○
保健師等の他の支援機関から就労支援に繋がってくる場合もある。○
子どもの進学の際に、貧困問題に直面する。子どもの希望する学校に進学させたい という思いがあっても、就労していなければ就学資金の借り入れもできない。○
子どもが希望する部活をさせたいが、ユニフォーム代、遠征費など出費が多いため、経済的な理由から諦める場合もある。
○
塾代が支払えないケースは多い。無料の学習支援を案内することもあるが、地理的 要因から使いづらいことも多い。《意見・提言等》
○
他の支援制度との連携が必要であるため、行政の職員の中で就労支援制度の認知度 や理解を深める必要がある。137
(4)養育費専門相談員
ヒアリング概要養育費の取り決め率及び受給率の向上を図り、ひとり親家庭の生活の安定とその子ど もの健やかな成長に結びつけるため、平成 20 年 12 月から養育費に関する専門の相談 員を区役所保健子ども課に配置し、無料で相談業務や情報提供を行っている。
相談者としては、圧倒的に女性が多く、離婚前後に夫婦間で話し合うことができない 場合や、子どもが大学などの進学を控え経済的負担が増えるタイミングでの相談が多 い。
離婚時に口約束で養育費を決めていて支払いが滞るケースが多く、強制力を持つ公正 証書などの公文書での取り決めを勧めている。養育費がきちんと支払われ、親との面会 交流が履行されていることで、離れて暮らしていても子ども自身が愛されていると実感 し、それが情緒の安定や自己肯定感の育成にもつながっている。
他の支援制度とも連携が必要であるが、行政職員の中でも養育費相談の認知や理解が 低いという課題がある。
特に特徴的な保護者の特徴・課題の事例
《属性・背景等》
○
低収入の母子家庭○
未婚の母子家庭○
DV 被害者の母子家庭○
母が低年齢の母子家庭○
家族に精神疾患があるひとり親家庭○
多子のひとり親家庭○
両親に頼れないひとり親家庭《生活習慣や日常生活》
○
養育費を支払う側に、転職や就労形態が不安定で収入が少なく、また、借金やギャ ンブル依存などの問題を抱えている場合がある。○
子どもが小さいうちは一緒に過ごしたいと考える人が多いため、パートでなんとか やりくりする人が多い。○
夜の仕事の方が収入が高いため、夜間の保育所などに預けて働く人もいる。○
相談者の親も離婚していて、離婚しても何とかなると楽観視しているケースも あ る。親の意識が相関、連鎖しているように感じられる。○
その場限りの関係で妊娠してしまい、父親の連絡先も分からないケースもある。○
相手に家庭があり、認知してもらおうとすると慰謝料を請求される等のリスクがあ るため、認知を要求せず母親になることもある。○
圧倒的に女性の相談者が多いが、直接話しを聞きたいと夫婦そろって来所する場合 もある。136
136
意欲の維持に努めている。○
保健師等の他の支援機関から就労支援に繋がってくる場合もある。○
子どもの進学の際に、貧困問題に直面する。子どもの希望する学校に進学させたい という思いがあっても、就労していなければ就学資金の借り入れもできない。○
子どもが希望する部活をさせたいが、ユニフォーム代、遠征費など出費が多いため、経済的な理由から諦める場合もある。
○
塾代が支払えないケースは多い。無料の学習支援を案内することもあるが、地理的 要因から使いづらいことも多い。《意見・提言等》
○
他の支援制度との連携が必要であるため、行政の職員の中で就労支援制度の認知度 や理解を深める必要がある。137
(4)養育費専門相談員
ヒアリング概要養育費の取り決め率及び受給率の向上を図り、ひとり親家庭の生活の安定とその子ど もの健やかな成長に結びつけるため、平成 20 年 12 月から養育費に関する専門の相談 員を区役所保健子ども課に配置し、無料で相談業務や情報提供を行っている。
相談者としては、圧倒的に女性が多く、離婚前後に夫婦間で話し合うことができない 場合や、子どもが大学などの進学を控え経済的負担が増えるタイミングでの相談が多 い。
離婚時に口約束で養育費を決めていて支払いが滞るケースが多く、強制力を持つ公正 証書などの公文書での取り決めを勧めている。養育費がきちんと支払われ、親との面会 交流が履行されていることで、離れて暮らしていても子ども自身が愛されていると実感 し、それが情緒の安定や自己肯定感の育成にもつながっている。
