• 検索結果がありません。

24 特 2-1

ドキュメント内 研究成果報告書 (ページ 108-112)

図2 炭素ペレットの侵入長の VUV カメラ による推定値と、Hα計測による推定の比較

図3 電子温度摂動に対する放射強度の変化を電子 温度の関数で示す。

図4 熱パルス伝搬実験で観測される CVI イメージ (上段)、摂動の振幅(中段)、摂動の位相(下段)を示 す。左列のデータはm/n = 1/1の磁気島を生成してい た状態で取得した。

1 10 100 1000 10000

Te [eV]

−0.2

−0.1 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4

d nI / d Te [%]

が十分はやいため、炭素様イオンの放射強度 分布を推定できれば、入射した炭素の初期分 布を推定することができる。実際には侵入長 をパラメータとして、電離・輸送のシミュレ ーションを行ったうえで接線像のシミュレ ーションを行い、観測像との比較を行ってい る(図1)。本推定法と、Hα光の放射時間 から推定したものの比較を図2に示すが、誤 差の範囲内でよく一致している。

(2)電子温度摂動の 次元分布の推定手法の開発

大型ヘリカル装置では、電子サイクロト ロン加熱のモジュレーションから作られる ヒートパルスの伝搬特性を計測することで、

磁場垂直方向の輸送を推定している。磁場 がストキャスティック化した領域で輸送が 大きくなることを利用して、ストキャステ ィック領域の検出を逆に行うことができる。

接線 989 カメラは基本的には密度揺動の計 測ではあるが、温度揺動に対しても若干の 感度がある。それは電子温度変化に対して 炭素イオンの電離度が変化するためであり、

図3に示すように、プラズマのほとんどの 領域で電子温度摂動に対して負の相関をも ち、イオン化エネルギーに近い H9 付近 では特に感度が良い。イオンの電離時間か ら考えると、数 PV 程度のタイムスケールの 電子温度摂動の検出は十分可能であって、

プラズマ周辺領域の磁場構造の変化を調べ るツールとして使える可能性がある。実験 でも電子温度摂動と逆位相の振動が検出さ れている。実験時に検出された揺動の振幅 とその位相差を図4に示す。振幅が視野下 部で大きくなることは、図3に示すように、

リカル装置の磁気面形状が複雑であるため、現在はうまく再構成することができていない。

より単純な磁場配位を持つトカマク装置においては2次元位相分布が求められる可能性が ある。また大型ヘリカル装置で位相情報を再構成できるような視野が可能かどうかを今後 検討していく予定である。

論文リスト

[1] Ming, T.F., Ohdachi, S., Sakakibara, S., Suzuki, Y., 2012. “High speed vacuum ultraviolet telescope system for edge fluctuation measurement in the large helical device.” Review of Scientific Instruments 83, 10E513 –10E513–3.

[2] Ming. T. F. S. Ohdachi. S., Suzuki. Y. LHD Experiment Group “Estimate of the deposition profile of carbon pellet using a high speed VUV imaging system in LHD”, Submitted to Plasma Sci. Tech.

[3] DU, X., OHDACHI, S., TOI, K., others, 2012. “Development of an Array System of Soft X-ray Detectors with Large Sensitive Area on the Large Helical Device”. Plasma and Fusion Research 7, 2401088.

図2 炭素ペレットの侵入長の VUV カメラ による推定値と、Hα計測による推定の比較

図3 電子温度摂動に対する放射強度の変化を電子 温度の関数で示す。

図4 熱パルス伝搬実験で観測される CVI イメージ (上段)、摂動の振幅(中段)、摂動の位相(下段)を示 す。左列のデータはm/n = 1/1の磁気島を生成してい た状態で取得した。

1 10 100 1000 10000

Te [eV]

−0.2

−0.1 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4

d nI / d Te [%]

も炭素原子が水素様まで電離する時間の方 が十分はやいため、炭素様イオンの放射強度 分布を推定できれば、入射した炭素の初期分 布を推定することができる。実際には侵入長 をパラメータとして、電離・輸送のシミュレ ーションを行ったうえで接線像のシミュレ ーションを行い、観測像との比較を行ってい る(図1)。本推定法と、Hα光の放射時間 から推定したものの比較を図2に示すが、誤 差の範囲内でよく一致している。

(2)電子温度摂動の 次元分布の推定手法の開発

大型ヘリカル装置では、電子サイクロト ロン加熱のモジュレーションから作られる ヒートパルスの伝搬特性を計測することで、

磁場垂直方向の輸送を推定している。磁場 がストキャスティック化した領域で輸送が 大きくなることを利用して、ストキャステ ィック領域の検出を逆に行うことができる。

接線 989 カメラは基本的には密度揺動の計 測ではあるが、温度揺動に対しても若干の 感度がある。それは電子温度変化に対して 炭素イオンの電離度が変化するためであり、

図3に示すように、プラズマのほとんどの 領域で電子温度摂動に対して負の相関をも ち、イオン化エネルギーに近い H9 付近 では特に感度が良い。イオンの電離時間か ら考えると、数 PV 程度のタイムスケールの 電子温度摂動の検出は十分可能であって、

プラズマ周辺領域の磁場構造の変化を調べ るツールとして使える可能性がある。実験 でも電子温度摂動と逆位相の振動が検出さ れている。実験時に検出された揺動の振幅 とその位相差を図4に示す。振幅が視野下 部で大きくなることは、図3に示すように、

H9 付近で電子温度摂動への感度が大きくなることと矛盾しないが、位相分布は大型ヘ リカル装置の磁気面形状が複雑であるため、現在はうまく再構成することができていない。

より単純な磁場配位を持つトカマク装置においては2次元位相分布が求められる可能性が ある。また大型ヘリカル装置で位相情報を再構成できるような視野が可能かどうかを今後 検討していく予定である。

論文リスト

[1] Ming, T.F., Ohdachi, S., Sakakibara, S., Suzuki, Y., 2012. “High speed vacuum ultraviolet telescope system for edge fluctuation measurement in the large helical device.” Review of Scientific Instruments 83, 10E513 –10E513–3.

