7 万有引力と惑星
例題 7. 2 人工衛星からのロケット
7.3 惑星の運動 111 よって,相手と話すと0.5秒の返答の遅れが生じることになる.
図7.16 惑星を利用したロケットの加速,スウィングバイ.
演習問題7
A 1. 恒星の質量の導出
ある恒星に1つの惑星があることが観測された.この軌道は円軌道 で半径はr,公転周期はT であった.このことから,この恒星の質 量を導出せよ.
2. 彗星の角運動量
右図に示すように,太陽に向かって速さv0で近づいていく彗星があ る.この彗星が太陽に一番接近したときの速さはv,太陽からの距離 はRであったとする.太陽への接近の仕方は図のようにbだけずれ ていたとして,v0を求めよ.
3. 月の衛星
地球の質量をM,半径をR,万有引力定数をGとする.
(a) 地球の表面上での重力加速度gを,M, R, Gで表せ.
7.3 惑星の運動 113 (b) 質量mの物体が地球の回りを速度の大きさvで円運動している
として以下の問いに答えよ.
i. 円運動の半径rを求めよ.
ii. 円運動の周期Tを求めよ.
iii. rとTの間の関係式を求めよ.
(c) 人工衛星が地球の表面すれすれに円運動しているとして,その ときの速度を求めよ.g=9.8 m/s2,R=6400 kmとすると秒速 いくらになるか.
(d) この人工衛星が地球を1周する時間はいくらか.
(e) 静止衛星の位置は地球の中心からどの程度の距離にあるか?ケ プラーの法則から求めよ.
(f) 月の半径は地球の1/4,重力加速度は1/6である.月の表面す れすれに円運動している月観測衛星“かぐや”の周期は?
(g) 上の数値から,月と地球の密度の比を求めよ.
4. 惑星からの脱出
(a) 地球の質量をM,半径をR,万有引力定数をGとする.地球の
表面上での重力加速度gを,M, R, Gで表せ. +3.(a)を解いた人はとばし てよい.
t= 0において,地表から鉛直方向に速さv0で質量mの物体を打ち 上げた.空気抵抗は無視できるとする.
(b) 物体が地表からの高さz (地球の中心からだとR+z)に達した とき,ポテンシャルエネルギーはいくらか.答えをm, g, R, zで 表せ.
(c) 物体が地表からの高さz (地球の中心からだとR+z)に達した とき,速さはいくらか.答えをv0, g, R, zで表せ.
(d) v0=V で,物体は無限遠に到達できるようになった.V の値は 脱出速度とよばれる.V をg, Rで表せ.
(e) この初速V で打ち出したとき,高さzにおける速度は dz
dt =
√ 2gR2 z+R となることを示せ.
(f) 上の微分方程式を解いて,
z= (√
R3+ 3 2
√2gR2t )2/3
−R=R (
1 + 3 2
√2g R t
)2/3
−R
を示せ.示せないときは,微分方程式に代入して示してもよい.
(g) zをtの2次までマクローリン展開(t= 0のまわりのテーラー 展開)を行い,1次,2次の項それぞれの物理的な解釈をせよ.
また,3次の項の符号はプラスか,マイナスか.
ただし,マクローリン展開の公式 (1 +x)2/3= 1 + 2
3x− 1
9x2+O(x3) を用いてよい.
5. 月の加速度
(a) 月の地球に対する加速度R月ω2を求めよ.R月は月までの距離 で約3.9×105km,ω= 2π/T,T = 28日とする.
(b) 地球が月に及ぼす力はGM m/R2月である.(M,mはそれぞれ 地球,月の質量.)よって月の加速度は
GM
R2月 = GM R2
( R R月
)2
=g ( R
R月 )2
ここでRは地球の半径6400 kmである.これが(a)と一致して +この一致から地表の重力
と月への引力が同じ起源だと 言うことがわかる.
いることを確かめよ.