他の支援制度とも連携が必要であるが、行政職員の中でも養育費相談の認知や理解が 低いという課題がある。
特に特徴的な保護者の特徴・課題の事例
《属性・背景等》
○
低収入の母子家庭○
未婚の母子家庭○
DV 被害者の母子家庭○
母が低年齢の母子家庭○
家族に精神疾患があるひとり親家庭○
多子のひとり親家庭○
両親に頼れないひとり親家庭《生活習慣や日常生活》
○
養育費を支払う側に、転職や就労形態が不安定で収入が少なく、また、借金やギャ ンブル依存などの問題を抱えている場合がある。○
子どもが小さいうちは一緒に過ごしたいと考える人が多いため、パートでなんとか やりくりする人が多い。○
夜の仕事の方が収入が高いため、夜間の保育所などに預けて働く人もいる。○
相談者の親も離婚していて、離婚しても何とかなると楽観視しているケースも あ る。親の意識が相関、連鎖しているように感じられる。○
その場限りの関係で妊娠してしまい、父親の連絡先も分からないケースもある。○
相手に家庭があり、認知してもらおうとすると慰謝料を請求される等のリスクがあ るため、認知を要求せず母親になることもある。○
圧倒的に女性の相談者が多いが、直接話しを聞きたいと夫婦そろって来所する場合 もある。137
138
《子どもとの関わり》
○
離婚をあまり否定的に捉える必要はないが、ひとり親ということで、子どもに負い 目を感じている。○
離婚についてきちんと親から子どもへ説明することで、子どもが離婚の話題に触れ てもいいのだと感じることは大事であるが、説明できていないこともある。○
親が子どもの高校進学をあきらめさせるようなことはあまりない。子どもの進学状 況は、親の最終学歴と同程度の学校を選択しているケースが多い。支援のあり方に関する課題等
《現状・課題等》
○
相談窓口があることを知らず、養育費相談員への相談に繋がらないこともある。○
養育費については、どうせ支払ってもらえないといった情報が独り歩きしている。相談をする相手がいても、友人等仲間同士の話しだけでは、適切なアドバイスにな っていない場合がある。
《意見・提言等》
○
離婚や養育費の相談だけではなく、今後の生活基盤をしっかりと立てていくため、母子・父子自立支援プログラム策定員との連携が重要である。
○
相談する機関があることが周知されていない。他の支援制度との連携が必要である ため、行政の職員の中で養育費相談の認知や理解を深める必要がある。○
離婚する際に、養育費や面会交流について取り決め、子どもに対しても離婚や今後 の生活についてきちんと説明することで、子どもの心の成長や自信、自己肯定感に 繋がる。保護者自身がそのスキルを身につける必要がある。貧困問題に関する意見等
○
子どもとの面会交流が円滑に行われているケースでは、養育費の支払い率が高い傾 向にある。○
高校進学までの支援制度は整っているが、それ以降は貸付等に頼らなければ難 し い。○
離婚の際、親に捨てられたと感じる子どもが多い。養育費を受け取ることで、自分 は捨てられた訳ではないという心の支えになる。○
アメリカでは、離婚時に裁判所に養育プランを提出するなど、共同親権の制度が根 付いている。139
3.児童福祉施設関係者
(1)母子生活支援施設
ヒアリング概要熊本市内の母子生活支援施設においてヒアリングを行った。
入所者は熊本市内外を含み、その半数の者がDVを理由とし、その他経済的、精神的 な事情を理由として、原則2年間を限度として入所している。施設では、母子の自立促 進のための就労や家庭生活、児童の教育に関する相談及び助言を行う等の支援をしてい る。
母親の金銭管理や養育能力に問題があるケースが多く、児童手当や児童扶養手当、生 活保護等の各種制度の給付金が、本来の目的に使われないこともある。
就労意識の低下等により、規則正しい生活習慣や子どもの健全な育成を妨げている例 もあり、家庭の自立に繋がる支援のあり方が課題である。
特に課題を有する保護者の特徴・課題の事例
《属性・背景等》
○
DVを受けた母子家庭○
精神疾患や障がい等により子どもと関わることが困難な保護者○
未婚の母子家庭○
経済的貧困の母子家庭○
多子の母子家庭○
ネグレクトの母子家庭○
日本語のコミュニケーションや文書読解が困難な外国籍の保護者《生活習慣や日常生活》
○
知的障がいがある方も含め、精神疾患のケースも多い。就労している方もいるが、就労困難な場合も多い。