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  現在、航空機モニタリングにおける、対地高度の算出方法は、GPS により記録された海抜高度 から、国土地理院が作成している90 mメッシュのDEMデータを差し引いて算出している。航空 機モニタリングの実際の測定範囲は、ヘリコプターの位置から真下に伸ばした直線と角度45°の 線の延長線上に入る円内になる(例えば、対地高度300mであれば、直下を中心とした半径300 m の円内)。よって、正確な高度補正を行う場合には、測定範囲内のDEMデータの平均値が算出で きることが望ましい(高度差のある地形の場所では、直下の DEM データが必ずしも測定範囲の 平均値になるとは限らない)。そこで、DEMデータを抽出できるツールの開発を行った。

8.3.1 DEMデータ抽出の考え方

DEMデータ抽出ツールは、航空機モニタリングによる測定点の緯度経度を基準に、測定点の高 度を半径とした 360°の円錐を範囲として、国土地理院が提供する基盤地図情報の数値標高モデ ルである、10mメッシュのデータ(以下、10mDEMデータと呼ぶ)から、対象となる範囲の最大値、

最小値、平均値の高さ情報を抽出し、ファイルに出力するツールである。10 m DEMデータの抽 出は、各メッシュの中心が上記の抽出範囲に入っているメッシュを対象として抽出を行う。Fig. 8-2

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に平面における10 m DEMデータの抽出対象イメージを示す。一方、急進な起伏により、抽出対 象範囲から外れる部分、および航空機の検出位置から見えない部分からの放射線については、航 空機モニタリングの係数にほとんど影響を与えないことから、これらの面積を抽出対象から除去 する必要がある。図2として急進な起伏により抽出対象外となる際のモデル図を示す。

標高が高い部分の判定は、対象となるメッシュにおいて、緯度経度をX,Y軸とし、DEMの高さ 情報をZ軸とした四角柱を想定し、その四角柱の中心を通り、航空機の測定点から45°で地表面 に下した線分と四角柱の交点を判定することにより実現する。

また、標高が高い部分に隠れて測定点から見えない部分の判定は、測定点から判定対象となる メッシュの四角柱の上面にある中心点を通る地表面までの線分を引き、その線分上に他のメッシ ュの四角柱があるかどうかで判定を行う。さらに、海や湖沼等の水域についても、放射線は遮蔽 されることから、これらの面積も抽出対象から除去する必要があるが、水域の判定にいては、国 土政策局が提供している国土数値情報の湖沼(面)データに設定されている湖沼を対象に、水域部分 のデータを海抜面と同じ値(-9999.00)に加工した10mDEM データを用意することで対応する。そ のため、ツール実行時は、加工済みの10mDEMデータの使用を前提としている。

なお、河川については、国土政策局が提供している国土数値情報にはラインおよびポイントの データしか存在しないため、河川部分の情報抽出が難しいことから、水域の対象範囲外としてい る。

8.3.2 DEMデータ抽出ツールの処理概要

  DEMデータ抽出ツールについて、実行時の処理の概要を以下に記載する。

(1)ツールの実行

ツール実行時は、以下の情報を引数として処理を実行する。

・加工済み10mDEMデータの保存場所

・測定ファイルの保存場所

・測定ファイルにおける高度の単位(メートルかフィートか)

・ツール実行時の高さの上限

・抽出結果の出力場所とファイル名

(2)測定ファイルの読み込み

測定ポイントの緯度経度、GPS高度、ジオイド高が含まれるファイルを読み込む。ジオイド高は 別途納入する「ジオイド高算出解析ツール」を用いて付加したもの。

(3)10mDEMデータの読み込み

測定ポイントの緯度経度から判断して、対象となる10mDEMデータを読みこむ。

(4)10mDEMデータのメッシュ情報の算出

10mDEMデータの緯度経度情報から、10mメッシュの4辺および中心点の緯度経度情報を算出す

る。

(5)UTM座標への変換

距離をメートルで取得するため、緯度経度座標系からUTM座標系に変換する。

(6)抽出範囲内の高さ情報の最大値、最小値、平均値の算出

抽出対象の判定を行い、対象となった10mメッシュの高さ情報を用いて、最大値、最小値、平均

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(7)抽出結果の出力

測定ファイルの情報に抽出結果を追加したCSV形式のファイルを出力する。

Fig. 8-2  DEM抽出ツールのイメージ

38 9. まとめ

  事故より1.5年以上経過した時点における、線量率の変化傾向を確認するため、福島第1原子 力発電所から80 km圏外の航空機モニタリングを実施した。モニタリングの結果は、地上で測定 した測定結果とよく一致し、妥当な結果であると評価できる。また、2012年に実施した測定結果

(空間線量率)(平成24年6月28日時点)と今回の測定結果(空間線量率)(平成24年12月28 日時点)を比較したところ、前回の結果と今回の結果の期間(6ヶ月)において空間線量率が約 13%減少している傾向にあることが確認された。この期間における放射性セシウムの物理的減衰 に伴う空間線量率の減少は約6%であることから、空間線量率の減少傾向は、放射性セシウムの 物理的減衰に伴う空間線量率の減少よりも大きいことが確認された。今後とも、航空機モニタリ ングの迅速に広域が測定できる利点を生かし、変化傾向を調査していく必要がある。

また、航空機モニタリングの課題について示す。

・空気中のRn子孫核種の影響を評価すること。

・線量率換算の不確かさ要因を小さくすること(パラメータ取得のデータ蓄積、高精度化)。

・山裾等、横からの放射線の影響を評価すること。

・積雪時における補正方法を検討すること。

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