(2)
MLD5511S41
試験糖尿病、高血糖および糖代謝異常症を合併した被験者は
4
例(症例番号5031、5032、 5105
および
5145)認められた。血糖(随時)、 HbA1c
および尿糖の臨床検査結果を表 2.7.4.5-3に、有害事象を集計した結果を表 2.7.4.5-4に示す。
糖尿病、高血糖および糖代謝異常症を合併した被験者のうち
1
例(症例番号5145)に血糖
(随時)の増加が認められ、有害事象(糖尿病)と判断された。糖尿病は中等度で非重篤の 事象であり、因果関係は否定された。データ固定後の追跡調査の結果、転帰は軽快であった。
他の被験者において、血糖(随時)、HbA1cおよび尿糖に有害事象と判断された変動は認め られず、1例(症例番号
5031)に悪心 2
件および鼻咽頭炎1
件が認められたが、いずれの事 象も軽度であり、回復した。表
2.7.4.5-3
糖尿病等を合併した被験者の臨床検査値一覧:MLD5511S41
試験(資料番号
5.3.7.1.5
:表16.2-6
、表16.2-17
より作成)下限 上限 下限 上限 下限 上限
70 109 4.3 5.8 .
(-)70 109 4.3 5.8 .
(-)検査値 判定a 検査値 判定a 検査値 判定a
5031 31
一次登録時20 86 5.9 H (-)
男性
2週時 20 156 H 5.7 (2+) H
PM 12週時 20 100 6.0 H (-)
24週時 20 92 6.0 H (2+) H
52週時 20 104 7.3 H (-)
終了時
20 104 7.3 H (-)
5032 58
一次登録時20 103 6.7 H (-)
男性
2週時 20 171 H 6.6 H (1+) H
EM 12週時 20 123 H 6.5 H (-)
24週時 20 145 H 6.5 H (-)
52週時 20 172 H 7.3 H (-)
終了時
20 172 H 7.3 H (-)
5105 24
一次登録時20 101 5.3 (-)
男性
2週時 20 119 H 5.2 (-)
EM 12週時 20 116 H 5.2 (-)
24週時 20 103 5.3 (-)
52週時 20 93 5.4 (-)
終了時
20 93 5.4 (-)
5145 42
一次登録時20 148 H 5.9 H (-)
女性
2週時 20 168 H 5.8 (-)
EM 12週時 20 109 6.0 H (-)
24週時 20 117 H 6.6 H (-)
52週時 20 305 H 9.4 H (5+) H
終了時
20 305 H 9.4 H (5+) H
a:基準値上限超に"H"、基準値下限未満に"L"と併記。
検体異常の場合は"異"を併記。
基準値(男/女) 基準値(男/女) 基準値(男/女)
尿糖 血糖
(mg/dL)
HbA1c (%)
症例番号 年齢(歳)/性別 /CYP2
C19
表
2.7.4.5-4
糖尿病等を合併した被験者の有害事象一覧:MLD5511S41
試験(資料番号
5.3.7.1.5
:表16.2-6
、資料番号5.3.7.2.5
:表16.2-16
より作成)2.7.4.5.2
外因性要因国内臨床試験(MLD5511S31試験、MLD5511S41試験)において、外因性要因に基づく安 全性に関する検討は実施していない。
2.7.4.5.3
薬物相互作用本申請のために臨床薬理試験は実施しなかったため、本項に該当する新たな情報は得られ ていない。
2.7.4.5.4
妊娠および授乳時の使用国内臨床試験(MLD5511S31試験、MLD5511S41試験)のうち、MLD5511S31試験におい て、投与開始後に妊娠した被験者がプラセボ群において
1
例(症例番号4587)認められた。
本被験者への治験薬の投与は中止され、20 年 月 日時点で胎児および母体に異常は認 められておらず、開鍵の結果プラセボ群であることが判明し、20 年 月 日に追跡調査 を終了した。
症例 番号
年齢 (歳) /性別
CYP2C 19 遺伝子
型
基本語(PT) (医師記載名)
発現日 前日の 処方量a
発現 までの
日数b (日)
持続 期間c (日)
転帰 重症度 重篤度 治験薬に 対する
処置
治験薬 との 因果 関係
5031 31
男性
PM 悪心
(吐気)
10 mg/日 2 23 回復 軽度 非重篤 なし 否定でき
ない 悪心
(吐気)
20 mg/日 88 8 回復 軽度 非重篤 なし 否定でき
ない 鼻咽頭炎
(感冒)
20 mg/日 188 16 回復 軽度 非重篤 なし 否定でき
る
5032 58
