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P hoto.6‑3

結 果

キ トサ ン亜鉛塩処理木材 の室内防蟻効力試験

(亜鉛金属 として2.15kg/m3)

P hoto,6‑4 

無処理木材の室内防蟻効 力試験結果

3.2 

野外防蟻効力

野外防蟻試験 の結果 を

Table 6‑2に

示 した。また、野外試験 の実施状況 は、P hoto,6‑5、

6‑6、

野外試験結果 の一部 は

Photo,6‑7〜 6‑11

に示 した。本試験 の結果 は、一般 にJWPASで定める食害 の有無による評価で は な く、高橋 らの提案する指数法93)に

よ り評価 し、被害 の程度 をよ り明確 に表 示 した。

CCSではいずれの処理 区において も、2年間全 くイエ シロア リによる食害が 確認 されず 、平均薬剤吸収量が銅金属 として0.47kg/m3と ぃ ぅ低 い値で も充分 な防蟻性能 を示 した。CuS04・5120で は、

 1年

目よ り低 い薬剤 吸収量 区ですで に イエ ンロア リによる軽微な食害が確認 され、平均薬剤吸収量0。 43kg/ゴおよび 1.01kg/∬区で2年目にお ける蟻害指数が10.0を示 し、すべての試験杭 に徴侯 (部分的 に食痕 あ り)程度の食害が認め られた。1.18kg/皿 3区で は最 も高い薬 剤吸収量 を有す るにもかかわ らず、蟻害指数が18.0を示 し、5本2本の試験 杭 に軽度 (部分的 に明確な食害 あ り)の被害が確認 された。 しか し、0.84kg/

m3区 では逆に蟻害指数が1.6と小さか った。 この試験区では無処理試験杭へ の イエ ンロア リの接近が遅 く、 また無処理試験杭の食害度 も小 さか った ことか ら シロア リのコロニーの活性が弱か ったためと思われる。 したがって、 さ らに試 験 を継続 した上で効 力を判断す る必要が ある。

一方、CZSでは平均薬剤吸収量が亜鉛金属 として1.66kg/m3区 で2年目に蟻 害指数が6.4を示 し、若子の食害が確認 された。 しか し1.93kg/m3以 上ではほ とん ど食害がなかった。ZnC12で は、1・ 77kg/m3区および1.99kg/m3区 で軽度

(蟻害度30)の被害 を含む蟻害指数9.6、 また、2.66kg/m3区 で蟻害指数10.0 をそれぞれ示 した。ZnC12にお いて も2.66kg/m3区 に比べ、2.10kg/m3区 お よ び2.41kg/Ⅲ3区の蟻害指数が小さ くなった。 これ も、シロア リのコロニーの活 性が弱か った ことが原因である。一般 に野外試験では実際に試験 を実施 し、一 定の期間 を経過 して初めて試験地 におけるンロア リの活性度が判定で きる。 し たが って 、供試薬剤 の効 力評価 をす る際、薬剤処理試験杭の周囲に設置 した無 処理試験杭の食害度 を含 め、総合的に判断 しなければな らな い。本試験 にお い

Table 6‑2 

キ トサ ン金属塩の野外試験 にお ける防蟻効果

a)平

均薬剤吸収量 :キ トサ ン銅塩、硫酸銅 ;銅金属 として

キ トサ ン亜鉛塩、塩化亜鉛 ;亜 鉛金属 として

b)5本

中1部の試験杭が試験 中に行方不 明 となった。

c)蟻

害度30以上 の試験杭が存在 した。

供試薬剤 平均薬剤 吸収量a)

(kg/Ⅲ3)

蟻害指数 備

  

(無処理試験杭 の食害状 況等)

1年 目 2年

キ トサ ン 銅 塩 (CCS)

0.47

0。

 67 0. 88 1. 05 1. 18

試験開始3ケ月以内に 無処理試験杭が食害 を受 とす、

 1年

目に│ま蟻害度が

100を示 した。

硫 酸 銅 (CuS04

・5120)

0.43 0. 64 0. 84 1.01 1. 18

10, 0

6. Ob)

1. 6 10. 0

18, OC)

0.84kg/m3区 は2年 目 にお いて も無処理試験杭 の蟻害指数が50以下で あ った。他 の処理区はCCS と同様で あった。

キ トサ ン 亜鉛塩

(CZS)

1. 66 1. 93 2. 03 2. 22

無処理試験杭の食害状 況は、CCSと同様で あっ た。

      .

