-Beam Dump
171 150NE213
類のNE213有機液体シンチレータを使用した。 NE213は、 従来から中性子測 定を 行う ときに用いられ 、 y線と中性子の波形弁別特性が優れて いることや、
検出効率について実験や計算が比較的多く行われていると いった特長がある。
中性子検出器の寸法は直径5.08cmX厚さ5.08cm及び直径12.7cmX厚さ
12.7cmの2種類で 、 それぞれ 低及び高エネ ルギー中性子 測定用とした。 これ は以下の理由からである。
高エネルギー中性子は収量が少ない。 このためできるだ け多くの高エネルギ ー中性子を検出するためには、 検出器の体積を大きくして検出効率を高 める必 要がある 。 このた め高エネルギ ー中性子検出 用には検出 効率を優先して併 12.7cmX12.7cm の検出器を用い ることにした。 また中性子TOF測定では、
中性子のエネルギー測定限界は、 高エネJレギー側では測定系の時間的揺らぎに、
低エネルギー側では中性子とy線の波形 弁別に依存する。 一般に中性子とγ線 の波形弁別は、 低エネルギーでは困難であるが、 中性子検出器の大きさが小さ ければ良くなることが知られている。 これは以下の理由に よる。 有機系シンチ レータの遅発蛍光成分は誘起される荷電粒千の阻止能に依存する。 この遅発蛍
光成分の大きさの違いを利用して巾性子 とγ線の波形 弁別が 行われ るが 、 シン チレーシ ョン光のそのほとんどは即発蛍光成分であり波形弁別のために重要な 遅発蛍光成分は非常に少ない。 一方、 シンチレーシ ョン検出器の有感部分の体 積が大きくなるにつれて、 シンチレータ自身によるシンチレーシ ョン光の減衰 が顕著になっ てくる。 従って低エネルギー領域における中性子 とy線の波形弁 別を良好に行うためには、 検出器を小 さ くすることに よりシンチレーシ ョン光 の減衰を低減させ、 元来信号の小 さい遅発蛍光成分に関する情報を出来るだけ 失われないようにすることが必要である。 以上の理由から、 低エネルギー中性 子検出用には中性子とγ線の波形弁別を優先させ千5.08cmX 5.08cmの検出器
を用いることにした。
各中性子検出器 の前面には、 荷電粒子除 去(ベト: Ve t o)用として厚さ 1 cmのNE102Aプラスチックシンチレータを設置した。 このNE102Aプラス チックシンチレータと中性子 検出用NE213 有機液体シンチレータの両方で信 号が検出されたイベントは、 陽子やπ +中間子等の 荷電粒子が検出されたと考 えられる。 実験データを解析する際に、 これらの反同時(U n t i -C 0 i n c i d e nc e)イ ベントを除去することで 、 不要な荷電粒子を除去することができる。 その他、
中性子検出系の各検出器に接続した光電子増倍管を表3-2にまとめて示す。
3. 3. 2 データ収集システム
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-表3-2 中性子検出系の検出器及び光電子増倍管
Scintillator Photomultiplier
NE213 : 12.7 cm in diam. and 12.7 cm thick Hamamatsu R12 50-03 Neutron Detector
NE213 : 5.08 cm in diam. and 5.08 cm thick Hamamatsu Hl161
NE102A: 15 x 15 x 1 cm3
Veto Detector Hamamatsu H1949
NEl 02A : 8 x 8 x 1 cm3
ハU
次にN1 ìvfぷびCAJvf ACモジュールによる中性子検出器 からの信号のデータ収 集について、 図3-2を用いて説明する。
中性子検出器からの信号は、 最初に増幅器や減衰器によって適切な波高に調 整される。 そして次に分配器(Di v. ) によって、 信号は 4 つに 分けられた。 そ の内の1つの信号はC FDに入力させロジック信号に変換した。 残り3つの内 2つの信号は、 中性子とγ線の波形弁別を行うためにCA ìvf ACモジュールのア
