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<面接内容>

 ①学校の様子

②生徒指導主事としての活動について  ③自校教師同士の関係

 ④「同僚性」や「協働性」についてどのように考えるか  ⑤生徒指導主事としての悩み

 ⑥その他生徒指導に対する思い

表3−10 生徒指導主事半構造化面接の対象者属性

規 模

iクラス数)

年 代

主事年数 i在職年数)

経験年数 i経験枚数)

生徒指導 蜴膜o験

教 科

a 大(23) 30歳代前半 2年目(3) 8年(2校) 社会

b 大(21) 40歳代前半 2年目(4) 18年(4校) 国語

C 大(20) 40歳代前半 2年目(3) 1O年(3校) 2校目

保健体育

d 中(19) 30歳代後半 2年目(5) 10年(2校) 社会

e 中(19) 30歳代前半 2年目(4) 9年(2校)

保健体育

f 中(16) 40歳代前半 2年目(5) 13年(3校)

保健体育

9 中(14) 40歳代前半 1年目(2) 17年(4校) 2校目

英語

h 中(14) 30歳代後半 2年目(3) 11年(3校)

技術家庭

i 小(12) 40歳代前半 1年目(2) 19年(6校) 2校目

数学

j 小(10) 40歳代前半 2年目(3) 11年(4校) 2校目

英語

※面接期間=2009/8/26−9/17

壕モ1A県は,1校3−5年勤務であり,最高7年を限度として人事異動が行われている。

 A市内の生徒指導主事は,そのほとんどが授業を持たず,生徒指導業務に専念する形態 をとっている。主事の教科によっては,選択授業などを受け持つ教師もいるが,それでも 持ち時数は8時間以内である。

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 どの主事にも共通していた意見は,「以前よりも勤務外やプライベートな付き合いが 減り,同僚とゆっくり話をする機会が少なくなっている」「勤務後の飲み会や会合に おいてのざっくばらんな会話や討論を上げている」という職員関係に関することで

あった。

 また,r生徒指導主事としての悩み」について,r他の職員から,『問題解決的(消極 的・問題対処的)生徒指導』を求められることが多々ある」というような意見がいく つかあり,中には「私の言うことを聞かないので,どうにかしてほしい」「教室をき れいにするように言ってほしい」というような応えることが難しい要求をされるこ

とや「自分のキャラクターとは違う役回りだが,職員間をっなぐためにあえてやら なければいけないような場面にストレスを感じる」というような悩みもあった。

 「仲の良いことにこしたことはないが,あまりべたべたした関係だと,言いたい ことがいいにくくなる,普段は,それぞれの教師がその役割をしっかり果たし,い ざというときに全教師がまとって問題解決にあたることが,理想であり,そのよう な職員関係をつくるように意識している」という主事の声は,教師のr疎結合」構 造を表すものとして印象に残った。

 本来,「開発的・予防的(積極的)生徒指導」を生徒指導主事が中心になり展開し,

そのrコーディネーター的役割」を担っているはずだが,他教師の要望は問題処理 の方が多い。しかし,その中で,なんとか気力を振り絞り,どの生徒指導主事も同 僚間の円滑な人問関係の構築のために日々,気を遣い,目標の共有と共通理解・認 識のために職員同士が話し合う機会をつくるように心掛けている。

 半構造化面接により,生徒指導主事の普段の活動の忙しさや悩みを知ることがで きた。また,職員間をつなぐ殺害I1を意識しているということも明らかになった。同 時に,学校現場には「『同僚性』を基盤とした『協働的生徒指導体制』の構築」が必 要とされていることが強く感じられた。

3−2−2 生徒指導主事のエスノグラフィー的フィールドワーク

 生徒指導主事の実態から「同僚性」「協働性」との関連を探るため,市内C中学校におい て,生徒指導主事の1目を追う参与観察法により,その解釈的アプローチを試みた。

 C中学校は,A市の学園都市構想に基づいて建設された創立二十数年の学校である。

小学校,普通高校が隣接しており,校区内の3つの小学校から入学者がある各学年       36

7〜8クラスすっ,全校生徒800名余の大規模校である。旧集落と新興住宅地,県外 企業社宅,自衛隊官舎等を地域に持ち,空港,都心に近い交通の便のよい立地で,

校区内に大型店舗もある。かつて荒れを経験したが,現在は市内でも比較的落ち着 いている学校の部類に入る。

 対象者の生徒指導主事であるZ教師は,40歳男性で既婚者,子供が2人いる。勤務校 は,C校が4校目になる教師歴18年目の国語科教師である。部活動は,女子バレーボー ル部の顧問を務め,他校での主事歴はなく,去年からC校で初めて生徒指導主事を務めて

いる在職3年目の教師である。

 観察観点を,①活動内容,②同僚・管理職・生徒との接点(会話),③事務時間,④勤 務時間,⑤その他,とし13日間のC校観察期間中,7日間の生徒指導主事のシャドウイン

グを行った。

表 3−11

生徒指導主事の一日の活動

(2009.9/11/Fri.)

