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いし、あたかも正当なライセンス契約を結んだとおぼしき行動を取ってもいなかった。逆
に、FRAND条件に基づいて特許をライセンスすることを原告は申し入れたが、この申し入
れは被告に否定された。更に、代替案は承認できるような条項には基づいていなかった。
そうであったとしても、被告はいかなる支払、例えば預託も行っていないので、ライセン ス契約を結んだかのような行動を取っていなかった。更に、被告は論争中の特許の侵害及 び有効性を認識せずに、同様に要求したため、被告の提案は無条件ではなかった。
法廷は EU 法務官の見解に判決の基礎を置くことはできない。勿論、このような見解は 非常に重要ではあるが、含まれる法律上の疑義はヨーロッパ最高裁判所(ECJ)しか決定 できない。ECJの決定がない限り、法廷は現状の法律的立場を適用しなければならない。
c. 法廷がこの見解を共有しない場合であっても、別の結果とはならない。他のいかなる前 提条件に拘わらず、EU法務官の見解は、特許保有者が市場優勢位置を占めることを要求し ている。法務官は、SEP に関する所有権だけがその資格を与えるのに充分ではないと認識 している。この場合、原告は500件の特許群の中で2件、或いは標準化団体に開示した全
特許の0.4%を保有している。明らかに、この程度の少量では、高い優占度とは言えない。
更に、被告は、STE 機能を市場で販売できるためにはタブレット・コンピューターの必要 性を強く主張するだけではなく、そのことを事実で証明しなければならない。つまり、こ のことは「Donkey 4 Wi-Fi」の販売が「Donkey 4 STE」の市場導入で劇的に減少していな ければならないことを意味している。そうでないと、STE 機能があることは魅力的ではあ るが、必須ではなくなる。このように、法廷は EU 法務官の見解に従うことが可能と考え るにしても、前提条件は合致しない。
c. 最後に、EU 法務官の見解に基づいて差止め救済処置の余地がないという見解を法廷が 取った場合でも、法廷はそれでもなお、特許 X に関しては差止め救済処置を認めるべきで ある。
原告はBambiから、Bambiが既に標準化団体に開示していた特許Xを獲得した。しか しながら原告は、特許Xに関わってはいないし、Bambiが与えた約束の対象でもない。こ のことが、当該約束は決して原告を拘束しない理由である。FRAND条件に従いライセンス するという約束には、対物的な効果はない。このように、原告を法律的に拘束するには、
契約の譲渡・移管が必要である(つまり、第三者全てが係ることが必要である)。
d. 付記。原告は特許X及びYの登録された保有者であるので、正しい原告であることに疑 義の余地はない。
37 2. 損害賠償額
原告は、両特許に対して、ドイツ国内での販売額の5%の損害賠償額の申し入れを正当に行 なった。
a. 原告は、この訴訟の中で既に具体的な損害賠償額を要求していて、確認判決を最初に要 求せずに、別の訴訟で第二段階として損害賠償額の算定を追及していることが、やや異常 であることは承知している。しかしながら、「通常の」アプローチは必須でなく、損害額算 定のための関連資料は既に入手可能で、同意されている。
b. 原告は、FRANDライセンスに関する契約が成されていない場合にFRAND宣言を提出 したSEPの特許保有者に対する損害額算定の前例が、現時点までないという事実は認識し ている。しかしながら、故意または不注意の特許侵害の場合には損害額を支払う義務があ るというドイツ特許法(PatG)139 条、及び損害額は該損害行為を成した当事者を該損害 行為がなかったとした状況に置くという原則に立って算定されなければならないというド イツ民法(BGB)249条の基で、原告の要求が正当とされる理由がある。ドイツ民法(BGB)
249条の一般原則に基づけば、一般的に受け入れられている損害額算定方法が存在している。
つまり、特許保有者は、(ⅰ)自身の損失、或いは、(ⅱ)侵害者が得た利益、或いは(ⅲ)
正当なライセンスに匹敵する損害額を要求できる。
b. 原告は、FRAND ライセンスに限定されない。被告は法的に原告の損害額を負担する義 務がある。標準化団体に提出された、展開している特許侵害の損害額を算定する方法は、
被告が FRAND ライセンスを要求しなかったため、適用されない。更に、被告は受け入れ
