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基本目標 Ⅱ 男女平等の参加・参画で社会を活性化する
毎年、世界経済フォーラムが発表する男女平等度(ジェンダーギャップ指数)ランキングを見ると、
日本は年々順位を下げ、平成26(2014)年には142ヵ国中104位と先進国中最も低くなっています。(18 ページ参照)
これは、日本の女性は、平成25(2013)年の平均寿命は世界一であり、社会で活躍するに十分な基礎 教育を受けていて、社会の様ざまな場所で活躍できる 力 があるにも関わらず、経済や政治の分野で 女性の力が十分に活かされていないことを物語っています。
和泉市においても同様の状況で、総じて政治・行政・事業所・地域における意思決定過程への女性の 参画率は低く、人口の半分、労働力人口の 4 割余りを占める女性の意見が反映されているとは言いがた い状況が続いています。
市民一人ひとりが満足度の高い生活を送れ、将来にわたり活力のある社会であるためには、男女平等・
ダイバーシティ*の考え方に基づき、多様な意思が政治や社会の政策・方針決定に公平・公正に反映さ れることが重要です。
以上の視点に立って、和泉市では、市が率先して審議会をはじめ、女性職員の管理職への登用を積極 的に推進するとともに、事業所や地域への働きかけを進めることによって、女性が意思決定過程に参画 していくための人材育成を重要対策として位置づけ、施策を進めていきます。
就労の場においては、パートタイム労働等の非正規雇用は、多様な就業ニーズに応えることで女性の 能力発揮を促進するという積極的な意義もありますが、男性に比べて女性の非正規雇用の割合が高い現 状においては、女性が貧困に陥りやすい要因の一つとなっているほか、正規雇用と非正規雇用の間の格 差によって男女間の格差を生じさせるという問題もあります。女性が経済的自立を果たせるよう、支援 を進めます。
「地域」(地域コミュニティ)は、人々にとって身近な暮らしの場であり、そこでの男女共同参画の推 進は、男女平等社会の実現にとって重要です。現在、地域においては、少子高齢化、人間関係の希薄化 又は単身世帯の増加等の様ざまな変化が生じており、男女が共に地域づくりを担うことが求められます。
こうした状況の中で、地域に暮らす人々のニーズに応えるよう地域力を高め、持続可能な地域コミュニ ティを築くために、地域活動における意思決定過程への女性の参画や固定的な性別役割分担がある分野 への男女双方の参画を促進します。
* ダイバーシティ:「多様性」のこと。性別や国籍、年齢等に関わりなく、多様な個性が力を発揮し、共存できる社会のことをダイバーシティ社会 という。
市の役割
ポジティブ・アクション(積極的改善措置)*によって、審議会等委員、市職員等の男女の構成比率 の適正化を進めます。また、事業者や地域・市民活動団体に対して、女性登用の促進について働きか けます。
教育関係者の役割
子どもたちにとって、教職員が男女が共にあらゆる場に対等に参画することがモデルとなるよう、性 別による職務分担がない職場環境づくりをめざします。
基本目標Ⅱ
事業者の役割
女性の職域の拡大、女性の活躍推進のための職場環境づくりを進めましょう。
積極的に女性を登用し、男女をはじめ様ざまな人の意見を反映できるよう努めましょう。
市民の役割
女性は、「女性だから」とためらわず、組織や地域社会の一員として、様ざまな分野での意思決定過 程に積極的に参画しましょう。社会教育の場でそのための能力を磨きましょう。
男性も、性別への固定観念をなくし、女性のリーダーに協力しましょう。
また、女性が参画しやすい体制や環境づくりに協力しましょう。
* ポジティブ・アクション(積極的改善措置):様ざまな分野において、活動に参画する機会の男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、
男女のいずれか一方に対し、活動に参画する機会を積極的に提供するものであり、個々の状況に応じて実施していく。例えば、国の審議会等委員 への女性の登用のための目標の設定や、女性国家公務員の採用・登用の促進等が実施されている。男女共同参画社会基本法では、積極的改善措置 は国の責務として規定され、また、国に準じた施策として地方公共団体の責務にも含まれている。
数値目標
成果指標 平成25年度
現状値
平成31年度 目標値
平成36年度 目標値
和泉市審議会等への女性委員の参画率 28.9% 35% 40%
和泉市の女性管理職の割合
(課長補佐級以上、事務職・技術職) 10.7% 15% 20%
小中学校の教職員における女性管理職の割合
(校長・教頭) 16.1% 20% 30%
「職場」で「男女が平等である」と感じている 人の割合
女性17.5%
男性22.0%
→
女性50%男性50%活動指標 平成25年度
現状値
平成31年度 目標値
平成36年度 目標値
アドバイザー養成講座における男性の参加率 23.7%
→
