った.一方, DWモードの場合には, ∇Te > 0.7 eV/cmにおいて揺動 強度が増大する傾向を示した. さらに, 図 2(b)より, ∇Te ~ 0.7 eV/cm 以上で ETGモードと DWモードのバイコヒーレンスが急 激に大きくなることが明らかになった. これらの結果から, DWモ ードはETGモードとの非線形結合によって増幅されたと考えられ る.
図3にETGモードの揺動強度に対するDWモードの揺動強度の 依存性を示す. ETGモード強度が0.4 % (∇Te ~ 0.7 eV/cm)を超えた とき, DW モード強度の急激な増大が観測された. この結果より, ETGモードの揺動強度が閾値を超えることでDWモードとの非線 形結合が助長され, エネルギーが移送されることで DW モードが 増幅されたと考えられる.
図4に,急峻なETGが形成されている∇Te ~ 2 eV/cmの場合に おける高・低周波密度揺動間のバイコヒーレンスの(a) f3 = ~0.4 MHz 及び (b) f3 = ~7 kHz に沿ったスライスを示す.0.4 MHz
(ETGモード)と7 kHz(DWモード)の揺動間で特異的にバイ コヒーレンスが大きくなっていることが観測され,ETG モードが DWモードと選択的に非線形結合していることが明らかになった.
4. 研究組織
金子 俊郎,畠山 力三,文 贊鎬(東北大学),伊藤 早苗,稲垣 滋,小林 達哉(九州大学)
5. 研究成果報告
1) [招待講演] 金子 俊郎, プラズマ・核融合学会 九州・沖縄・山口支部第16 回支部大会論文集, (2012. 12. 23), pp. 51-52.
2) C. Moon, R. Hatakeyama, and T. Kaneko, Abstracts of 11th Asia-Pacific Conference on Plasma Science and Technology and 25th Symposium on Plasma Science for Materials, (2012. 10. 3), p. 374.
3) 文 贊鎬, 畠山 力三, 金子 俊郎, 第29回 プラズマ・核融合学会年会予稿集,(2012. 11. 28), p.
28aC03.
図4: 高・低周波密度揺動にお けるバイコヒーレンスの (a) f3 = ~0.4 MHz及び (b) f3 = ~7 kHzに沿ったスライス.
0 5 10 15 20 25
0 0.05 0.1 0.15 0.2
f1 (kHz) bicoh. (f3~ 0.4 MHz)
(a)
0 0.4 0.8 1.2 1.6 2 0
0.04 0.08 0.12
f1 (MHz) bicoh. (f3 ~ 7 kH)
(b)
図2: 高・低周波密度揺動における(a)規格化振幅強度と
(b)バイコヒーレンスの電子温度勾配(∇Te)依存性. 図3: ETGモードとDWモード
との揺動強度の相関性.
0 0.5 1 1.5 2
0 0.2 0.4 0.6
0 1 2 3 4
(a)
f ~ 7 kHz f ~ 0.4 MHz
Ies / Ies (% )∼_
Ies / Ies (% )∼_
|∇Te| (eV/cm)
0 0.5 1 1.5 2
0 0.05
(b)0.1
b2 (f1, f2)
|∇Te| (eV/cm)
^
0 0.2 0.4 0.6 0.8
0 1 2 3
Ies / Ies (DW) (% )
Ies / Ies (ETG) (% )
∼_
∼ _
核融合科学研究所 ヘリカル研究部 井戸 毅
目的
磁場閉じ込めプラズマの物性を理解する上で、プラズマの輸送特性を決定づけていると考 えられる乱流の振舞いを理解することが重要である。近年では局所的な微視的乱流だけで なく、それらの非線形相互作用により形成される大きな空間構造を持つ揺らぎがプラズマ の輸送に大きな影響を及ぼすことが明らかになりつつある。したがって、局所的な微視的 乱流と同時に大規模構造を持つ揺らぎを同時に測定・解析することが、プラズマ物性を実 験的に解明する上で不可欠である。しかしながら、核融合炉を見据えた磁場閉じ込め装置 では乱流に関するデータは計測可能な物理量の種類、計測できる空間点ともに限られてい る。そこで、本共同研究を通じ、応用力学研究所の直線装置PANTAを用いた実験研究を通 じて開発された揺動解析手法の応用や、理論解析及びシミュレーション結果に基づく効率 的な実験手法と解析手法の開発を進め、限られた乱流計測データからより多くの物理情報 を抽出することを目的として本研究を行う。
