδδαΓανβ , (3.3.5) で与えられる。ここで²01= +1である。AνNµν を次のように定義しよう。

µTµν ≡Aν 1

√−g∂µNµν . (3.3.6)

rH +²≤rの領域では、Aν =Nµν = 0であるが、rH ≤r≤rH +²の領域では、

Ntt=Nrr= 0 , Nrt= 1

192π(f02+f00f) , Ntr = 1

192πf2(f02−f00f),

(3.3.7)

At= 1

192π(f02+f00f)0 ,

Ar= 0 , (3.3.8)

となる。ここで0 ≡∂rである。スカラー場を経路積分して得られるeective action W[gµν] =−iln

µZ

Dφ eiS[φ, gµν]

(3.3.9) である。ここでS[φ, gµν]は古典作用である。無限小一般座標変換

xµ−→xµ−λµ (3.3.10)

をeective actionに行うと、

−δλW = Z

d2x√

−g λνµ{T(H)µνH(r) +T(o)µνΘ+(r)}

= Z

d2x λt{∂r(NrtH) + (T(o)rt−T(H)rt+Nrt)δ(r−rH −²)}

+ Z

d2x λr(T(o)rr−T(H)rr)δ(r−rH−²) ,

(3.3.11)

となる。ここでΘ+(r) = Θ(r−rH −²),H(r) = 1−Θ+(r)である。添え字のHoはそ れぞれrH ≤r ≤rH +²,rH +²≤rでの値であることを表している。上の最終表式を得る ためにT(o)µνは保存し、T(H)µνはアノマリー方程式(3.3.5)に従うことを用いた。T(H)µνT(o)µν が時間に依らないことを考慮に入れると式(3.3.6)は積分できてしまって、

Ttt=−K+Q

f −B(r)

f −I(r)

f +Tαα(r) , Trr = K+Q

f +B(r)

f + I(r) f , Trt=−K+C(r) =−f2Ttr ,

(3.3.12)

となる[17]。ここでTT(H)もしくはT(o)を表している。また、

C(r)≡ Z r

rH

At(r0)dr0 , B(r)≡

Z r

rH

f(r0)Ar(r0)dr0 , I(r)≡ 1

2 Z r

rH

Tαα(r0)f0(r0)dr0 ,

(3.3.13)

でありKQは積分定数である。この定数をrH ≤r≤rH +²ではKH, QHrH +²≤r ではKo, Qoと表すことにする。式(3.3.8)からB(r) = 0である。さらにr →rH,の極限で は、C(r)→0,I(r)/f 12Tαα(rH)となるので式(3.3.12)はこの極限で

Ttt=−K+Q f +1

2Tαα(r) , Trr = K+Q

f +1

2Tαα(r) , Trt=−K=−f2Ttr .

(3.3.14)

となる。4つの定数KH,Ko,QH,Qoはgravitational anomalyが消えるという条件から決 める。式(3.3.14)を式(3.3.11)代入して²→0の極限をとると

−δλW = Z

d2x λt{∂r(NrtH) + (−KH+Ko+Nrt)δ(r−rH)}

+ Z

d2x λrKH+QH−Ko−Qo

f δ(r−rH) .

(3.3.15)

が得られる。一般座標変換不変性を保つためには、上の変分は消えなければならない。第1 項目はδ関数の項によって消すことはできないので、ingoing modeの量子効果で消えてい るはずである。よって第1項目は無視しよう。第2項目と3項目が消えるという条件から

Ko =KHΦ,

Qo =QH + Φ, (3.3.16)

が得られる。ここで

Φ f02 192π

¯¯

¯¯

¯r=rH

= κ2

48π . (3.3.17)

である。Hawking uxを決定するためにはKH を決めなければならない。そのために[11]

で提案された境界条件を用いる。covariant energy momentum tensorT˜µνを導入しよう。そ れは次のcovariant anomaly equationを満たすものとして定義される。

µT˜νµ= 1 96π

−g²µνµR . (3.3.18)

境界条件はdieomorphism invariantであるべきなので、このcovariant anomalous energy momentum tensorT˜(Hµν)に境界条件を課そう。その境界条件は

T˜(H)rt=T(H)rt 1

192π(f f002f02) = 0 . (3.3.19) である。ここからKH = 2Φが得られ

T(o)rt=−Φ. (3.3.20)

となる。ここからΦがHawking輻射のuxであることが分かる。一方、2次元時空における 黒体輻射のuxΦ = 12πT2である。これと式(3.3.17)を比較すると正しいHawking温度

T = κ

2π (3.3.21)

が得られる。この手法をより現実的な回転するブラックホールに拡張することは重要である。

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