表
3-8
解析ケース一覧図
3-21 AC
吹出風速のタイムテーブル概要Inlet Outlet
Outlet
図
3-20
実験モデル概要初期内外差圧[Pa] Inlet 風量[㎥/s] 定常時風速[m/s] 変化後風速[m/s]
case1 0.5 9.95E-03 9 0,3,6
case2 1 2.0029E-02 9 0,3,6
case3 3 7.9756E-02 9 0,3,6
case4 5 1.15E-01 9 0,3,6
速度成分 X,Y,Z方向(三次元) 給気条件 流量規定
圧縮・非圧縮 非圧縮 排気条件 圧力差0Pa
定常・非定常 非定常 AC吹出条件 タイムテーブル設定
乱流モデル 標準k-ε 初期時間間隔 0.01s
壁境界 対数則条件 終了時刻 10s
移流項 QUICK クーラン数 0.9
メッシュ数 約118万[個] サイクル数 10000~20000
0 2 4 6 8 10
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
吹出風速
[m /s ]
経過時間
[s]
Vac=9→0m/s Vac=9→3m/s Vac=9→6m/s
68
図
3-22,23
にcase1,2
の解析結果を示す。非定常解析の結果に加えて、変化後のAC
吹出風速での定常解析の結果も合わせて示す。これを見ると内外差圧が小さい条件下では、AC 吹出風速変化後の形状抵抗係数が約
1
秒で安定し、定常状態と同値になっていくことが分 かる。図
3-22 AC
による形状抵抗係数𝝃
𝒂𝒄の推移(case1)図
3-23 AC
による形状抵抗係数𝝃
𝒂𝒄の推移(case2)-100 0 100 200 300 400 500 600 700 800
0 1 2 3 4 5 6
AC
による形状抵抗係数ξa c[ -]
経過時間
[s]
Vac:9→0m/s Vac:9→3m/s Vac:9→6m/s
定常解析-5 0 5 10 15 20 25 30 35
0 1 2 3 4 5 6
AC
による形状抵抗係数ξa c[ -]
経過時間
[s]
Vac:9→0m/s
Vac:9→3m/s
Vac:9→6m/s
定常解析69
図
3-24,25
にcase3,4
の解析結果を示す。これを見ると内外差圧が大きい条件下では、内外差圧が小さい時よりも
AC
吹出風速変化後の形状抵抗係数の変動が大きく、変動後の風 速差が大きいほど安定するまでの時間が長いということが分かる。具体的には、変動後の風 速差が小さい時は約3
秒、大きい時は9
秒程安定するまでに時間を要することが分かった。図
3-24 AC
による形状抵抗係数𝝃
𝒂𝒄の推移(case3)図
3-25 AC
による形状抵抗係数𝝃
𝒂𝒄の推移(case4)-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2
0 2 4 6 8 10
AC
による形状抵抗係数ξa c[ -]
経過時間
[s]
Vac:9→0m/s Vac:9→3m/s Vac:9→6m/s
定常解析-0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
0 2 4 6 8 10
AC
による形状抵抗係数ξa c[ -]
経過時間
[s]
Vac:9→0m/s
Vac:9→3m/s
Vac:9→6m/s
定常解析70
以上の結果により、非定常的に
AC
の吹出風速を変化させた時のAC
による形状抵抗係数𝜉
𝑎𝑐は、内外差圧が小さい条件下であれば、変化後の条件での定常状態の値を用いて表現で きることが明らかとなった。3.4.2 人体通過連動型 AC の CFD 解析
人体通過連動型
AC
とは、人体が開口部を通過するタイミングで吹出風速を制御して弱 めることのできるAC
であり、人体通過時以外で強く風を吹出すことができるので、気流遮 断性能を大幅に改善することができると考えられる。この人体通過連動型AC
の気流遮断 性能を把握するため、単純化モデルを用いた等温非定常解析を行った。解析概要を図3-26,
表
3-9,10
に示す。人体は日本人女性を想定した簡易的な直方体のモデルを用いる。移動速度は日本人の平均歩行速度を想定し
1.25m/s
とした。解析時間は8
秒とし、面C
に圧力規 定条件を与え、人体が室外から室内へ10m
移動する際の外気侵入量の変化と累計外気侵入 量を考察する。表
3-9
解析条件 図3-26
解析概要表
3-10
各面条件 300003000
2000
エアカーテン 中央部吹出風速:Vc
面A
面C
Z Y
X
面B 面D
5000 1500 1500 5000
:圧力測定点 エアカーテン
両端部吹出風速:Ve
人体
1.25m/s
速度成分 X,Y,Z方向(三次元) 給気条件 圧力規定[Pa]
圧縮・非圧縮 非圧縮 排気条件 圧力差0Pa
定常・非定常 非定常 AC吹き出し条件 流速規定[m/s]
乱流モデル 標準k-ε 初期時間間隔 0.01s