ナログーデジタルコンバーター(ADC)に入力した。 残り1つの信号は、 信号の 全電荷を記録するためにADCに入力した。 こ れはTOFスペクトルを得る際の ディスクリレベルを決定するためである。
C FDからは3つのロジック信号を出力した。 その内のlつはFAN-1Nを経た 後に、 C OI N.Jでビーム上流の検出器からの 信号 と同 時計 測を 行った。 この FAN-INには6方向に設置した大きさの異なる2種類の中性子検出器からの信 号が 入力し、 OR回路 として働く。 また、 C F D から の残り の2 つの信号は、
C A ìvfA Cモジュールのコ インシデンスレジスタ(C01N.REG)とタイムーデジ タルコンバー ター(TDC )に入力させた。
COIN�lでは、 ビーム ライン上の検出器から の信号と中性子検出器からの信 号を同時計測するが、 タ イミング的には中性子検出器からの信号の方が 遅れて 入力するよう にした。 先に述べたように、 ビームライン からの信号は130nsec のゲート幅に なっている。 そのため、 C01N-lでこの130nsecのゲートが開 い ている聞に中性子検出器からの信号が入力されたときのみ同時計測が行われる ことになる。 この130nsecのゲート幅は、 ター ゲットからの放出される時間的 に早い即発γ線から遅い 0.3ìvf e V程度の低エネルギー中性子まで、 TOF測定可 能な時間幅に対応する。 そして同時計測が行われると真の中性子イベントが起 こったとして、 C01N 4から各CA �fA Cモジュールに対してスタート及びゲート 信号が出力される。 さらに、 入射陽子数 の 計数を止めると ともに、 データ収集 中に次の測定 を禁止す るための1 N H I B1T信号も同時に出力 さ れ る。 この 1NH I B1T信 号は F AN-1 N/OUTを 経由してC 01 N 3、 C 01 N 4やSCA LERの 1NH1B1T入力に入力させる。 この1NH1BIT信号が入力している限りは、 各測 定回路は次の 入力信号に対 して動作しない。 また、 もしC OIN 4においてゲー トが開いている聞に中性子検出器信号が入力しなかった場合は、 引続き測定を
行うことになる。
C01N 4からの出力は、 DELAYやG.Gを経由して以下の各 CAJvf ACモジュー ルに入力させ た。 今回の測定で用いたADC は電荷収集型であり、 信号入力の 他にゲート信号入力が必要と なる。 これはADCがゲート信号 の時間幅で電荷 収集時間が決定するためである。 測定では、 ゲート幅と入力タイミングの異な
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る3種類のADCを用意した。 ゲート信号の内のlつは、 中性子検出器または 荷電粒子除去(ベト )用検出器からの直筏の信号の全電荷を記 録するためのも ので、 ゲート幅は250nsecで あった。 残りの2つは、 中性子とγ線の波形弁別 を行うための もので、 lつはゲート幅-lOnsec で 入力信号の立ち上がり部分 の 電荷を記録した。 残りlつのADCのゲート信号は、 ゲート幅350nse cで、 入 力信号の減衰部分の電荷を記録するために150nsecだけタイミングを遅らせて 入力 した。
TOF測定を開始するためのスタート信号は、 COIN ..tからTDCに入力させた。
このとき各入射陽子ピームモニター 及び各中性子検出器からの信号をストップ 信号 として入力させた。
コインシデンス レジスタ(COIN.REG)は、 どの中性子検出器で イベントが 起こったかを調べるために用いた。 各中性子検 出器からの信号はCFDを経て COIN.REGに入力するが、 この信号を受け付けるCOIN.REGの動 作時間は、 ゲ ート信号入力のゲート幅で決まる。 今回の測定では、 130nsecのゲート幅で 動 作させた。
