Preparatory mixing Polyol Bulking agent Additive agent
3.2 スクロースを導入したポリウレタンエラストマーの構造および物性
3.2.1 FTIR
PUE-PTMG-S1-5
のFTIR
スペクトルをFigure 1
に示す。これらのスペクトルに より,得られたPUE
の重付加反応の終了を確認した。いずれのPUE
にもNCO
基 に由来する2265 cm
−1のピークは確認されなかった。PUE-PTMG-S5 のFTIR
スペ クトルはウレタン基由来のN-H
伸縮振動3300 cm
−1,種々の-CH2-の特性吸収帯 2940–2794 cm
−1,ウレタン基由来のC=O
伸縮振動1725 cm
−1,C=O伸縮振動1705 cm
−1,ウレア基由来のC=O
伸縮振動1647 cm
−1,ベンゼンのC=C
伸縮振動1598 cm
−1, アミドⅡ (C-N伸縮振動およびN-H
の変角振動) 1530 cm−1,アミドⅡ (C-N伸縮振 動およびN-H
の変角振動) 1511 cm−1,ベンゼンのC=C
伸縮振動1413 cm
−1,C-H
の 変角振動1365 cm
−1,アミドⅢ (C-N伸縮振動およびN-H
の変角振動)1219 cm−1,ス クロースおよびポリオールの-C-O-C-
の伸縮振動1093 cm
−1に吸収帯を確認した。また,導入量が増加するにつれて
N-H
伸縮振動が高周波側にシフトし,ウレタン 基由来のC=O
伸縮振動が低周波側にシフトした。スクロースの残存OH
基が増加 する高い導入量において,C=O 基とOH
基との水素結合は増加するのに対して,NH
の水素結合は緩和されることが考えられる。3.2.2 NMR
1
H NMR
および13C NMR
スペクトルにより,合成されたPUE
中のスクロースの存在を確認した。これらの結果から,スクロースが架橋剤として
PU
主鎖と結合し たことが示唆される。PUE-PTMG-S1
の1H NMR
スペクトル (Figure 2); δ8.54 (CO-NH), 7.34 and 7.08(-C
6H
4-), 4.05 (O-CH
2), 3.78 (-C
6H
4-CH
2-C
6H
4-), 3.31 (O-CH
2-CH
2-) and 1.49
(-CH2-CH2-, -CH(R)-).
36
PUE-PTMG-S1 PUE-PTMG-S2
PUE-PTMG-S3 PUE-PTMG-S4 PUE-PTMG-S5
PUE-PTMG 5001000150020002500300035004000 Wave number (cm−1)5001000150020002500300035004000 Wave number (cm−1)
3291
3288 3291
2933-2788 2930-2791 2930-2791
1736 17081652 1597
1527 1097
1736 1708 1652 1597
1527 1097
1733 17111644 1600
1533 1111 3300 2940-2794
1725 17081647 1597
1530 1093
3300 2933-2783
1733 17001652 1597
1527 1097
3291 2933-2783
1736 17081652 1597
1527 1097 Figure 1. FTIR (ATR method) spectra of PUE-PTMG-S1-5.
37
Figure 2. 1H NMR spectrum of PUE-PTMG-S1.
012345678910
δ7.34 δ8.55
δ7.08 δ4.05δ3.78
δ3.31 δ1.48
DMSO-d6 TMS (ppm)
38
PUE-PTMG-S1
の 13C NMR
スペクトル(Figure 3); δ129 (C=C), 118 (C=C), 70(O-CH
2), and 26 (CH
2).
3.2.3
化学的性質得られた
PUE
の溶解度試験の結果をTable 1
に示す。室温(23 ± 2 °C)
にて24
時間放置したが,いずれの溶媒にも得られたPUE
は不溶であった。しかし,ベン ゼン,DMF,DMSOに対しては試験片の膨潤が確認された。THFに対してはスク ロースを導入しないPUE
は膨潤したのに対して,スクロースを導入したPUE
はほ とんど膨潤しなかった。ヘキサンに対してはいずれのPUE
も膨潤しなかった。ま た,100 ºCに加熱したDMF
およびDMSO
にはいずれのPUE
も溶解が確認され,スクロースを導入しない
PUE
は完全に溶解した。このことから,スクロースの架 橋効果によるポリマーネットワークの形成が示唆される [1]。得られた
PUE
の膨潤試験の結果をTable 2
示す。いずれのポリオール(PTMG
,PCL
,PCD)
を用いた場合でも,低濃度でスクロースを導入したPUE
はスクロースを導入しない
PUE
と比較して大きく膨潤するのに対して,導入量が増加すると ともに低い膨潤率を示すようになる。これはスクロースを低濃度で導入した場合 のPUE
はスクロースを添加した事により分子配列が崩され相分離が生じ,分子間 の自由体積が増加 (過疎化効果) したことに起因すると考えられる。またスクロー スの導入量の増加に伴い膨潤率が低下したのは,スクロースの導入量の増加に伴 いスクロースを起点としたポリマーネットワークが生じ,分子間に緻密化が生じ(架橋密度の増加),相混合化が起こることによると考えられる [1]。
ドキュメント内
主鎖に植物由来成分を導入したポリウレタンの研究
(ページ 40-43)