▷ 売上高 94,297百万円(前年同期比25.5%増)
▷ 営業利益 4,922百万円(同21.9%増)
▷ 経常利益 5,103百万円(同54.0%増)
▷ 当期純利益 2,449百万円(同12.4%増)
概要
売上高
2018年3月期第2四半期累計(上半期)の売上高は、2016年8月に買収した米国Sagent Pharmaceuticals, Inc.(以下、Sagent 社)の業績*がけん引し、94,297百万円(前年同期比25.5%増)となった。19期連続で上半期過去最高売上高を更新した。
Sagent社を除いた売上高は75,424百万円(同0.4%増)であった。2017年3月期下半期から国内売上高の成長が鈍化し、
当上半期においては長期収載品の売上高減少や、先発メーカーから同社が静岡工場で受託している受託品目の数量減によ り、売上高が伸び悩んだ。
*同社によれば、Sagent社の2018年3月期上半期(4~9月)売上高は同一条件の比較では前年同期比33%増となった。但し、2017年3月期上半期連結 決算上ではSagent社は貸借対照表のみ連結していた(損益計算書は連結されていなかった)
利益
売上総利益は前年同期比16.9%増と増収率同25.5%を下回る伸びとなった。売上総利益率は前年同期比2.5%ポイント悪 化して33.8%となった。米国Sagent社が新製品を発売し、他社が供給できないSagent社にとって高利益商品を米国市場 に首尾よく供給できた一方、事業ポートフォリオミックスの変化(国内事業よりも売上総利益率が低い*Sagent社の比率 上昇)したため。
*Sagent社は自社で製造能力を保有しておらず、製造パートナーと利益をシェアするビジネスモデルであるため。2018年3月期上半期の売上総利益率 は29.5%(同国内は34.9%)であった
営業利益は4,922百万円(前年同期比21.9%増)となった。売上総利益の前年同期比増益に加えて、2年間で6,000百万円 の利益改善を進めるプロフィットマネジメントプランの効果(当上半期において、調達マネジメント強化などに伴い、利 益改善効果約1,500百万円が発現)などが前年同期比営業増益に貢献した。なお、人件費(販管費)が前年同期比2,008 百万円増加しているが、そのうち1,910百万円はSagent社のM&Aに伴うものである。前年同期にはSagent社のM&A費用 約1,200百万円を計上した一方で、当上半期では同M&Aに関するのれん償却1,076百万円(前年同期ののれん償却は86百 万円)を計上した。
経常利益については、受取補償金の増加、為替差益の計上(前年同期は為替差損の計上)などにより5,103百万円(同54.0%
増)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、同社子会社米Sagent社が所有する仕掛研究開発に係る固定資産 について、米国財務会計基準に基づき減損テストを実施した結果、無形固定資産(仕掛研究開発)の減損損失2,975百万 円を計上したことなどから2,449百万円(同12.4%増)となった。
Sagent社の仕掛研究開発に係る無形固定資産の減損
米国会計基準に基づき、のれんおよび無形固定資産の減損テストを実施したところ、のれんについては減損の兆候がな かった一方、将来の収益性がないと判断した仕掛研究開発*(無形固定資産)ついて、回収可能性を評価し、帳簿価格を 公正価値まで減額し、当該減少額を減損損失2,975百万円として計上した。
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Coverage*価値をゼロとしたもの3品目(減損損失2.2百万USドル)と価値を減額したもの19品目(同24.6百万USドル)の合計22品目26.8百万円USドルの再評 価を行った。減損評価の理由としては、提携先に起因する承認遅延、市場予測の落ち込み、競争激化、特許関係、FDA照会の遅れなどがあった
同社によれば、米国において、インドや中国の製薬企業が相次いで米国のジェネリック市場に参入してきている。ジェネ リック1品目に対する参入メーカー数が拡大し、競争が激化しているとのことである。また、Sagent社の主要得意先であ るGPO(Group Purchasing Organization:共同購入組織)の巨大化が一層進んでいる結果、そうしたGPOのバイイング パワーが強まり、価格圧力が強まっているとのこと。インドや中国の製薬企業は、従来はSagent社を始め他社に販売を 委託していた商品を、それぞれ独自の販売子会社・関係会社を設立し、それらを通じて販売する手法を採ってきていると のこと。そうした潮流は懸念材料であるとのことである。
厳しい市場環境を乗り切るために、パイプラインの再評価・再検討をした結果、2018年3月期から2020年3月期までの3 年間における上市予定品目を、従来計画よりも13品目減らし、43としている。2018年3月期は14品目上市予定の内、上半 期末までに8品目を上市している。2018年8月に同社がSagent社を買収する前までは、Sagent社はFDAから承認を1年間 取得していなかったが、買収後の薬事関係の運営入替および増員により、承認取得がスムースになったとのこと。FDAは 今後、参入企業の少ないジェネリック品の優先審査を実施し、競争を促して市場環境を整える方針を打ち出してきている とのことである。
計画比
