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■   メ ー ト ル の 定 義 を 現 示 す る リ ス ト の 改 訂(PV, 70, 194-204 及 び Metrologia, 2003, 40, 103-133)

勧告1 国際度量衡委員会(CIPM)は,

・ 1983年第17回国際度量衡総会(CIPM)が新しいメートルの定義を採択 したこと,

・ 同じ年,CGPMが国際度量衡委員会(CIPM)に,

・ メートルの現示方法の指示を文書としてまとめること,

・ 長さの干渉測定のための波長標準として勧告され得る放射を選択し その使用のための指示を文書としてまとめること,

・ これらの標準を改善するために行われる研究を推進すること,そし て,次第にこれらの指示を拡張または改訂していくこと,

を依頼したこと,

・ この依頼に応じてCIPMが勧告1(CI-1983)(mise en pratique de la definition du metre),

・ メートルは,次の方法の一つによって実現される.

a) 時間tの間に平面電磁波が真空中を伝わる行程の長さ lによる方 法 . こ の 長 さ は ,l = c0 t の 関 係 式 及 び 真 空 中 の 光 の 速 さ c0 = 299 792 458 m/sの値を用い,時間t を測定することによって 得られる.

b) 周波数fの平面電磁波の真空中の波長λによる方法.この波長は λ = c0/fの関係式及び真空中の光の速さc0 = 299 792 458 m/sの値を 用い,周波数fを測定することによって得られる.

c) 真空中の波長又は周波数が与えられている下記のリストにある 放射の一つによる方法.示された仕様と適切と認められる操作方

法に従うならば,そこに示されている不確かさで用いることがで きる.

・ ただし,すべての場合,回折,重力あるいは真空の不完全さのよう な実際の条件を考慮して必要な補正が施されるべきである.

・ 一般相対性理論の文脈では,メートルは固有長さの単位と考えられ る.したがって,その定義は,重力場の非一様性の効果が無視でき るような十分小さい空間領域でのみ適用される.この場合,考える べき効果は特殊相対性理論の効果のみとなる.b)や c)で勧告されて いるメートルの実現の局所的な方法は固有メートルを与えるが,a) で勧告されているものについては必ずしもそうではない.したがっ

て,方法 a)については,長さ l が十分短く,一般相対性理論により

予想される効果が実現の不確かさに比べ無視できる範囲に制限され るべきである.そうでない場合,測定の解釈をどうするかにあたっ ての助言については,一般相対性理論の度量衡への応用についての CCDS作業委員会の報告を参照のこと(Application of general relativity to metrology, Metrologia, 1997, 34, 261-290),

・ CIPMがこの目的のため,すでに放射のリストを勧告したこと,

を想起し,

また,1992年と1997年にCIPMがメートルの定義の現示方法を改訂したこ とをも想起し,

・ 科学と技術が,メートルの現示のさらなる正確さ向上を要求し続けてい ること,

・ 1997年以来,国立研究所,BIPM,その他での研究が,より小さな不確か さをもたらす新しい放射とそれらの実現方法を明らかにしたこと,

・ 時間関係の活動において光周波数への動きが増加していること,そして 推奨される放射(mise en pratique)がカバーする領域が,幾何形状測定の 標準やメートルの実現といった分野だけでなく,高分解能分光学,原子 分子物理学,基礎定数や通信の分野にも広がり続けていること,

・ 高安定な冷却原子やイオンの標準の放射について不確かさを減少させた 新しい周波数値がすでに勧告値の表として手に入ること,いくつかの新 しい冷却原子やイオン種の放射の周波数が最近測定されたこと,光通信 帯で重要な波長帯も含む,気体セルに基づく多くの光周波数標準につい て,不確かさが大きく減少した値が決定されたこと,

・ 新しいフェムト秒コムの技術が,高い安定性をもつ光周波数標準の周波 数とSI秒を実現している周波数を関連付けるために明らかに重要である こと,これらの技術がSIトレーサビリティーをもたらす便利な測定技術 であること,そしてコム技術が測定技術だけでなく周波数源ともなりう ること,

を考慮して,

コム技術が,時を得た適切な技術であることを認識し,この技術の能力が十 分に研究されることを承認し,

他の周波数チェイン技術との比較によりコム技術の妥当性がなされたこと を歓迎し,

国立の標準研究所と他の研究機関に対し,コム技術の達成でき得るかぎりの 正確さの追求と,幅広い応用へむけた簡便化への追求を促し,

・ CIPMにより,1997年に与えられた勧告されている放射のリスト(勧告1

(CI-1997))を以下の内容を含む放射のリスト*に置き換えること,

・ 冷却Ca原子,水素原子,トラップされたSr+イオンの改訂された周 波数値

・ トラップされたHg+イオン,In+イオン,Yb+イオンを含む新しい冷却 イオン種の周波数値

・ Rb安定化レーザ,ヨウ素安定化Nd:YAGレーザとHe-Neレーザ,メ タン安定化 He-Neレーザ,波長10 μmのOsO4安定化炭酸ガスレー ザの改訂された周波数値

・ RbやC2H2安定化レーザを含む光通信帯に関連する標準の周波数値 を勧告する.

■  線量当量(PV, 70, 205)

勧告2 国際度量衡委員会は,

・ 線量当量(シーベルト)のSI単位の現行での定義が国際放射線防護委員 会(ICRP)によって規定された係数”N”(その他すべての係数の積)を 含んでいる.また,

・ ICRPと国際放射線単位測定委員会(ICRU)が共にこの係数Nは最早必 要ないと考え,削除すると決定し,また

・ 係数Nを含むHの現行のSIの定義は多少混乱の原因となっている,

ことを考慮し,文書「国際単位系(SI)」の中の説明を下記のように変更す ることを決定する.

線量当量H という量は,電離放射線の吸収線量DとICRUによって線エネ ルギー転移の関数として定義された無次元の係数Q(キュー)の積である.

D Q H = ×

したがって,ある放射線に対してジュール毎キログラムによるHの数値は,

Qの値によって,ジュール毎キログラムによるDの数値とは異なることがあ り得る.

また当委員会は,本説明の最後の文は下記ののままとすることを決定する.

吸収線量 Dと線量当量Hを混同する危険を避けるために,それぞれの単位 に対して固有の名称を使用すべきである.すなわち,吸収線量Dの単位に対 しては,ジュール毎キログラムの代わりにグレイという名称を,線量当量H

* 勧告された放射の表,決議 1,(CI-2002)は PV, 70, 197-204及びMetrologia, 2003, 40, 104-115にある.改 訂版はBIPMwebサイトで 手に入る.

www.bipm.org/en/publicati ons/mep.html.

J. Radiol. Prot., 2005, 25, 97-100参照.

の単位に対しては,ジュール毎キログラムの代わりにシーベルトという名称 を使用すべきである.

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