• 検索結果がありません。

14.施設科学部

ドキュメント内 Ⅳ 活動報告/研究業績目録  (ページ 65-68)

(1)平成 22 年度活動報告 1)研究部の研究及び研修の概要

施設科学部は医療サービス又は福祉サービスを提供する 施設及び設備に関して,利用者の快適性を含む適切な環境 の構築と維持を実現するための建築計画に関する研修と研 究を実施している.その中でも国民の健康危機に関する研 究課題,及び高齢社会におけるヘルスケアと施設環境に関 わる研究課題を大きなテーマとして掲げている.すなわち,

医療施設と福祉施設の物的な環境の構築と維持を対象とし て研究・研修の実施を運営方針としており,特に医療・福 祉施設のサービスを利用する患者,高齢者,障害者などの 療養環境・居住環境について,またこれらの施設で働いて いるスタッフの作業環境について,安全性,利便性,快適 性などの視点から適切な施設環境を確保するための指針を 明らかにすること重点を置いている.また一方で厚生行政 において重要な課題となっている施設の建築計画上の課題 を整理する研究や研修も実施している.

平成 22 年度は,国民の健康危機管理に関する研究の一環 として,近年医療施設において大きな課題となっている地 震に対する病院の耐震性能確保に関する研究を行った.近 い将来発生することが予測されている首都直下地震におい ても医療機能を継続的に提供するための BCP に関する研究 や実大振動実験による医療施設の被害軽減に関する研究を 実施した.これをもとに 23 年度にかけて医療施設耐震性向 上のためのガイドラインを作成しているところである. 

次に,高齢社会に対応する研究としては,地域包括ケア の推進において重要となる自助・互助・共助・公助の役割 分担と連携について行政推進型の地域包括ケアシステムに 着目し,その課題と方策を明らかにし,互助の醸成と育成 に関する研究を行った.

また,我が国の財源の状況を踏まえ,医療施設や高齢者 施設に関する建物整備と事業経営に関する研究にも取り組 んでおり,平成 22 年度には急性期病院と特別養護老人ホー ムを題材に建設コストの比較分析を行った.こうした研究 が医療施設や高齢者施設のマネジメントの一翼を担うもの と考えている .

また,専門的治療施設における施設環境と治療効果に関 する研究にも取り組んでおり,クリニカルインディケータ

(臨床指標)の開発につながるものと考えている.具体的に は回復期リハビリテーション病棟の空間構成と ADL 向上 との関係に関する研究 ,  個室化する病棟の看護管理と環境 的変化に関する研究,救命救急センターにおける診療行為 と建築計画の対応に関する研究などを行った.以上のよう な研究成果を,科学院内における研修において医療・介護 の現場にフィードバックするとともに,執筆や講演などの 様々な機会を得て施設環境の向上に努めるように心がけた.

2)主要研究課題

①   都市施設の耐震性評価・機能確保に関する研究−震 災時における建物の機能保持に関する研究開発(文 部科学省研究委託事業)

②   ソーシャル・キャピタルと地域包括ケアに関する研 究(厚生労働省科学研究費補助金)

③   今後の難病対策のあり方に関する研究(厚生労働省 科学研究費補助金)

④   地域特性および設置形態に対応した救命救急センター の建築計画指針の策定(文部科学省科学研究費補助金)

⑤   宿泊を伴う小規模福祉施設における建物の安全性に 関する研究(文部科学省科学研究費補助金)

⑥   個室化する病棟の看護管理と環境的変化に関する研 究(文部科学省科学研究費補助金)

⑦   今後の健康危機管理研究のあり方に関する研究(国 立保健医療科学院 基盤研究)

⑧   結核治療施設の施設基準に関する研究(厚生労働科 学研究費補助金)

3)研修活動

施設科学部が中心となって実施した研修は以下の通りで ある.

①  療養病床の転換支援研修

平成 23 年度末の介護療養病床廃止による施設の方針転 換を支援することを目的に,病院・診療所の管理者を対象 とした研修を平成 19 年度から実施している.介護療養病 床の廃止は政治的な課題となっており,様々な議論がある が,厚生労働省の担当課(老人保健課)と連携をとりなが ら研修を実施した.なお,研修に使用した資料を療養病床 転換支援のためのパンフレットとして作成して全国の病 院・診療所および関係団体に配付した.

②  ユニットケアに関する研修

特別養護老人ホームにおける個室ユニットケアを適切に 推進するために,担当窓口となる都道府県・政令市の担当者 を対象として平成 19 年度から実施している研修であり,厚 生労働省の担当課(高齢者支援課)との連携のもと実施した.

4) その他の活動

施設科学部は「医療施設の計画」に関して WHO の協力 施設として登録しており,国立保健医療科学院で実施して いる国際研修「病院管理技術とヘルスサービスマネジメン ト」において講義を行った.

また東京で開催された IFHE 国際病院設備学会に協力 し , より良いヘルスケア環境の提供を目標に , 病院建築関 係者の国際的な情報交流の場の提供に寄与した.

施設科学部

(2)平成 22 年度研究業績目録 学術誌に発表した原著

佐藤栄児,酒井久伸,福山國夫,井上貴仁,古川幸,鎌 田崇義,筧淳夫,小林健一,中島正愛.医療施設の機能保 持性能を検証するための実大震動台実験−震災時における 都市施設の安全性 ・ 機能性評価.日本建築学会構造系論文 集.2010;(650):771-80.

江川香奈,内田聡,小林健一,筧淳夫,長澤泰.災害拠 点病院における災害時傷病者の受入能力に関する考察.日 本建築学会技術報告集.2010;16(34):1093-7.

