作成年月 平成
20
年12
月 発行元 (社)日本交通計画協会本報告書の整理にあたっては、観光利用の視点から野岩鉄道の「利用者アンケート調査」に 焦点を当て、その結果からまとめと今後の課題についてとりまとめた。
【まとめ】
・ 利用者の主な利用目的は、観光が
57.9%と最も多く、次いで私事(買物、通院、食事、
帰省、結婚式、葬式への参加など)となっており、観光と私事で利用目的の
80%超を占
めている。・ 野岩鉄道の認知度については、私事の場合は
90%近くの高い認知度となっているが、観
光の場合は60%程度にとどまっている。
・ 野岩鉄道を知っていた人について、野岩鉄道の利用経験を確認すると、私事は約
90%、
観光は約
70%が過去の利用経験があるとしている。観光は約 30%が過去に利用経験がな
い、すなわちはじめての利用者となっている。
・ 過去に利用経験がなく、今回の移動ではじめて野岩鉄道を知った回答者に、認知媒体を 尋ねた。その結果、観光の場合、旅行会社のパンフレットが圧倒的に高く、次いでイン ターネット(検索)や「会津鬼怒川線の旅」のパンフレットとなっている。野岩鉄道と いう名前の認知度が低いことから、認知媒体を会社の
HP
とする回答は非常に少ない。・ 利用者の居住地は、東京都が最も多く、埼玉県、神奈川県の順となっている。観光の場 合は千葉が
4
番目に続いており、南関東1
都3
県で85%を超えている。私事の場合は観
光と異なり、福島県が4
番目に続いている。・ 利用者の野岩鉄道の主な選択理由は、観光目的の場合、「目的地に行くにはこの鉄道しか 交通手段がない」という消去法による選択理由が最も多く、次いで「目的地の到着時間 がちょうど良い」、「鉄道で移動したい」となっている。ダイヤの設定の良さと鉄道によ る移動そのものが旅行目的の一つとなっていることが窺える。なお、所要時間の短さと 運賃・料金の安さについては、利用者の
10%が選択理由として挙げているものの、20%
には達していない。
【今後の課題】
・ 尾瀬、会津、日光といった周辺観光施設などのキーワードを
HP
に盛り込んだり、周辺 観光施設や各種団体と相互でHP
にリンクを張ったりするなどして、野岩鉄道のHP
に アクセスしてもらえるような取り組みが必要となる。・ 旅行会社のパンフレットによる認知も高いことから、引き続き旅行会社との連携を強化 していくことが求められる。
・ 観光目的の利用者に対して、車窓、他の交通機関と比較して定時性が高いこと、車を運 転せずに済むことから飲酒が可能であること、車両にトイレ設置など野岩鉄道利用によ る旅の良さを旅行会社のパンフレットや
HP
などを通して、アピールする必要がある。・ 一方、私事目的の利用者が福島県にも多いことから、会津鉄道沿線地域に、駅構内のポ スターやチラシなどを通して、会津鉄道と野岩鉄道および東武鉄道の乗車による運賃の 低廉性をアピールする必要がある。
2-5
報告書名 4.平成
20
年度 共同調査研究事業成果報告書作成年月 平成
21
年3
月 発行元 (財)ふくしま自治研修センター本報告書の整理にあたっては、「南会津町地域公共交通総合連携計画」の住民の移動の現状に 焦点を当て、その結果からまとめと今後の課題についてとりまとめた。
【まとめ】
地域公共交通に対するニーズの把握として実施した調査は以下のとおりである。
① 地域公共交通住民移動ニーズ調査
② 地域公共交通利用実態調査【利用者編】
③ 地域公共交通利用実態調査【運転手編】
④ 地域公共交通利用実態調査【路線別乗降調査編】
各調査の結果から得られた考察を以下に示す。
(1) 公共交通を維持するための住民意識の醸成