[2] Ming. T. F. S. Ohdachi. S., Suzuki. Y. LHD Experiment Group “Estimate of the deposition profile of carbon pellet using a high speed VUV imaging system in LHD”, Submitted to Plasma Sci. Tech.

[3] DU, X., OHDACHI, S., TOI, K., others, 2012. “Development of an Array System of Soft X-ray Detectors with Large Sensitive Area on the Large Helical Device”. Plasma and Fusion Research 7, 2401088.

核融合科学研究所・ヘリカル研究部 徳沢季彦

1.目的

核融合発電を目指す高温プラズマ閉じ込め研究において、乱流物理研究は現在最重要研究課題である。

これまで、高温プラズマ中の乱流を計測する手段が非常に限られていたが、近年新しい非接触な計測手 法としてマイクロ波を用いた乱流揺動計測法が開発・適用されるようになってきた。計測器システムに 新しい素子技術が活用できるようになったことだけでなく、新しい解析手法が開発されてきたことによ って世界各国の実験に適用されてきている。本研究では、ハードウエアとして新しく開発を進めている 空間多点計測システムの構築と、それによって得られる詳細な空間構造を求めることをまず当初の目標 とし、この計測システムをプラズマ実験へ適用することによって得られる大規模データに対して、開発 が進んできたデジタル信号処理手法を駆使し、乱流信号を抽出する技術開発を行い、プラズマ乱流物理 への知見を得ることを最終目的とする。

2.計画と実験方法

まず、空間多点を同時に観測し、乱流の構造・物理を知るために、情報通信分野において開発適用が 行われてきている周波数コムを発振源とする新型多チャンネルマイクロ波コム反射計の構築を行う。そ して、この計測システムを核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)プラズマへ設置し密度揺動お よびそのポロイダル回転分布の計測に適用する。また、乱流輸送において、温度揺動に関する知見が得 られると期待されている新しい計測手法であるcorrelation ECE (cECE)システムの構築とそのLHDプ ラズマへの適用による電子温度揺動計測データも取得し、これら大容量データに含まれる雑音成分から 乱流揺動信号を、効率的かつ高精度で抽出する技術手法を確立することを目指した研究を行う。

3.実験結果

周波数コムを用いたka-bandマイクロ波反射計をLHD装置に設置しプラズマ実験に適用した結果の 一例を図1に示す。この時送受信アンテナの角度を調整することによって、プラズマ周辺部からの波数 約10cm-1の密度揺動による後方散乱波を観測している。図はコム発振している各周波数成分のプラズ マからの散乱波スペクトルを表示しているが、密度揺動によるスペクトルの拡がり、およびプラズマ回

1.Combドップラー反射波の周波数スペクトル(1MHz/div;重ね表示)

マイクロ波計測器信号からの乱流揺動信号抽出法の研究

核融合科学研究所・ヘリカル研究部 徳沢季彦

1.目的

核融合発電を目指す高温プラズマ閉じ込め研究において、乱流物理研究は現在最重要研究課題である。

これまで、高温プラズマ中の乱流を計測する手段が非常に限られていたが、近年新しい非接触な計測手 法としてマイクロ波を用いた乱流揺動計測法が開発・適用されるようになってきた。計測器システムに 新しい素子技術が活用できるようになったことだけでなく、新しい解析手法が開発されてきたことによ って世界各国の実験に適用されてきている。本研究では、ハードウエアとして新しく開発を進めている 空間多点計測システムの構築と、それによって得られる詳細な空間構造を求めることをまず当初の目標 とし、この計測システムをプラズマ実験へ適用することによって得られる大規模データに対して、開発 が進んできたデジタル信号処理手法を駆使し、乱流信号を抽出する技術開発を行い、プラズマ乱流物理 への知見を得ることを最終目的とする。

2.計画と実験方法

まず、空間多点を同時に観測し、乱流の構造・物理を知るために、情報通信分野において開発適用が 行われてきている周波数コムを発振源とする新型多チャンネルマイクロ波コム反射計の構築を行う。そ して、この計測システムを核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)プラズマへ設置し密度揺動お よびそのポロイダル回転分布の計測に適用する。また、乱流輸送において、温度揺動に関する知見が得 られると期待されている新しい計測手法であるcorrelation ECE (cECE)システムの構築とそのLHDプ ラズマへの適用による電子温度揺動計測データも取得し、これら大容量データに含まれる雑音成分から 乱流揺動信号を、効率的かつ高精度で抽出する技術手法を確立することを目指した研究を行う。

3.実験結果

周波数コムを用いたka-bandマイクロ波反射計をLHD装置に設置しプラズマ実験に適用した結果の 一例を図1に示す。この時送受信アンテナの角度を調整することによって、プラズマ周辺部からの波数 約10cm-1の密度揺動による後方散乱波を観測している。図はコム発振している各周波数成分のプラズ マからの散乱波スペクトルを表示しているが、密度揺動によるスペクトルの拡がり、およびプラズマ回

1.Combドップラー反射波の周波数スペクトル(1MHz/div;重ね表示)

ドキュメント内 研究成果報告書 (ページ 108-112)

関連したドキュメント