第 2 章で述べてきた⒈から⒊の現状分析や調査結果により、次のように課題をまとめ、次章以降に掲げ るⅠからⅣを基本目標とします。
(1)性別、年代等を考慮した男女平等の意識づくり
● 男女平等の意識については、社会通念・慣習・しきたり、職場、
家庭等の分野では、男性優位と思う人の割合は 5 割を超えており、
また、性別、年代別で意識の差も見られることから、さらに効果 的な啓発活動を行うことにより男女平等の意識を高めていく必要 があります。
● 学校教育での男女平等については、引き続き施策を充実させます。
また、子ども一人ひとりが「自分らしく」生きていくことができ るために、広い視野から職業について考え、職業意識を高め、主 体的に進路を選択する力を身につける必要があることから、年齢 に応じたキャリア教育についての取組が必要です。
● 超高齢社会への対応が求められることから、性別に関わらず、高
齢期を見据えた長期の人生設計の意識づけが求められています。● 地域の男女平等・男女共同参画を推進するためには、男女共同参
画センターの役割は重要です。今後ますます充実した取組が求め られています。● 市民意識調査では、特に男性の中には「男は仕事、女は家庭」の
考え方に賛成の割合が高く、固定的な性別役割分担意識の解消に 向けて、男性への啓発活動や研修機会の充実が求められています。基本目標Ⅰ 男女平等の意識 を育む
(2)社会における男女共同参画の推進
● 様ざまな場において意思決定過程への女性の参画は依然として進
んでいない状況です。今後もポジティブ・アクション(積極的改 善措置)*に取り組み、多様な人材の登用により、誰もが暮らし やすいまちをつくっていくことが求められています。● 就労の場における女性管理職の占める割合は依然として低く、また、
不安定就労である非正規雇用に占める女性の数が増加しています。
これまであまり進んでいなかった事業所への働きかけを積極的に 行い、総合的な就労支援施策を展開していく必要があります。
● 地域コミュニティのあり方が変化している中、市民一人ひとりが
地域活動の担い手としての裾野を広げていくために、男女共同参 画の視点に立った運営を促進することで、これまで地域活動に参 加・参画していなかった層に向けて参加を勧めていくことが必要 です。基本目標Ⅱ
男女平等の参加・
参画で社会を
活性化する
(3)男女共同参画の視点に立った生活基盤の整備
●
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)*を実現するこ とは、男女共同参画社会を実現するための必須条件です。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現をめざして、事業 者と労働者に向けて長時間労働の改善等の啓発活動や学習機会の 提供を積極的に進める必要があります。
● 本市の女性の年齢階級別労働力率を見ると、M 字曲線
*の底が全 国平均よりも低いことから、就労を中断する女性の多いことがわ かります。継続就労を希望する女性が働き続けられるよう、また、男性が仕事と生活の両立が図れるよう、長時間労働の改善や有給 休暇の取得を促進し、保育・介護サービスの充実を図っていく必 要があります。
● ひとり親家庭や障がいのある人が安心し、自立して生きていくこ
とのできる社会を実現するために支援策を充実させる必要があり ます。● 男女共同参画社会実現の前提として、一人ひとりの健康が基本で
あり、健康づくりの推進が最も基本となります。基本目標Ⅲ 自立を支えあう まちをつくる
(4)男女間の暴力への取組の強化
● ドメスティック・バイオレンス(DV)については、市民意識調
査では、特に、女性は「大声でどなられた」の割合が30%を超え、また、「命の危険を感じるくらいの暴力を受けた」が 5 %となっ ています。DV 等男女間の暴力について正しい知識を身につけ、
暴力を許さない気運を醸成することが重要です。
●
DV 等様ざまな暴力の被害者に対して、安心して相談できる窓口 の整備をはじめ、中・長期にわたる支援が必要であるとともに、その内容を周知していく必要があります。
基本目標Ⅳ 人権が尊重され る環境をつくる
* ポジティブ・アクション(積極的改善措置):様ざまな分野において、活動に参画する機会の男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、
男女のいずれか一方に対し、活動に参画する機会を積極的に提供するものであり、個々の状況に応じて実施していく。例えば、国の審議会等委員 への女性の登用のための目標の設定や、女性国家公務員の採用・登用の促進等が実施されている。男女共同参画社会基本法では、積極的改善措置 は国の責務として規定され、また、国に準じた施策として地方公共団体の責務にも含まれている。
* ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和):老若男女誰もが、仕事、家庭生活、地域生活、個人の自己啓発等、様ざまな活動について、自 ら希望するバランスで展開できる状態であること。
* M 字曲線:日本の女性の労働力率を年齢階級別にグラフ化したとき、30歳代を谷とし、20歳代後半と40歳代後半が山になるアルファベットの M のような形になることをいう。これは、結婚や出産を機に労働市場から退出する女性が多く、子育てが一段落すると再び労働市場に参入すると いう特徴があるためで、国際的に見ると、アメリカやスウェーデン等の欧米先進諸国では、子育て期における就業率の低下は見られない。