8. 解析結果
8.2. FM Tokyo(80.0MHz)での解析結果
8.2.節では、見通し内 VHF 帯放送波である FM Tokyo における伝搬異常と地震の関連性 解析についての考察を行う。本稿の解析で用いた解析条件を以下に列記する。
解析期間
・深層学習:2012 年 4 月 23 日~2015 年 12 月 31 日
・伝搬異常異常検出:2016 年 1 月 1 日~2017 年 12 月 31 日
放送波
・FM Tokyo(周波数:80.0MHz)
送受信点
・送信点:東京タワー (北緯 35 度 39 分 31 秒、東経 139 度 44 分 44 秒)
・受信点:群馬大学桐生キャンパス(北緯 36 度 25 分 26 秒、東経 139 度 20 分 58 秒)
σ法伝搬異常検出条件
・閾値:2.5σ
・伝搬異常継続時間:15[min]
深層学習パラメータ
・エポック数:5000
・中間層数:4 層
・中間層ユニット数:300
・ミニバッチサイズ:216
・シーケンス長:500
地震パラメータ
・マグニチュード:M ≥ 4.0
・伝搬路から震央までの距離:L ≤ 100[km]
・震源の深さ:D ≤ 50[km]
上記の条件のもと 3~4 章で記述した伝搬異常期間の特定と伝搬異常の特徴の違いを学 習する深層学習を行った。以下の図 8.3.に FM Tokyo のデータを用いて行った深層学習に おける学習損失の推移を示す。
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図 8.3.より、FM Tokyo のデータを用いた深層学習においてもエポック数が増加するご とに学習損失が減少していることが見て取れる。また、減少の傾向としては図 8.1.の推移 と比べて乱れが大きいが、学習損失の値としては同程度まで減少しているため、伝搬異常 検出を行う上では問題無いと言える。
上記の深層学習における学習結果を用いて、伝搬異常の検出を行う。その後、検出した 伝搬異常と地震の関連性について各評価値を用いて評価を行った。本稿の伝搬異常検出法 (RNN method)の解析結果と従来法である 3σ法(3σmethod)の解析結果の比較を表 8.2.
に示す。
図 8.3. FM Tokyo での学習損失の推移
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表 8.2. RNN method と 3σmethod の解析結果比較
RNN method 3σmethod
放送波 FM Tokyo(80.0MHz)
解析期間 2016 年 1 月 1 日~2017 年 12 月 31 日
総解析日数 721.92 [days]
関連付け時間長 5 [days]
総警報時間 2415.25 [hour] 7476.87 [hour]
地震と関連した
総警報時間 606.58 [hour] 1475.53 [hour]
地震総数 27
伝搬異常と関連した
地震総数 7 16
警報分率 0.139 0.432
適中率 0.251 0.197
予知率 0.259 0.593
F 値 0.26 0.30
確率利得 1.86 1.37
表 8.2.より、適中率、確率利得の 2 つの評価値において本稿の伝搬異常検出手法が従来 法を超える値を得られていることが分かる。また、予知率、F 値の値の減少については NHK FM Tokyo における解析結果と同様に警報分率が従来法のほうが非常に高いことから 予知率が増加し、それに伴って F 値の値も増加したと考えられる。
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ここで、FM Tokyo の解析結果でも本稿の伝搬異常検出による警報時間と地震発生時刻 の時系列関係について考察していく。以下の図 8.4.に警報時間と地震発生時刻の時系列関 係を示した。
図 8.4.より、NHK FM Tokyo における解析でも多くの警報時間内で地震の発生を確認す ることができる。このことから、FM Tokyo における解析においても複数の“地震を伴う伝 搬異常”を検出することができたと言える。
(a) 2016 年 1 月 1 日~2016 年 12 月 31 日
(b) 2017 年 1 月 1 日~2017 日 12 月 31 日 図 8.4. 警報時間と地震発生の時間関係(FM Tokyo)
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