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20 歳 退所

ドキュメント内 学位の分野 社会福祉学 (ページ 95-183)

学習支援

生活のサポート 進学

資格取得 卒業 就職

居住支援

学費支援

居住支援

定期交流

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なり(施設に)行ったよ。今日泊まるからって。」と語るように定期交流が頻繁に行われ、

また、施設に行こうと思ったタイミングで施設が受け入れていることが分かる。

Eのように、退所時のライフラインの位置がプラスのA施設経験者の退所後のライフラ インは図4-2である。施設入所から退所まで(施設でのくらし)のライフラインは比較 的プラスで安定している状況であったが、退所後のライフラインはプラスマイナスに揺れ 動く状況にあった。先行研究で明らかとなっているように、退所後のくらしはA施設経験 者にとっても不安定な状況になった様子が分かる。

ライフラインがプラスとなったのは、高等教育機関への入学、就職・転職といった新し い環境に入っていくことや、高等教育機関の卒業、資格取得といった自分の努力が成果と なって現れた時である。一方、ライフラインがマイナスとなったのは、進学断念、親や職 場での人間関係トラブルとそれに伴う退職、希望の仕事ができないことや周りの期待に応 えられない仕事のスキルといった自分の希望や理想の状況が得られなかった時に生じてい る。加えて、親の死亡や職員に対する不安といった周りの人々の影響を受けてしまうこと も分かった。

退所時のライフラインの位置がプラスのA施設経験者は、退所直後から生活のサポート や定期連絡、定期交流が行われており、人生の転換期に職員が寄り添い、適切に支援がな される状況にある。A施設経験者も職員のサポートについて語っていることから、サポー トを受けたと実感している。そのため、ライフラインがプラスである時に支援することで プラスを維持し、マイナスになっても早い段階でプラスの方向に向かう傾向が見られた。

また、日常のちょっとしたことへの質問や不満についても、Fは「すぐに(職員に)電話 して聞く」、Eは「個人的に電話しちゃったり。わーって言って切るだけ切る。(Fの発言 まま)」と答えており、職員への連絡のしやすさが退所後の生活不安を極めて初期段階で解 消することにつながっている。

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図4-2 退所時のライフラインの位置がプラスのA施設経験者の退所後のライフライン一覧

〈+〉D 〈-〉

生活のサポ 3020 退所就職 職場の 人間関係

転職

資格取得 職員への 心配

仕事の りがい 仕事の 悩み

居住支援 相談にのる

キャリア支援 にのる

にのる リア

〈+〉

F

〈-〉

定期連絡 定期交流 生活のサポ 20 退所就職 にのる

就職支援 進学 断念

居住支援 〈+〉

H

〈-〉

定期連絡定期交流

生活のサポ 3020 退所

学習支援 相談にのる

進学学費支援

居住支援 卒業

就職 資格 取得 退職 無職

転職

居住支援

〈+〉  〈-〉

定期交流生活のサポ 3020 退所

進学

学習支援

就職 退職 やめ

転職

学費支援居住支援 相談に乗る居住支援 定期連絡

G 〈+〉 〈-〉

定期連絡 定期的交流 3020 退所

進学

学習支援 就職

学費支援居住支援 転職

相談にのる 〈+〉 

L

〈-〉

定期連絡 定期交流 3020

居住支援 親の死 話を聞く

進学

資格取得 転職

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2)退所時のライフラインの位置がマイナスのA施設経験者(B・C・I・K)

Bのライフラインと職員の支援を描いたものが図4-3である。Bは、小学校期に自ら 望んで家庭復帰をしている。しかし、Bは、自ら施設に連絡を取り施設のイベントなどに 参加して交流を続けていた。その理由をBは次のように語っている。

「だいたい〇〇(親)が生活のことはやってくれて。まあ、最初はそうだったんですけど、

もう〇〇(親)だけだったから、なんか蔑ろっていうか、・・・だから、なんか自分でや るしかないみたいな。」

「まあ、(施設の)イベントごと。夏休みだとかクリスマスとか、そういうイベントごとに 対して、それは、なんか引っかかってて、向う1人なんですよ。あの、自分しかいないか ら。だから、なんかもの寂しさじゃないですけど、みんなに会いたいって思いもあったで しょうし、楽しみたいっていうのもあったり。あ、連絡…こっちから逆にしてた感じです

〈+〉

〈-〉

図4-3 Bのライフライン

定期交流 定期連絡

10歳 20歳 30歳

退所

家庭 復帰

アルバ イト始 める

高校中退 就職

転職

起業

転職

相談にのる キャリア支援

親との トラブル

廃業 仕事の

悩み

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ね。当時、最初は、寂しさとかを紛らわしたりとか、家に帰ったことに対して無意識的に 後悔してたのかなっていう気もしなくもないし、えー、そういうそうですね、自分のため に、決めたんです。」

「まあ、施設でこういうとこ居たくないっていう思いもあったんで、だから一回出てみた んですよね。でもなんか自分で、戻りたいなって思ったりもしたんですけど、でも、自分 で帰るっていう選択をした以上は、そのやっぱ〇〇(施設)の方がいいっていうことを口 には出さなかったんですよね。」

