<主な作品>瓶花、七宝古画貼込屏風、老樹水禽
大正元年(1912)に当時の帝室技芸員からまとまった形での寄贈が行われた。現役の帝室技芸員22名と、寄贈の趣旨に賛同した2 名の帝室技芸員の遺族からのものであり、その件数は31件に及ぶ。東京国立博物館140周年特集陳列として、当館のコレクション 形成の中で重要な意味を持つ寄贈について顕彰するとともに、その多くが寄贈のために制作されたものであるところから、それ ぞれの作者の基準資料となる作品の一括公開とした。この際の寄贈品の一括展示は大正2年(1913)4月に行われて以来である。
本館1階
11室 館蔵仏像名品選 24年9月25日(火)~12月2日(日) 17(0.12) <主な作品>◎日光菩薩坐像、◎毘沙門天立像、◎十二神将立像 申神、◎愛染明王坐像
日本彫刻の大半を占める仏像は寺院にあるのが普通である。そのため国内で彫刻の展示が充実した博物館はきわめて限定される。
わずかな例外である奈良・京都の国立博物館、鎌倉国宝館などはおおむね寺院からの寄託品で展示を構成している。一方当館は、
寄託作品の数も少なくないが、収蔵品の数と質の高さは比類なく、展示に占める割合も低くない。東京国立博物館140周年特集陳 列として、当館所蔵の優品を特集し、その充実ぶりをご鑑賞いただくとともに、収集の歴史を辿った。
平成館1階
企画展示室 尚意競艶―宋時代の書― 24年10月2日(火)~11月25日(日) 34(1.3) <主な作品>◎草書四帖、◎行書李白仙詩巻、楷書謝賜御書詩表巻、王史二氏墓誌銘稿巻
魏晋から唐時代までの貴族文化に代わって、宋時代には主として科挙の試験に及第した士大夫が学問芸術を担うようになり、書 の表現においても質的な変化がもたらされた。理知的な唐時代の書に対して、宋時代には、生命感あふれる個性的な書風が興る ようになる。本特集陳列では、台東区立書道博物館との連携企画として、宋時代の四大家として知られる蔡襄、蘇軾、黄庭堅、
米芾をはじめとして、北宋から南宋時代にかけて活躍した人物をとりあげ、意を尚ぶ(尚意)と評される宋時代の書を紹介した。
本館2階 特別1室・特別
2室 平成23年度新収品 24年10月10日(水)~10月21日(日) 65(0.0) <主な作品>鶴草紙、褐釉劃花文壺
平成23年度に新たに収蔵品に加わった寄贈品151件のうち、65件の文化財を展示し、これら新収品を通じて、文化財の収集という 当館の事業の一端を示した。
本館1階
14室 根付 郷コレクション 24年10月30日(火)~12月9日(日) 274(0.0)
<主な作品>蛤牙彫根付 線刻銘「懐玉」、饅頭形唐美人牙彫根付 線刻銘「明鶏斎法実」、臼兎牙彫根付 線刻銘「蘭亭」
実業家・郷誠之助氏(1865~1942)が収集し、帝室博物館へ一括寄贈した根付は「郷コレクション」と呼ばれ、内外の根付愛好 者の間で評価が高い。コレクションは郷氏亡き後、遺言によりその年の内に当館へ寄贈された。その体系的な内容と質の高さか ら、国内の根付コレクションの最高峰に位置づけられている。また、江戸時代から明治期にかけての有名根付師の作品が満遍な く含まれており、全点を一堂に陳列することにより、根付本来の魅力をあますところなく紹介することができる。東京国立博物 館140周年特集陳列として、根付が国の工芸美術標本となるよう系統立てて収集し、当館へ寄贈した、郷誠之助氏の遺志を顕彰し た。
本館2階
特別2室 根付 高円宮コレクション 24年10月30日(火)~12月9日(日) 210(0.0) <主な作品>九尾之狐、達磨大師、どおり外のことも有るネ!
