( 500* ) 乳児用食品 50
ほとんどの食品で 0. 001ppm=1ppb
別名ワーファリン
残留基準値
肝臓 腎臓 肺 血餅 筋肉 心臓 膀胱 浜松市
保健環境研究所
(H20と畜体)
7 8 ー
広島県
東広島家保
(H15へい死体)
550 140 130 100 90 60
神奈川県食肉
(H18) 441 107 3
横浜市食肉1
(病変3:膀胱) 0.3 0.2
横浜市食肉2
(写真なし:肝臓) 0.9 0.6 ー
横浜市食肉3
濃 薄
全身性出血を伴わない症例が確認された
市販ワルファリン含有殺鼠剤 0.025 % ~1%
1 %含有餌 100 gを豚(当歳110kg)が捕食 ⇒ 計算上では筋肉中濃度 9ppm
1 %含有餌 10 gを摂食して死亡した鼠を豚が捕食 ⇒ 計算上では筋肉中濃度 0.9ppm
小児( 10 kg)の中毒量は 0.014mg/kg との報告も ⇒ 少量でも中毒症状を示す可能性
66
浜松市保健環境研究所様
広島県東広島家畜保健衛生所様
神奈川県食肉衛生検査所様
横浜市中央卸売市場本場検査所様
( ) 横浜市食肉衛生検査所における牛肉の放射性物質汚染対策について
横浜市食肉衛生検査所 ○井上亜希子、若林和訓、平澤修和
はじめに
平成23年3月11日の東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故により、大気中に放射 性物質が飛散し、暫定規制値を超える多くの農水産食品が発見されるなど大きな社会問題となっ た。牛肉についても、屋外に保管されていた汚染稲わらを給餌された牛が出荷されたことにより、
暫定規制値を超えた牛肉が市場に流通していたことが発覚した。横浜市中央卸売市場食肉市場で と畜解体された牛の中にも、汚染稲わらを給餌されていたものがいたことが判明し、横浜市民の 牛肉放射性物質汚染に対する不安は一気に高まった。このことにより、牛枝肉の販売不振、価格 の下落、と畜頭数の大幅な減少が認められた。
横浜市食肉衛生検査所では牛肉に対する市民の不安を払拭するため、と畜された牛全頭につい て放射性セシウムの検査を行っているので、その概要を報告する。
1 横浜市食肉衛生検査所における牛肉の放射性物質検査
横浜市中央卸売市場食肉市場に搬入された牛について、平成23年7月26日から全出荷者を 対象とする全戸検査を開始し、同年8月8日から全頭検査を開始した。検査方法は、検査開始 当初は牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法 [1] で行っていたが、食品中の放射性セシウ ムスクリーニング法 [2] に改められた以降は、それにより実施している。
検査機器は検査開始当初はNaIシンチレーションサーベイメータ、同年9月からNaIシンチ レーションスペクトロメータ、平成24年4月からゲルマニウム半導体検出器を使用している。
検査材料は、牛枝肉検査の直前にと畜検査員が頸部より採材し、脂肪を除去した後、食肉販 売店等で使用されている業務用のミートチョッパーを用い細切・均一化したものを用いており、
検体量は検査機器の変更にともない、2,000g(2ℓマリネリ容器)、630g(V5タッパー)、1,000g
(1ℓマリネリ容器)等と変更している。
スクリーニングレベルについては、平成24年3月までは「肉・卵・魚・その他」の放射性セ シウムの暫定規制値500Bq/kgの1/2である250Bq/kgとしており、それを超過した場合は横浜 市衛生研究所のゲルマニウム半導体検出器による確定検査を実施することとしていた。平成24 年4月以降は、食肉衛生検査所にゲルマニウム半導体検出器が導入されたため、スクリーニン グレベルを一般食品のセシウム基準値である100Bq/kgの1/2である50Bq/kgに改め、それを 超過した場合は、食品中の放射性物質の試験法 [3]により当所で確定検査を実施する体制が整 えられた。
検査時間は検査当初から、1頭あたり約3分程度で実施しており、検査材料である牛頸部筋 肉の前処理等を含め、1日で100頭以上の検査が可能である。
68
2 放射性物質の検査結果を活かした「食の安心・安全」への取り組み
(1)検査済証の発行
本検査所では、平成23年7月26日の全戸検査開始時からスクリーニング検査に合格し たすべての牛について、検査所長名による「検査済証」を検査個体ごとに発行している。
(2)横浜市のwebサイト「食の安全ヨコハマWEB」での啓発
