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ベイツガ

P hoto.4‑1l CCA 3号で処理 したベイツガ内部で の薬剤の 浸潤状況

P hoto. 4‑12 CCA

浸 潤 状 況

3号で処理 したベイマツ内部での薬剤の

4.要

実物大寸法の木材 を用 いてキ トサ ン金属塩 の注入試験 を行 った。あわせて繰 り返 し注入操作 による薬剤の安定性 につ いて も検 討 した。

注入処理試験 の結果、キ トサ ン銅塩 (CCS)、 キ トサ ン亜鉛塩 (CZS)お よび CCA 3号で は薬剤注入量 に大差がな く、平均薬剤注入量がスギで は340〜350 kg/m8、 ベイツガで は500〜570 kg/Ⅲ]、 またベイマツでは240〜280 kg/m8 あった。供試木材 中央部 の木 口断面 において、同辺l cm部分 にお ける薬剤浸潤 度 を調べた結果、CCS、 CZSともに

100%を

示 したが、CCA 3号ではスギで は 94%、 ベイマツで は86%であ った。 しか しいずれ もJASの基準 に適合 した。 ま た、各供試木材 の表面〜l clnの平均薬剤吸収量 を求 め、CCSでは銅金属 として 0,73〜1.00kg/m3、 czsでは亜鉛金属 として1.76〜2.00kg/m3ま たCCA 3号で は酸化物合計 として3.31〜3.88kg/m3と ぃぅ結果 を得た。いずれ の供試薬剤 と もスギお よびベイツガで は十分な薬剤吸収量 を得 ることがで きたが、ベイマツ では予定 した 日標薬剤吸収量 を得 ることはで きなかった。 これはベイマツで は 細胞 間に開 日した有縁壁孔、分野壁孔が 閉鎖状態 にあ り、薬剤の内部への浸透 を阻害 しているため と考 え られる。繰 り返 し注入試験で は、CCA 3号で微量 の 沈殿物が確認 された ものの、実用上問題 とな る沈殿物あるいは分離物 は確認 さ れなか った。池去 の研究 よ り、CCAは一般に沈殿形成あるいは分離物形成に関 与す るといわれる還元剤 のD一グル コースや木粉、あるいはカラマツ抽 出成分 の 影響 をほ とん ど受 けず、安定 している ことが確認 されている。 また5回の繰 り 返 し注入処理後の供試薬剤 中の有効成分残存量 は、CZSで約95%を示 した もの の、他の供試薬剤で は全 く変化がな く、実用上問題はないと考え られた。

第5章

 

キ トサ ン金属塩の木材防腐効 力81)

1.は

じめに

木材保存剤 として、非金属 系の有機化合物 を利用 した薬剤 もある24‑26)、 36、

39、 41、 45)が̲般的には有機化合物は生分解 され易いため、長期間の効力の 持続 を期待す る場合 には、金属成分 に頼 ることが多 い。硫酸銅が耐溶脱性 に乏 しい ことは先 に報告 した58)通りで ある。それに もかかわ らず、長期間にわ た って優れた防腐効 力を維持 している ことを井上 らは報告 して いる20)。 また、

Glovikら もナフテ ン酸金属等 につ いて、野外試験 を実施 し、同様 に金属成分が 長期間にわたって充分な効力 を維持 して いる ことを報告 して いる18)。

キ トサ ン金 属塩 は、CCA、 硫酸銅 あるいはナフテ ン酸金属 とは全 く異なった 構造 、す なわ ちキ トサ ンと金属 との錯塩であ り、 また、既に述べ たよ うに、木 材 に対 して充分な固着性 と浸透性 を有 している。そ こで本章ではキ トサ ン銅塩

(CCS)およびキ トサ ン亜鉛塩(CZS)の木材防腐効力につ いて検討 した。

CCAとキ トサ ンとを木材 に併用処理す ることによって、従来 よ り少量の有効 成分量で もって、従来通 りの効 力が維持 され ることは、すで に李 らによって報 告 されて いる54、 56)。 李 らはあ らが じめ木材 をキ トサ ンの水溶波で処理 し、続 いてCCAで処理す る とい う併用処理方法 を用 いて、少量のCCAで高い木材防腐 効 力の得 られ る ことを見 いだ して いる56)。 しか し、併用処理法 は作業性が悪 く、 またCCAの使用 は今後社会的 に問題 になる恐れが ある。それ に対 してCCS およびCZSは、 これ らの問題 を解決す るとともに、防腐効力の面か らも期待で

