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(2)我が国のMICEを取り巻く情勢
国内外のMICEの潮流をみると、コンベンション(C)については、世界的に国際会議の開 催件数が増加傾向にあります。⽇本においては、2011(平成 23)年以降、世界と同⽔準の伸び を⽰しております(2017(平成 29)年は 414 件で世界第7位)。
出典︓JNTO(⽇本政府観光局)資料より作成
(ICCA国際会議統計基準︓①参加者 50 ⼈以上 ②定期開催 ③3 か国以上でローテーション) ICCA︓国際会議協会
注︓ICCAでは、国際会議の件数を過去に遡って常時更新している。
ICCA国際会議統計
区分
※太字はアジア・太平洋地域 の国
2008 年
(平成 20 年)
2017 年
(平成 29 年)
開催件 数
占有 率
開催件数 占有率 増減率 増減
世界全体 9,351 12,563 134%
1 アメリカ 779 8.33% 941 121% 7.49% ▲0.84%
2 ドイツ 469 5.02% 682 145% 5.43% +0.41%
3 イギリス 411 4.40% 592 144% 4.71% +0.31%
4 スペイン 404 4.32% 564 140% 4.49% +0.17%
5 イタリア 413 4.42% 515 125% 4.10% ▲0.32%
6 フランス 459 4.91% 506 110% 4.03% ▲0.88%
7 日本 317 3.39% 414 131% 3.30% ▲0.09%
8 中国(香港・マカオ除く) 323 3.45% 376 116% 2.99% ▲0.46%
9 カナダ 288 3.08% 360 125% 2.87% ▲0.21%
10 オランダ 245 2.62% 307 125% 2.44% ▲0.18%
11 ポルトガル 178 1.90% 298 167% 2.37% +0.47%
12 オーストリア 190 2.03% 281 148% 2.24% +0.21%
13 韓国 235 2.51% 279 119% 2.22% ▲0.29%
14 オーストラリア 198 2.12% 258 130% 2.05% ▲0.07%
25 タイ 103 1.10% 163 158% 1.30% +0.20%
26 シンガポール 101 1.08% 160 158% 1.27% +0.19%
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展⽰会・⾒本市(E)については、国際展⽰会・国際展⽰場は、欧州を中⼼に、展⽰⾯積 20 万㎡を超える⼤規模な展⽰場が多数あり、国際⾒本市ビジネスが活発化しています。中でも、ア ジアの⼤規模展⽰場は中国に多数集積しており、⽇本における⼤規模展⽰場は、国内最⼤の東京 ビッグサイトにおいても展⽰⾯積は 10 万㎡弱であり(東京オリンピック、パラリンピック後に 11 万㎡余に拡張予定)、規模においては未だ世界的に⾼い⽔準にあるとはいえません。
企業等の会議(M)や企業等の⾏う報奨・研修旅⾏(I)については、そのビジネス活動によ る経済効果が相応になると思われますが、⽇本を含めその実態は正確に把握されていない状況で す。観光庁において、2017(平成 29)年度に実態調査が⾏われたところであり、今後この分野 の活⽤が期待されています。
こうした中、国においては、「⽇本再興戦略 -JAPAN is BACK-」(2013(平成 25)年 6 ⽉閣 議決定)において「2030 年にはアジア№1 の国際会議開催国としての不動の地域を築く」とい う⽬標を設定しました。
さらに「MICE国際競争⼒強化委員会提⾔」(2018(平成 30)年 7 ⽉)にて、官⺠挙げて
⽬指すべきMICE全体⽬標としての「2030 年MICE関連訪⽇外国⼈消費相当額 8,000 億円」
の設定、官⺠総⼒を挙げた取り組みとして「国際営業⼒強化」「国内主催者の取組⽀援強化」「様々 なニーズに応え、満⾜度の⾼いコンテンツ及びプログラムの開発促進」「地域⼒及び⼈材⼒の強化」
の 4 つの柱の施策を推進すること、などを掲げ、MICE国際競争⼒の⼀層の強化を図っていま す。
(3)名古屋のMICEを取り巻く状況
本市は、⽇本を代表する産業の集積や、多数の⼤学等研究機関を擁する⽴地を活かしたMIC E誘致の取り組み実績を認められ、愛知県とともに観光庁の「グローバルMICE都市」に選ば れており、これを受け、愛知県、経済界とともに「愛知・名古屋MICE推進協議会」を 2015
(平成 27)年に⽴ち上げ、官⺠が地域を挙げMICE誘致の取り組みを進める組織を構築すると ともに、2016(平成 28)年には市MICE推進室を⽴ち上げるなど、MICE推進体制の強化 を図っています。
コンベンション(C)については、国内の都市別国際会議開催件数において、本市は東京(23 区)、神⼾、京都、福岡に次いで第 5 位にあり、2011(平成 23)年以降、全国の件数とともに 本市も増加傾向にあります。中でも本市では、1990(平成 2)年に設置された、固定席ホールと して全国第3位であるセンチュリーホールを擁する名古屋国際会議場を舞台に、その⾼い産業・
学術集積地という背景を活かし、参加⼈数が多い会議が多数開催されています。⼀⽅、国内の会 場別国際会議の開催状況において、名古屋国際会議場の開催件数は 20 件であり、国内第3位で ある名古屋⼤学の 119 件と⽐較すると件数としては少ない数値を⽰しています。
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名古屋国際会議場