男性
EM - - - - - - - -
-5105 24
男性
EM - - - - - - - -
-5145 42
女性
EM 気管支炎
(急性気管支炎)
20 mg/日 218 9 回復 軽度 非重篤 なし 否定でき
る 糖尿病
(糖尿病の悪化)
20 mg/日 361 13 未回復 中等度 非重篤 該当しない
(治験薬投与 終了後の発
現など)
否定でき る
用語辞書:MedDRA/J Ver.16.0 a:発現日以前の治験薬の最終投与量 b:有害事象発現日-投与開始日+1
c:回復日または転帰確認日-有害事象発現日+1
2.7.4.5.5
過量投与国内臨床試験(MLD5511S31試験、MLD5511S41試験)において、規定された投与量を超 えて服薬した被験者は認められず、本項に該当する新たな情報は得られていない。
2.7.4.5.6
薬物乱用国内臨床試験(MLD5511S31試験、MLD5511S41試験)において、薬物乱用に関連した有 害事象は認められず、本項に該当する新たな情報は得られていない。
2.7.4.5.7
離脱症状および反跳現象投与中止により発現する離脱症状および反跳現象の可能性がある事象を評価するため、国 内臨床試験(MLD5511S31試験、MLD5511S41試験)の治験薬投与終了後または中止後の評 価期間である後観察期における有害事象の発現率について検討した。さらに、国内臨床試験 では後観察期において他の抗うつ薬の併用を許容していたことから、他の抗うつ薬による有 害事象の発現率への影響を除くため、MLD5511S31試験の後観察期において抗うつ薬を併用 しなかった被験者における後観察期の有害事象を併せて検討した。
(1)
MLD5511S31
試験後観察期における、有害事象の要約を表 2.7.4.5-5に、いずれかの群で発現率が
2%以上の
有害事象を表 2.7.4.5-6に、副作用を表 2.7.4.5-7に示した。また、後観察期の抗うつ薬併用 の有無別での有害事象を表 2.7.4.5-8に、副作用を表 2.7.4.5-9に示した。後観察期に発現した有害事象の発現率は、プラセボ群、
MLD-55 10 mg
群およびMLD-55 20 mg
群で、それぞれ12.5%
(24/192例)、20.6%
(40/194例)および26.5%
(50/189例)であり、プラセボ群に比し
MLD-55 10 mg
群およびMLD-55 20 mg
群で統計学的に有意に高値(Fisher の正確検定、p=0.040およびp<0.001)であった。また、プラセボ群、MLD-55 10 mg
群および
MLD-55 20 mg
群において、有害事象の発現率に統計学的に有意な用量反応関係が認められた[相関統計量に基づく
CMH
検定(rankスコア)、p<0.001
]。後観察期に発現した副作用の発現率はプラセボ群、
MLD-55 10 mg
群およびMLD-55 20 mg
群で、それぞれ3.6%(7/192
例)、11.3%(22/194例)および13.8%(26/189
例)であり、プ ラセボ群に比しMLD-55 10 mg
群およびMLD-55 20 mg
群で統計学的に有意に高値(Fisher の正確検定、p=0.006およびp<0.001)であった。また、プラセボ群、MLD-55 10 mg
群および
MLD-55 20 mg
群において、副作用の発現率に統計学的に有意な用量反応関係が認められた[相関統計量に基づく
CMH
検定(rankスコア)、p<0.001]。有害事象はいずれも軽度または中等度であり、重度の有害事象は認められなかった。
死亡およびその他の重篤な有害事象は認められなかった。重要な有害事象の発現率は、
MLD-55 10 mg
群およびMLD-55 20 mg
群で、それぞれ0.5%(1/194
例)および1.1%(2/189
例)であり、プラセボ群では認められなかった。2例以上認められた重要な有害事象は、い ずれの群においても認められなかった(付表 2.7.4.7-1)。発現率が
2%以上の有害事象は、プラセボ群で頭痛、浮動性めまい、悪心、MLD-55 10 mg
群で浮動性めまい、鼻咽頭炎、傾眠、頭痛、MLD-55 20 mg群で浮動性めまい、鼻咽頭炎、悪心および傾眠であった。浮動性めまいおよび鼻咽頭炎の発現率は、プラセボ群に比し
MLD-55 20 mg
群で統計学的に有意に高値(Fisherの正確検定、p=0.026およびp=0.031)であ
り、プラセボ群、MLD-55 10 mg
群およびMLD-55 20 mg
群で統計学的に有意な用量反応関係 が認められた[相関統計量に基づくCMH
