JIS Q 9001:2000 の構成
(*印は標題のみの項目を示す)
0. 序 文(*) 0.1 一 般
0.2 プロセスアプローチ 0.3 JIS Q 9004 との関係
0.4 他のマネジメントシステムとの両立性 1. 適用範囲(*)
1.1 一 般 1.2 適 用 2. 引用規格 3. 定 義
4. 品質マネジメントシステム(*) 4.1 一般要求事項
4.2 文書化に関する要求事項(*) 4.2.1 一 般
4.2.2 品質マニュアル 4.2.3 文書管理 4.2.4 記録の管理 5. 経営者の責任(*)
5.1 経営者のコミットメント 5.2 顧客重視
5.3 品質方針
5.4 計 画(*) 5.4.1 品質目標
5.4.2 品質マネジメントシステムの計画 5.5 責任、権限及びコミュニケーション(*)
5.5.1 責任及び権限 5.5.2 管理責任者
5.5.3 内部コミュニケーション 5.6 マネジメントレビュー(*)
5.6.1 一 般
5.6.2 マネジメントレビューへのインプット 5.6.3 マネジメントレビューからのアウトプット 6. 資源の運用管理(*)
6.1 資源の提供 6.2 人的資源(*)
6.2.1 一 般
6.2.2 力量、認識及び教育・訓練 6.3 インフラストラクチャー
7. 製品実現(*) 7.1 製品実現の計画 7.2 顧客関連のプロセス(*)
7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化 7.2.2 製品に関連する要求事項のレビュー 7.2.3 顧客とのコミュニケーション
7.3 設計・開発(*) 7.3.1 設計・開発の計画 7.3.2 設計・開発へのインプット 7.3.3 設計・開発からのアウトプット 7.3.4 設計・開発のレビュー 7.3.5 設計・開発の検証 7.3.6 設計・開発の妥当性確認 7.3.7 設計・開発の変更管理 7.4 購 買(*)
7.4.1 購買プロセス 7.4.2 購買情報 7.4.3 購買製品の検証 7.5 製造及びサービス提供(*)
7.5.1 製造及びサービス提供の管理 7.5.2 製造及びサービス提供に関するプロセ
スの妥当性確認 7.5.3 識別及びトレーサビリティ 7.5.4 顧客の所有物
7.5.5 製品の保存
7.6 監視機器及び測定機器の管理 8. 測定、分析及び改善(*)
8.1 一 般
8.2 監視及び測定(*) 8.2.1 顧客満足 8.2.2 内部監査
8.2.3 プロセスの監視及び測定 8.2.4 製品の監視及び測定 8.3 不適合製品の管理 8.4 データの分析 8.5 改 善(*)
8.5.1 継続的改善 8.5.2 是正処置 8.5.3 予防処置
1.品質マネジメントシステム規格の全体像
※JIS Q 9000:2000(ISO9000:2000) 「品質マネジメントシステム-基本及び用語」
(Quality management systems-Fundamentals and vocabulary)
*品質マネジメントシステムの基本的な考え方とJISQ 9001:2000 (ISO 9001:2000)及びJIS Q 9004:2000(ISO 9004 :2000)に用いる用語の定義を定めている。
※JIS Q 9001:2000(ISO9001:2000)
「品質マネジメントシステム-要求事項」(Quality management systems-Requirements) *審査登録制度における第三者審査の評価基準となる規格である。
※JIS Q 9004:2000(ISO9004:2000) 「品質マネジメントシステム-パフォーマンス改善の指針」
(Quality management systems-Guidelines for performance improvements)
*組織がJIS Q 9001:2000の規格要求事項を超えて更なるシステム運用効果 を高める場合の指針である。したがって審査登録制度における第三者審査による評 価には適用できない。
※JIS Q 19011:2003(ISO 19011:2003) 「品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針」
(Guidelines for quality and/or environmental management systems auditing)
*品質マネジメントシステム及び/又は環境マネジメントシステムの内部又は外部 監査の監査プログラムの管理、監査実施、監査員に必要な力量及び力量評価につい ての手引である。内部監査員の資格要件ではない。
以上がISO9000ファミリと呼ぶ規格である。この中にISO 9002及び ISO9003が欠番になっているのは、2000年版への規格改正により旧版にあった
ISO9001、ISO9002、ISO 9003が一つに統合されたことによる。
<参考>
JIS Z 9901:1998
「品質システム-設計、開発、製造、据付け及び付帯サービスにおける品質保証 モデル」
JIS Z 9902:1998
「品質システム-製造、据付け及び付帯サービスにおける品質保証モデル」
JIS Z 9903:1998
「品質システム-最終検査・試験における品質保証モデル」
JIS Q 9000:2000[ISO 9000:2000]では「製品」を「プロセスの結 果」と定義していて、物品・サービス・情報などの有形製品・無形製品を含めて、最終製 品・サービスのみでなくプロセス途中の製品・サービスを含む。理解しやすいように以後、
『製品又はサービス』と記述する。
2.基本事項
JISQ 9001:2000[ISO 9001:2000](以後、“ISO9001”という)の規 格要求事項は、組織が顧客に提供する製品又はサービスの種類、組織の業種・形態・規模の 如何を問わず、全ての組織に適用できることを意図している。従って、このように汎用性を 持った規格要求事項を満たすための手段は、組織の固有条件に基づいて個別に選択され採用 される。また、この規格要求事項は組織が提供する製品又はサービスの“品質”を規定する ものではない。以上のことを確認したうえで規格の意図についても言及している。この基本
