第 4 章 LCA と IAMs の融合による日本のカーボンフットプリント将来推計
4.3 結果
4.3.2 CFP 将来推計結果
2030年のCFP将来推計結果を図4.3.2に示した。また、CFPの総量と人口データから
1人あたりのCFPを算定した。FY2005年(BAU)ではCFPが1535[Mt-CO₂eq]であっ
た。FY2030(BAU)では1251[Mt-CO₂eq]となった。したがって、成り行きのシナリオで
もある程度のCFPが低減することが分かる。主な要因としては、2030年には人口が約9%
減少するという想定であるため、一人あたりの活動が2005年と同じであれば、CFPも9%
減少することになる。一方で、CFPの減少率は約18%である。これは、成り行きでも化石 資源由来の火力発電の割合が減少するという仮定のもと電力ミックスが決められているこ とから、削減されたと考える。さらに温暖化対策をとった FY2030(NDC)の CFP は
1098[Mt-CO₂eq]であった。FY2030(BAU)と比較するとから約9%さらに削減されるこ
とで、FY2005に比べ約28%削減される推計結果となった。これは、温暖化対策としてCCS
を導入したこと、また、炭素税を導入したことによるものである。また、電力ミックスも 再生可能エネルギーの割合が最も大きな割合を占めているからである。
CFPの総量を一人あたりで除した一人あたりのCFPは、FY2005(BAU)、FY2030(BAU)、
FY2030(NDC)はそれぞれ、12.0 トン、10.6 トン、9.34 トンという推計結果となった。
2005(BAU)基準で考えると、FY2030(BAU)で約13%、FY2030(NDC)では約23%
減少する結果となった。これは、人口の減少率を上回ったため、人口の変動よりCFPの排 出量を抑えることが出来ていると判断される。
図 4.3.3 に最終需要額を各シナリオで積み上げたグラフを示す。2005年と比較すると、
2030 年における最終需要額は約 40%増えることが分かる。これは、約束草案のシナリオ に基づき、GDPを外生的に与えたからである。家計における最終需要が大きくなるのは、
対個人サービスが増えるからである。2005年の産業連関表の基本分類表によると、対個人 サービスで飲食店、宿泊業、遊戯場が上位3位を占めることが確認できた。
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全体の負荷は家計における最終需要額が増えることが分かる。これは、最終需要ごとに 分析をすると家計が締める割合が大きく、削減幅が大きいのもこの値であることが分かる。
一方で、建築サービスが大きく関わる、固定資本のCFPはあまり変わらないという結果と なりました。
図 4.3.2 日本のCFP推計結果(内訳:最終需要)
表 4.3.1 CFPの総量と人口データの比較
Index FY2005 (BAU) FY2030 (BAU) FY2030 (NDC)
CFP [MtCO₂eq] 1535 1251 1098
人口[百万人] 128 117 117 CFP per capita [tCO₂eq] 12.0 10.6 9.34
0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600
FY2005(BAU) FY2030(BAU) FY2030(NDC)
[Mt -CO ₂ eq]
家計 固定資本 政府 在庫
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図 4.3.3 シナリオ別最終需要額の比較
図4.3.4は全体のCFPを産業部門別で内訳を示し、各シナリオで生産基準、消費基準の
CFPを示した。まず、生産基準の内訳を見ると、電力、直接燃料燃焼、石炭・石油・天然 ガスといったエネルギー投入に加え、運輸・郵便は物を運ぶ際の影響が大きいと考える。
特に鉄鋼、農林水産業といった他の産業に影響を与え得る上流の部門の影響も軽視できな いと考えた。また、消費基準だと建築や飲食料品、石油製品、公務の寄与が大きいと判断 した。特に、建築においては、上流である建材の間接負荷の影響が大きく起因していると 考える。飲食料品も同様に、農林水産業における間接的なCFPが含まれるからである。ま た、日本の人口比率では、高齢化の影響により医療・福祉での負荷が消費ベースで現れた と考えた。
0.00E+00 1.00E+08 2.00E+08 3.00E+08 4.00E+08 5.00E+08 6.00E+08 7.00E+08 8.00E+08
FY2005(BAU) FY2030(BAU) FY2030(NDC)
最終需要額[百万円]
家計 固定資本 政府 在庫
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図 4.3.4 全体のCFP推計結果(内訳:産業部門別)