高円宮コレクションは、憲仁親王殿下が久子妃殿下とのご婚約以来約18年にわたって収集された、現代根付を中心とするコレク ションである。この内の260点が、平成22年度末より当館に出品・寄贈され、当館では高円宮コレクション室を開設して、常時50 個の現代根付を展示公開している。現代根付にはさまざまな素材が用いられており、一つ一つに斬新な創意と工夫が凝らされて いる。殿下の蒐集は主だった作家や素材をほぼ網羅しており、現代根付の全貌を紹介するに相応しい。殿下の十年式年祭を記念 し、また東京国立博物館140周年特集陳列として、高円宮コレクション室の展示と合わせ、当館に出品・寄贈されたコレクション の根付全てをご覧いただく機会とした。
平成館1階
考古展示室 北九州の青銅器文化 24年10月30日(火)~25年3月10日(日) 50(0.0) <主な作品>広形銅矛、銅鋤先、長宜子孫内行花文鏡
平成24年度考古相互貸借事業として、北九州市立いのちのたび博物館・北九州市埋蔵文化財センターが保管(所蔵は北九州市)す る北九州市内の遺跡から出土したさまざまな青銅器と当館が所蔵する青銅器を展示し、北九州地方の青銅器文化の実態に迫った。
本館1階
16室 昭和の博物館―戦争と復興― 24年11月6日(火)~25年1月6日(日) 20(0.0) <主な作品>くちなわ物語(正倉院御物展観絵巻)、美術品移送関係書類 昭和十六年
関東大震災で大きな被害を受けた帝室博物館は、昭和13年(1938)に現本館が開館するが、第二次大戦によって大きな影響を受 け、その活動はしばらく途絶する。大戦後、国立博物館として再出発し、新たな歩みを始める。東京国立博物館140周年特集陳列 として、大戦をはさむ二つの時代を対比し、博物館の活動の連続と変化のありさまを、資料によって紹介した。
本館2階 特別1室
グラスゴーから来た西洋画―博物館草創期の国際
交流1 24年11月13日(火)~12月24日(月) 30(0.0) <主な作品>唱歌図、シンデレラ、明治十二年 列品録 一、温知図録 第2輯
草創期の当館において、外国の博物館との物品交換事業は、海外との交流を図り、また列品を収集するための重要な事業であっ た。東京国立博物館140周年特集陳列として、このうち明治10年から12年にかけて行われたグラスゴー博物館との物品交換事業に ついて、寄贈された油彩画および産業見本として寄贈された石版画とともに、関係資料を展示し、博物館草創期の国際交流事業 の一例として紹介した。
本館2階
4室 松永耳庵の茶道具 24年11月27日(火)~25年2月24日(日) 18(0.0) <主な作品>重要美術品 大井戸茶碗 有楽井戸、文琳茶入 銘 宇治
耳庵松永安左エ門は、戦前戦後を通じておもに電力分野の発展に寄与した財界の要人であり、一方で60歳から始めた茶の湯活動
においても独自の茶の世界を創り上げ、近代を代表する茶人の一人としてあげられる。東京国立博物館140周年特集陳列として、
松永安左エ門氏の寄贈品のなかから、床に飾る掛軸、花入、また釜、茶碗、茶入といった喫茶に関わる茶道具、さらに茶の湯の 食事に用いられる懐石具などを取り合わせて展示した。
平成館1階
企画展示室 南九州の古墳文化 24年12月4日(火)~25年3月3日(日) 94(0.1) <主な作品>◎埴輪 船、横矧板革綴短甲、楕円形鏡板付轡、埴輪 衝角付冑
平成24年度考古相互貸借事業として、宮崎県立西都原考古博物館が所蔵する宮崎県内の南九州独自の墓制である地下式横穴墓出 土品と、当館が所蔵する宮崎・鹿児島県出土品を展示し、南九州の独自性の高い古墳文化を紹介した。
本館1階
14室 狂言面 中世の笑い 24年12月11日(火)~25年1月27日(日) 27(0.0) <主な作品>狂言面 毘沙門、狂言面 祖父、狂言面 乙、狂言面 うそぶき
狂言は猿楽、田楽という中世前期の芸能の、滑稽で庶民的な笑いという部分を受け継いで成立したもので、使用する仮面にも親 しみやすいものが多い。仮面がどのような役柄に用いられ、人々の笑いを誘ったかを解説することにより、近世の人々の明るく 大らかな雰囲気を想像できるよう展示した。
本館1階
18室 浅井忠の油彩画―高野コレクション 24年12月11日(火)~25年1月27日(日) 6(0.0) <主な作品>婦人像、読書
実業家高野時次氏の蒐集による、明治の洋画家浅井忠の作品は、油彩画11点、水彩・デッサン56点、掛軸6点の計73点におよび、
浅井の円熟した画技を示す滞欧期の水彩画を多く含んでいる。高野コレクションは、この浅井作品全73点が、昭和60年(1985)に 氏のご遺志によりご遺族の方々から当館に一括寄贈されたものである。今回の特集陳列は、高野コレクションのうち浅井が渡欧 前に描いた日本の風景やグレー=シュル=ロワンで描いた油画6点を展示し、欧州留学をはさんだ浅井がどのように油画表現を展 開していったのかを探った。