壁境界 対数則条件 終了時刻 8,10,12s
移流項 QUICK クーラン数 0.9
メッシュ数 約76万個 サイクル数 7000~10000
面A 面B 面C 面D
全圧0Pa 全圧0Pa 圧力規定1.2.5.10Pa 壁境界
71
人体の移動ケースは、図
3-27
に示す4
ケースを検討する。移動人数を1~3
人とし、2
人 並列で通過するケースや連続で通過する(制御時間が長い)ケースを解析した。ACの吹出 風速は図3-28
のように通常時12m/s
で、人体通過に連動して吹出風速を弱める。吹出風速 を弱める時間は通常の通過時が2
秒、連続で入室するケースでは2
人のケースで4
秒、3
人 のケースで6
秒となっている。図
3-27
移動ケース概要図
3-28
人体移動とAC
吹出風速の時系列0
6 12 18
0 1 2 3 4 5 6 7 8
吹出風速
[m /s ]
経過時間
[s]
Vac
0 2.5 5 7.5 10
移動距離
[m]
室外 室内
Vac
人体
人体通過
人体モデル
室内 室外
〔1人〕 〔2人並列〕 〔2人連続〕 〔3人連続〕
72
図
3-29
に風速分布なしのAC
の風速分布の概要を示す。風速分布なしのAC
は通常時に12m/s、人体通過時に全体の吹出風速が 6m/s
に変化する。この時人体の頭部が受ける風の風速は約
4.5~5m/s
となり、不快に感じる可能性は低いと思われる5)。更に風速分布ありの
AC
の吹出風速の風速分布概要を図3-30
に示す。吹出風速分布の寸 法は土井ら6)による歩行者の占有幅を参考にし、1人通過時は中央75cm
部分、2人通過時は中央
150cm
部分の風速を6m/s
に変化させる(両端部の風速は12m/s
のまま)。図
3-29 風速分布なしの AC
の風速分布[人体通過時]
[通常時]
壁
2400
壁
12m/s
壁
2400
壁
AC
直下の頭部の風速約4.5~5m/s 人体
6m/s
73
図
3-30 風速分布なしの AC
の風速分布[人体通過時(2人)]
[通常時]
[人体通過時(1人)]
壁 2400
壁
12m/s
壁
2400
750
壁
人体
12m/s 6m/s 12m/s
壁
2400
1500
6
壁
12m/s 6m/s 12m/s
人体 人体
74
図
3-31
に1
人通過時の瞬時外気侵入量の推移を示す。図を確認すると分布ありの方が人 体通過時の外気侵入量を大きく抑えることができていることが分かる。また、人体通過時は 瞬間的に形状抵抗係数が大きくなるため外気侵入量が減っている。吹出風速制御後は分布 ありのAC
では2
秒以内に定常状態に達しているのに対し、分布なしのAC
では定常状態 に達していない。図
3-31 瞬時外気侵入量の推移(1
人)〈内外差圧 1,2Pa 時〉
〈内外差圧 5,10Pa 時〉
-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0
瞬時外気侵入量
[
㎥/s ]
経過時間
[s]
分布なし(1Pa)
分布あり(1Pa)
分布なし(
2Pa
) 分布あり(2Pa
)0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0
瞬時外気侵入量
[
㎥/s ]
経過時間
[s]
分布なし(
5Pa
) 分布あり(5Pa
) 分布なし(10Pa
) 分布あり(10Pa)75
図
3-32
に1
人通過時の評価時間(8秒)当たりの累計外気侵入量を示す。内外差圧が大 きくなるにつれて外気侵入量が増し、更に分布ありの方が分布なしよりも累積外気侵入量 が小さいことが分かる。図3-33
にAC
なしの時の外気侵入量との比をとって算出した気流 遮断率を示す。これを見ると風速分布を与えた時の効果は内外差圧が2Pa
の時に最も大きく、約
5%気流遮断率が向上していることが分かる。
図
3-33 内外差圧と気流遮断率の関係(1
人)図
3-32 内外差圧と評価時間当たりの累計外気侵入量の関係(1
人)y = 26.818x
0.5R² = 1
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
0 2 4 6 8 10
評価時間当たりの累積外気侵入量
[
㎥]
内外差圧
[Pa]
分布なし 分布あり
Vac=6m/s Vac=0m/s
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
気流遮断率
[- ]
内外差圧
[Pa]
分布なし 分布あり
Vac=6m/s
76
図
3-34
に2
人通過時の瞬時外気侵入量の推移を示す。1
人通過時と比べると12m/s
の風 が吹き続ける両端部の長さが小さいため、風速分布の効果が小さくなっている。また、人体 通過時の瞬間的な外気侵入量の減少は1
人のケースよりも大きいことが分かる。図
3-31 瞬時外気進入量の推移(1
人)〈内外差圧 1,2Pa 時〉
〈内外差圧 5,10Pa 時〉
図
3-34 瞬時外気侵入量の推移(2
