(B 国)
2. EPA 特定原産地証明書への対応
(1)一般原産地証明書と特定原産地証明書との比較
一般証明 特定原産地証明
発給機関 各地商工会議所 日本商工会議所
目 的 特恵関税以外の全ての目的 協定相手国での特恵関税適用 申 請 者 会員、非会員 日本に存する事業者
申請方法 窓口での書面申請 インターネットでの電子申請
手続の流れ
①事業者登録(各地会議所)
②専用紙での書面申請
③審 査
④手数料と引換えの交付
①事業者登録(日商)
②原産判定の電子申請
③原産判定審査
④発給申請
⑤発給審査
⑥(手数料と引換えに)交付(窓口) 手数料額 発給機関が独自に設定 日商から政府に申請(認可) 対 象 国 全世界 経済連携協定締結国のみ
(2)特定原産地証明書とは
○経済連携協定(EPA)に基づく、締結国で生産される産品の原産国を証明する協定(条約)により 定められた公文書
○特定原産地証明書の効力:締結国での特恵税率の付与(関税の減免)
○商工会議所が特定原産地証明書を発給する権限と意義
・日本商工会議所が指定発給機関(経済産業大臣より受託)
・全国21商工会議所が日商事務所として発給業務を担当
(3)特定原産地証明書が求められる理由
○輸入者から、特定原産地証明書を添付して輸出するよう求められるケースが大半です。
*輸入関税が減免されるためです。
(注)特定原産地証明書の英文名称が“Certificate of Origin”で一般証明書と同じため、EPAの
認識に乏しい輸出者が混同して、誤って一般証明を申請するケースが多く見られます。
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【参考】
○EPA一覧
状態 地域 国名・地域名(括弧内は発効年)
発効済み
(13協定)
アジア
シンガポール(2002年)
マレーシア(2006年)、タイ(2007年)
インドネシア(2008年)、ブルネイ(2008年)
ASEAN包括(2008年)、フィリピン(2008年)
ベトナム(2009年)、インド(2011年)
中南米 メキシコ(2005年)、チリ(2007年)、ペルー(2012年)
欧 州 スイス(2009年)
交渉中 韓国、豪州、GCC(湾岸諸国)、モンゴル、カナダ、コロンビア
TPP、日中韓、EU(欧州連合)、RCEP
共同研究 トルコ
○広域連携構想(日本が関係するもの)
名 称 略称 構成国
日中韓FTA 日本、中国、韓国
東アジア地域包括的経済連携 RCEP ASEAN10か国+日中韓+インド、
豪州、NZ(計16カ国)
環太平洋パートナーシップ協定 TPP
シンガポール、ブルネイ、NZ、チリ、
米国、豪州、ペルー、メキシコ、カナダ、
日本(計12カ国)
日-EU EPA EU28カ国と日本
○その他の特恵原産地証明書
GSP(一般特恵):Form A
途上国からの輸入品に対する特恵税率を適用するための証明書
Form D:アセアン域内での自由貿易協定(AFTA)による特恵関税率適用のための原産
地証明書
Form E:中国ASEANのFTA(2010年1月より実質発効)のための
原産地証明書(特恵用)
<参考>日ASEANはForm AJ、韓ASEANはForm AK
Form Bは非特恵原産地証明書を意味するとされるが、その表示を用いているのはインド
ネシアなど限定的。
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3. 商工会議所が輸出主体となる場合の原産地証明書の発給について
(1) 近年の中小企業輸出振興策(「Japanブランド」など)を背景に、商工会議所が地域中小 企業を束ねて海外の展示会に出展し、その展示品の国外持ち出しに原産地証明書が必 要となる事例が多く見られます。
(2) こうした事例では、次の対応が有効です。
① 国外持ち出し品を、展示後に持ち帰る産品(A)と、現地で配布(消費)する産品(B)
に分類します。
②産品Aは、「ATAカルネ」を取得すれば、展示国での通関および日本での通関が無税 で行えます。
③産品Bは、展示主体である商工会議所が、自会議所のレターヘッドを用いて、原産地 証明を自己宣誓方式で行い、代表者が署名します。
(近隣含め他の商工会議所に依存する必要はありません。)
【参考】ATAカルネについて
「物品の一時輸入のための通関手帳に関する条約」に基づき、展示会への出品物、商品見 本、職業用具等を外国へ一時的に持ち込む場合、その国の税関で免税扱いの一時輸入通関 が手軽にできる通関手帳です。(現地で消費、消耗される物品は対象外です。)
日本商事仲裁協会で発行しています。(郵送申請可能)
利用する場合は、事例のケースでは、展示主体である商工会議所が申請して ATAカルネ を取得します。
詳細は;http://www.jcaa.or.jp/carnet-j/1.html
4. 多国産の原産地証明書(混載)の取扱いについて
(1) 複数の国の産品を纏めて輸出するケースです。外国原産地証明で対応し、輸出品に日本原産 品を含む否かには影響されません。
(2) この場合の留意点は、原産地証明書第4欄に、該当する国名を全て記載することです。
<例外> ①日本産品だけを証明する場合は、日本原産地証明で対応します。
② (日本産以外の)全ての外国産品を、外国原産地証明とする場合は、該当する 全ての外国名を表記します。