上半期会社計画に対する進捗率は売上高95.2%、営業利益111.9%%、経常利益121.5%、親会社株主に帰属する四半期純 利益90.7%となった。上半期売上高は、国内売上高の弱含み、長期収載品の減少、先発メーカーからの受託などの減少に よって、同社期初計画を4.8%下回った。一方で、国内および米国Sagentの増収や粗利益の改善、プロフィットマネジメ ントプランの効果などにより、営業利益および経常利益は当期間の会社計画を上回った。親会社株主に帰属する四半期純 利益については、Sagent社の仕掛研究開発に係る無形固定資産の減損を計上したことから、会社計画を下回った。
売上高については当上半期実績が同社期初計画を下回って推移したことから、同社は2018年3月期通期売上高会社予想を 期初会社予想206,000百万円から200,000百万円に修正した。一方、当通期利益予想については変更していない。
通期会社計画に対する進捗率は売上高47.1% (前期実績に対する上半期実績の進捗率は46.0%)、営業利益54.7%(同 47.2%)、経常利益59.3%(同39.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益44.5%(同45.5%)となった。
セグメント別実績
国内
国内売上高は前年同期比0.4%増の75,424百万円、国内の営業利益は同15.0%減の3,434百万円となった。原価率の上昇に より、売上総利益率は前年同期比1.4%低下する一方、売上高販管費比率が同0.5%ポイント改善し、営業利益率は同0.8%
ポイント低下し、4.6%となった。
製品別
ジェネリック売上高は68,904百万円(前年同期比2.4%増)、長期収載品売上高は4,771百万円(同13.1%減)となった。
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Coverage製品別四半期売上高推移
出所:同社資料よりSR社作成 製品別四半期売上高伸び率
出所:同社資料よりSR社作成
販売ルート別
販売ルート別連結売上高は、調剤薬局と病院向けに幅広い販路を持つ医薬品卸向けが64,075百万円(前年同期比3.9%増)、
代理店向けが4,589百万円(同13.6%減)となった。
国内販売ルート別売上高
出所:会社資料よりSR社作成 販売ルート別売上高伸び率
出所:会社資料よりSR社作成
30,191 29,003 34,650 31,758 34,154 33,115 35,524 32,569 34,732 34,172 35,049 33,938
39,333
35,193 38,029 37,122 39,747
36,326 37,859 37,565 15.3%
11.1% 12.7% 12.9% 8.5% 9.4%
1.1% 3.2%
-0.4% 1.2%
-5%
0%
5%
10%
15%
20%
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1
FY3/16 FY3/17 FY3/18
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000
ジェネリック 長期収載品 その他 YoY(右軸)
(百万円)
20.4%
16.2% 18.5% 17.5%
13.1% 14.2%
2.5% 2.6% 1.7% 3.2%
-14.7%
-7.8%
-16.9% -12.5% -10.4%
-14.3% -11.0% -11.0% -13.3% -12.9%
-20%
-10%
0%
10%
20%
30%
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2
FY3/16 FY3/17 FY3/18
ジェネリック YoY 長期収載品 YoY
28,249 27,495 31,927 28,407 31,468 30,222 32,949 29,436 32,565 31,510 35,049 33,938 39,333 35,193 38,029 37,122 39,747
36,326 37,859 37,565 15.3%
11.1% 12.7% 12.9%
8.5% 9.4%
1.1%
3.2% -0.4% 1.2%
-5%
0%
5%
10%
15%
20%
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2
FY3/16 FY3/17 FY3/18
卸ルート 代理店ルート その他ルート YoY(右軸)
(百万円)
16.5% 16.4% 13.5% 15.0%
11.4% 9.9%
3.2% 3.6% 3.5% 4.3%
2.9% 2.9% 5.3%
1.3% 1.1%
-6.8%
-10.6% -13.1%
-17.1%
-9.7%
-20%
-10%
0%
10%
20%
30%
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2
FY3/16 FY3/17 FY3/18
卸ルート YoY 代理店ルート YoY
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Coverage収載年度別
ジェネリック売上高は、2017年追補品(新規収載品)として、1,032百万円(前年同期はなし)が計上されたほか、2015 年追補品6,386百万円(前年同期比1,396百万円増)、2013年追補品6,795百万円(同751百万円)が主に増収に寄与した。
