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16.研究情報センター

ドキュメント内 Ⅳ 活動報告/研究業績目録  (ページ 73-77)

(1)平成 22 年度活動報告

研究情報センターでは,科学的根拠となる情報を効率的・

効果的に保健医療に活かすことを目的として,保健医療情 報システムやデータベースの構築,健康危機管理情報の有 効利用,健康リスクに関するエビデンスの構築など,保健 医療全般に関してシステマティックな情報の収集・発信・

利用のあり方を中心に幅広い研究・教育を行っている.平 成 22 年度における当センターにおける主な研究活動は以 下の通りである.

1)保健医療情報システム,データベース等に関する研究

①「今後の難病対策のあり方に関する研究班」において,

診断困難症例についての情報を効率的に収集することを通 じて未分類の疾患についての知見を収拾する方法論につい て研究を進めた.この試みでは,診断支援システムと疾患 知識ベースの研究を行い,プロトタイプの開発も行った.2)

厚生労働省が実施している厚生労働科学研究について,研 究成果データベースの高度化に関する研究を行うと共に,

研究成果発表のあり方を検討し,インターネットに双方向中 継を行う形での研究成果発表実験を行った.この他,2009 年度の新型インフルエンザの蔓延を踏まえ,保健医療行政 の効率化策として Fax より収集した情報を自動的にデータ ベース化する FaxOCR システムの実証実験を行った.

2)  健康危機管理情報の有効利用(災害時における健康危 機管理体制の充実・強化のための人材育成及び支援体 制)に関する研究

①地方自治体保健部局(保健所) における災害健康危機管 理に関する役割および人材育成に関して,地域防災計画に おける保健所業務について全国実態調査分析を行い,今後 充実の必要な災害健康危機管理に係る人材育成要素を明ら かにした.また,地方自治体保健部局(保健所)の職員に 対する災害健康危機管理教材に関して,e-Learning 教材「大 規模地震に対する保健所の役割.保健所は何をどのように 準備しておくべきか ?」を開発作成した.

②  臨床調査個人票データベースの解析により全国規模で の難病患者の現状を把握し,災害時に必要な支援体制につ いて検討を行った.また,阪神淡路大震災時の地方自治体 保健部局(保健所)における対応について,当事者に対し てヒアリングを行う等の手法により,記録の収集・分析を 実施するとともに必要な支援体制の具体化を図った.

3)健康リスクに関するエビデンスの構築に関する研究

①  保健行動および知識・情報に関する研究:個人の持つ 一般的な特徴や,社会経済的な要因,生活習慣病のリスク 因子に係る知識,健康管理能力,健康に係る情報へのア

クセスの障壁,QOL 等が検診受診等の疾病予防行動と関 連することが予想される.これを明らかにするためにパ イロット調査を実施した.年齢,職業の有無,世帯収入,

QOL 等と検診受診の意向との間に関連が予期された.

②  長期喫煙習慣者及び多量喫煙習慣者のたばこ煙曝露の 除去の過程における短・中期的な身体の酸化ストレスの状 態の変化の追跡方法に係わる研究:たばこ煙への曝露の有 無が,体内の酸化ストレスの状態とどのように関連するか を明らかにするための方法を検討した.既存研究の文献レ ビューを行い,それらに基づく具体的な研究案を作成した.

調査準備のために施設との打ち合わせ等を行い,一部デー タ収集を開始した.

4)今後の課題

保健医療において科学的根拠となる情報を有効に活用し ていくためには,情報を収集し発信するまでのプロセスを 1 つの合理的なシステムとしてとらえ,最新の IT(情報 技術)の応用に関する研究はもちろんのこと,科学的エビ デンスの構築や情報の解析・評価方法の確立,など総合的 な観点からの研究が必要である.また,それらの情報を十 分に活用しうる人材を育成することも同様に重要である.

5)図書館サービス室の活動

国立保健医療科学院研究情報センター図書館サービス室 は,国立保健医療科学院(以下,科学院)の蔵書の管理と,

科学院職員及び研修生への情報サービスに当たっている.

平成 22 年度のサービス対象者は,研修生が長期 ・ 短期あ わせて 2,708 名,職員,研究員等が 201 名,外来利用者は 75 名であった.

平成 23 年 4 月 1 日現在,蔵書数約 103 千冊,継続受け 入れ雑誌は 647 誌である.図書館サービス室は図書館の運 営のほか,科学院内ネットワークの運用およびホームペー ジの管理を行ってきた.また,機関誌「保健医療科学」の 編集をおこない,平成 22 年度は 59 巻 2-4 号,60 巻 1 号 の計 4 冊を刊行した.平成 9 年度以降は「電子図書館事業」

として「厚生労働科学研究成果」および「保健医療科学」,

「公衆衛生関連の古典的資料」の web 公開を進めている.

平成 22 年度の図書館サービス室統計 図書館利用

館外貸出 810 冊

文献複写 依頼 1196 件 受付 431 件 現物貸借 依頼  18 件 受付   34 件 レファレンス 541 件

利用者教育 22 件

研究情報センター 図書館所蔵 図書/雑誌数

図 書 製本雑誌 合 計

平成 22 年度受入 1,899 冊 588 冊 2,487 冊 累 計 62,542 冊 41,164 冊 103,706 冊 平成 22 年度受入雑誌数 647 誌

国立保健医療科学院サイトアクセス数 777,944 件

* 図書館への問い合わせ・調査の合計件数.所蔵調査,利用案内,

事項調査の合計.