塩化亜鉛

(ZnC12)

1.77 1. 99 2. 10 2.41 2. 66

9, 6C) 1,99、 2.41kg/m8区 は

2年目において も無処理 試験杭の蟻害指数が50以 下で あった。他の処理区 はCCSと同様であった。

キ トサ ン

9. 51 44.9C)

66. OC) 無処理杭の食害状況は

CCSと同様で あった。

ては、CCS試験 区、CZS試験 区ともにンロア リの活性が高 く、無処理試験杭が 試験 開始 3ケ月以内にすで にンロア リの食害 を受け、

 1年

目には蟻害指数100

を示 した。キ トサ ン単独処理 区においては、

 1年

目には蟻害指数44.0、 2年目 には66.0を示 し、キ トサ ン自体 にはほとん ど防蟻効 力のない ことが分 つた。 こ れ は室内試験 の結果 とも一致 した。蟻害指数 をもとに薬剤の効力 を評価す る場 合、具体的な評価基準 はまだ確立 されて いな いが 、中村き8)は、蟻害指数が10

以下である ことを必須条件 とす る ことを提唱 している。一方 、 これ に加 えて蟻 害度30(軽度 の食害)以上は、明確な蟻害で あ り全試験杭 中に1本で もこれが 存在 した場合 は、そ の処理区は防蟻効力がな いと判断で きる ことか らこれ らの 判断基準 を基 に、キ トサ ン金属塩 の適性薬剤 吸収量 を決定す るな ら、CCSは銅 金属 としての平均薬剤吸収量0,47kg/m3以 上、またCZSは亜鉛金 属 としての平 均薬剤吸収量1.66kg/皿3以上 とな る。野外においてナフテ ン酸銅 あるいはナフ テ ン酸亜鉛 について試験 した結果 、檜垣 らはナフテ ン酸銅 について銅金属 とし ての平均楽剤吸収量0。 16kg/Ⅲ3以上にお いて1年間27)、 竹内 らはナフテ ン酸 亜鉛 につ いて亜鉛金属 として0。42kg/m3以上、またナフテ ン酸銅 につ いて銅金 属 として0.43kg/皿3以上で2年間28)それぞ れ優れた防蟻効 力を示 した ことを 報 告 している。キ トサ ン金属塩 とナフテ ン酸金属 の野外試験 の結果 と比較す る と、CCSは銅金属 として の薬剤吸収量が ナフテ ン酸銅の約2倍量 、CZSはナ フ テ ン酸亜鉛の約

4倍

量 を必要 とす る ことがわかった。 しか し」IS A 9108(1992) で はナフテ ン酸金属の必要薬剤吸収量 を、ナフテ ン酸銅では銅金属 としての薬 剤吸収量1.O kg/m3以 上、 またナフテ ン酸亜鉛では亜鉛金属 として2.O kg/m3 以上 と規定 している。キ トサ ン金属塩 の必要薬剤吸収量はほば この値 と一致 し た。

HS規

格 は5年程度 の野外試験の結果を もとに規定 されてお り、今後キ ト サ ン金属塩 について もさ らに野外試験 を継続 し、ナフテ ン酸金属 との防蟻効 力

の比較を行 いたい。

P hoto.6‑5 

キ トサ ン金属塩 の野外試験状況 (鹿児島県 日 置郡金 峰町の高橋潟固有林 内)

P hoto.6‑6 

キ トサン金属塩の野外試験状況 (中央 :薬 剤 処理試験杭、周囲5本 :無処理試験杭)

P hoto,6‑7 

キ トサ ン銅塩処理木材の野外防蟻効 力試験結 果 (2年目

)[左

側 :処 理試験杭 (銅金属 として 0.47kg/m3)、 右側 :無 処理試験杭]

P hoto.