本館1階 19室
ライプツィヒから来た白磁彫像―博物館草創期の
国際交流2 24年12月11日(火)~25年3月3日(日) 36(0.0) <主な作品>エロスとプシュケ、ヒョウに乗ったアリアドネ、ベルヴェデーレのアポロン、農業のゲニウス
東京国立博物館140周年特集陳列として、ドイツのライプツィヒ民族学博物館より寄贈された作品のうち白磁の彫像を展示し、博 物館草創期の国際交流に迫った。明治時代、ウィーン万博に出品した東博は、殖産興業のお手本となる西洋の工業製品を収集し たが、設立間もなかったライプツィヒ民族学博物館も、万博の機会を利用してアジアの文化財を入手しようとしていた。若き両 館は、ともにハインリヒ・シーボルト(鳴滝塾で著名なシーボルトの次男)を代理人としていたこともあって、協力関係を結ん だ。こうしてドイツの工業製品が大量に寄贈され、地方博覧会などで日本の庶民にも紹介された。今回紹介した白磁の彫像は、
主に、18世紀後半から19世紀にかけての新古典主義に基づく彫刻と、新古典主義において理想とされた古代彫刻を、市民階級が 室内で手軽に愛玩できるように置物や壁掛けとして、創業間もない A.W.Fr.キスター社(シャイベ=アルスバッハ窯)が再現した ものであり、ヨーロッパにおいて美術が聖職者や王侯貴族の保護から脱し、市民に広く普及していく時期の文化現象としても興 味深いものである。
本館2階 特別1室・特別
2室 博物館に初もうで―巳・蛇・ヘビ 25年1月2日(水)~27日(日) 45(0.1) <主な作品>◎十二神将立像 巳神、自在置物 蛇、二代目嵐三五郎の巳の字巻物持男、五百羅漢図 第三十幅 神通
平成25年は干支でいえば癸巳(みずのとみ)、巳年にあたる。東京国立博物館140周年特集陳列として、当館が所蔵する「巳」、
すなわちヘビに関わる美術・工芸品を精選し展示する。とかく人間に嫌われがちなヘビ。しかし一方で、神秘的な生態にはしば しば崇敬の念が寄せられ、転じて守護神的存在、あるいは吉祥や福徳をもたらす象徴とみなされてきた。こうした想いは、伸縮 自在に変化する形態への興味ともあいまち、多種多様で魅惑的なヘビの造形に反映されている。ヘビたちの造形世界を、Ⅰヘビ:
日本と異国の立体造形、Ⅱ描かれたヘビ、Ⅲ十二支の中のヘビ、Ⅳ芸能の中のヘビという4つの大きな切り口から紹介した。
本館1階
16室 資料館における情報の歴史 25年1月8日(火)~3月3日(日) 28(0.3) <主な作品>◎東海道分間延絵図 巻一、草木誌、博物館獣譜、江戸城本丸等障壁画下絵(西丸御対面所)
資料館は、昭和59年に美術に関する学術資料を収集・整理・保管し、研究者に公開する施設をめざして誕生した。平成12年に資 料部が廃止され、その業務のうち図書と情報システム関連が、博物館情報課に引き継がれている。資料館の情報センターとして の機能は、明治5年の東京国立博物館の開館時に設置された日本最初の官立図書館である書籍館に由来する。東京国立博物館140 周年特集陳列として、書籍館における図書目録、解題をはじめ、その旧蔵書や、旧資料部が行った『江戸城本丸等障壁画絵様』
などの調査研究に関係する列品などをとりあげた。また、各種データベース等に関連する資料などをとおして、学術的な情報発 信のあり方なども紹介した。
本館1階
14室 おひなさまと日本の人形 25年1月29日(火)~3月3日(日) 54(0.0) <主な作品>享保雛、嵯峨人形 裸嵯峨
三月三日の桃の節供にちなみ、毎年恒例となった雛飾り。今年度は紙雛、室町雛、享保雛、といった町雛の歴史を紹介するほか、
大名家や公家に伝わった雛道具、京都の伝統工芸である嵯峨人形・御所人形を中心に紹介した。また、江戸時代に雛人形と共に 飾ったと考えられる、ミニチュアの食器類も初公開展示した。
本館1階
18室 黒田清輝―水辺をめぐって 25年1月29日(火)~3月3日(日) 34(0.2) <主な作品>◎舞妓、◎湖畔
黒田清輝は留学中から水辺を描くことを好み、多くの作品を残している。実景を写す作品だけでなく、抽象的な概念を表そうと する作品にも水が重要なモティーフとなっている。本展示では黒田が水を描いた作品に注目し、描かれた水の意味を探った。
本館2階 特別1室
コプティック・テキスタイル―エジプトのコプト信
仰が綴った織文様― 25年2月5日(火)~3月31日(日) 40(0.0)
<主な作品>人物鳥花文様チュニック、人物天使草花文様裂、聖人文様裂
ドキュメント内
平成24年度独立行政法人国立文化財機構年報_統計表
(ページ 129-137)