的事項はISO9001[序文 0.1一般]に規定されている。該当条項を以下に引用する。
序文 0.1一般
<前半省略>
品質マネジメントシステムを採用することは、組織による戦略上の決定とすべき である。組織における品質マネジメントシステムの設計及び実現は、変化するニー ズ、固有の目標、提供する製品、用いられているプロセス、組織の規模及び構造に よって影響を受ける。品質マネジメントシステムの構造の均一化又は文書の画一化 が、この規格の意図ではない。
この規格が規定する品質マネジメントシステムについての要求事項は、製品に対 する要求事項を補完するものである。
この規格は、顧客要求事項、規制要求事項及び組織固有の要求事項を満たす組織 の能力を、組織自身が内部で評価するためにも、審査登録機関を含む外部機関が評 価するためにも使用することができる。
<以下省略>
3.規格要求事項の概要
[4.1 一般要求事項]
ISO9001規格要求事項に従って品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、
維持すること、更に品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善することをこの規格 要求事項の基本としている。次に、製品又はサービスを提供するために必要とするプロセス を特定し、その順序及び相互関係を明確にする。これらのプロセスの運用及び管理を適切に 且つ効果的に実施するために必要な仕組みを求めている。品質マネジメントシステムの全体 に関わる包括的な要求事項である。
[4.2 文書化に関する要求事項]
[4.2.1一般]
文書化すべき必須事項は以下である。
a)品質方針及び品質目標の表明 b)品質マニュアル
c)この規格が要求している機能の手順(文書管理、記録管理、不適合製品管理、
内部監査、是正処置、予防処置)
d)組織自身が必要とした文書
e)この規格が作成することを要求している品質記録
d)については、何を文書化するかは組織自身が必要性を検討して決めることになる。
尚、文書の媒体としては紙、磁気、電子式若しくは光学式コンピュータディスク、写真 若しくはマスターサンプル、又はこれらの組合せがあることがJISQ9000に参考として 提示されている。
[4.2.2品質マニュアル]
品質マニュアルに含めなければならない事項を規定している。
a)品質マネジメントシステムの適用範囲。除外がある場合には、その詳細と正当とす る理由
b)品質マネジメントシステムについて確立された“文書化された手順”又はそれらを 参照できる情報
c)品質マネジメントシステムのプロセス間の相互関係に関する記述
[4.2.3文書管理]
[4.2.1 一般]を受けて作成した文書、及び外部で作成された文書で使用している文書 の適切な管理を求めている。これは適切な文書の使用、文書の誤使用防止を目的として いる。
[4.2.4記録の管理]
要求事項(ISO9001規格要求事項、顧客が明示した又は明示しないが当然のこととして 認知された要求事項、法規制、組織自身が定めた要求事項を含む。以後“要求事項”と いう)への適合及び品質マネジメントシステムの効果的運用の証拠である記録の適切な 管理を求めている。
[5. 経営者の責任]
経営者(品質マネジメントシステムの対象とする組織範囲のトップマネジメント)が 為すべき事項を定めている。それは以下の事項である。
①組織内の責任・権限を定めて周知する。
②品質マネジメントシステムの“管理責任者”を任命し必要な権限を付与する。
③顧客重視は当然のこととして、自らの責任で品質方針を設定し、組織内各部門・階層 で品質目標を設定させる。
④組織内部の適切なコミュニケーションのためのプロセスを確立する。
⑤経営者が自身で品質マネジメントシステムのレビューを行う。
⑥品質マネジメントシステムの変更があっても、品質マネジメントシステムを適切に維 持する。
[6. 資源の運用管理]
品質マネジメントシステムの資源として製品又はサービスの品質に影響を与える以下に ついて、その確保・維持を求めている。
①人的資源
②施設・設備・輸送通信手段など ③作業環境
特に人的資源については、要員に必要な教育・訓練・技能・経験の付与、更に要員各人の 業務の重要性に対する認識を深めることを求めている。
[7. 製品実現]
個別の製品又はサービスの提供、即ち日常的に繰り返して実施される業務のシステムにつ いて規定している。7章の規格要求事項のうちで(顧客に製品又はサービスを提供するこ との責任に影響がないことの正当な理由があることを条件として)適用不可能な規定事項 については適用しないことを選択することができる。
[7.1 製品実現の計画]
要求事項を受けて、個々の製品又はサービスを提供するために必要なプロセス、文書、資 源を計画する。かつ提供された製品又はサービスが“要求事項”を満たしていることを実 証するために必要な記録を定める。
[7.2 顧客関連のプロセス]
個々の製品又はサービスについての顧客要求(明示された事項、明示されないが当然の事 項)、関連する法令・規制の要求、組織自身が定めた要求を確定し、組織における実現可 能性を評価したうえで受諾することを求めている。
[7.3 設計・開発]
ここで対象としている設計・開発は製品又はサービスそのものの設計・開発である。製品 の製造又はサービス提供のための工程・設備・手順などの設計を対象としていない。ただ し工程・手順の設計が製品又はサービスそのものの設計になる場合にはそれを対象とする。
設計・開発について計画、インプット、アウトプット、レビュー、検証、妥当性確認につ いて確実性を確保するための要件を定め、各々についての結果と必要な処置の記録の作成 を定めている。更に設計・開発の変更についても一項を設けて変更のレビュー、変更が及 ぼす影響の評価、変更の承認、これらの記録を作成することを定めている。
[7.4 購買]
製品又はサービス提供に関連して、組織外部から調達する場合、組織が要求する製品又は サービスが適切に提供されることについて調達先を評価・選定すること、調達先に対する 購買文書によって明確・正確な情報を調達先に提供すること、調達先から提供された製品 又はサービスの適切性を検証することを規定している。尚、調達先の評価結果の記録を作 成することを求めている。