られない代替案で、FRANDライセンスの提案を拒否した。FRANDライセンスが及ばない 契約の場合には、特許を用いている当事者は、侵害を提訴されるリスク、及び FRAND に 限定されない損害額に責任を負うリスクが伴う。そうでないと、SEP を使う当事者がライ センス契約を結ぶことは、結ばないと結果的に不利となるというリスクがないので、意味 をなさない。法廷は被告のために都合のよい論証を許すべきではない。このことは、被告 は明らかに FRAND ライセンスを受け入れる意思がない、特に、現在の事例では正しい。
被告の見地に立っての議論の目的だけに至極単純な、数学上だけのアプローチを行うと、
被告は提案内容として次のように計算すべきであった。500件の特許群で最大5%×特許2 件。この結果、特許使用料率は0.001%ではなく、0.02%となるであろう。
c. 更に、最大5%の特許使用料率は、任意の値である。ドイツでの特許使用料の最大料率は、
通例、20%から25%である。
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d. タブレット・コンピューターは、通信機能に関する部品なしでは販売されなかったであ ろうから、損害額は、通信機能に関する部品だけに限らない。特許となった特徴を持たな い代わりの物があるという事実によって、このことは立証される。つまり、消費者は
「Donkey 4 Wi-Fi」を買ったかもしれなかった。こうして、どの「Donkey 4 STE」も、そ の全ての「Donkey 4 STE」でも、その販売は全く通信機能にのみ起因するのであって、タ ブレット・コンピューターの価格も損害額の算定に考慮されなければならない。
e. 原告は前記提案の2%に限定されない。前述のように、被告には前記の提案を受け入れる 機会があったが、受入れを決定しなかった。従って、被告はこの提案を支持する覚悟がな いという、リスクに耐えねばならない。被告が迅速に異議のないライセンス契約のための、
訴訟の圧力下で損害額を支払うよりも良好な条件を提案するのは、正当である。5%の値は 正当である。5%を基本とした計算では、結果的にはどんな場合でも侵害者の利益よりも少 ないという事実で、正当性は立証されている。
3. 結論
纏めると、原告は差し止め命令を出すことで、侵害している製品の販売を止めなければ ならない。更に、ドイツでの販売額の5%相当の損害額を被告に認めさせなければならない。
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被告による主張の概要:
Christof Augenstein
被告に対する訴訟は却下すべきである。
1. 差止め救済処置
a. ドイツ特許法(PatG)139条で、第三者による侵害行為があった場合に差止め救済処置 を規定しているのは、正しい。しかし、法廷が差し止め命令を認めるかどうかを決定する 時に、その自由裁量権を行使することを、PatG 139条が除外しているというのは正しくな い。PatG 139条は、本来、固定されてはいないし、固定されてもならない。EU施行令の
3(2)条は 12 条と併せて、下記の内容を明瞭にしている。即ち、(ⅰ)取られる手段の全
ては、正当でなければならない、(ⅱ)差止め救済処置が不当と思われる場合には、別の手 段(特別な金銭補償)を法廷は命じても良い。EU法は国際法に優先するので、ドイツ国際 法は EU施行令と調和していなければならない。こうして、その他の解釈では EU 法を侵 害するであろう、差し止め命令が不当であり得る訴訟には、法廷は差し止め命令を認めな いことがあると、PatG 139条を解釈すべきである。
ドイツ民事訴訟法(ZPO)の審決の執行猶予に関する規定は、正当な決定を可能とする のに充分ではない。差し止め命令が執行されると、この規定は、被告が支払い不能となる リスクを多少とも強いるためである。この前提条件は、例外的な状況をカバーするに過ぎ ないし、特許の侵害が認められた訴訟での市場の状況には充分に合致してはいない。
PatG 139条の表現によれば差し止め命令を認めさせないと法廷が考える訴訟については、
法廷はヨーロッパ最高裁判所(ECJ)に対して、PatG 139条が現行のEU法と調和してい るかどうかを問い合わせるべきである。
b. 原告の唯一の関心がライセンス料を得ることにあるため、差止め救済処置は、明らかに 不当である。当事者間で本当に異議申し立てすべきは、FRANDライセンスである。この異 議申し立ては、既にこの訴訟で係争されている。原告は、差し止め命令を必要としない。
差し止め命令の裁定の唯一の目的は、被告のビジネスに損害を与えることである。このよ うに、差し止め命令の裁定は、後述する独占禁止法とは別に、一般原則の下で、法的立場 を悪用することになる。
c.更に、被告は独占禁止法の防衛を提出することもできる。SEP(標準必須特許)は、原告 に市場優占位置を認めていて、そのため、原告が差止め救済処置を要求することで市場優