・ 高齢者のみの世帯の住民でも自家用車での移動が多く、公共交通の利用は少ない状況で ある。
・ また、地域公共交通住民移動ニーズ調査の結果によると 8 割以上が公共交通は必要と考 えるものの、その 6 割は将来的なニーズであり、現在からの継続利用ニーズは 3 割弱で ある。
(2) 通勤・通学のための利用促進
・ 利用者の
6
割弱が70
歳以上であり、利用目的は5
割が通院、3
割が買い物である。通勤・通学手段にも活用されているがそれぞれ
2%台と利用者は少ない。
・ 通学距離が比較的長い小・中学生のためにはスクールバスを運行しており、高校生は自 家用車で家族が送迎することも少なくない。
(3) 高齢者の利用促進
・ 高齢者のみ世帯の住民は、徒歩以外の交通手段の利用を伴う外出の機会は
1
週間あたり1
〜2日が
3
割、「ほとんどない」が2
割強とそれほど多くない。外出の際も「自分の運転」、「家族の運転」がそれぞれ
3
割程度と自家用車の利用が多く、バス、乗合タクシー及び 鉄道はどれも1〜2
割と公共交通にはあまり乗らない。既存の交通機関のみでは緊急時に 不安もあるなどの理由から自前での交通手段確保の意識が高いためか、運転免許証返納 にも結びつきにくく、バス等の利用が急増するとは考えにくい。・ 主な外出目的は通院及び買物と生活するうえで必要最低限のものであるが、趣味の活動 も
1
割強とわずかだがみられる。(4) 多様な地域特性の考慮
・ 各地域(旧町村)に商店、医療機関、学校、役場または総合支所があるが、田島地域や 会津若松市の病院や大型スーパーマーケットへ出かけることもあり、広大な土地に集落 が点在するため移動距離は長い。現在は、バスと鉄道の乗り継ぎの際の待ち時間も長く、
幹線道路もバスの乗り継ぎが必要である。交通費は通院
1
回当たり2000
円未満、買物1
回当たり1000
円未満が多い。また、合併以前の料金及び免除対象の設定を継続しており、町内の統一が図られていない。
2-6
(5) 公共交通空白地域、不便地域の解消
・ 田島地域の折橋区、伊南地域の青柳区、多々石区は公共交通の運行がなく、田島地域高 野区は
5〜10
月のみ昭和村で委託しているバスが運行している状況である。また、伊南 地域では、伊南川の右岸にあるクリニック及び白沢区、左岸の宮沢区を路線バスが交互 に通過しており、住民に不便をきたしている。(6) 観光客等来訪者の利便性の向上
・ 観光地(観光施設)は各地に点在している。特に自然公園等は幹線から外れていて、そ こまではバスなどが運行していない。そのため、バスなどを利用した観光客は田島〜檜 枝岐線が大部分で、その多くは尾瀬に行っている。
【今後の課題】
(1) 公共交通を維持するための住民意識の醸成
・ 継続利用のうち 8 割近くが代替交通を持たないことから、公共交通の維持が必要であり、
そのためには「住民全体で支えていく」という住民への意識付けが必要である。
・ ちなみに平成 20 年 12 月から運行を再開した南郷地域乗合タクシーは、地元の住民らに よる協議の結果、実現に至ったものである。
(2) 通勤・通学のための利用促進
・ 今後、スクールバスと公共交通の併用など効率的利用の検討、通勤のための利用促進が 必要である。
(3) 高齢者の利用促進
・ 高齢化、核家族化が進むなか、健康づくり、文化交流活動等へ参加するための利用も促 進する必要がある。
(4) 多様な地域特性の考慮
・ 今後、利用者のニーズに応じた運行経路、料金、ダイヤの見直しが必要である。
(5) 公共交通空白地域、不便地域の解消
・ 住民からの要望等を踏まえたうえで、公共交通空白地域、不便地域の解消が必要である。
(6) 観光客等来訪者の利便性の向上
・ 平成