横浜市のwebサイトである「食の安全ヨコハマWEB」において、当検査所でのスクリー ニング検査の結果をと畜日ごとに公開している。
また、「平成23年度食品衛生監視指導計画実施結果」において、重点的に実施した事業 の第1項目に放射線の対策事業を挙げ、横浜市での対策の経過や食品中の放射性物質の検 査状況、暫定規制値超過事例、さらに平成24年度も牛肉の全頭検査など各種食品の放射性 物質検査を継続することとしており、市民の「食品の放射能汚染に対する不安」の払拭に 努めている。
(3)市内で行われるキャンペーン等における放射性物質検査のPR活動 区役所の食品衛生係や関連部局の他、
横浜市食品衛生協会等と連携して、市内の 大型店や駅、市庁舎前など、多くの人が集まる 場所で行われる食中毒予防キャンペーンや食育 推進全国大会会場等で、放射性物質検査のパネ ル展示・検査所職員による放射性物質検査に ついての解説をおこなうなど、牛肉の安全性 PRを行っている。
3 効果と課題
(1)効果
平成23年8月から平成24年8月までに約1万5000頭を対象に検査を実施した。結果 は平成24年3月までのものはすべて暫定規制値未満、同年4月から8月までのものは新 基準値の測定下限値である25Bq/kg未満であった。また以前は確定検査を横浜市衛生研究 所で行うこととしていたため、確定検査終了までには数日を要していたが、ゲルマニウム 半導体検出器導入以降は食肉衛生検査所の確定検査が可能となり、検査終了までの時間を 大幅に短縮することができ、より迅速な対応ができるようになった。
全頭検査開始から1年が経過した現在、牛枝肉の価格は回復傾向にあり、と畜頭数も震 災前には及ばないものの、例年の頭数へと近づきつつある。
(2)今後の課題
横浜市では毎年食品の安全に関するアンケート調査を実施しており、その中で「食の安 全について関心のあることは何ですか?(複数回答可)」という設問を設定している。震災 前のアンケート結果では、食品の放射能染は項目として設定されておらず、設定項目以外 の「その他」に含まれるものと考えると回答全体の1%にも満たなかった。しかし震災後
の平成23年度の調査では11.5%と食中毒に次いで2位となっており、関心の高まりがう かがえた。平成24年度のアンケートについては現在実施中であるが、おそらく関心がある 項目の上位になるものと推測される。
当所の放射性物質検査では、これまでに違反事例はない。全国的に見ても100Bq/kgを 超える事例は非常に少なく、畜産現場における飼料の安全管理が有効に実施されているこ とがうかがえる。
しかし、食品全般の安全性に対する市民の関心は高く、「牛肉を含む食品の放射能汚染に 対する不安」がたやすく払拭されるとは思えない。今後も全頭検査を継続するとともに、
検査結果等の情報を広く市民に対して発信し、「安心・安全な牛肉」のPRに努めていく所 存である。
引用文献
〔1〕 厚生労働省事務連絡「牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法について」.平成23年7 月29日: 最終改正 平成23年9月7日.
〔2〕 厚生労働省事務連絡「食品中の放射性セシウムスクリーニング法について」.平成 23 年 10月4日: 最終改正 平成24年3月1日.
〔3〕 厚生労働省通知「食品中の放射性物質の試験法について」.平成24年3月15日食安発0315 第4号.
70
横浜市食肉衛生検査所における 牛肉の放射性物質
汚染対策について
横浜市食肉衛生検査所
井上亜希子
はじめに
東日本大震災による福島第一原子力発電所の 事故により放射性物質が漏れ出し稲ワラを汚染
汚染された稲ワラを給餌された牛の肉から 暫定規制値を超える放射性セシウムが検出
食肉衛生検査所での対応:
平成23年7月26日から全戸を対象に、
8月8日から全頭を対象に
放射性物質スクリーニング検査を実施
72
食肉衛生検査所における検査
検査法:
・食品中の放射性セシウムスクリーニング法 ・食品中の放射性セシウム検査法(公定法)
検査対象:放射性セシウム( Cs ) ・ 134Cs
・ 137Cs
検査材料:牛の肉 約 1kg
基準値(一般食品): 100 Bq/kg*
測定機器:ゲルマニウム半導体検出器
検査の流れ
検体採取
下処理
スクリーニング検査
スクリーニングレベル
( 50Bq/kg )以下
スクリーニングレベル
( 50Bq/kg )より大きい
公定法による確定検査
74