実験方法
核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)において高速イオン励起 GAM の計測が 行われており、今年度はこの空間構造及びGAMとイオンとの相互作用を定量的に調べるた めの実験及びその解析を行うこととした。
これまでの実験でGAM励起時に高速イオン(~170keV)とGAMの相互作用を示すエネル ギースペクトルの変化を観測し、同時に数 keV のバルクプラズマのエネルギー領域におけ るエネルギースペクトルの変化も測定されている。これらの現象をM. Sasaki et al. Plasma Phys. Control. Fusion 53, 085017 (2011)で提案された理論に基づいて定量的に議論するた めに、重イオンビームプローブ(HIBP)を用いてGAMに伴う電位揺動を計測した。
また、GAMの空間構造に関してはM.Sasaki, et al., Plasma Fusion Res. 3, 009 (2008) に見られるような非対称性の検証も試みる実験を行った。
実験結果
GAMの発生を再現することができ、HIBPによる電位揺動データの取得が行えた。その 結果、これまで時間分解能の不足で測定できていなかったGAMの高次高調波に伴う電位揺 動を検出することができた。この高次高調波の発生は電位揺動波形が正弦波から鋸歯状波
った.一方, DWモードの場合には, ∇Te > 0.7 eV/cmにおいて揺動 強度が増大する傾向を示した. さらに, 図 2(b)より, ∇Te ~ 0.7 eV/cm 以上で ETGモードと DWモードのバイコヒーレンスが急 激に大きくなることが明らかになった. これらの結果から, DWモ ードはETGモードとの非線形結合によって増幅されたと考えられ る.
図3にETGモードの揺動強度に対するDWモードの揺動強度の 依存性を示す. ETGモード強度が0.4 % (∇Te ~ 0.7 eV/cm)を超えた とき, DW モード強度の急激な増大が観測された. この結果より, ETGモードの揺動強度が閾値を超えることでDWモードとの非線 形結合が助長され, エネルギーが移送されることで DW モードが 増幅されたと考えられる.
図4に,急峻なETGが形成されている∇Te ~ 2 eV/cmの場合に おける高・低周波密度揺動間のバイコヒーレンスの(a) f3 = ~0.4 MHz 及び (b) f3 = ~7 kHz に沿ったスライスを示す.0.4 MHz
(ETGモード)と7 kHz(DWモード)の揺動間で特異的にバイ コヒーレンスが大きくなっていることが観測され,ETG モードが DWモードと選択的に非線形結合していることが明らかになった.
4. 研究組織
金子 俊郎,畠山 力三,文 贊鎬(東北大学),伊藤 早苗,稲垣 滋,小林 達哉(九州大学)
5. 研究成果報告
1) [招待講演] 金子 俊郎, プラズマ・核融合学会 九州・沖縄・山口支部第16 回支部大会論文集, (2012. 12. 23), pp. 51-52.
2) C. Moon, R. Hatakeyama, and T. Kaneko, Abstracts of 11th Asia-Pacific Conference on Plasma Science and Technology and 25th Symposium on Plasma Science for Materials, (2012. 10. 3), p. 374.
3) 文 贊鎬, 畠山 力三, 金子 俊郎, 第29回 プラズマ・核融合学会年会予稿集,(2012. 11. 28), p.
28aC03.
図4: 高・低周波密度揺動にお けるバイコヒーレンスの (a) f3 = ~0.4 MHz及び (b) f3 = ~7 kHzに沿ったスライス.
0 5 10 15 20 25
0 0.05 0.1 0.15 0.2
f1 (kHz) bicoh. (f3~ 0.4 MHz)
(a)
0 0.4 0.8 1.2 1.6 2 0
0.04 0.08 0.12
f1 (MHz) bicoh. (f3 ~ 7 kH)
(b)
図2: 高・低周波密度揺動における(a)規格化振幅強度と
(b)バイコヒーレンスの電子温度勾配(∇Te)依存性. 図3: ETGモードとDWモード
との揺動強度の相関性.