検定(rankスコア)、p=0.024およびp=0.024]。
発現率が
2%以上の副作用は、MLD-55 10 mg
群で浮動性めまい、MLD-55 20 mg群で浮動性めまいおよび悪心であり、プラセボ群では認められなかった。浮動性めまいの発現率は、
プラセボ群に比し
MLD-55 20 mg
群で統計学的に有意に高値(Fisherの正確検定、p=0.018)であった。また、浮動性めまいおよび悪心の発現率において、プラセボ群、MLD-55 10 mg
群および
MLD-55 20 mg
群で統計学的に有意な用量反応関係が認められた[相関統計量に基づく
CMH
検定(rankスコア)、p=0.019、p=0.048]。後観察期に抗うつ薬を併用しなかった被験者における後観察期の有害事象の発現率は、プ ラセボ群、MLD-55 10 mg群および
MLD-55 20 mg
群で、それぞれ10.6%
(12/113例)、19.3%(22/114例)および
24.1%(27/112
例)であり、プラセボ群に比しMLD-55 20 mg
群において
10%以上高値であった。また、同様に副作用の発現率は、プラセボ群、MLD-55 10 mg
群および
MLD-55 20 mg
群で、それぞれ4.4%
(5/113例)、14.9%
(17/114例)および17.9%
(20/112 例)であり、プラセボ群に比しMLD-55 10 mg
群およびMLD-55 20 mg
群において10%以上
高値であった。発現率がプラセボ群に比し5%以上高値であった有害事象は、MLD-55 20 mg
群で浮動性めまいであり、MLD-55 10 mg群では認められなかった。浮動性めまいの発現率 は、プラセボ群、MLD-55 10 mg群およびMLD-55 20 mg
群で、それぞれ2.7%(3/113
例)、6.1%(7/114
例)および10.7%(12/112
例)であり、いずれも副作用と判断された。なお、後観察期に抗うつ薬を併用した被験者における後観察期の有害事象の発現率は、プ ラセボ群、MLD-55 10 mg群および
MLD-55 20 mg
群で、それぞれ15.2%(12/79
例)、22.5%(18/80例)および
29.9%(23/77
例)であり、プラセボ群に比しMLD-55 20 mg
群において10%以上高値であった。副作用の発現率は、それぞれ 2.5%(2/79
例)、6.3%(5/80例)および
7.8%(6/77
例)であった。表
2.7.4.5-5
有害事象の要約:MLD5511S31
試験(後観察期)(1/2
)(資料番号
5.3.5.1.1
:表14.3-2
)表
2.7.4.5-5
有害事象の要約:MLD5511S31
試験(後観察期)(2/2
)(資料番号
5.3.5.1.1
:表14.3-2
)(192例) (194例) (189例)
発現 例数
発現 率
(%)
発現 件数
発現 例数
発現 率
(%)
発現 件数
発現 例数
発現 率
(%)
発現 件数
有害事象
24 ( 12.5) 32 40 ( 20.6) 54 50 ( 26.5) 74
副作用
7 ( 3.6) 11 22 ( 11.3) 33 26 ( 13.8) 43
重度の有害事象
0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0
重度の副作用
0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0
死亡に関する有害事象
0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0
死亡に関する副作用
0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0
その他の重篤な有害事象a
0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0
その他の重篤な副作用a
0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0 0 ( 0.0) 0
重要な有害事象
0 ( 0.0) 0 1 ( 0.5) 1 2 ( 1.1) 2
重要な副作用
0 ( 0.0) 0 1 ( 0.5) 1 0 ( 0.0) 0 a:死亡に関する有害事象(副作用)を除いた重篤な有害事象(副作用)を指す
プラセボ群
M LD-55 10 mg 群 M LD-55 20 mg 群
M LD-55 10 mg 群 vs.
