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115 3)前処理工程の管理

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表5−2  前処理工程の管理項目と前処理方法  前処理 

項目  管理目標  前  処  理  方  法 

 

水分調整   

50〜65% 

副資材添加、堆肥の返送又は乾燥:水分65%以上の原料、あるいは発  酵設備によっては50%以上の場合にも必要とされる。 

加水:  水分40%以下の原料。 

C/N比  10〜30  副資材添加、堆肥の返送:大のときは窒素源、小のときは炭素源  pH  6〜10  副資材添加、堆肥の返送:一般的には管理目標の範囲内、脱水汚泥では 

10 以上のものがあり前処理が必要。 

  粒径 

 

10 ㎜以下 

破砕・分別:  生ごみ、もみ殻、バーク、剪定枝、伐採木材などで、破砕  あるいは粉砕を必要とするもの(表5−3参照)、また、畜ふんや脱水  汚泥で塊状や板状になったもの 

温度  10℃以上  発酵工程で加温・加熱、又は発酵工程で発酵期間を延長  異物除去  危険物、発酵

阻害物等 

破砕・分別:  除去出来なかったものは製品化工程で除去 

 

①水分の調整 

堆肥化は、好気性微生物により有機物を分解することであり、原料の水分が大きく影響する。 

  水分から原料を分類すると次のようになる。 

○水分過剰原料;  畜ふん尿や汚泥系、夏場の生ごみ等は水分が 80%を越し、ベトベトした泥 ねい状、液状原料   

○水分不足原料;  もみ殻、稲わらなど乾燥されたもの 

原料の水分が高いと原料の粒子間が水で満たされ、好気的雰囲気から嫌気的雰囲気となるため、好 気的条件を維持するためには水分の上限がある。一方、著しい乾燥状態では微生物の増殖が抑制され て発酵は進まないから下限もある。換言すれば、水分を調整すると言うよりは水分が高いと通気性が 悪くなり嫌気的条件となるため、通気性を改善するために水分を調整することである。 

堆肥化のための空気(酸素)の供給は、強制的に送風機により行われる場合と切返しで行うものとが あるが、いずれにしても、原料の水分が高いと十分な空気の供給が行われず酸素不足で嫌気性になる おそれがあるため、好気性微生物の活動が促進できる通気が可能となる状態に水分を管理する必要が ある。 

原料中の水分と通気性についての定性的関係を図5−1に示す。なお、図中のA、Aʼは堆肥原料 で、水分はAが多いが、いずれも水分調整が必要であり、Dはそれらの副資材(同一性状品質の材料 を使用するとする)を、それぞれ表わしている。曲線DCBA、DʼCʼBʼAʼは、原料への副資 材の添加率を変えていくときの通気性と水分の関係を示す。 

 

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      図5−1  堆肥原料の通気性と水分の定性的関係  出典:有機廃棄物資源化大事典;有機資源化推進会議編・農文協   

堆肥化の過程における発酵設備投入時の原材料の水分は、発酵反応及び製品堆肥の性状に大きな影 響を及ぼす。牛ふんの場合、発酵設備投入時の水分が 68%程度では、良好な好気性条件での発酵に より有機物が 40%程度分解され、発生する発酵熱により水分蒸発があっても、製品堆肥の水分は 60%

程度でほとんど減少しない。しかし、発酵設備投入時の水分が 60%程度以下であれば、製品堆肥の 水分は 40%程度になる。また、鶏ふんは発酵過程で発生する発酵熱による水分の蒸発により、発酵 設備内混合物の水分が減少化をきたし、30%以下になることがある。このような水分の低下は、微生 物の活動を休止状態にし、発酵機能を低下させ、場合によっては停止してしまうこともある。このよ うな場合には、混合物に加水し、水分を 40%以上に維持して、好気性発酵を円滑に持続させること が必要である。   

水分調整のための前処理方式としては、前処理工程で述べたように副資材を用いる添加方式、返送 堆肥による返送方式及び乾燥方式とこれらの組み合わせによる方式などがあり、原料の品質性状、製 品堆肥の施用目的などを考慮して、前処理方式について検討し実施する 

 

②C/N比の調整 

好気性発酵において水分管理と通気管理が、良好な堆肥化の条件になるとの概念が一般的であるが、

分解のための 必要水分下限

たい積放置でも好気的 分解が期待できる通気 性下限

強制通気によれば好気 的分解が期待できる通 気性下限

Cʼ

Bʼ

Aʼ

水分含量

原料のC/N比もまた重要な指標である。C/N比が大きいと、一般的には発酵過程で分解する有機 物量が少なく、好気性発酵が遅くなる傾向があるとされる。     

微生物による有機物の分解は、窒素1に対して炭素 10 の比率でこれらを消費するとされており、

原料のC/N比が著しく大きいと窒素だけが消費されて炭素が残り、有機物の分解は滞ってしまうこ とになる。 

従って、発酵設備投入時において、原料と返送堆肥あるいは原料と副資材について合計したC/N 比は 40 以下とする必要があり、出来れば 30 以下とすることが好ましい。 