人並列)-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0
瞬時外気侵入量
[
㎥/s ]
経過時間
[s]
分布なし(
1Pa
) 分布あり(1Pa
) 分布なし(2Pa
) 分布あり(2Pa
)0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0
瞬時外気侵入量
[
㎥/s ]
経過時間
[s]
分布なし(
5Pa
) 分布あり(5Pa
) 分布なし(10Pa
) 分布あり(10Pa
)77
図
3-35
に2
人通過時の評価時間(8秒)当たりの累計外気侵入量を、図3-36
に内外差圧 と気流遮断率の関係を示す。瞬時外気侵入量の推移で述べたように1
人通過時と比べ風速 分布の効果は小さくなっている。しかし、内外差圧の小さいケースにおいては分布なしのAC
と比べて約5%気流遮断率が高いことが分かる。
図
3-36 内外差圧と気流遮断率の関係(2
人並列)図
3-35 内外差圧と評価時間当たりの累計外気侵入量の関係(2
人)y = 26.916x
0.5R² = 1
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
0 2 4 6 8 10
評価時間当たりの累積外気侵入量
[
㎥]
内外差圧
[Pa]
分布なし 分布あり
Vac=6m/s Vac=0m/s
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
気流遮断率
[- ]
内外差圧[Pa]
分布なし 分布あり
Vac=6m/s
78
図
3-37
に2
人連続通過時の瞬時外気侵入量の推移を示す。このケースでは人体通過に伴 う風速の制御時間が4
秒となっており、解析時間が10
秒となっていることに留意する。図 を見ると、1
人通過時に定常状態に達していなかった分布なしのAC
のケースでも2
人目の 通過時前に定常状態に近づいていることが分かる。〈内外差圧 1,2[Pa]時〉
〈内外差圧 5,10[Pa]時〉
図
3-37 瞬時外気侵入量の推移(2
人連続)-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0
瞬時外気侵入量
[
㎥/s ]
経過時間
[s]
分布なし(1Pa)
分布あり(1Pa)
分布なし(
2Pa
) 分布あり(2Pa
)0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0
瞬時外気侵入量
[
㎥/s ]
経過時間
[s]
分布なし(
5Pa
) 分布あり(5Pa
) 分布なし(10Pa
) 分布あり(10Pa
)79
図
3-38
に2
人連続通過時の評価時間(10秒)当たりの累計外気侵入量を、図3-39
に内 外差圧と気流遮断率の関係を示す。これを見ると、分布ありのAC
と分布なしのAC
で気流 遮断性能に大きな差が生まれていることが分かる。特に内外差圧が小さい条件下では、分布 ありのAC
の方が分布なしのAC
よりも約11%気流遮断性能が高くなっている。この結果
から風速分布制御の時間が長い程効果が大きくなるということが予想される。図
3-39 内外差圧と気流遮断率の関係(2
人連続)図
3-38 内外差圧と評価時間当たりの累計外気侵入量の関係(2
人連続)0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
気流遮断率
[- ]
内外差圧[Pa]
分布なし 分布あり
Vac=6m/s y = 34.494x
0.5R² = 1
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120
0 2 4 6 8 10
評価時間当たりの累積外気侵入量
[
㎥]
内外差圧
[Pa]
分布なし 分布あり
Vac=6m/s
Vac=0m/s
80
図
3-40
に3
人連続通過時の瞬時外気侵入量の推移を示す。このケースでは人体に伴う風 速の制御時間が6
秒となっている。特に効果の大きい内外差圧2Pa
のケースにおいては分 布ありと分布なしの瞬時外気侵入量の差が1.5
㎥/s となっている時間が3
秒程続いている ことが分かる。このことから制御時間が長い程風速分布の効果が大きくなると言える。図
3-31 瞬時外気進入量の推移(1
人)〈内外差圧 1,2[Pa]時〉
〈内外差圧 5,10[Pa]時〉
図
3-40 瞬時外気侵入量の推移(3
人連続)-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0
瞬時外気侵入量
[
㎥/s ]
経過時間[s]
分布なし(
1Pa
) 分布あり(1Pa
) 分布なし(2Pa)分布あり(2Pa)
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0
瞬時外気侵入量
[
㎥/s ]
経過時間
[s]
分布なし(