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薬の管理

1. DASC-21/DASC-8(表1)

DASC(The Dementia Assessment Sheet for Community-based

Integrated Care System)は,地域の中で⾼齢者の認知機能障害と⽣活機能 障害を総合的に評価し,本⼈,家族,専⾨職が情報を共有して必要な社会⽀援 を多職種で調整できるよう,粟⽥らによって開発された評価法である8).21項

⽬のDASC-21と簡易版の8項⽬のDASC-8があり,DASC-21では認知機能に関 連する9項⽬,基本的ADLに関する6項⽬,IADLに関する6項⽬を含む21項⽬

の質問に対して,各1~4の4段階,合計84点で採点する.点数が⾼いほど重症 であり,合計31点以上は「認知症の可能性あり」とされ,定められた9項⽬の 点数によって認知症の重症度を判定することもできる.

DASC-8はDASC-21を短縮した評価で,採点を除外した導⼊部分の質問2項⽬

と,採点対象の8項⽬の質問からなり,合計32点で採点する.いずれも「全く ない」「時々ある」「頻繁にある」「いつもそうだ」の4件法となっているた め,「はい」「いいえ」だけでは表されない障害の程度を丁寧にみることがで きることも特徴である.⼀⽅,DASC-8は簡便に評価できるため,糖尿病⾼齢 者の⾎糖コントロール⽬標におけるカテゴリー分類にも利⽤されている9).診 断のためではなく,認知症のスクリーニング評価として開発されたものである が,認知機能だけでなく,ADL,IADLまで広く評価できるため,地域で暮らす 認知症の⼈の⽣活を総合的に評価する指標として価値が⾼い.

DASCは正確な評価を⾏うために研修を受けた専⾨職が評価を⾏うこととされ ており,メディカルスタッフ,介護職,医師が,対象となる⼈をよく知る家族 や介護者に,⽇常⽣活の様⼦を聞きながら,認知機能障害や⽣活機能障害に関 連する⾏動の変化を評価する.DASC-8の質問表と評価マニュアルの版権は⽇

本⽼年医学会が所有し,⼀般臨床や研究においての許可は不要で,⽇本⽼年医 学会のホームページ(jpn-geriat-soc.or.jp)からのダウンロードできる.

DASC-21の最新版もdasc.jpよりダウンロード可能であるが,認知症総合アセ スメントの視点,考え⽅, DASC-21の使⽤⽅法と留意点等を総合的に学習す るeラーニングが準備されており,使⽤前の学習が推奨されている.

評価名 項⽬数 ⽅法 合計点 項⽬

DASC-21 21項⽬

1~4の4段階の選 択肢から選び点 数化する

21~81点

記憶3項⽬

⾒当識3項⽬

問題解決判断⼒3項⽬

家庭外のIADL(買い物,交通機関,⾦銭管理)

家庭内のIADL(電話,⾷事の準備,服薬管理)

⾝体的ADL(⼊浴,着替え,排泄,整容,⾷事,移動)

DASC-8 8項⽬

1~4の4段階の選 択肢から選び点 数化する

8~32点

記憶1項⽬

⾒当識1項⽬

⼿段的ADL(買い物,交通機関,⾦銭管理)

家庭内のIADL(電話,⾷事の準備,服薬管理)

基本的ADL(排泄,⾷事,移動)

表1 DASC-21/DACS-8

2-2-8 介護者・家族の評価

ポイント

l

認知症の⼈の⽣活の全体像を正確に把握するためには,認知症の⼈だけでな く家族介護者にも定期的な評価を⾏い,その経過を追うことが⼤切である.

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介護者・家族には,⾝体・精神的評価だけでなく,介護負担やQOLなどを含 む包括的な評価を⾏う必要がある.

【認知症の⼈の介護者・家族の評価の⽬的】

認知症の⼈の介護は病状や病期に応じて対応を変える必要があり,⾼いレベル のスキルが必要とされる.在宅で⽣活している認知症の⼈の介護はほとんどが 家族によって提供されており,家族が果たすべき役割は⼤きい.このため,認 知症の⼈が在宅での⽣活をできるだけ継続するためには,本⼈の病態を把握す るだけでなく,介護者・家族の精神・⼼理状態を把握することが必須となる1). 認知症の⼈の介護者・家族は⾼齢の配偶者であることが多く,介護者・家族⾃

⾝の認知機能が低下していることもある.さらに,介護に伴う⾝体的・精神的 な負担や社会的孤⽴,経済的困難などは介護の質やQOLの低下につながりやす く,認知症の⼈の病状に悪影響を及ぼす可能性が⾼い.介護者・家族の⾝体・

精神的評価に基づく包括的で適切な家族指導は認知症の⼈の病状悪化の予防や

⽣活の質の改善・向上につながるだけでなく,在宅⽣活の継続に寄与するとさ れており2),介護者の置かれた状況や介護能⼒を適切に評価することが⼤切で ある.

【介護者・家族のQOLと介護負担 】

⾼齢者は,たとえ独居や介護が必要な状態であっても住み慣れた住環境での⽣

活を好む場合が多い.特に認知症の⼈とその介護者・家族にとって,住み慣れ た家や地域で⽣活の質を維持しつつ⽇常を継続させることは不安やストレスを 軽減させ,症状安定の⼀助となる.認知症の⼈にとって介護者・家族からの⽀

援は最も⾝近で重要であり,認知症の⼈のQOLを維持するためにも不可⽋であ る.⼀⽅で介護者・家族もまた独⽴した主体的な⽣活者であり,認知症の⼈と 共に⽣活する介護者・家族を放置することなく,QOLや介護負担を含めた全体 的な⽣活の把握と適時適切な⽀援が必要である.

【介護者・家族の評価】

認知症の⼈の介護者・家族に特に推奨される評価を表1に記載する.介護者・

家族に必要な評価の中から⼀般的によく⽤いられているJ-ZBI と SF-36につい て以下に詳しく述べる.QOLのその他の指標であるWHOQOL-BREF,全体的 な健康感をみるGHQ-30,抑うつなどの精神状態をみるSTAIと SDSについて は2-2-3の⾴を参照されたい.

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