収載年度別売上高
出所:会社資料よりSR社作成
バイオシミラーの動向
後発医薬品業界においては、2017年6月9日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において、「2020 年9月までに後発医薬品の使用割合を80%とし」と時期が明記されるとともに「2020年度末までにバイオシミラーの品目 数倍増(成分数ベース)を目指す」と記された。後発医薬品の使用割合は、2017年4月~2017年6月の数量シェアが67.8%
(日本ジェネリック製薬協会・2017年9月28日発表)となっており、後発医薬品の一層のシェア伸長が望まれている。
<インフリキシマブ(Remicade®)>
同社が開発していたバイオシミラーの「インフリキシマブBS点滴静注用100mg『日医工』」の製造販売承認を、2017年 9月27日に取得した。上記基本方針の時宜に適ったものである。同社によれば、適応症は先行する日本化薬株式会社(東 証1部4272)と同じで、間接リウマチ、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎の4つであるという。
同社は、第7次中期経営計画で掲げた3つの基本戦略『シェアUP力』『供給能力』『開拓力』に加え、継続的なコスト改 善に向け策定した『Profit Management Plan 2019』の着実な実践に努めている。なかでも『開拓力』では、バイオシミ ラーの「インフリキシマブBS点滴静注用100㎎『日医工』」の価値最大化を図るべく消化器領域に強みをもつゼリア新薬 工業株式会社(東証1部4559)と2017年11月下旬から、共同プロモーションを行っている。また、インフリキシマブBS については、同社100%子会社ヤクハン製薬株式会社も、同社と同日に製造販売承認を取得しており、販売権許諾契約を 締結しているあゆみ製薬株式会社において2017年11月下旬から販売している。
国内で「インフリキシマブBS点滴静注用100mg『日医工』」の製造販売承認を得たことから、同社はインフリキシマブ の米国での展開を加速させたいとしている。先行するファイザー、メルクに次いで3番手となるが、米国でこの領域では 初となるInterchangeability承認取得に向けて現在Phase3を実施中である。同社によれば、従来のバイオシミラーの承認 取得よりInterchangeability取得には約40%程度費用と時間が余分に掛かるものの、同社が他社をキャッチアップするた めにはInterchangeabilityが大きな武器になると同社では考えている。
収載年度別(累計) FY3/16 FY3/17 FY3/18
(百万円) Q1 Q1-Q2 Q1-Q3 Q1-Q4 Q1 Q1-Q2 Q1-Q3 Q1-Q4 Q1 Q1-Q2
2017年 432 1,032
2016年 216 291 479 696 273 563
2015年 1,486 2,816 5,245 7,454 2,404 4,990 7,756 10,390 3,119 6,386 2014年 719 1,479 2,388 3,199 752 1,468 2,267 3,003 779 1,518 2013年 2,463 4,843 7,852 11,626 3,153 6,044 9,809 14,171 3,610 6,795 2012年 1,388 2,820 4,469 5,996 1,673 3,394 5,151 6,768 1,788 3,566 2011年 1,380 2,744 4,256 5,651 1,389 2,756 4,213 5,524 1,461 2,863 2010年以前 27,613 54,285 84,110 109,587 28,442 56,208 85,223 110,672 37,483 72,606
売上高 35,049 68,987 108,320 143,513 38,029 75,151 114,898 151,224 48,513 94,297
収載年度別 FY3/16 FY3/17 FY3/18
(百万円) Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2
2017年 432 600
2016年 216 75 188 217 273 290
2015年 1,486 1,330 2,429 2,209 2,404 2,586 2,766 2,634 3,119 3,267
2014年 719 760 909 811 752 716 799 736 779 739
2013年 2,463 2,380 3,009 3,774 3,153 2,891 3,765 4,362 3,610 3,185 2012年 1,388 1,432 1,649 1,527 1,673 1,721 1,757 1,617 1,788 1,778 2011年 1,380 1,364 1,512 1,395 1,389 1,367 1,457 1,311 1,461 1,402 2010年以前 27,613 26,672 29,825 25,477 28,442 27,766 29,015 25,449 37,483 35,123
売上高 35,049 33,938 39,333 35,193 38,029 37,122 39,747 36,326 48,513 45,784