0.2 0.4 0.6 1.0
0 2 4 6 8
△10% PVA copolymer
( )
◇10% PVPVA
( )
□10% PVP
( )
○IMC
( )
0.8
Table 5. KWW parameters of IMC, 10% PVP, 10% PVPVA and 10% PVA copolymer solid dispersions.
τ (hour) τβ (hour)
Amorphous IMC 2.22 0.43 1.41
10% PVP 9.65 0.21 1.61
10% PVPVA 8.00 0.24 1.65
10% PVA copolymer 42.79 0.17 1.89
3-3-4. FT-IRスペクトルの変化に基づいた分子間相互作用の評価
固体分散体中の非晶質薬物と高分子基剤との相互作用を評価する上で、FT-IR 法は最も有効な手段の一つである。固体分散体中において、水素結合を始めと する相互作用に関与した官能基の FT-IR ピークは、シフトやブロードニングを 起こすことが報告されている 90-92。そこで、IMC-PVP、IMC-PVPVA ならびに
IMC-PVA copolymer固体分散体について、FT-IR法による薬物‐高分子の分子間
相互作用を評価した。非晶質IMCでは、カルボン酸のC=O伸縮振動に由来する ピークが約1735 cm-1付近に観察され、PVPもしくはPVPVAとの固体分散体形 成により、2~3 cm-1低波数側へシフトした。また、1705 cm-1に観察されたカル ボン酸のダイマーに由来するC=Oのピークにおいても、約1717 cm-1へシフトし た。この結果は、既に報告されている知見25と一致した。その報告の中で、IMC のピークシフトは、固体分散体中においてIMC のカルボン酸と PVP/PVPVAの アミドのC=Oとが水素結合したことによる結果であることが考察されていた。
続いて、IMC-PVA copolymer固体分散体の相互作用について評価した。Figure
34に、IMC-PVA copolymer固体分散体のFT-IRスペクトルを示す。また、Table 6 に、IMC-PVA copolymer固体分散体中で、変化が生じた特徴的な2000~1200 cm-1
範囲のFT-IRピークの波数を示す。IMC-PVP ならびにIMC-PVPVA固体分散体
と同様に、IMC-PVA copolymer固体分散体においても、IMCのカルボン酸のC=O 伸縮振動に由来するピークが 2 cm-1低波数へシフトしていた。また、ダイマー 形成しているカルボン酸のC=Oピークにおいても、1705 cm-1から1717 cm-1へ シフトしており、IMC-PVP、IMC-PVPVA固体分散体で観察された変化と一致し た。したがって、IMC-PVA copolymer 固体分散体中においても、IMC のカルボ ン 酸 は 高 分 子 と 相 互 作 用 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。 さ ら に 、IMC-PVA
copolymer 固体分散体においては、IMCのアミドの C=O 伸縮振動に由来するピ
ークの変化が特徴づけられた。
IMCのアミドのC=O伸縮振動に由来するピークは1680 cm-1に確認され、PVA copolymerの配合量依存的に高波数へシフトした。PVA copolymerの配合比が80%
の時に1685 cm-1までシフトし、90%の時に消失した。この結果から、IMC-PVA
copolymer固体分散体中において、IMCのアミドが分子間相互作用に関与してい
マーを形成しており、カルボン酸が水素結合形成に重要な官能基であることが 知られている79-80。一方で、アミドのC=Oはα型結晶構造中においてのみカル ボン酸と相互作用しており、γ型結晶中では相互作用に関与していないことが報 告されていた。IMC のアミド官能基は水素結合形成能を有するが、結晶多形間 で相互作用への関与が異なっており、固体分散体中における高分子との相互作 用においても、その役割を正しく把握することは重要であると考えた。
Figure 34. FT-IR spectra of IMC, PVA copolymer and IMC-PVA copolymer solid dispersions