第 7 章 Bi-2212 を用いたプローブコイルの作製と評価
7.4. Bi-2212 を用いたプローブコイルの Q 値
φ8mm φ8mm
φ8mm φ8mm
(a)
(b)
トリマコンデンサ
Ls:プローブコイル
Cm:整合用トリマコンデンサ Ct:同調用トリマコンデンサ
C
tC
mL
SC
tC
mL
S(c)
トリマコンデンサ
測定治具 先端ステージ
測定治具 先端ステージ
図7-5. Bi-2212プローブコイルの実装写真と等価回路
(a)2ターンコイル、(b)4ターンコイル、(c)等価回路
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000
300 400 500 600 700
f(MHz)
Q
Bi-2212 Ag
T=4.2 K B=0 T 0
1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000
300 400 500 600 700
f(MHz)
Q
Bi-2212 Ag
T=4.2 K B=0 T
0 5000 10000 15000 20000 25000
200 300 400 500 600 f (MHz)
Q
Bi-2212 Ag
(a) (b)
T=4.2 K B=0 T
図7-6. Bi-2212プローブコイルのQ値-周波数依存性(温度:4.2 K, 磁場:0 T)
(a)2ターンコイル、(b)4ターンコイル
ネットワークアナライザ
Liq. He
セミリジッドケーブル
同調整合回路 測定冶具
超伝導マグネット
プローブコイル 磁場
ネットワークアナライザ
Liq. He
セミリジッドケーブル
同調整合回路 測定冶具
超伝導マグネット
プローブコイル 磁場
図7-7. Bi-2212プローブコイルの磁場中Q値評価方法
図7-8に、4.2 KにおけるQ値の磁場依存性の測定結果を示す。なお、測定結果 はいずれも共振周波数600 MHzでのQ値である。図7-8に示すように、2ターン、4 ターンのプローブコイルいずれもQ値は0〜1 Tの領域で急激に低下し、それ以上の 磁場中(1〜7 T)では緩やかに減少する傾向を示した。2 ターンのBi-2212プローブ コイルでは、磁場 7 T で Q=6860 を示し、ゼロ磁場での Ag プローブコイルの Q 値
(Q=3580)を大きく上回った。同様に、4ターンのBi-2212プローブコイルでも、磁 場7 Tの条件で、Agプローブコイルのゼロ磁場でのQ値(Q=4500)を大幅に上回る
Q=17280を得た。以上の結果から、0〜7 Tの磁場を印加した状態でも、Bi-2212プロ
ーブコイルは常伝導Agプローブコイルと比べ低損失であることを実証した。磁場7 T
は 300 MHz NMR の動作環境であり、以上の結果から Bi-2212 プローブコイルは
300 MHz NMR装置に充分適用可能であると言える。
上述したように、Bi-2212プローブコイルのQ値は1 T以上の磁場中では緩やかに減 少する依存性を示す。この磁場依存性から外挿すると、Bi-2212 プローブコイルはさ らに高磁場中でも、常伝導Agプローブコイルに比べ高いQ値を維持すると予想され る。図7-9に、より高磁場領域におけるQ値を予測した計算結果を示す。直線は、磁
場 1〜7 T の Q 値の磁場依存性の実験結果を線形近似で外挿した計算結果を表す。1
〜7 Tの依存性が14 Tまで保たれると仮定した場合、磁場14 TでもBi-2212プローブ コイルは常伝導Agプローブコイルに対して充分に高いQ値を示すと予測される。よ って、以上の検討結果から、本研究で試作した Bi-2212 プローブコイルは 600 MHz NMR(磁場強度14 T)への適用が充分に期待できる。
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000
0 1 2 3 4 5 6 7 8
B (T)
Q (600MHz)
T=4.2 K f=600 MHz
Bi-2212
Ag
0 5000 10000 15000 20000 25000
0 1 2 3 4 5 6 7 8
B (T)
Q (600MHz)
T=4.2 K f=600 MHz
Bi-2212
Ag
(a) (b)
図7-8. Bi-2212プローブコイルのQ値-磁場依存性
(温度:4.2 K, 周波数:600 MHz)
(a)2ターンコイル、(b)4ターンコイル
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000
0 2 4 6 8 10 12 14
B (T)
Q (600MHz)
0 5000 10000 15000 20000 25000
0 2 4 6 8 10 12 14
B (T)
Q (600MHz)
T=4.2 K f=600 MHz
Bi-2212
Ag
T=4.2 K f=600 MHz
Bi-2212
Ag
(a) (b)
図7-9. Bi-2212プローブコイルのQ値-磁場依存性の予測計算
(温度:4.2 K, 周波数:600 MHz) (a)2ターンコイル、(b)4ターンコイル