インタラプトレジスタ(INT.REG)及びアウトプットレ ジスタ(OUT.REG) は、 次のように用いた。 測定で用いたμVAXコンピ ュータは 、 ネットワーク で他のコンビュータ とつながっているためにデータ取り込みにかかる時間は常 に一定ではない。 このため、 コンビュータによるデータ取り込みが完全に終了 してから 次のイベントの測定を再開する必要がある。 具体的には、 COIN ..tか ら測定開始の信号 が各CA:rvI A Cモジュー ルに対して出 力 されると、 同 時に INT.REGにも出力する。 コンピュータ は常にこのINT.REGを見ていて、 測定 開始の信号を検知すると他のCA !vIACモジュールからデータの取り込みを開始 する。 また、 データ取り込みと同時にOUT.REGから信号を出力するよう命令 を出す。 このOUT.REGからの出力は、 FAN IN/OUTを経 てC0 IN 3、 4及び SCALERのINHIBIT入力に入力する。 そのためOUT.REGが出力している聞は、
次の信号を受け付けな いように各回路の入力動作が止まるこ とになる。 最後に コンピュータ によ るデータ取り込みが完了すると、 OUT.REGの出力を 止 める 命令を出す。 そして次のイベント測定を開始するために、 各国路が通常の動作 を始める。
以上のようにしてデータを コンピュータに取り込み、 磁気テープにリストモ ードで記録 した。 測定 終 了後、 九州大学の大型計算機及び理学部タンデム加速 器実験室のワークステーシ ョン(東芝製AS4080)においてオフライン処理に
よりデータ解析を行った。
今回のTOF測定は通常行われている時間反転TOF測定である。 C0 I N .1から
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の測定開始の出力の タイミングは、 ビーム検出器からの信号ではなく、 中性チ 検出器からの信号によって決まっている。 TDC のスタート信号がCOIN-lから の出力 で、 ス トップ信号がビ ーム 検出器信号となっ てい る ため、 得られ る TOFスペク トルは時間が反転したものに なる。 鉛ターゲットに1.5GeV陽子を 入射したときのTOFスペクトルの様子を図3-6に示す。 TDCの160チャンネル 付近のピークは、 ターゲットに陽子を入 射した際に放出される、 時間的に最も 早く観測されるはずの即発γ線である。 そして0---160チャン ネルまでの範囲 に分布しているのが放出中性子スペクトルである。 この図3-6から、 TDCに記 録されるスペクトルは時聞が逆転している様子が分か る。 なお、 データ解析で
は即発γ線の ピークを時間基準にして放出中性子のエネルギーを 決定した。
3. 4 ターゲット
実験で用いたターゲットの諸特性を表3-3に、 ま たTOF測定での飛行距離を 表3・4に示す。 実験に 際 しては、 生成中性子エネルギ一分布をターゲット原子 核、 特に質量数について系統的に調べ るため、 最も軽い黒鉛からアルミニウム、
鉄、 インジウムそして最も重い鉛までの5校種を選択した。 ターゲットは鉛の 場合を除いて円柱を用いた。 鉛の場合は90。 方向の多重散乱の影響を考慮し て縦10cm、 横10cm、 厚さ1.2 c mの板を用い、 入射ビーム軸に対して15 0 傾 けて設置し た。 それぞれのターゲット厚さ は測定効率、 入射ビームエネルギー 損失を考慮して決定した。 先に述べたようにπ2ビームライ ンのビーム強度は 非常に弱いため、 測定全体の効率を上げるためにはターゲットを厚くするか、
または タ ーゲットと検出 器開の飛行距離を短 くする必要がある。 しか しTOF 測定 において飛行距離を短くすることはエネルギ一分解能の低下に繋がるため 出来るだけ避けたい。 このため、 通常の断面積測定の場合と比較してターゲツ
トを厚くすることで測定効率の向上を 図っ た。 本研究では、 表3-3に示される ようにターゲットの厚さを決定した。 ただし、 ターゲット厚さを 決定する際に は、 入射陽 子ビームのエネルギ ー損失についても検討した。
吸収物質中での荷電粒子の阻止能は、 良く知られるB etheの式によって以下 の様に表現するこ とができる。
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( 3 -6 )なお、 式中のv及び、こeは荷電粒子の速度及び電荷、 Nは単位体積当たりの吸収 - 43・