Preparatory mixing Polyol Bulking agent Additive agent
3.3 トレハロースを導入したポリウレタンエラストマーの構造および物性
3.3.7 トレハロースを導入したポリウレタンエラストマーの高次構造
67
が存在し,
PUE-PCL-T1-2
はエラストマーとしての性質と樹脂に似た性質との双方 を持っていることが考えらえる。DSC
およびDMA
のいずれの結果からも,スクロースと非常に類似した結果が 得られたことから,スクロースおよびトレハロースの双方がPUE
のミクロブラウ ン運動の変化あるいは架橋間分子量の増減などの分子鎖運動性に関連する現象の 多くに,類似した影響を与えることが示唆される。68
Figure 19. Atomic force microscopy images of polyurethane elastomer without trehalose
(PUE-PTMG) and polyurethane elastomer containing trehalose (PUE-PTMG-T5).
(a) and (b) : two dimensions; (A) and (B): three dimensions.
PUE-PTMG
PUE-PTMG-T5
( A )
( B ) ( b )
200 400 800
800 200
400
600
600 1000
0
0
( a )
200 400 600 800
800 200
400
600
1000 0
0
69
することができる。また,
4
位に置換する2
級アルコールも6
位の1
級アルコール の活性化自由エネルギーと比較して大きな差がないことから,高い反応性をもつ と推測でき,5
位に置換する2
級アルコールはこれらの水酸基と比較すると若干活 性化自由エネルギーは高くなる[3]
。実際にモデル実験として,トレハロースとイソシアナートとしてフェニルイソ シアナートとを用いウレタン化反応を行った。トレハロースの1
H NMR (Figure 20)
およびトレハロースとフェニルイソシアナートのモル比を1:8
とし,時間の経過に よる変化を1HNMR (Figure 21)
により測定した。トレハロースの
1
級および2
級合わせて八つの水酸基は,トレハロースの添加12
分後に,全ての水酸基はNCO
基と反応することが明らかになった。故に,今回 のNCO
基の過剰な条件での反応では八つの全ての水酸基が反応していると考えら れる。この結果はスクロースの結果とほぼ同様な結果となった。トレハロースの持つ水酸基の反応性および解析された性質から,予測される高
次構造を
Figure 22
に示す。I
の構造は比較的反応性の高い六つの水酸基により架橋された分子モデルであり,イソシアネートが過剰となる低濃度での導入率にお いて多くの割合を占める構造であると考えられる。そのためスクロースを導入し た場合と同様に,トレハロースの低濃度での導入量において,長い分子鎖を一点 のみで束ねた構造が形成され,架橋点を中心に自由体積が増加すると考えらえる。
II
の構造は最も優位的に反応する四つの水酸基のみにより架橋された分子モデル であり,水酸基が多くなる高濃度での導入率において,多くの割合を占める構造 であると考えられる。IIIの構造は最も反応性の高くなる二つの1
級アルコールの みと反応した分子モデルであり,高濃度での導入率のPUE
にのみ部分的に存在す ると考えられる。このように,高濃度での導入率においては余剰の水酸基が分子 鎖同士を水素結合により緻密化させると推測される。70
2.02.53.03.54.04.55.05.5
DMSO-d6 H2O
D E Figure 20. 1H NMR spectrum of Trehalose.
A
A A BB
B
C CC
D
D E E (ppm)
71
4.04.24.44.64.85.05.25.45.65.86.0 (ppm) Figure 21. 1H NMR spectra of reactive progress (Trehalose+ Phenyl isocyanate).
3min 6min 12min 24min 48min
sucrose
T reha lo se + PhNCO
72
Figure 22. Possible interpenetrating polymer networks in PUEs containing trehalose.
I II III : tr eha lo se
73