<対応不可>
複数の外国産品の一部産品(一部原産国)のみを証明したいとの要請は受け入れられません。
(理由)上記のような区分けに合理的な理由は想定し難く、発給商工会議所として責任を負 えないため。
(3) 外国原産の根拠資料が多量で情報量が非常に多い場合、各情報のチェックと整合性の確認に 手間取るのが実情です。しかしながら、そのチェック内容は、外国産品の日本への輸入時 に遡り、国内での流通経路を確認し、輸入数量以上に日本からの輸出数量が計上されてな いかの数量確認に留まります。
(4) 外国原産に係るチェックがあまりに膨大な作業となる場合、申請者に事業所登録時の包括的 な誓約書以外に個別の誓約書等を別途提出を求めて、審査を簡易化することも一案です。
<理由>輸出品が国内に存するため、日本原産地証明と同様に、必要な場合、輸出品の立入り 検査が可能だからです。(参考)http://www.osaka.cci.or.jp/boeki/step2.html
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5. 輸出後の原産地証明書の発行要請への対応について
(1) 輸出産品が既に通関され、輸出先国の内国貨物になっているにも拘らず、原産地証明書 の発行を求める事例が、近時、多数発生しています。特に、中国向け輸出に多く見られ ます。
(2) 中国経済の減速等を背景に、売れ残りの輸入品を転売する際、日本産であることの「プ レミアム」を求めての輸入元からの要請が中心と推測されます。
(3) 一旦、外国の内国貨物となった産品に対して、原産性が不変であり、引続き日本産品で あるとの証明を行うことはリスクが大きすぎます。
(4) また、当該要求は取引上の便宜から生じたものであり、輸入国政府が関与するような公 的な制約に基づくものではないと推測されます。
(5) <結論>この場合の対応は、原産地証明書ではなく、輸出者自己宣誓文(輸出品は日本 産である)に対して、サイン証明を行うことで充分と考えられます。
但し、サイン証明の問題点等は、本ガイダンス4-4「サイン証明」(24 頁)で確認して おいて下さい。
6. 自由販売証明書(Free Sales Certificate)
(1) 目 的:輸出産品が、日本の国内市場で規制を受けずに流通する事実を証明する書類です。
(2) 需 要:中国などへの輸出の際に要請されるケースなど。
(理由)輸入国内で規制等がある場合に、日本での無条件の内国販売を根拠として、輸入国内 での流通の認可を求めるような産品などに要求されます。
(3) 証明書:種別=サイン証明書(輸出者の自己宣誓文)<記載内容を証明しません。>
(4) 留意点:
A) 輸出企業のレターヘッドを用いて、英文で表記していること(中国語、日本語は不可)。 B) 宛先がある場合、海外の機関名(企業、政府など)であること。
(注) “To whom it may concern”の表記は可。
英文表記であっても、日本企業向けは不可(国内対応のため)
7. 衛生証明(Health Certificate)
(1) 目 的:輸出産品(食品、飲料ほか)が、衛生上、無害であることを証明する書類です。
(2) 需 要:中国などへの輸出に要請されるケースなど。(理由は上記2.(2)に類似)
(3) 証明書:種別=サイン証明書(輸出者の自己宣誓文)<記載内容を証明しません。>
(4) 留意点:
A)原則として、輸出企業のレターヘッドを用いて、英文で表記していること。(中国語、日
本語の表記は不可)
B) 宛先がある場合、海外の機関名(企業、政府など)であること。
(注) “To whom it may concern”の表記は可。
英文表記であっても、日本企業向けは不可(国内対応のため)
37 8.ワシントン条約への対応
(1) ワシントン条約(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」)で定めら
れた「種(附属書Ⅱ)」を日本から再輸出する場合、同種(動植物)名に以下の情報の記載 が求められます。
① 原産国
② Source Code(区分)
③ Purpose Code(目的)
(2)詳細は、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部まで 9.中国ネジ問題
(1) 2009年の年末に発生した問題で、現在も継続していると思われる問題です。
(2) 欧州連合(EU)が、中国産の履物が、欧州向けにダンピング輸出されたとの懸念から、WTO
に提訴したことを契機に、中国が、欧州産の金属製品(ネジなど)に報復関税を課したこと に端を発します。
(3) 日本から中国への金属製品の輸出に際して、日本産である主旨の原産地証明書を添付しない 場合に、欧州産とみなして関税を賦課するというものです。
(4) 従来、原産地証明書の提出が必要でなかったため、日本の輸出者は大変混乱しました。特に、
通関が進まず、金属製品が税関で留めおかれたために、中国内の向上に部品が届かず、向上 の生産が停止す事態に陥ったことが問題でした。
(5) 既に3年近くが経過した問題ですが、本件に関しての相談があれば、日本原産地証明書の取 得をアドバイスして下さい。通常の原産地証明書で問題なく、発給に際して特に配慮を要す る事柄はありません。