日本でのライグラススタッガー 発生状況
(1997 - 1999)
日本でのエンドファイト中毒事例
ほとんどが黒毛和種の子牛,育成牛,繁殖雌牛 アメリカ産ライグラスストローを飽食
チアミン欠乏,低カルシウム血症,硝酸塩中毒などは 否定
顔面,頚部,四肢などの痙攣を主徴とする神経症状
エンドファイト菌糸を確認 エンドファイト毒素を検出
ロリトレムB 972 - 3740 μ g/kg
エンドファイト中毒と判断
日本における牛のエンドファイト中毒
・芝草種のペレニアルライグラス,トールフェスクはエンドファイト を積極的に利用
・オレゴン州は芝草種子の大生産地
・日本は,種子を採取したあとのワラ(ストロー)を牛の飼料用に 輸入
・エンドファイトに感染しているので,一定量のかび毒に汚染
・場合によっては牛に中毒(ライグラススタッガー)
オレゴン州立大学のガイドライン
馬 牛 羊
危険水準(総飼料中 μg/kg )
エルゴバリン ロリトレムB 300 〜 500
400 〜 750 800 〜 1200
不明
1800 〜 2000
1800 〜 2000
黒毛和種去勢雄育成牛への給与試験
動衛研・科飼協・FAMICの共同研究
・およそ 10 ヶ月齢の黒毛和種去勢牛
1群3頭,5群 x 2回
・アメリカからロリトレム B 濃度既知のストロー を輸入して給与
・増体日量 0.4 kg を目標に飼料設計
現物あたり乾物量を体重の 2.4%
乾物の 67% をストロー
・試験期間は 12 週,発症したら解剖
・解剖時に臓器組織を採取し,ロリトレム B 残留
量を分析
黒毛和種去勢育成牛への給与試験のまとめ
・ロリトレム
B
含有ストロー給与におけるNOAEL=12 µg/kg BW per day
LOAEL=18 µg/kg BW per day
・神経症状と増体の低下以外の異常は観察されない
・腎周囲脂肪にロリトレム
B
が残留する(死亡牛の診断指標となる)
他の可食部位への残留はごく僅か
・脂肪組織へ残留するロリトレム
B
は,人の健康影響 へのリスクとはならない(Shimada et al. Food Addit. Contam., 2013)
ロリトレムBの基準値は濃度ではなく絶対値で設定
NOAEL : 12 µg/kg BW per day
ストロー中のロリトレム B 濃度は同じでも、給 与量が異なればロリトレム B 摂取量は異なる
NOAEL を基準値とし、農家向けには、スト
ロー中濃度と体重から、給与可能量の目安を
表で提示
畜産農家の皆さんへ
輸入ストローを上手に使っ て牛の中毒を防ぐために
輸入ストローとは
ライグラスストロー、イタンリアンストローなどと呼ばれて市販されている、
アメリカから輸入されたストロー(麦わら)です。
正確には、ペレニアルライグラスというイネ科の植物の種を採った後のわら です。
栄養価は低いですが安価なので、稲わらの代わりに使われています。
何が問題なのですか
輸入ストローの材料になるペレニアルライグラスには、エンドファイトという 微生物が感染していて、牛に中毒を起こす毒素を作ります。
中毒した牛は、首や脇腹の筋肉をけいれんさせたり、足が突っ張ってうまく 歩けなくなったりします。ひどいときには立てなくなってしまいます。
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
ペレニアルライグラスの種子を顕微鏡 で見たところです。糸くずのように見え るのが、エンドファイトという微生物です
マニュアルの
作成と公開
腎周囲脂肪ロリトレムB濃度と発症との関係
群 脂肪LB濃度
(ロリトレムB濃度,ppb) (ng/g)
72 22 29 250
79 (35) 92 110
83 (35) 92 90
74 - 92 100
82 - 92 110
84 31 92 180
71 5 37 200
75 3 37 220
77 5 37 160
解剖日
2000
牛番号
750
1000
発症確認日
脂肪組織に残留するロリトレム
B
のヒトへの影響の見積もり最悪のケース
脂肪組織に
200 ng/g
残留毎日霜降り牛肉
80 g
(脂肪40 g
)40 x 200 = 8000 ng LB / day
体重50kg
8000/50 = 160 ng/kg BW per day
育成牛に対する