きる薬剤で あると考 えた。

2.供

試材料および試験方法

2.1 

防腐効 力試験

2.1.1 

供試材料

供試薬剤 として、キ トサ ン銅塩

[(CCS)

ン亜鉛塩 [(CZS)、 亜鉛含有率11.80%]

、銅含有率

9.95%]お

よびキ トサ を使用 した。 これ らとは別 に比較

用 として CuS04°

5H20(CSl)、 CuC12(CS2)お

よびZnC12(CZ)を 使用 し た。CCSおよびCZSの生成方法 は第1章の とお りで ある。また、キ トサ ン単独 処理の場合 も検討 した。

供試木材 には奈 良県吉野郡吉野産のスギ (じrypttterfaゴapor2,ca D.Don) 二方柾辺材 を使用 した。供試木材 は含水率を12〜15%に調整 した後、2 cm× 2 cm(木口面)× 1酬 (繊維方 向)の試験片 を作製 し、試験 まで冷暗所 に保管 し た。

供試菌 には、オオウズ ラタケ [ryrOmyCes paFystr,s[Berk.et Curt,)

Murr,「FPR1 0507]お よびカ ワラタケ [じOrfoFys yersfじθ

r(L.ex Fr.)

Qu01.F「PR1 1030]を 使用 した。

2.1.2 

試験方法

供試薬剤の うち、銅金属塩 系薬剤 (CCS、 CSl、

CS2)は

、銅金属量 として

0。 4、 0.6、 0,8、 1.0、 1.2、 1,4お よび1.5 kg/m3を 、また亜鉛金属塩系薬 剤 (CZS、 CZ)は、亜鉛金属 として1.6、 1.8、 2,0.2,2、 2.4および2.6kg

/m3の吸収量 を目標 として薬剤濃度 を調整 した。

供試試験片 は循環式乾燥器 にて温度60± 2℃で48時 間乾燥 し、0.01gの単位 まで質量 を測定 した後、 500ccの ビーカーに各供試薬剤 ごとに24個ずつ入れ、

浮かび あが らないようプ ラスチ ック製 の網 と重 しをのせた。次に所定 の濃度 に 調整 した各供試薬剤 300ccを 上か ら投入 した。なお、薬剤濃度は 日標薬剤 吸収 量 を 750〜 800kg/m3と した場合 に、上記 日標薬剤吸収量が得 られ るよ うに設 定 した。直ちにビーカー を真 空デ シケー タ内 に設置 し、‑93 kPaで 3時間減圧 して供試薬剤 を供試試験片中に注入 した。注入後供試試験片 を取 り出 し、表面 に付着 した薬剤 を軽 く拭 き取 り、その質量 を0,01gまで測定 した。注入前 と後 の供試試験片 の質量および供試薬剤濃度 よ り、薬剤注入率、薬剤注入量および 薬剤 吸収量 を算出 した。薬剤処理供試試験片 は20日 以上室内 にて風乾 し、防腐 効力試験 に供 した。

供試試験片 の耐候操作および防腐効 力試験 は、JIS A 9201(1991)に 準拠 し て行 った。

1,000 ccの ビーカーに任意 に選択 した試験片 を18個入れ、浮かび上が らな い ようにプ ラスチ ック製の網 と重 しで押 さえなが ら、10倍容量 の脱イオ ン水 を投 入 した。次 にマグネチ ックスター ラを用 い、25℃において420〜 450回/分 8時間攪拌 による溶脱操作 と60± 2℃の循環 式乾燥器 にて16時 間の揮散操作 と の組合せ を10回繰 り返 し、耐候操作 とした。耐候操作は、供試薬剤および薬剤 吸収量別 に行 った。耐候操作 を終了 した処理試験片は、室内にて20日 間以上乾 燥 させた。充分風乾 した供試試験片は、循環式乾燥器 にて温度60± 2℃で48時 間乾燥 し、0.01gの単位 まで質量 を測定 した後、JIS A 9201(1991)に したが って培養基の調製およびオオ ウズ ラタケ (TYP)、 カ ワラタケ(COV)の菌体 を 培養 した。完全にTYPおよびCOVの菌体が成長 した後、菌叢表面 にTYPにはス 年、COVにはプナ (Fagus crenata Bl.)の殺菌木粉 をそれぞれ菌叢表面が完 全 に覆われるまでふ りか けた。さ らに各菌体が成長す るのを待 って、菌叢表面 に5 cm× 5 cm、 厚 さ0。 5 cmの 殺菌済みのプラスチ ック製の網 (目の大 きさ0。 2

