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Enduring(END) ,Expanding(EXP)periods

ドキュメント内 第 1 部 序論 (ページ 51-56)

第 3 章 進化ゲーム理論およびネットワーク互恵に関する基礎

3.5 Enduring(END) ,Expanding(EXP)periods

先述のとおり,ネットワーク互恵に関する研究は世界各国で盛んに行われ,膨大な数 の論文報告がなされている.ネットワーク互恵による協調創発に寄与するものには,ネ ットワークトポロジー以外にも,戦略更新方法,戦略更新ダイナミクス(synchronous or asynchronous)などの要因が存在する.数多の研究報告は,各々独自の付加的枠組みや,

前提条件を用いて議論を行なっていることも多く,このような背景から,ネットワーク 互恵に関してはその効果を評価する統一的な指標が見当たらない状況であった.

そこで Shigaki らは,ネットワーク互恵の効果に関する統一的な評価指標として,進

化ゲームの過程において,Enduring(END)period と Expanding(EXP)period という2 つの期間を定義した[32].併せて,この 2 つの期間が果たすべき役割,そしてそれがど の 程 度達成 さ れ た か の 定量的指 標も 定 義 し た ( こ の 定量的指 標を そ れ ぞ れ ܧாே஽ ; Effectiveness In END,ܧா௑௉ ; Effectiveness In EXP と呼ぶこととする).

まず,Enduring(END)period と Expanding(EXP)period という 2つの期間につい て説明する.図 3-5 にその概念図を示す.Enduring(END)period とは,進化ゲームが 開始され,その初期段階で裏切り戦略からの侵襲に耐え忍いでる期間のことを指す.こ の間,協調率は低下し続けている.そして,この裏切り戦略からの侵襲に耐え抜いて,

形成された協調クラスターが増殖を開始すると,Expanding(EXP)period に移行する.

協調率はここで増加し始める.

次にこの 2 つの期間の果たすべき役割とその達成度の定量的指標について説明する.

まず,Enduring(END)periodにおいては,裏切り戦略からの侵襲に耐え抜き,きれいな 形の協調クラスターを残すことが果たすべき役割である.ここで「きれいな」というの は,凹凸が少ないということを意味する.凹凸がない協調クラスターの方が,容易に拡 張できることは明白である.Expanding(EXP)period で協調クラスターがスムーズに拡 張していく為には,Enduring(END)periodでいかにきれいな形の協調クラスターを残す

か,と

ラスタ形状)

ターのクラスタ形状値の平均であり,個々のクラスターのクラスタ形状 ように定義される.

ここで

は裏切りエージェントを指す)

ラスターで,

少ないクラスターであることが暗示される.

出する際,各

クラスターを拡張さ エピソード初期状態で をネットワーク中央に

前提条件によっては演繹にて結果を導き出すことも

ージェントが急速に Expanding

いく

〔出典〕

Springer Japan か,ということが重要 ラスタ形状)

ターのクラスタ形状値の平均であり,個々のクラスターのクラスタ形状 ように定義される.

ここで஼஼

は裏切りエージェントを指す)

ラスターで,

少ないクラスターであることが暗示される.

出する際,各 次にExpanding クラスターを拡張さ エピソード初期状態で をネットワーク中央に

前提条件によっては演繹にて結果を導き出すことも

図 3-5 END-ージェントが急速に Expanding(EXP いく.

〔出典〕Tanimoto, Jun Springer Japan

いうことが重要になってくる ラスタ形状)という特性値を使用する.

ターのクラスタ形状値の平均であり,個々のクラスターのクラスタ形状 ように定義される.

2஼஼ ஼஽

2஼஼ ஼஽

はC-Cリンク数(

は裏切りエージェントを指す)

ラスターで,C-Cリンクが

少ないクラスターであることが暗示される.

出する際,各はそれぞれのクラスターのサイズで正規化した後 Expanding(EXP)

クラスターを拡張させること エピソード初期状態で 3×

をネットワーク中央に1

前提条件によっては演繹にて結果を導き出すことも

-periodおよび

ージェントが急速に D エージェントになり少数の小さな EXP)-period:

Tanimoto, Jun; Fundamentals of Evolutionary Game Theory and its Applications Springer Japan, 2015, p86

になってくる.

という特性値を使用する.

ターのクラスタ形状値の平均であり,個々のクラスターのクラスタ形状

஼஽

஼஽

リンク数(Cは協調エージェントを指す)

は裏切りエージェントを指す)を表している.

リンクがC-Dリンクよりも多いと,

少ないクラスターであることが暗示される.

はそれぞれのクラスターのサイズで正規化した後

)periodにおいては,

ること果たすべき役割である.

×3の凹凸のない協調クラスター

1つだけ配置し,そのエピソードの均衡協調率 前提条件によっては演繹にて結果を導き出すことも

およびEXP-period

エージェントになり少数の小さな

:Cクラスタが拡大し始め

Fundamentals of Evolutionary Game Theory and its Applications , 2015, p86

50

.そして,ாே஽

という特性値を使用する.これはネットワーク内に存在する個々のクラス ターのクラスタ形状値の平均であり,個々のクラスターのクラスタ形状

は協調エージェントを指す)

を表している.

