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長 官

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② DHQ の活動内容

DHQ は以下の活動を通じて、 EPO 内の調和、 品質保証の機能を果たしている。

・ランダムサンプリングされた審査結果に対するレビューの実施

・審判部( DG 3 )の審決の研究による DG 3 と DG 1&2 との進歩性の判断基準 のチェック

・欧州特許の有効性について加盟国の裁判所で争われた事例の研究を通じて、

EPO と各国裁判所の基準と実務の相違のチェック

・実体審査の効率性と有効性に関する調査

・顧客満足度調査の立案・作成・監督

・ユーザーからの苦情処理

③ DHQ によるレビュー

DHQ は審査官による審査結果のレビューを行う。これは実体審査業務が有す る品質の傾向を示す情報を幹部に提供することを目的としている。つまり、レビ ューにより発見された瑕疵の件数、性質を報告し、可能な場合にはその原因を特

● DHQ による品質保証

● Director による Directorate 内の品質管理

● 新たな動き

定し、必要なら是正措置を勧告するのである。ただこのレビューはあくまで問題 点の発見と組織の対応が目的であって、結果が審査官個人の査定に使われること はない。レビューの手続を以下に述べる。

a) 対象案件

実体審査の結果、特許査定となった出願が対象である。 EPC 施行規則第 51 規 則 (4) の定める通知(特許付与の通知)が出願人に発行された後に行われる。

b) サンプリング

DHQ は 1 年間に 1,000 件の特許査定となった出願をサンプルとして選び取る。

それらは EPO の全体から集められることになる。なお、サンプルの抽出は各

Directorate の間、また、審査官の間でバランスが取れるようようコンピュータを

利用して行われる。それぞれの Directorate に関してチェックの対象となる案件 は、 1 年分が一度に集められる(すなわち、ある部門に関して 1 年間に出願 12 件分のチェックを行うとしたら、毎月 1 件ずつを選ぶのではなく、 1 ヵ月の間に 1 年分の 12 件をまとめて採集することになる) 。つまり、サンプリングは完全に ランダムに行われるのではなく、ハーグやベルリンにある EPO 庁舎から案件を 運ぶ都合等の実務的な理由が優先されることになる。

2003 年度は約 60,000 件が登録となっているので、 1,000 / 60,000 = 0.017 つま り、登録となったもののうち、 1.7 %がレビューを受けたことになる。

c) レビューの手続

DHQ が対象案件についてレビューを行う。規則違反が発見された場合、 DHQ は、当該案件を処理した審査官の所属長である Director を呼び、その意見を聞く。

DHQ と Director の間で当該案件が規則を遵守したものであること又は規則に違

反したものであることについての合意ができた場合には、それにしたがった記録 がなされる。

DHQ が特許査定に異議を唱えそれに当該案件の Director が同意した場合、同 案件に対しさらに審査を行うかどうかが当該審査官に尋ねられる。 DHQ にやり 直しを命じる最終決定権限はない。もし、さらに審査を行う場合、出願人に対し、

その旨が通知される。 DHQ と Director の同意が期限(特許付与通知の発行から

4ヶ月=出願人による翻訳文の提出期限)より後になった場合、出願人への通知

は行われず、ただ EPO での統計のための記録のみ行われる。

合意ができなかった場合、 DHQ は、最終決定を受けるため当該案件を2つの 上級決定機関のいずれかに提出する。

かかる案件は、それに関する争点が審査実務に係わる根本的に重要な問題又は 実務のハーモナイゼーションに関係するものでない場合には、品質審査委員会

( Quality Review Board )へと提出される。それ以外の場合には、実務手続委員

会( PPC )に提出される。 PPC において、審査実務に関し改善すべき点が認めら れれば、その対策を提言し、覚書が審査官に対し発行される。

品質審査委員会は、 Principal Directorate レベルの合議体であり、 Principal Director が議長を務める。一方、 PPC は、 DG 1 & DG 2 を統合的に管理する機 関である。 PPC には、方法( Method ) 、特許事務( Patent Administration ) 、国 際・特許法( International Affairs/Patent Law )の3つの Principal Directorate から Principal Director5 名、各ジョイントクラスターから調整官( Director Coordinator ) 14 名が参加し、方法の Principal Director ( Principal Director

“Method” )がその議長を務めている。 PPC による検討の段階にまで進む案件は

ごく限られた数でしかない。

d) チェック項目

DHQ がレビューを行う際のチェックリストという形のものはないが、各案件 に対し何がチェックされなければならないかを大まかに示す明確な手続は存在 する。具体的には、以下に対するチェックが常になされなければならない。

・新規性

・進歩性

・明確性

・クレーム間の矛盾及びクレームと明細書の矛盾

・新規事項( EPC 第 123 条 (2) )

・審査手続(電話面談の議事録はあるか、審査の間に提出された追加デー タや審査手続において初めて引用された文書は別個に記録されている か)

・ 「結論的」調査(審査便覧 C 第 6 章 8.4 を参照。 EPC 第 54 条 (3) に相当

する EP 又は WO の特許文書であり調査報告書に記載されていないもの

が発生していないかを確認するための追加的なサーチを行う) 。

・不適切な補正、審査官による不適切な指示

・明細書又はクレームにおける一貫しない用語又は表現の使用

・特許査定のための文書が適正なものであるか

・非常に関連性の強い先行技術の承認が明細書において脱落していないか

(2) Director による品質管理