cIIl×0。 2 clll)を被せ、そ の上 にあ らか じめ酸化エテ レンでガス殺菌 した各供試

試験片を1ビ ン当た り3個ず つのせ 、26± 2℃、相対湿度70%で12週間の防腐 効 力試験 を行 った。

防腐効 力試験 を終 了 した各試験片 はビンか ら取 り出 し、表面の菌体 を除去 し た後 、60± 2℃の循環式乾燥器で48時 間乾燥 し、0.01gの単位まで質量 を測定 した。試験前 と後 の試験片の質量か ら防腐効 力試験 にお ける供試試験片の質量 減少率 を求めた。

        

2.2 

鉄腐食性試験および吸湿性試験

2.2.1 

供試材 料

供試木材 にはいずれ もスギ の二方柾辺材 を使用 した。形状 は木 口面 を2 clll×

2 cm、 繊維方 向 を鉄腐食性試験用 は4.5 cm、 吸湿試験用 はl ollと した。

供試薬剤 にはCCSおよびCZSを使用 した。

日標薬剤注入量 を鉄腐食性試験で は600 kg/m3れ 吸湿性試験で は750 kg/m8 とし、 日標薬剤吸収量はCCSでは銅金属 として1.O kg/m3、 czsでは亜鉛金属 として2.O kg/m3と なるよ うに供試薬剤濃度 を調整 し、前述 の方法にて減圧注

入 した。薬剤処理 した試験片 は、20日 間以上室内にて乾燥 させ、試験 までデ シ ケータ内に保管 した。

2.2.2 

試験方法

鉄腐食性試験および吸湿性試験 は、JIS A 9201(1991)に 準拠 して行 った。

鉄腐食性試験 には、ベ ンゼ ンにて脱脂 しさ らにエタノール にて洗浄 したBWG

#14、 長 さ3.8側の鉄性 くぎ を使用 した。 くぎはあ らか じめ0.001gの単位まで 質量 を測定 し、試験片木 口面 の1対角線 を3等分す る2点に、割れが入 らない よ う頭部 まで打 ち込 んだ。 これ を硫酸カ リウム飽和水溶液 にて40℃、相対湿度 約97%に調節 したデ ンケータ内に10日 間放置 した。試験終了後、直ちに くぎ を 抜き取 り、クエ ン酸ニア ンモニウムの10%水溶波 につ け、20分 間煮沸 し、発 生 したさび を除去 し、よ く水分 を拭 き取 り質量 を測定 した。試験前 と後の くぎの 質量 よ り、質量減少率お よび処理試験片 と無処理試験片の質量減少率の差よ り 鉄腐食比 を算 出 した。なお、繰 り返 しは各供試薬剤 とも5個 とした。

吸湿性試験 は、処理試験片 と無処理試験片 との吸湿性の差 によ り判定 した。

試験前 にあ らか じめ処理試験片お よび無処理試験片を60± 2℃の循環式乾燥器 で48時 間乾燥 し、0.001gま で質量 を秤量 した。 これを硫酸カ リウム飽和水溶液 にて40℃、相対湿度約97%に調節 したデ シケータ内に2日 間放置 した。試験終 了後、直ちに試験片 を取 り出 し、その質量 を測定 した。試験前 と後の質量よ り 吸湿率お よび処理試験片 と無処理試験片の吸湿率 の差 よ り吸湿比を算 出 した。

3.結

果 および考察

3.1 

木材防腐効力

防腐効 力試験の結果 を

Table 5‑1、 5‑2に

示 した。 また、試験の状況 を

P hoto.5‑1、 5‑2に

、腐朽試験後の供試片の状況 を

Photo.5‑3〜

5‑10に

示 した。

P hoto.5‑1、 5‑2に

見 られるよ うに、腐朽試験期間中 に供試試験片全体が菌叢で完全に覆われていたが 、CCSおよびCZSで処理 した 試験片は腐朽 に対 して強 い抵抗性 を示 した。 この ことか ら、キ トサ ン金属塩 は 優れた防腐効 力を有する ものの、木材腐朽菌 に対 しては忌避性の低い木材防腐

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