関係の対象

生徒

同僚

他の主任

生徒サボ㌧夕一

外部

単独

5時間25分

41分 8分 40分

2時間10分

2時間58分

45.01% 5.67% 1.10% 5.54% 18.01% 24.65%

活動内容 時間 割合

生徒指導や対話・校内外の巡視活動

4時間5分

33,93%

生徒の情報交換等,業務上の対話や会議

3時間19分

27,56%

雑談やコーヒータイムなどの休憩

10分

1.38%

電話対応

24分

3.32%

事務作業

1時間53分

15.65%

部活動

1時間59分

16.48%

トイレ 4分

0.55%

食 事

8分

1.10%

総 計 12時間2分

100%

(観察期間:2009年8月〜9月)

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表3−12生徒指導主事の一日

2009/9.11/Fri.

時間 行  動 校内 職員室 生指室 校区 校区外

7:00 出勤し、ぼんやりする。 2

7:02 部活動指導のため体育館開錠 2

7=04 ネットを立てる間、見ながら朝食(弁当) 6

7=10 部活指導(女子バレーボール部) 35

7=45 ミーティング、朝練終了 5

7:50 2学年主任とインフルエンザ欠席について話 5

フ=55 パトロール 25

8=20 帰校、職員朝会 11

8:31 3学年職員と生徒について情報交換 3

8=34 トイレ 2

8=36 生徒指導室1こて報告書作成

8=43 他校D中生徒指導主事より電話(バイク窃盗〕 7

8=50 生徒サポーターより電話 3

8=53 3学年学級担任へD中からの情報を告げる 2

8=55 事務 8

9=03 バイク窃盗該当生徒(3年生H)に事情聴取 25

9:28 生徒サポーターへ現状説明 4

9132 再び生徒1こ事情聴取 65

10=37 E警察署少年係へ電話(バイク窃盗の件) 3

10:40 D生徒指導主事へ電話 8

10=48 時差登校生徒へ指導(男子F、女子G) 6フ

11二55 生徒サポーターへ現状説明 3

11=58 再び生徒に指導 34

12:32 生徒サポーターと情報交換 23

12=55 給食準備 5

13=00 給食 8

13=08 トイレ 1

13=09 教育委員会総合青少年課へ 13

13=22 総合青少年課1こて会議(学校の状況情報交換) 109

15=11 総合青少年課から学校へ 16

15=27 学校着・3学年担任と話(バイク窃盗の件) 8

15=35 事務 23

15:58 生徒サポーターと情報交換(F.Gへの対応) 7

16105 再び事務 30

16=35 総合青少年課がら電話対応 3

16:38 部活のギャプチンヘ練習メニュー支持 17

,6:55 陸上指導の教師へ今日のスケジュール確認 7

17:02 陸上指導 51

17=53 部活動生徒へのミーティング 15

18:08 陸上練習生徒ヘミーティング 5

18=13 トイレ 1

18二14 コーヒータイム 3

18:17 報告物整理 45

19102 帰宅

130 42 387 25 138

722 tOtal(minuetS)

O.1801 O.0582 O.536 O.0346 0.1911

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 表3−12は,C中学校の生徒指導主事の一日を追ったものである。表を見ると,午前7時 に出勤してから,午後7時に帰宅するまでのおよそ12時間の職務の実態がわかる。部活動 の朝練習から始まり,学校車による校区内の巡視パトロ』ル,問題行動を起こした生徒へ の対応と生徒サポーターや関係教師との情報交換,問題行動が他校と関わる場合は,その 学校との電話連絡,教育委員会への対応,と休む暇もない。給食準備をする5分間が同 僚職員との雑談であり,食事時間は8分,部活動指導が終わり,生徒が下校するまで,

めまぐるしく活動している。コーヒータイムもつかの間,事務処理をし,帰宅する。8日 間の観察期間中における平均勤務時間は,12時間19分で,一番長い勤務時間は,12時間5

2分であった。

 「生徒指導主事の仕事でつらいと思うことは何か」という質問に「部活動の時間が途中 で途切れたり,報告物や細かい事務作業を途中で中断して関わらなければならない問題行 動等の対応があることと自分の子供と遊ぶ時間がなかなかとれないこと」と答えた。問題 行動の対応については,予測不能であり,1つの仕事が完結する前に次の仕事が入り,い

くつもの対応を同時にこなしている状況が例えた。また,プライベートの時間も業務に取 られ,父親としての責務を果たすことのできないもどかしさも伝わってきた。

 「生徒指導主事になって,特に意識している活動とかがあるか」という質問に対しては

「生徒指導室にこもらず,できるだけ職員室に顔を出し,職員に話しかけるようにしてい る」「主事になる前は,特に意識していなかったが,同僚との会話の中でその人の人とな

りをできるだけ理解するように努め,その教師の持ち味が活かせるような支援の仕方を心 掛けるようにしている」という答えがかえってきた。

 生徒指導主事の参与観察により,「生徒指導主事の忙しさ」や「生徒指導主事なら ではの苦しさ」を見ることができた。同時に,生徒指導主事の仕事が「つなぐ」と いうキーワードで成り立っていることを感じた。それは「職員間」や「管理職と一 般職員」の関係や教務主任や学年主任といった「ミドルリーダー」同士を「つなぐ」

役割のことである。

 学校現場における「『同僚性』を基盤とした『協働的生徒指導体制』の構築」にお けるつなぎ役としての生徒指導主事の重要性があらためて示唆された。

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