リンクよりも多いと,

少ないクラスターであることが暗示される.その逆であれば はそれぞれのクラスターのサイズで正規化した後

においては,Enduring 果たすべき役割である.

の凹凸のない協調クラスター

つだけ配置し,そのエピソードの均衡協調率 前提条件によっては演繹にて結果を導き出すことも

periodの概念図

エージェントになり少数の小さな クラスタが拡大し始め

Fundamentals of Evolutionary Game Theory and its Applications

ாே஽ ; Effectiveness

ネットワーク内に存在する個々のクラス ターのクラスタ形状値の平均であり,個々のクラスターのクラスタ形状

は協調エージェントを指す)

は1, 1 リンクよりも多いと,

その逆であれば はそれぞれのクラスターのサイズで正規化した後

Enduring(END 果たすべき役割である. ா௑௉ ; の凹凸のない協調クラスター(

つだけ配置し,そのエピソードの均衡協調率 前提条件によっては演繹にて結果を導き出すことも可能である

の概念図.Enduring(

エージェントになり少数の小さな クラスタが拡大し始め,境界の

Fundamentals of Evolutionary Game Theory and its Applications Effectiveness In END

ネットワーク内に存在する個々のクラス ターのクラスタ形状値の平均であり,個々のクラスターのクラスタ形状

は協調エージェントを指す),஼஽ はC 1の範囲をとる.

> 0 を示す.すなわち凹凸の

その逆であれば < 0 を示す.

はそれぞれのクラスターのサイズで正規化した後,平均化する

END)periodで形成された

Effectiveness

(perfect C-Cluster つだけ配置し,そのエピソードの均衡協調率を用いる.

可能である.(6.3章

(END)-period

エージェントになり少数の小さな C クラスタが形成される 境界のDエージェントを

Fundamentals of Evolutionary Game Theory and its Applications として,SH ネットワーク内に存在する個々のクラス ターのクラスタ形状値の平均であり,個々のクラスターのクラスタ形状 は以下の

C-Dリンク数(

の範囲をとる.密集したク す.すなわち凹凸の

を示す.SHC

,平均化する.

で形成された Effectiveness In EXP として

Clusterとも呼ぶ)

を用いる.なお,

章参照)

period:初期の クラスタが形成される エージェントをC化して

Fundamentals of Evolutionary Game Theory and its Applications SHC (ク ネットワーク内に存在する個々のクラス 以下の

(3-33)

リンク数(D 密集したク す.すなわち凹凸の

C を算

. で形成された協調

として,

とも呼ぶ)

なお,

:初期のCエ クラスタが形成される.

化して

Fundamentals of Evolutionary Game Theory and its Applications,

51

これらの指標を用いて,実験を行った結果の1例を図 3-6に示す.これはネットワー ク互恵に関するいくつかの代表的な協調エンハンスモデル[23]-[31]を適用して実験を行 った結果をܧாே஽ ; Effectiveness In END,ܧா௑௉ ; Effectiveness In EXP を用いてグラフ化して いる.なおここでは上述した指標によるネットワーク互恵の包括的評価の有効性を紹介 することが主眼であるため,各々の協調エンハンスモデルの説明ならびに実験条件の記 載は割愛する.横軸がܧாே஽,縦軸がܧா௑௉ を表している.グラフ中の丸印が,各々の協 調エンハンスモデルのܧாே஽,ܧா௑௉ をプロットしたものである.その際,各エンハンス モデルの評価の基準となるデフォルトモデルのܧாே஽,ܧா௑௉が原点にプロットされるよう,

軸目盛を調整している.丸印の大きさは,各エンハンスモデルの PD領域での Donor &

Recipientサブゲームクラスにおける平均均衡協調率を示している.なお,このグラフに

おいてܧாே஽ሺ=ܵܪሻは,ሾ−1, 1ሿ→ሾ0, 1ሿに変換してプロットしている.

図 3-6 ܧாே஽ , ܧா௑௉ を用いたネットワーク互恵の包括的評価の例

〔出典〕Tanimoto, Jun; Fundamentals of Evolutionary Game Theory and its Applications, Springer Japan, 2015, p133

デフォルトモデルを原点にプロットしてあるので,各エンハンスモデルがデフォルトモ デルに比して,優れているのか劣っているのか,そしてそれは Enduring(END)period だけなのか,Expanding(EXP)period だけなのか,それとも両方なのか,ひいてはどち

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.2 0.4 0.6

Effectiveness on EXP (EEXP)

Effectiveness on END (EEND)

Default Enlarging LN Enlarging IN Time-lag;τ=1 Cumulative payoff Selecting game opponent Payoff noise

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Cooperation fraction

Dg(= Dr) Average

52

らの期間を強化すればより優れたエンハンスモデルになるのか,といった検証が図 3-6 を見れば一目瞭然であることが分かる.

Expanding(EXP)period,Expanding(EXP)periodの2つの期間の定義は,ネットワ

ーク互恵の付加的枠組みを用いたエンハンスモデルの検証には非常に有効であり,本論 文でも頻繁に使用している.

参考文献

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