13 ガウスの法則と導体
例題 13. 3 平行平板コンデンサの電気容量
ガウスの法則を用いて,平行平板コンデンサの電気容量が,
C= 0S
d (13.29)
であることを示せ.(Sは平板の面積,dは平板の距離である.) また,S= 1cm2,d= 1mmのときのCを求めよ.
金属表面の電荷密度σと電場の関係は式(12.30)で与えられる.(式(13.16)の 導出も参照.)
E= σ 20
(13.30) 上の極板と下の極板,両方から電場は生じるので,その2倍が極板間にかかってい る電場である.
E= σ 0
(13.31) σ=Q/S,V =Edより,
V d = Q
0S ∴Q= 0S
d V (13.32)
S= 1 cm2,d= 1mmを代入すると,C≒0.9×10−12F =0.9 pF(ピコファラッ ド)となる.
13.5 静電エネルギー
仕事と静電エネルギー 原点に点電荷Q1があり,無限遠から点電荷Q2 を近づけ,2つの距離がRとなったとしよう.移動に必要な仕事W は
W =−
∫ R
∞
d rF(r) =−
∫ R
∞
dr 1 4π0
Q1Q2
r2 = Q1Q2
4π0R (13.33) となる.F(r)は電荷Q2に働く力である.この仕事はエネルギーとして蓄 えられる.これを静電エネルギーU とよぶ.静電エネルギーは
U = Q1Q2
4π0R (13.34)
である.
クーロン相互作用している粒子系の静電エネルギーUは U = 1
2
∑N j=1
∑N i=1,i6=j
QiQj
4π0Rij (13.35)
で得られる. 1/2と い う 因 子 は ,2重 カ ウントを補正するためであ る.たとえば,i = 1, j = 2 とi = 2, j = 1 の 項 はそれぞれQ1Q2/4π0R12, Q2Q1/4π0R21で,同じも のを2回数えている.
Φiをi番目の粒子の位置でのポテンシャル,Qiをその電荷として,(12.12) 式と組み合わせると,
U = 1 2
∑N i
QiΦi (13.36)
で与えられる.
逆にQ1, Q2がRだけ離れていたとする.電荷の符号は同符号だとする と,2つは斥力をおよぼし合う.一方(たとえばQ1)を固定し,もう一方 (Q2)を動けるようにすると,この斥力によりQ2は加速する.無限まで行っ たとき,Q2の運動エネルギーKは,エネルギーの保存則より
K= mv2
2 = Q1Q2
4π0R (13.37)
となる.
静電場のエネルギー 静電エネルギーを電場から求めてみよう.平行平 板コンデンサの静電エネルギーは,電荷をQからQ+ ∆Qに増やすために
∆Q×V の仕事を電池がすることから求められる.
U =
∫ Q 0
dQ V =
∫ Q 0
dQ Q C = Q2
2C (13.38)
ここでコンデンサ間の電場E= σ 0
= Q
0S,C= 0S
d を使って,C, Q +式(13.29)
を消去すると
U =S×d× 0E2
2 (13.39)
となる.これは単位体積あたり
u= 0E2
2 (13.40)
のエネルギーが存在していることを意味している.このように静電エネル ギーを静電場のもっているエネルギーと解釈することが可能である.
演習問題13
A 1. 1次元イオン結晶の静電エネルギー
N個の+eの電荷とN個の−eの電荷が,aだけ離れて交互に直線 上に配置されている.Nが十分大きいとき,中心の電荷の静電エネ ルギーは
U =− e2
4π0a ×2 ln 2 となることを示せ.
13.5 静電エネルギー 197 2. 地球の静電容量
地球を金属球と見なすと,その静電容量はいくらか.
3. 微小なコンデンサー
大きさが1µm,間隔が0.1µmの平行平板コンデンサに素電荷eを ためると,何Jのエネルギーになるか?
4. 帯電した球の静電エネルギー
接地されていない半径Rの球殻を考える.これに電荷Qを与える.
球殻の内部の電場は0である.
(a) このとき,球殻のまわりの電場を求めよ.
(b) 球殻のもつ静電エネルギーを,電荷を無限から移動する仕事を 計算することで求めよ.
(c) 球殻のもつ静電エネルギーを,球殻のまわりの電場を計算する ことで求めよ.