0 0.5 1 1.5 2
0 0.2 0.4 0.6
0 1 2 3 4
(a)
f ~ 7 kHz f ~ 0.4 MHz
Ies / Ies (% )∼_
Ies / Ies (% )∼_
|∇Te| (eV/cm)
0 0.5 1 1.5 2
0 0.05
(b)0.1
b2 (f1, f2)
|∇Te| (eV/cm)
^
0 0.2 0.4 0.6 0.8
0 1 2 3
Ies / Ies (DW) (% )
Ies / Ies (ETG) (% )
∼_
∼ _
「磁場閉じ込めプラズマにおける乱流及び帯状流の検出方法の開発」
核融合科学研究所 ヘリカル研究部 井戸 毅
目的
磁場閉じ込めプラズマの物性を理解する上で、プラズマの輸送特性を決定づけていると考 えられる乱流の振舞いを理解することが重要である。近年では局所的な微視的乱流だけで なく、それらの非線形相互作用により形成される大きな空間構造を持つ揺らぎがプラズマ の輸送に大きな影響を及ぼすことが明らかになりつつある。したがって、局所的な微視的 乱流と同時に大規模構造を持つ揺らぎを同時に測定・解析することが、プラズマ物性を実 験的に解明する上で不可欠である。しかしながら、核融合炉を見据えた磁場閉じ込め装置 では乱流に関するデータは計測可能な物理量の種類、計測できる空間点ともに限られてい る。そこで、本共同研究を通じ、応用力学研究所の直線装置PANTAを用いた実験研究を通 じて開発された揺動解析手法の応用や、理論解析及びシミュレーション結果に基づく効率 的な実験手法と解析手法の開発を進め、限られた乱流計測データからより多くの物理情報 を抽出することを目的として本研究を行う。
実験方法
核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)において高速イオン励起 GAM の計測が 行われており、今年度はこの空間構造及びGAMとイオンとの相互作用を定量的に調べるた めの実験及びその解析を行うこととした。
これまでの実験でGAM励起時に高速イオン(~170keV)とGAMの相互作用を示すエネル ギースペクトルの変化を観測し、同時に数 keV のバルクプラズマのエネルギー領域におけ るエネルギースペクトルの変化も測定されている。これらの現象をM. Sasaki et al. Plasma Phys. Control. Fusion 53, 085017 (2011)で提案された理論に基づいて定量的に議論するた めに、重イオンビームプローブ(HIBP)を用いてGAMに伴う電位揺動を計測した。
また、GAMの空間構造に関してはM.Sasaki, et al., Plasma Fusion Res. 3, 009 (2008) に見られるような非対称性の検証も試みる実験を行った。
実験結果
GAMの発生を再現することができ、HIBPによる電位揺動データの取得が行えた。その 結果、これまで時間分解能の不足で測定できていなかったGAMの高次高調波に伴う電位揺 動を検出することができた。この高次高調波の発生は電位揺動波形が正弦波から鋸歯状波
24 特 2-11
通常のGAMのように単一周波数モードであれば、その位相速度は単一であるため、エネ ルギーの大きく異なる高エネルギー粒子とバルクプラズマとに同時に相互作用することは 考えにくい。これまでに観測されているイオンのエネルギースペクトルの変化を理解する には、上述のM. Sasaki (2011)の理論に加え、波動―粒子の共鳴条件を説明する物理機構 の検討が必要である。今回観測された高次高調波が発生する物理機構は、波動―粒子共鳴 が発生する物理機構解明の手掛かりとなる可能性がある。
しかしながら、LHD本体のトラブルのため、十分な数のデータを取得することができず、
当初本共同研究で行う予定であった空間構造の同定と理論モデルとの比較や、実験の目的 であったGAMが持つパワーの定量的な評価は行えなかった。結論を得るには至らなかった が、実験条件の絞り込みが進み、また物理機構解明の手掛かりの可能性の一つが得られた ことは、次年度以降の実験立案、共同研究でのデータ解析・議論の進め方の指針になる成 果である。
研究成果報告 無し
研究組織
井戸 毅(研究代表者) 核融合科学研究所 准教授 清水昭博 核融合科学研究所 助教
稲垣 滋(所内世話人) 九州大学応用力学研究所 准教授 佐々木 真 九州大学応用力学研究所 助教
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研究成果:
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今後の予定:|Ð¥7J5b±rìABFgQ$<+-G^chMek*s"
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研究組織:
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