6‑8 CuS04・

51120処理木材 の野外防蟻効力試験結果

2年目)左側 :処 理試験杭 (銅金属 として1.18 kg /m3)、 右側 :無 処理試験杭]

料 は

P hoto。

6‑9 

キ トサ ン亜鉛塩処理木材の野外防蟻効力試験 結果 (2年目

)[左

側 :処 理試験杭 (亜鉛金属 とし

して2.22kg/m3)、 右側 :無処理試験杭]

P hoto。

 6‑10

年 目)

/m3)

ZnC12処理木材 の野外防蟻効力試験結果 (2

[左側 :処 理試験杭 (亜鉛金属 として2.66kg

、右側 :無処理試験杭]

P hoto.6‑11キ トサ ン処理木材の野外防蟻効 力試験結果 (2 年 目

)[左

側 :処 理試験体 (キ トサ ンとして9.51 kg /m3)、 右側 :無 処理試験体]

4.要

JWPASの試験方法 に準拠 して、室内お よび野外 にお いてキ トサ ン金属塩の防 蟻効 力試験 を実施 した。室内防蟻効 力試験の結果 、キ トサ ン銅塩 (CCS)は平 均薬剤吸収量が銅金属 と して1.18kg/m3以上、またキ トサ ン亜鉛塩 (CZS)は

平均薬剤 吸収量が亜鉛金属 として2,15kg/m8以 上においてJWPASの性能基準 に 適合 した。相対 的 に防腐効 力試験 に比べ、充分な効力 を示す ため に必要な薬剤 吸収量が多 い ことが分 り、腐朽菌 に対す るよ りもイエ ンロア リに対す る効 力の 方が若干劣 る傾向が確認 された。一方 シロア リの死虫率 は、CCS、 CZSともに 30〜60%といずれ も

100%を

示 さなか った。 これはCCS、 CZSが食毒性 の薬剤 であ り、比較的初期 の段階に薬剤処理試験片 を食べ死亡 した シロア リの状態 に 異常 を感 じた他 の健全な シロア リが食害活動 を停止 し、生き残ったため と考 え

られる。

野外防蟻効 力試験の結果、CCSは平均薬剤吸収量が銅金属 として0.47kg/m8 以上、CZSは平均薬剤吸収量が亜鉛金属 として1.66kg/m3以上において2年間 イエンロアリによる食害がな く、JTPASの性能基準に適合 した8室内試験に比 べ、野外試験では少ない薬剤吸収量で十分な防蟻効力を示 した。さらに野外試 験を継続 しキ トサ ン金属塩の実用性を検討 したい。

第7章

 

キ トサ ン金属塩 の木材防カ ビ効力94)

1.は

じめに

木 材の生物劣化 には、病朽害 あるいは蟻害 のよ うに木材 自体の物理的性能 を 著 しく低下 させ る ことはほとんどないが、各種 カ ビ類 による劣化がある。木材 保存剤 はそのほとん どが水溶性 あるいは水分散型であ り、い くら優れた防腐性 能 を有 していて も、防カ ビ性能 を欠 く場合 には、処理後の乾燥過程や使用の間 に木材表面 にカビの発生 による変色 を起 こし、処理木材 の品質、特 に外観的価 値 を損な う恐れが ある。 しか し、現在用 い られている木材防腐剤 の防カビ効 力 につ いて は、ほとん ど検 討されてお らず、乳化型 のナフテ ン酸銅 とナフテ ン酸 亜鉛および