Bは、家庭復帰後に親との関係や生活に困難を抱え、家庭に自分の居場所を見つけるこ とができず、居場所を施設に求めた。施設は定期連絡や定期交流という支援でBの見守り をしている。Bのライフラインが20歳ごろにプラスに転じているのは、厳しい環境の中で も、B自身の力で這い上がってきたからであり、厳しい環境でBが頑張っている様子を施 設は見守る状況にあった。職員が積極的な支援をしたのは、Bが廃業により生活状況が不 安定になった30代に入った時である。施設は、非正規雇用や不安定就労から正規雇用への 支援を行い、生活の安定を図るとともに、正規雇用の継続を促進するためのキャリア支援 を行っている。施設からのキャリア支援を受け、Bのライフラインはプラスの状況に大き くあがっていく。その後、仕事の悩みを抱え、ライフラインはマイナスに転じているが施 設が相談に乗ることで、マイナスの谷は浅く、短い期間で回復している。

Bと同様に、退所時にライフラインの位置がマイナスのA施設経験者のライフラインを 示したのが図4-4である。徐々にプラスに変化していったB・Cとマイナスの状況が継 続しているI・Kの2パターンあった。退所時にライフラインの位置がプラスのA施設経 験者同様に、家庭復帰、アルバイト開始、就職・転職、結婚・出産といった新しい環境に 入っていくことや、治療・療養といった今後改善する方向に行くことが想定されることに プラスの評価がなされている。一方、ライフラインがマイナスとなったのは、プラスとな った要因が、自分の希望や理想の状況となりえなかった時である。ライフラインがプラス になった場合には、A施設経験者自身の力によるものが多く、職員の支援を受けたという 実感はなかった。マイナスになった場面においても、自己解決が多かった。そのような状 況についてCは次のように語っている。

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「遠ざけられたなって感じたこともありましたよ。退所する2、3日前にもう少し居たい ってお願いしたんですけど、まあ、それはダメだって。ただ居たいって、僕のわがままで すけどね。まあ、帰る家があったんで。その時は多少マイナスな結果になりましたけど、

すぐにプラスに。」

図4-4退所時のライフラインの位置がマイナスのA施設経験者の退所後のライフライン一覧

〈+〉 

K

〈-〉

子育て支援 30歳20歳

退所 離婚

出産 出産 結婚

結婚 相談にのる

結婚 離婚

家族調整支援 子との別離

定期交流

I 〈+〉 〈-〉

生活のサポ

3020退所 措置 変更 就職転居

療養

入院支援 居住支援

治療 生活支援

申請支援 居住支援

中間就労支援

〈+〉 〈-〉

定期交流 定期連絡 30歳20歳 退所 家庭 復帰

別居転職 就職

結婚

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Cの施設入所中のライフラインはマイナスの状況にあり、退所時に職員が自分の思いを 受け止めてくれなかったとCは感じている。職員への調査では、子どもから施設にいたい という希望がでたら居住支援をしていると回答しており、Cの思いとズレがあることが分 かる。Cは、施設からの定期連絡は受けていたと感じているが、自ら相談をすることはな かった。施設との定期交流が始まったのは、自分の力でライフラインがプラスに安定して きてからであり、このことをCは自分自身の成長によるものと考えている。

退所時のライフラインの位置がプラスのA施設経験者のライフラインと比較すると退 所時のライフラインの位置がマイナスのA施設経験者は職員の支援が少なく、職員との関 係性も希薄な状況にある。その場合、職員の支援が30代になってからが多く108、相談・支 援を求めるタイミングが非常に遅い。

(2)A施設が求めた退所後の支援―ライフライン分析から明らかになったこと-

A施設経験者のライフラインを利用した分析から、A施設経験者が退所後の支援として 求めたものは、第一に就学・就職への総合的・包括的支援であり、第二に施設退所直後か らの支援であり、第三に施設とのつながりが青年期・中年期にわたって継続されること、

であることが明らかとなった。以下、具体的に述べていく。

1)進学・就職への支援

施設退所後の支援として挙げられたものは、学習支援(学費支援を含む)、就職支援(キ ャリア支援、中間就労支援を含む)、居住支援、生活支援(入院支援、申請支援を含む)で ある。青年期においては進学や仕事に関係する支援に有効性があった。特に、施設退所後 の学習支援や就職支援、居住支援はライフラインをプラスにしたり、プラスに維持したり することに効果があった。A施設は進学基金を有し、A施設経験者の多くが基金を利用し て進学を可能としている。また、居住支援は生活の基盤となるため、学習支援や就職支援 と同時期に行うことがA施設経験者の退所後の漠然とした不安を支え、ライフラインのプ ラスを支えるものとなっている。

A施設経験者が学習支援、就職支援、生活支援、居住支援といった総合的・包括的な支 援を退所後も必要とした背景として、施設経験者は施設以外に頼りにできる存在がなく、

後ろ盾のないまま社会に出されている状況にあることを裏付けており、アフターケアは施 設が必要だと判断した子どもだけに適用する制度ではなく、施設を退所するすべての子ど

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