第 5 章 バックアップ/リストア
5.4 ACL に関連したバックアップ、リストア
ACL(Access Control List)に対応したバックアップ、リストア方法としては、アーカイブユーティリティであるtarの ACL対応版であるstarやXFSファイルシステムを管理するユーティリティであるxfsdump/xfsrestoreがあります。
ここではそれらの使用方法について説明します。
5.4.1 star コマンド
(1)バックアップ
(a)starの使用方法
starコマンドは、tarコマンド同様バックアップ対象がファイル単位で、一般ユーザーからも利用できます。取 得対象となるファイルまたはディレクトリのリストを入力します。複数のファイルまたはディレクトリを併記する場合に は、それらの名前の間をスペースで区切ります。ディレクトリを指定した場合には、そのディレクトリ配下のファイル とディレクトリを再帰的にバックアップするよう動作します。
下の例でバックアップ対象は/homeです。
# /usr/bin/star -cv -H=exustar -acl f=/dev/nst0 /home
以下に主なオプションの説明を示します(詳細はstarのオンラインマニュアルを参照)。
• -c ―― 新しいアーカイブを作成します。
• -t ―― アーカイブ内容の一覧を表示します。
• -x ―― アーカイブからファイルを抽出します。
• -v ―― 処理したファイルの一覧を詳しく出力します。
• -z ―― アーカイブをgzipにフィルターします。
• f ―― アーカイブ・ファイルまたはデバイスを指定します。
• -C ―― 指定したディレクトリ移動します。
• -H=exustar -acl ―― ACL情報をアーカイブすることを指定する。リストア時には-aclのみ指定。
5.4 ACLに関連したバックアップ、リストア
(2)リストア
バックアップ媒体からのフルリストアを行う一般的な使用方法は、次のとおりです。実行すると、バックアップ媒体 に格納されているファイルがすべてカレントディレクトリに展開されます。なお展開時には、バックアップ取得時の ディレクトリ構成がそのまま反映されます。
# /usr/bin/star -xv -acl f=/dev/nst0
またカレントディレクトリ以外にリストアを行う場合は、C オプションを指定します。dest にはリストアしたいディレ クトリへのパスを指定してください。下の例では/tmp/testへリストアします。
# /usr/bin/star -xv -acl f=/dev/nst0 -C /tmp/test
部分リストアを行う場合には、引数としてリストア対象のファイルまたはディレクトリの、バックアップ取得時のパス を指定します。複数を列挙する場合には、スペースで区切ります。
なお、バックアップ取得時に「/」からのパスを指定した場合、最初の「/」がパスから取り除かれているので注意 が必要です。
たとえば、バックアップを取るには次のようにします。
# /usr/bin/star -cv -H=exustar -acl f=/dev/nst0 /home
/home/hogeをリストアしたい場合には次のようにします。
# /usr/bin/star -xv -acl f=/dev/nst0 home/hoge
5.4.2 xfsdump/xfsrestore コマンド
前述のdump/restoreコマンドのXFSファイルシステム用のコマンドであり、同じくファイルシステムのバックアップ、
リストアを行うことができます。
XFSファイルシステムを対象としているので、ACL情報を含めて処理を行う事を前提としている為、ACL情報の 有無について特に意識する必要はありません。
(1)バックアップ(xfsdumpコマンド)
(a)xfsdumpの使用方法
xfsdumpコマンドはroot権限で実行します。
次に示す例では、バックアップ対象は/homeです。このバックアップ対象は一般に/etc/fstabに記述されて いるマウントポイント(ディレクトリ)か、ディスクパーティションを指定します。
# /sbin/xfsdump -l 0 -f /dev/nst0 -L セッション・ラベル -M メディア・ラベル /home
以下に主なオプションの説明を示します(詳細はxfsdumpのオンラインマニュアルを参照)。
• -l 0~9 ―― バックアップレベルを指定します。
0を指定すると、フルバックアップを取ります。1以上の数字を指定すると、インクリメンタルバックアップを取りま す。
• -f ―― ダンプ出力先のファイルまたはデバイスを指定します。
• -L ―― セッション・ラベルを指定します。
このバックアップのダンプセッションに対するラベルを指定します。このパラメータを指定しなかった場合は以下 のように入力要求がきます。以下の例はセッション・ラベルにXXXXXを指定しています。
============================= dump label dialog ==============================
please enter label for this dump session (timeout in 300 sec) -> XXXXX
session label entered: "XXXXX"
end dialog
---5.4 ACLに関連したバックアップ、リストア
• -M ―― メディア・ラベルを指定します。
このバックアップのメディアに対するラベルを指定します。このパラメータを指定しなかった場合は以下のように 入力が要求されます。以下の例はメディア ・ラベルにYYYYYを指定しています。
============================= media label dialog =============================
please enter label for media in drive 0 (timeout in 300 sec) -> YYYYY
media label entered: "YYYYY"
end dialog
---(b)xfsdumpでの差分バックアップ
xfsdumpでの差分バックアップは、フルバックアップを取得した後に実行可能となります。あるダンプレベルが 指定されると、それより小さい数のダンプレベルでxfsdump が実行された時刻より後に更新されたファイルだけを バックアップの対象にします。
# /sbin/xfsdump -l 1 -f /dev/nst0 -L セッション・ラベル /home
上記の例のようにレベルを1で続けていけば累積差分バックアップとなり、レベルを日ごとに増やしていけば差 分バックアップとなります。
差分バックアップをテープなどのメディアに取る際には/dev/st*では上書きしてしまうので、/dev/nst*で追 記することを忘れないように注意が必要です。
(2)リストア(xfsrestoreコマンド)
(a)xfsrestoreの使用方法
xfsdumpコマンドで取得したバックアップはxfsrestoreコマンドでリストアします。xfsrestoreコマンドは root権限で実行します。
バックアップ媒体からのフルリストアを行う一般的な使用方法は、次のとおりです。
# /sbin/xfsrestore -f /dev/nst0 /home
以下に、主なオプションの説明を示します(詳細はxfsrestoreのオンラインマニュアル参照)。
• -f ―― バックアップファイルまたはテープデバイスを指定します。
• -i ―― 対話モードです。「 ->」のプロンプトが表示されて、ls、add、extractなどのコマンドでファイル の選択、リストアを行います。
• -s ―― 指定したディレクトリ又はファイルのみリストアします。
-iの対話モードでは、次のようなプロンプトが出ます。
========================== subtree selection dialog ==========================
the following commands are available:
pwd
ls [ <path> ] cd [ <path> ] add [ <path> ] delete [ <path> ] extract
quit help
->
バックアップ媒体から任意のディレクトリ又はファイルを指定してリストアを行う使用方法は、次のとおりです。
# /sbin/xfsrestore -f /dev/nst0 -s ディレクトリ又はファイル名 /home