▶ 営業収益 190,505百万円 (前年同期比17.4%増)
▶ 営業総利益 89,579百万円 (同19.3%増)
▶ 営業総利益率 47.0% (前年同期は46.2%)
▶ 営業利益 17,830百万円 (前年同期比10.1%増)
▶ 経常利益 20,332百万円 (同15.9%増)
▶ 当期利益 12,478百万円 (同13.7%増)
2015年2月期第3四半期(第3四半期累計)業績の概要
売上高は国内直営及びアジア地域事業の成長継続、第3四半期累計で過去最高を更新
2015年2月期第3四半期業績は、売上高・利益とも前年同期を上回って着地。アジア地域事業を中心に売上高・利 益が伸長したことにより、過去最高益を更新した。
業績推移(百万円)
4,579 2,425 5,168 3,266 5,811 3,692 5,680 3,168 5,728 3,994 6,473 4,720 6,624 5,012 6,193 7,670 10.1%
6.0%
11.1%
7.1%
11.8%
8.8%
11.6%
6.6%
10.4%
8.1%
11.1%
8.1%
9.9%
8.8% 9.3%
12.3%
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000
Q1 FY02/12
Q2 Q3 Q4 Q1
FY02/13
Q2 Q3 Q4 Q1
FY02/14
Q2 Q3 Q4 Q1
FY02/15
Q2 Q3 (*)Q4
営業収益 営業利益 営業利益率(右軸)
出所:会社資料よりSR作成
国内事業は、戦略的マークダウンを背景とした売上総利益率低下により、営業利益未達基調
国内直営事業において為替の円安基調及び戦略的なマークダウンを行った影響で売上総利益率が低下しており、
第4四半期も影響が残ると見込まれることから、営業利益段階では会社通期計画に対して未達基調となったとSR 社ではみている。
海外事業及び海外輸出は、円安に伴い営業総利益率が上昇し、営業利益は通期計画達成基調
海外への輸出時の為替リスクは主に、国内の親会社が負担しているため、円安基調の中では、海外輸出に伴う営 業利益は上昇する(セグメント上では「その他」に含まれる)。また海外子会社決算の円転時の営業利益も上昇 する。これらは、第4四半期も影響が残ると見込まれ、通期会社計画に対して達成基調で推移しているとみられる。
連結・単体ともに、経常利益ベースでは為替差益が寄与し、通期会社計画線
一方で、経常利益においては為替差益が営業外収支を押し上げたことにより、ほぼ会社計画線で推移していると 考えられる。同社における為替差益は単なる資産の評価替えではなく、既に日本円に交換済み、もしくは交換す る予定の売掛金が大半であり、キャッシュを伴ったもの。キャッシュベースでは円安による負の影響を補ったも のと評価できよう。
-4 -176 -18 -7 28
-66 -76 139
-9 -60 175
633 560 -92
58 287 -186
43 2,195
91.3 84.5 84.3 81.7 80.8 76.7 78.1 80.7 78.9 78.6 82.1
92.5 101.2 98.4 102.4 101.9 101.7 103.7 118.2
20 40 60 80 100 120 140
-500 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500
FY02/11Q1 Q3 Q1
FY02/12 Q3 Q1
FY02/13 Q3 Q1
FY02/14 Q3 Q1
FY02/15 Q3
為替差損益 期中平均為替レート(円/USD、右軸) 期末為替レート(円/USD、右軸) 海外事業(FY02/15Q1を100、右軸)
出所:会社資料よりSR作成
良品計画単体の輸出売上高及び連結海外地域事業売上高(百万円)
244 265 269 391 434 674 524
1,824 2,087 2,809 3,488
4,614 4,689 7,807
7,270
0 4,000 8,000 12,000 16,000 20,000
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000
FY02/12Q1 Q3 Q1
FY02/13 Q3 Q1
FY02/14 Q3 Q1
FY02/15 Q3
輸出売上高(単体) 海外地域事業売上高(連結)(右軸) 海外地域事業売上高(連結、台湾を除く)(右軸)
出所:会社資料よりSR作成
単体売上総利益率の低下
円安及び戦略的マークダウンの影響による低下が大きい
第3四半期(3ヶ月)の良品計画単体の売上総利益率は38.8%と、前年同期比で3.2ポイント悪化した。SR社では後 述するように、1)円安を背景に仕入が現地通貨建て・円建てともに負の影響を受けたこと、2)戦略的なマーク ダウンが主な要因であり、また、第4四半期も同様の傾向が続く可能性があるとみている。但し、来期においては 1)については商品切り替えの効果が表出し、原価率の改善が見込まれる点に期待している。
単体売上総利益率における前年同期比の要因分解
FY02/14 FY02/15 差異
為替要因 海外供給売上化 値下・原価削減他
上期計画 43.1% 39.8% -3.3% 0.0% -1.1% -2.2%
1Q実績 43.8% 40.5% -3.4% -1.0% -0.5% -1.9%
2Q実績 42.2% 36.7% -5.5% -0.7% -3.4% -1.4%
上期実績 43.1% 38.7% -4.4% -0.9% -1.7% -1.8%
上期時点の下期計画 40.3% 38.8% -1.5% -0.1% -2.0% 0.6%
3Q実績 42.1% 38.8% -3.2% 0.1% -1.1% -2.2%
出所:会社ヒアリングによりSR作成