木質系のバークなどのようにC/N比が 100 を超える場合には、30 程度にするためには窒素源と して、鶏ふん、油かす、汚泥など、窒素分の含有量が多い原料を加えて好気性発酵を行わせる。この 場合、汚泥については、これが混合されたものは法的規制があることに留意することはいうまでもな いことである。また、C/N比が大きな場合には、有機物分解による発熱量が少ないため、好気性発 酵により上昇した原料の温度を保つために、切返しの頻度を減少させたりして、入念な運転操作をと る。 

逆に、脱水汚泥のようにC/N比が小さい場合には、返送堆肥や炭素源となる副資材を添加し、一 次発酵での切返しの頻度を多くしたり、通気量を増やしたりして、好気性発酵を促進させる。 

 

③pHの調整 

一般的には、堆肥化の原料は廃棄物であり、施設に搬入されてくるものは水分が多く嫌気的雰囲気 のため、pHは酸性領域の 4〜6 程度である。しかし、この程度の範囲であれば、水分とC/N比を 最適条件に調整し、通気を行うとアンモニアが発生しpHがアルカリ領域の 7〜9 となる。従って、

多くの原料については、前処理工程での特段の処理は必要ないといえる。しかし、脱水助剤として石 灰を添加した脱水汚泥のように、pHが 10〜12 のアルカリ性となるものについては、返送堆肥を使 うことでpHを下げ、かつ水分調整の両方を行わせている。また、生ごみや畜ふんは若干酸性である から、それらと融合させることは、製品堆肥の品質向上の点からも有利であるが、汚泥を融合する場 合は、前項と同様に法的規制への配慮が必要である。 

 

④粒径の調整 

堆肥生産は、好気性条件下で有機物を分解させることであり、原料の通気性や、分解に関与する微 生物との混合、接触を十分に行うには適当なサイズに原料を破砕する必要がある。特に生ごみ、剪定 枝、チップ、バーク、その他の固形状態にあるものは、水分調整やあるいは、融合堆肥化を目的とし て破砕し細粒化することが必要である。また、畜ふんでは糞同士が固まり団子状になったり、汚泥で は脱水機から排出される際に板塊状となるものがある。さらには施設内の貯槽で固まったものができ ることもあり、これらの塊状の原料は破砕する必要がある。 

従来から、前処理としての破砕処理は実用化されてきている。しかし、破砕サイズなどは、運転員 の経験に頼っている。堆肥化の難易からは、多分に軟質系が硬質系より分解を受け易く、草質系は木

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  破砕に関しての特別な共通基準は無いが、本委員会調査による前処理段階での破砕の基準を表5−

3に示す。なお、この段階での破砕は、堆肥化に当たって、好気性発酵を効率良く進行させるための ものであり、製品化工程での製品品質基準などに対応した破砕・分別によるサイズ調整とは異なる。 

   

      表5−3  前処理工程での破砕処理基準 

対象原料・材料  大きさの基準  備      考 

茎、枝  10mm 以下 

剪定枝などは、破砕機に直接は投入できないので、2m程度 に切断した後に破砕機に投入する。 

10mm 以上では9ヵ月程度の堆肥化期間では木質形状が残る。 

系 

葉  無破砕、大型;L<30mm 

しなやかで破砕が難しいものがあるが、堆肥化の過程で分解 する。 

乾燥した葉は分解容易。 

茎  L<10mm、 

大型茎;幅<10mm 

太い茎は堆肥化の過程では分解しないので破砕する。 

系  葉、軟質茎  無破砕、大型;L<30mm  破砕は難しいが、発酵過程で分解する。 

生ごみ 

10mm程度以下、 

但しペースト状にしないこ と 

分別収集された生ごみ。 

10mm以上の場合は発酵過程で分解未了になることがある。 

もみ殻  1/2 以下に破砕  Si 系材質の殻を破砕。 

破砕しない方が発酵過程で通気性が良い場合もある。 

生 分 解 性 プ ラ ス チック 

軟質;不定形で、出来るだけ 細破砕 

硬質;木質系並み 

フィルム状のものが発酵過程で原料を包み込み腐敗しない ように破砕する。 

生分解性プラスチックは種類により、発酵過程で完全に分解 が出来ない場合があり、異物として除去する。 

 

⑤温度の調整 

原料の発酵設備投入時の温度も発酵工程に影響する。外気温が高い春から秋までの期間は、原料の 品温は低くても外気温から数℃低い程度で発酵にあまり影響はない。しかし、外気温が低下する冬季 や寒冷地では原料の温度が低下し、発酵に影響する。 

一般に、微生物は温度が 10℃を下回ってくると活動が急速に低下するため、温度をそれ以上に保 つことが肝要である。 

外気温にさらされる時間を短くし、貯留しないですぐに施設へ搬入し堆肥化工程に乗せるのがよい が、対策として、発酵設備投入部に加温設備を設置し、原料へ加温空気を送ったり、発酵設備の周囲 をヒータで加熱したりする方法がある。しかし、これらの方式は設備費及び運転経費がかかる。低い 温度の原料が発酵設備内で徐々に温度が上がり 10℃程度になるまで発酵を期待しない方法もあるが、

発酵設備の容量を大きくなる。 

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