30%女性を対象とした再就職支援講座の定員に対す
る参加率 81.0% 100% 100%
シルバー人材センターの女性会員の増加 1,741人
(うち女性 534人)
1,899人
(うち女性
→
)1,942人
(うち女性
→
)防災リーダーの人数
̶ 100人 100人
(平成26年度より実施) (うち女性
→
) (うち女性→
)基本目標Ⅱ
施策の方向( 6 ) 意思決定の場への女性の参画の推進
男女平等社会の実現に向けて、意思決定過程への女性の参画の拡大は極めて重要です。
多様なポジティブ・アクション(積極的改善措置)の実施、固定的な性別役割分担意識の解消、ロー ルモデルの提示や教育等による女性自身の意識や行動の改革、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活 の調和)の推進等、和泉市全体であらゆる分野における政策・方針決定過程への女性の参画を拡大する ための措置を講じます。
特に、施策の推進に市民が参画する重要な機関である審議会等や女性教職員・職員の管理職への登用 については、市が率先して政策・方針決定過程への女性の参画を拡大していくことに向けて積極的に取 り組みます。
経済や地域活動への分野に関しても、実効性のあるポジティブ・アクション(積極的改善措置)の推 進について理解を求めつつ、積極的な取組を促すなどの働きかけを行います。
施策⑭ ポジティブ・アクション(積極的改善措置)の考え方の推進
事業 担当部署
37
市民・事業者・行政等のあらゆる分野にポジティブ・アクション(積極的改善措置)の考え方を導入し、男女共同参画を推進します。 関係各課(室)
施策⑮ 審議会等への女性の参画の推進
事業 担当部署
38
市の審議会等の附属機関や行政委員会等の女性委員の比率を、平成36(2024)年までのできるだけ早い時期に40%の達成をめざします。 関係各課(室)
39
女性委員がいない審議会等に対しては、『0から1』への働きかけを行い、女 性委員のいない審議会等の解消をめざします。
◆事前協議の強化
人権・男女参画室 関係各課(室)
40
意思決定過程への女性の参画を推進するため、審議会等における委員の選出 方法の見直しを進めます。人権・男女参画室 関係各課(室)
41
審議会委員等の委員の改選時は、男女共同参画所管部長との事前協議を行い ます。人権・男女参画室 関係各課(室)
42
女性が政治や政策・方針決定の場への参加・参画することの重要性について、市民に啓発します。 人権・男女参画室
基本目標Ⅱ
施策⑯ 女性職員・女性教員の管理職への登用
事業 担当部署
43
女性職員・教員の職務内容の見直しと職域の拡大を図ります。
◆多様な職務経験を付与するために人事異動を勘案
◆残業の見直し、サポート体制等働く環境の整備
人事課
教育委員会指導室
44
女性職員・教員及び管理職に対する研修(教育訓練)を充実します。
◆学校におけるミドルリーダー研修の実施
◆泉北3市で合同開催の女性リーダー研修への派遣
◆係長級昇任試験を受けることへの意識づけ
◆庁内OJT
*の充実人事課
教育委員会指導室
45
管理職への女性職員・教員の登用比率を高めるため、数値目標を掲げ、その 達成をめざします。人事課
教育委員会指導室
施策⑰ 事業所や地域における意思決定の場への女性の参画促進
事業 担当部署
46
事業者等に対し、女性の活力があってこその経済成長であるとの認識に立って、
ポジティブ・アクション(積極的改善措置)の導入等、女性の採用・管理職 の登用の重要性について啓発します。
商工労働室 人権・男女参画室
47
地域の各種団体の長等を選出する際において、女性役員の登用を積極的に行 うよう啓発します。
◆町会等への働きかけ
関係各課(室)
施策⑱ 女性の人材育成
事業 担当部署
48
行政や地域で活躍できるよう人材を育成します。
◆男女共同参画社会づくりアドバイザー養成講座の実施
◆男女共同参画研修助成金事業の実施
人権・男女参画室
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女性のさらなるエンパワメントをめざす講座を実施します。 人権・男女参画室50
男女共同参画社会づくりアドバイザー養成講座の修了生や男女共同参画セン ター登録団体が、地域活動で活躍している状況等を通して、女性リーダーを 発掘し、審議会委員等として活躍してもらえるように働きかけます。
人権・男女参画室
* OJT:(On − the − Job Training、オン・ザ・ジョブトレーニングの略)。企業内で行われる企業内教育・教育訓練手法の一つ。職場の上司や 先輩が部下や後輩に対し具体的な仕事を通じて仕事に必要な知識・技術・技能・態度等を意図的・計画的・継続的に指導し、修得させることによ って全体的な業務処理能力や力量を育成するすべての活動である。これに対し、職場を離れての訓練は Off − JT(Off the Job Training)と呼 ばれる。
基本目標Ⅱ