会社計画との差異では、「その他値下げなど」の落ち込みが目立つ 今回の3.2ポイントの落ち込みを要因分解すると
1) 為替の影響、(1a)海外販社へ供給する際の為替の影響と、1b)海外通貨で契約した商品の為替変動での影 響との相殺後)で 0.1 ポイント改善
2) 海外販社への売上増で 1.1 ポイント悪化
上期発表時点において、下期は3)その他で0.6ポイントの改善を見込んでいたことから、計画比ではこの部分の落 ち込みが目立った。
上記1)については、仕入から商品販売までの流れのなかで下表のように、1a)は良品計画単体から海外販社への 外貨建て取引で、為替リスクを海外販社ではなく単体が負っているというもので、円安時にプラスとなる。1b)
は海外通貨で契約した商品仕入の部分が相当し、円安時にマイナスとなる。また円での契約についても間接的に 影響が出ており、後述の3a)にて説明を試みたいと思う。
仕入から販売までの通貨別の流れ(2015年1月の取材時点)
(サイトは約1ヶ月) (サイトは約3ヶ月)
外貨建て(約4割) 外貨建て(1~2割) 外貨建て(約10割)
(契約はドル、約2割)
(契約は円、約2割)
円貨建て(約6割) 円貨建て(8~9割)
仕 入 先
海外販社 良
品 計 画
商 品 購 入 客
1a)
3a) 1b)
為替の影響を受ける取引
出所:会社ヒアリングによりSR作成
上記2)については親子間取引における会計的な影響であり、海外販社への供給売上における単体の売上総利益率 が低位なことから起こるもので、また、連結では相殺されるため、本質的な問題ではない。
上記3)は、大きく2つの要因がある。3a)2014年秋冬季節商品において、円安によるコスト上昇分をコスト低減 で吸収することが難しかったこと、3b)「こだわりたいね」の意図が伝わりづらかった一部商品でマークダウン を戦略的に多用したこと、があげられる。
3a)については、2015年春夏季節商品では解消する見通しであり、3b)については戦略的なものであり不明な点 も多いが、少なくとも第4四半期は同様の戦略を継続するとみられる。
季節商品が主に為替の影響を受けるが、円建て契約の定番商品も影響はあり(上記3a)
同社の商品は大きく分けると、季節商品(生活雑貨の一部と衣服雑貨)と定番商品に分けられる。季節商品は半 年毎に春夏物、秋冬物として企画し商談を進めていく。季節商品の海外からの仕入分については基本的には外貨 建て契約であり、為替リスクを同社が負うことでコスト低減を図っている。一方、定番商品は季節商品よりも商 品サイクルが長くなることから、円建て契約で為替リスクは同社が負わない建前となっている。但し、急激に円 安が進行して取引先が厳しい状況に陥った際には、同社に対して値上を要望することがあると思われる。
2014年秋冬物が為替影響を受け、コスト低減が想定に対して未達に
同社は2014年の春夏季節商品に関しては、消費増税分を値段に転嫁することをしなかった。これを補ったのが取 引先と一体となったコスト低減であったが、2014年の秋冬季節商品については円安基調の中で更なるコスト低減 を推進するのは難しく、売上総利益率低下の一因となったと思われる。また、同社の対応策も3ヶ月での立て直し は厳しく、第4四半期も同様の傾向が続くとみられる。
嫁して原価率を適正に戻すことも検討している。結果的には値上となるため、売上への影響、マークダウンの可 能性がある点は留意したい。
季節商品、定番商品とも商品切り替え時に影響はリセットされる
定番商品にもこうした影響は現れつつある模様だが、定番商品も商品切り替えの際に季節商品と同様にコスト・
価格への波及を図っていく計画。定価の低いもの、生産に金型投資が必要なプラスチック成型品等は遅れる可能 性があるが、既に食品においては上期中に切り替えが終了したことにより、売上総利益率は前期を上回っている とのことである。
単体売上総利益率の推移
40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 34%
36%
38%
40%
42%
44%
46%
48%
50%
52%
54%
Mar-10 Mar-11 Mar-12 Mar-13 Mar-14
単体 衣服雑貨
生活雑貨 円/USD(右軸)
出所:会社資料よりSR作成
戦略的マークダウン(上記3b)
第3四半期におけるマークダウンは、決して売れ残り在庫を処分するためではなく、プロパー価格(正価)で販売 する時期にあえて戦略的に行われた。現在、同社が進めている国内戦略「こだわりたいね」商品郡(上質な素材 をシンプルに仕立てて手頃な価格で提供する商品群)において、家具や衣料は、「脚付きマットレス」、春の「フ レンチリネン」シリーズ、夏の「オーガニックコットン二重ガーゼ」、秋冬の「首のチクチクをおさえたタート ルネック」など素材・機能の訴求が効果を現し好調に推移している一方で、インナーウェア等のステープルな商 品群は、素材・機能の訴求が届いていなかった。今回の戦略的マークダウンは、これを打開するために期間限定
(週末限定等)でマークダウンして1回購入してもらい良さを実感してもらい、リピート化を狙う戦略を採ったも の。
同社では「こだわりたいね」商品郡全体の底上げを成長戦略の中核として位置付けており、第4四半期も同様の基 調が続く可能性が高い。
連結未実現利益の計画以上の増加
会計上の問題ではあるが、第3四半期の営業利益が会社計画未達基調となった一因として、円安を背景とした未実 現利益の想定以上の増加がある。海外事業で販売する商品は良品計画単体が供給しており、これが未実現利益の 増加をもたらした。
要因は、1)【量】新規出店時は店頭在庫が一定量必要となるが、中国での出店拡大により、この部分が膨らんだ こと、2)【利益率】海外販社へは外貨建てで単体から商品を仕入れており、円安により商品在庫に含まれる利益 部分が膨らんだこと、3)【時間軸】利益部分が膨らみ利益率が上昇した当該在庫はすぐには売上計上されず在庫