小 林 健 一, 筧 淳 夫, 伊 藤 昭, 糸 山 剛, 河 口 豊, 郡 明 宏,辻吉隆,森本正一,柳宇.結核患者を収容する医療機 関の施設基準に関する検討.日本建築学会記述報告集. 

2010;16(34):1099-104.

横田美根,筧淳夫,野田寿恵,杉山直也,伊藤弘人.精 神科救急病棟の空間構成と隔離・身体拘束との関連.精神 医学.2011;53(3):239-46.

佐藤栄治,井上由起子,藤井賢一郎.高齢者専用賃貸住 宅におけるサービス附帯と居住モデルに関する研究.日本 建築学会計画系論文集.2010;75(651):1035-41.

生田京子,井上由起子,菅野正広.高齢者専用賃貸住宅 の他用途建物からの転用改修に対する建築基準法の影響.

日本建築学会計画系論文集.2010;75(655):2097-106.

学術誌に発表した総説

筧淳夫.病院環境の管理―治療の場の整備を目的として.

クリーンテクノロジー.2011;21(3):1-4.

井上由起子.高齢者のすまいが目指す方向.すまいろん.

2010;94:15-9.

西野達也,石井敏,井上由起子.小規模高齢者施設にお ける防火対策と耐火対策に関する研究事業報告.医療福祉 建築.2010;7(168):32-3.

井上由起子.特別養護老人ホームの建物整備と法人経 営―誰もが個室ユニットで暮らせる社会を目指して―.

WAM.2010;11:10-1.

小林健一.医療福祉用語の基礎知識(平成 22 年度診療 報酬改定).医療福祉建築.2010;167:36.

小林健一.手術室空調の清潔管理.オペナーシング.

2010;25(12):41-3.

小菅瑠香.近年の病院建築における建設費の動向につい ての分析.医療福祉建築. 2011;1(170):32-3.

著書

栃本一三郎,長隆,槇孝悦,井上由起子,岡田芳明,他 20 名.介護サービス事業の経営実務第 8 編第 1 章施設の 安全管理.東京:第一法規;2010.p.7215-7,7301-66.

五十棲恒夫,永山直人,菊池奈津子,鈴木弓,井上由起子,

祖父江啓子,ほか.ユニットケアで暮らしをつくる.東京:

中央法規出版;2011.p.52-62.

井上由起子.特集 2 高齢者居住施設の概要とケアの視点.

精神科医療求職ガイド 2010.東京:NOVA 出版;2010. 

p.44-53. 

小林健一.第 4 章病院施設の変遷.酒井シヅ編著.医療 経営士テキスト初級 1 医療経営史―医療の起源から巨大病 院の出現まで―.東京:日本医療企画;2010.p.26-42.

小林健一.感染症病床,災害拠点病院.医療・病院管理 用語事典(新版).日本医療・病院管理学会学術情報委員会,

編.東京:市ヶ谷出版会;2010.p.68,98.

抄録のある学会報告

佐藤栄児,酒井久伸,井上貴仁,古川幸,小林健一,筧淳夫,

ほか.震動大実験での医療機器(医療用のベッド)の応答 について:震災時における建物の機能保持に関する研究開 発その 17.日本建築学会 2010 年度大会;2010.9.9-11;富山.

同学術講演梗概集.B-2.2010. p.73-4.

井上貴仁,佐藤栄児,酒井久伸,福山國夫,中島正愛,

古川幸,小林健一,筧淳夫.地震災害時における医療施設 の機能保持性能向上のための震動台実験計画:震災時にお ける建物の機能保持に関する研究開発その 19.日本建築 学会 2010 年度大会;2010.9.9-11;富山.同学術講演梗概集.

B-2. 2010. p.77-8.

酒井久伸,佐藤栄児,井上貴仁,福山國夫,中島正愛,

小林健一,筧淳夫,鎌田崇義.地震災害時における情報通 信設備の機能保持性能向上のための震動台実験計画:震災 時における建物の機能保持に関する研究開発その 20.日 本建築学会 2010 年度大会;2010.9.9-11;富山.同学術講 演梗概集.B-2. 2010. p.79-80.

江川香奈,小林健一,筧淳夫,長澤泰.防災マニュアル からみた災害拠点病院における多数傷病者受入れ計画に関 する分析:災害時の病院における空間利用に関する研究  その 2.日本建築学会 2010 年度大会;2010.9.9-11;富山.

同学術講演梗概集.E-1.2010. p.221-2.

内田聡,江川香奈,小林健一,筧淳夫,長澤泰.病院で のトリアージにおける占有面積に関する調査:災害拠点病 院の傷病者受け入れに関する研究.日本建築学会 2010 年 度大会;2010.9.9-11;富山.同学術講演梗概集.E-1.  2010. 

p.223-4.

渡辺玲奈,鳥山亜紀,中山茂樹,筧淳夫,山下哲郎.急 性期病棟における周手術期および看護師の訪問回数と看護 必要度との関連:看護業務と病棟平面との関連性に関する 研究その 8.日本建築学会 2010 年度大会;2010.9.9-11;富 山.同学術講演梗概集.E-1. 2010. p.245-6.

小菅瑠香,筧淳夫.近年の病院建築における建設費の 動向についての分析.日本医療 ・ 病院管理学会学術総 会;2010.10.15-16; 広 島. 日 本 医 療・ 病 院 管 理 学 会 誌.

ドキュメント内 Ⅳ 活動報告/研究業績目録  (ページ 65-68)