8‑オ

キ シキ ノリン銅が、かな りの高濃度で も充分な防カ ビ効力 を 示 さない こと9S` 96)以外 は不 明な点が多 い。キ トサ ンを木材保存剤 として用 い る場合 もこの防カ ビ性能 を検 討 してお く必要がある。キ トサ ンの防カ ビ性 につ いて、抗菌スペ ク トルが比較的狭 く、細菌類 に対 しては比較的高 い成長抑制効 果 を示すが、糸状菌 に対 して は成長抑制効果が低 いこと、キ トサ ン単独では木 材防 カビ効果 に乏 しい ことがすで に報告 されている97〜 99)。 しか し、キ トサ ン に金属を加 えた場合の木材防カビ効 力は不明で ある。そ こで本研究 は、キ トサ ン銅塩あるいはキ トサ ン亜鉛塩の防カ ビ効力 につ いて調べた

2.供

試 材料 および試験方法

2.1 

供試材料

供試薬剤 には、キ トサ ン銅塩

[(CCS)銅

含有率、

9.95%]お

よびキ トサ ン 亜鉛塩

[(CZS)亜

鉛含有率 、

11.80%]を

使用 した。なお、CCSおよびCZS の生成方法は第 1章の とお りで ある。また、キ トサ ン単独処理の場合 も検討 し た。

供試木材 にはブナ (胸glrs crerPata Bl.)辺 材 を使用 し、0。 3 cm× 2 cm(木 口面)× 5 cm(繊維方向

)の

試験片 を作製 した。次 に馬鈴薯 グル コース (PG)

液体培地 に3分間浸漬 し、60± 2℃の循環式乾燥器 にて充分乾燥 し、試験 に供

した。なお、PG培地処理供試試験片は、試験 まで0℃以下 に調整 した冷蔵庫 内 に保管 した。

供試菌 として は、次の計6種を用いた。―

lspergfF」ys  ηすger van  Tieghem  I「 0 6341

Pcfョfc:ゴrfv4P  flr4:じLrloslrm  Thom  I「 0 6345

Rra,zθpus   οryzae  Went & Prinsen― Geerligs  I「 0 31005 lvreobasI」Itrm pとIIIurans  (de Bary) Arnaud  IF0 6353 θrfθcra♂:lrm  yfrerPs  Mlller, Giddens & 「 osteb  IF0 6355

oraactOmttlrr  g:obοsv4P Kunze ex  F「les  IF0 6347

2.2 

試験片の調製

供試試 験片 をあ らか じめ60℃で48時 間乾燥 し重量 を測定 した後、所定 の濃度 に調整 した各供試薬剤 を

‑93kPaで

3時間減圧注入 した。注入後常圧 に戻 し、

薬剤 に浸漬 した状態で3時間放置 し充分薬剤 を浸透 させ た。注入後試験片 を取 り出 し表面 に付着 した薬剤 を軽 く拭 き取 り質量 を測定 した。注入処理前 と後 の 供試試験片の質量お よび供試薬剤 の濃度か ら、供試薬剤 の注 入量 と吸収量 を求 めた。注入処理 した供試試験片は、3週間以上室内 にて乾燥 させた後、JIS A 9201(1991)に 準拠 して耐候操作 を行 った。

2.3 

防カ ピ効力試験

キ トサ ン金属塩 の防カ ビ効 力試験は (社)日本木材保存協会規格 (JWPAS) 第2号に準拠 して行 った。ただ し、

 1ペ

トリ皿 当た りの供試試験片数 は1個 と

し、各供試薬剤、供試菌 当た りの供試試験片数をそれぞれ5個 とした。

結果 は

Table 7‑1に

従 って 各菌 ごとに評価 し、平均評価値 とそ の合計 を 求めた。

次 に供試試験片 の平均評価 値合 計 と無処理試験片の平均評価値合計よ り次式 によ り被害値 を求め、キ トサ ン金属塩の防カ ビ効 力を評価 した。

D(%)=(S1/S。 )X100 D :被

害値

S。 :無処理試験 片の平均評価値合計

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