今後の課題としては、VHF 帯放送波データの他に強風やラジオダクトなどの電波伝搬に 影響与える気象現象のデータを学習データとして加えることや少ない学習データ数でも高 い精度の深層学習を行うための学習手法の改良が挙げられる。本稿の深層学習には、VHF 帯放送波のデータしか用いておらず、学習に用いることができる伝搬異常数も少数である ため、精度の高い深層学習を行うためのデータ数としては不十分である。RNN には、複 数の時系列データの特徴を統合的に掴みデータを分類する学習方法も存在する。このこと から、VHF 帯放送波データと気象現象のデータを並列に RNN に入力することにより、よ り多くの特徴量を統合的に考慮した“地震を伴う伝搬異常”の検出が行えると考えられる。
また、本稿で深層学習に用いることができる伝搬異常データは、自然現象であるため人 為的にデータ数増やすことができない。そのため、学習データ数の不足は避けることがで きない。8.5.節で述べた NHK FM Chiba の解析結果の問題に関しても、学習データ数の不 足によって人工知能が伝搬異常とデータの乱れを区別できなかったことも原因の一つとし て考えられる。以上のことから、少ない学習データからでも高精度の深層学習を行うため の、学習手法の改良も必要であると考える。
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謝辞
本研究を進めるにあたり多くの助言、ご指導頂いた本島邦行教授、研究室の方々に厚く 御礼申し上げます。並びに、修士学位論文の主査を務めて頂いた山越芳樹教授及び副査を 務めていただいた弓仲康史准教授に厚く御礼申し上げます。
また、本研究で扱っている地震データは、気象庁から拝借していることを付記し、関係 者各位に心より感謝致します。
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参考文献
(1) 早川正士, “地震電磁気現象の計測技術と研究動向,” 信学論(B), vol. J89-B, no. 7, pp. 1036–1045, 2006.
(2) Hayakawa M., O.A. Molchanov, T. Ondoh, and E. Kawai,“The precursory signature effort of the Kobe earthquake on VLF subionospheric signals,”J. Comm. Res. Lab., Tokyo, vol. 43, no. 2, pp. 169–180, 1996.
(3) Molchanov O. A., and M. Hayakawa, “Subionospheric VLF signal perturbations possibly related to earthquakes,” J. Geophys. Res., vol. 103, no. A8, pp. 17489–17504, 1998.
(4) Yonaiguchi N., Y. Ida, and M. Hayakawa, “On the statistical correlation of over-horizon VHF signals with meteorological radio ducting and seismicity,” J. Atmos. Solar-terr.
Phys., vol. 69, pp. 661–674, 2007.
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(8) 谷川 廣祐, 羽賀望, 本島邦行, “見通し内 VHF 帯放送波の伝搬異常と地震及び地表面 平均風速の統計的関連性,” J. Atmos. Electr., vol. 37, no. 1, pp. 11–24, 2017.
(9) 本島研究室ホームページ, http://moto-lab.ei.st.gunma-u.ac.jp/
(10)新納浩幸『Chainer による実践深層学習』オーム社, 2016 年