(2)平成 22 年度研究業績目録 学術誌に発表した原著

橘とも子,荒田吉彦,大原智子,大熊和行,安藤雄一,

奥田博子,佐藤加代子,豊福肇,鈴木晃,曽根智史.地域 における健康危機管理コンピテンシーの習得レベルに関す る研究.デルファイ法を用いたすべての公衆衛生従事者に 求められる職種別・職位別質的調査.厚生の指標.平成 23 年 6 月号 (accepted)

富岡鉄平,島田智恵,藤本嗣人,松井珠乃,佐藤弘,八 幡裕一郎,橘とも子,岡部信彦.日本紅斑熱発生地域およ び近隣の発生が少ない地域における知識および受診行動.

感染症学雑誌.2011;85(2):180-3.

学術誌に発表した総説

緒方裕光.科学的根拠に基づく保健医療活動のための情 報専門家の教育.医学図書館.2010;57(1):32-5.

緒方裕光,奥村貴史.未分類疾患の発見プロセスに関す る確率論的考察.保健医療科学.2010;59(3):236-40.

武村真治,緒方裕光.難治性疾患の疾患概念確立プロセ ス.保健医療科学.2010; 59(3):241-4.

橘とも子,鈴木晃,奥田博子,曽根智史.地域社会にお けるヘルスケアシステムの平常時・発災時・復興期モデル の検討.保健医療科学.2010;59(2):125-38.

橘とも子,二宮宣文,山口孝治,高桑大介,吉岡留美,

関根和弘,佐藤潤.地域における健康危機管理者に対する 災害健康危機管理に係る人材育成方法の検討.災害シミュ レーション演習の導入・評価を中心として.日本集団災害 医学会誌.2010:15:187-96.

奥村貴史.臨床研究における症例登録と診断支援システ ム―  臨床医と患者の支援を通じた症例登録の自動化に関 する試論―.保健医療科学.2010;59(3):212-7.

著書

星佳芳,緒方裕光.健康危機管理とは.相澤好治,監修.

和田耕治,編.臨床がさらに活きる公衆衛生.東京:中外 医学社;2010. p.11-21.

橘とも子.1「健康危機管理」の概念.第 6 章健康危機管理.

日本看護協会,監修.新版保健師業務要覧第 2 版.東京:

日本看護協会出版会;2010.p.366-76.

抄録のある学会報告

緒方裕光.低線量率ガンマ線連続照射の生体免疫系に対 する影響の統計学的評価.日本放射線影響学会第 53 回大 会;2010.10.20-22;京都.同講演集.p.76.

稲葉洋平,内山茂久,松本真理子,欅田尚樹,遠藤治,

緒方裕光,鈴木元.8-OHdG 分析条件の改良および喫煙 者・非喫煙者の尿中濃度の解析.日本薬学会第 130 回年会;

2010.3.28-30;岡山.同年会 CD 要旨集.

稲葉洋平,松本真理子,大久保忠利,杉田和俊,内山茂久,

吉見逸郎,緒方裕光,欅田尚樹,鈴木元.0.01,0.05 mg ニ コチンたばこを喫煙した喫煙者の曝露量推計.第 80 回日 本衛生学会学術総会;2010.5.9-11;仙台.同講演集.p.340.

大久保忠利,稲葉洋平,杉田和俊,内山茂久,緒方裕 光,鈴木元,欅田尚樹.化学分析および変異原性試験によ るネオシーダーの評価.第 80 回日本衛生学会学術総会;

2010.5.9-11;仙台.同講演集.p.341.

大久保忠利,稲葉洋平,杉田和俊,内山茂久,緒方裕 光,鈴木元,欅田尚樹.メンソール等配合市販たばこの化 学分析および変異原性.日本環境変異原学会第 39 回大会;

2010.11.16-17;つくば.同講演要旨集.

稲葉洋平,大久保忠利,杉田和俊,内山茂久,緒方裕光,

鈴木元,欅田尚樹.国産たばこのたばこ葉に含まれる変異 原性および化学分析.日本環境変異原学会第 39 回大会;

2010.1116-17;つくば.同講演要旨集.

欅田尚樹,稲葉洋平,内山茂久,緒方裕光,鈴木元.電 子たばこの安全性評価.第 69 回日本公衆衛生学会総会;

2010.10.27-29;東京.日本公衆衛生雑誌.2010;57(10  特別 附録):284.

鈴木元,山口一郎,緒方裕光.全国屋内ラドン調査.第 69 回日本公衆衛生学会総会;2010.10.27-29;東京.日本公 衆衛生雑誌.2010;57(10 特別附録):561.

由田克士,吉見逸郎,緒方裕光.e-ヘルスネットにおけ る情報提供内容の評価―栄養・食生活分野を中心として―.

第 69 回日本公衆衛生学会総会;2010.10.27-29;東京.日 本公衆衛生雑誌.2010;57(10 特別附録):253.

橘とも子,荒田吉彦,大原智子,大熊和行,安藤雄一,

奥田博子,佐藤加代子,豊福肇,鈴木晃,曽根智史.  地 域の健康安全に従事する公衆衛生行政職員の人材養成に関 する研究.第 4 回保健医療科学研究会;2010.12.17;和光.

保健医療科学.2011;60(1):62.

ドキュメント内 Ⅳ 活動報告/研究業績目録  (ページ 73-77)