プラセボ群
M LD-55 20 mg 群 vs.
プラセボ群
有害事象
p=0.040 p<0.001 p<0.001
副作用
p=0.006 p<0.001 p<0.001
重度の有害事象
p= - p= - p=
-重度の副作用
p= - p= - p=
-死亡に関する有害事象
p= - p= - p=
-死亡に関する副作用p= - p= - p=
-その他の重篤な有害事象ap= - p= - p=
-その他の重篤な副作用ap= - p= - p=
-重要な有害事象p=1.000 p=0.245 p=0.152
重要な副作用p=1.000 p= - p=0.992 a:死亡に関する有害事象(副作用)を除いた重篤な有害事象(副作用)を指す b:相関統計量に基づくCochran-Mantel-Haenszel検定(rankスコア)
対比較
(Fisherの正確検定)
用量反応関係 の検討
(CM H検定)
b表
2.7.4.5-6
いずれかの群で2%
以上発現した有害事象の集計:
MLD5511S31
試験(後観察期)(1/2
)(資料番号
5.3.5.1.1
:表12.2-17
)表
2.7.4.5-6
いずれかの群で2%
以上発現した有害事象の集計:
MLD5511S31
試験(後観察期)(2/2
)(資料番号
5.3.5.1.1
:表12.2-17
)PT(基本語)
(192例) (194例) (189例)
(男/女:84/108例) (男/女:84/110例) (男/女:83/106例)
全体
24 ( 12.5) 32 40 ( 20.6) 54 50 ( 26.5) 74
浮動性めまい4 ( 2.1) 4 9 ( 4.6) 9 13 ( 6.9) 13
鼻咽頭炎3 ( 1.6) 3 6 ( 3.1) 6 11 ( 5.8) 11
悪心4 ( 2.1) 4 3 ( 1.5) 3 8 ( 4.2) 8
傾眠2 ( 1.0) 2 6 ( 3.1) 6 5 ( 2.6) 5
頭痛5 ( 2.6) 5 4 ( 2.1) 4 3 ( 1.6) 3
用語辞書:M edDRA/J Ver.16.0発現 件数
発現 例数 有害事象
プラセボ群
M LD-55 10 mg 群 M LD-55 20 mg 群
発現 例数
発現 率
(%)
発現 件数 発現
率
(%)
発現 件数
発現 例数
発現 率
(%)
PT(基本語)
全体
p=0.040 p<0.001 p<0.001
浮動性めまい
p=0.259 p=0.026 p=0.024
鼻咽頭炎
p=0.503 p=0.031 p=0.024
悪心
p=0.723 p=0.256 p=0.191
傾眠
p=0.284 p=0.281 p=0.290
頭痛
p=0.750 p=0.724 p=0.488
用語辞書:M edDRA/J Ver.16.0
a:男性被験者対象
b:女性被験者対象
c:相関統計量に基づくCochran-M antel-Haenszel検定(rankスコア)
有害事象 対比較(Fisherの正確検定)
用量反応関係 の検討
(CM H検定)
cMLD-55 10 mg 群 vs.
プラセボ群
M LD-55 20 mg 群 vs.
プラセボ群