しかしながら、MICEに期待される経済効果において、MICEイベントの開催件数だけで なく、その規模も重要な要素になります。国内のコンベンション施設における 1 件当たりの平均 参加者数は、名古屋国際会議場が幕張メッセに次いで第 2 位の 2,773 ⼈、名古屋⼤学は 1 件当 たり 117 ⼈となっており、多くの国際会議が⼤学できめ細かく開催される⼀⽅で、経済効果の⾼
い⼤規模な国際会議は名古屋国際会議場で開催されるという役割分担がされている状況にありま す。
そうした⼤規模な国際会議開催の機能を担っている名古屋国際会議場ですが、整備から 30 年 が経過しようとしており、⽼朽化とともに現在の
社会的要求⽔準に応じるための機能の不⾜により、
競争⼒の低下が懸念される状況にあります。
今後、本市の国際会議の開催件数を伸ばすため、
名古屋⼤学をはじめとする⼤学との連携を更に強 化するとともに、名古屋国際会議場の改修及び拡 充・機能強化を進めていきます。
JNTO国際会議統計
区分
2008 年
(平成 20 年)
2017 年
(平成 29 年)
開催
件数 占有率 開催件数 占有率
※太字は 5 大都市 増減率 増減
日本全体 1,495 3,313 222%
1 東京(23区) 480 32.11% 608 127% 18.35% ▲13.76%
2 神戸市 94 6.29% 405 431% 12.22% +5.93%
3 京都市 171 11.44% 306 179% 9.24% ▲2.20%
4 福岡市 172 11.51% 296 172% 8.93% ▲2.58%
5 名古屋市 130 8.70% 183 141% 5.52% ▲3.18%
6 横浜市 184 12.31% 176 96% 5.31% ▲7.00%
7 大阪市 77 5.15% 139 181% 4.20% ▲0.95%
8 北九州市 47 3.14% 134 285% 4.04% +0.90%
9 仙台市 63 4.21% 120 190% 3.62% ▲0.59%
10 札幌市 77 5.15% 116 151% 3.50% ▲1.65%
出典︓JNTO資料より作成
(JNTO国際会議統計基準︓①参加者 50 ⼈以上 ②⽇本を含む 3 か国以上が参加)
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名古屋市国際展⽰場(ポートメッセなごや)
会場別国際会議の開催状況 2017 年(平成 29 年)
出典︓JNTO資料より作成
展⽰会・⾒本市(E)については、名古屋市国際 展⽰場(ポートメッセなごや)は国内の展⽰場の中 で、展⽰⾯積の規模が現在第4位となっています。
1973(昭和 48)年、当時としては先駆的な⼤規模 ホールとして整備された第 1 展⽰館をはじめ3つの
⼤型展⽰ホールを有する名古屋市国際展⽰場(ポー トメッセなごや)は、地域唯⼀の⼤規模展⽰場とし
て⻑らく地域経済の発展に貢献してきました。展⽰会の需要増加や展⽰会主催事業者(PEO)
の成⻑による事業規模の拡⼤とともに、その⾼い経済効果に着⽬した各都市の展⽰場拡張競争が 激しくなっています。この地域においても、2019(平成 31)年開業予定の愛知県国際展⽰場は、
名古屋市国際展⽰場(ポートメッセなごや)を⼤きく超える6万㎡の展⽰床⾯積を有することに なります。その他、⾼い機能集約型MICE施設である横浜市のパシフィコ横浜の第2期拡張整 備、⾼い集客⼒を誇る福岡市コンベンションセンターの拡張整備など競合都市の整備拡充が着々 と進められています。
1 神戸大学 196 パシフィコ横浜 100 1 ロイトン札幌 1,771 幕張メッセ 2,923 2 京都大学 154 仙台国際センター 45 2 神戸ポートピアホテ
ル 1,657 名古屋国際会議場 2 ,77 3 3 名古屋大学 1 19 大阪府立国際
会議場 43 3 京王プラザホテル 1,396 東京国際フォーラム 2,594 4 九州大学 109 北九州国際会議場 40 4 グランドプリンスホテ
ル新高輪 1,206 国立京都国際会館 2,311 5 理化学研究所 88 幕張メッセ 37 5 岡山大学 858 福岡国際会議場 2,310 6 大阪大学 77 福岡国際会議場 33 6 ウェスティン都ホテ
ル京都 731 パシフィコ横浜 2,200 7 東北大学 75 つくば国際会議場 31 7 東北大学 469 神戸国際会議場 1,684 8 東京大学 67 広島国際会議場 31 8 早稲田大学 354 大阪府立国際会議
場 1,578
9 国際連合大学 64 国立京都国際会館 30 9 ヒルトン福岡シー
ホーク 340 仙台国際センター 1,519 10 北海道大学 62 神戸国際会議場 30 10 東京理科大学 293 京都市勧業館みや
こめっせ 1,443 11 神戸ポートピアホテ
ル 28 東京国際フォーラム 27 11 九州大学 264 岡山コンベンション センター 1,322 12 ヒルトン福岡シー
ホーク 26 アクロス福岡 23 12 北海道大学 234 沖縄コンベンション
センター 804
13 広島大学 25 名古屋国際会議場 2 0 13 広島大学 211 広島国際会議場 776 14 九州工業大学 21 グランフロント大阪 19 14 東京都庁 196 アクロス福岡 764 15 早稲田大学 20 岡山コンベンション
センター 18 15 九州工業大学 181 グランフロント大阪 761 16 沖縄科学技術大学
院大学 19 札幌コンベンション
センター 17 16 名古屋大学 177 札幌コンベンション
センター 707
17 国際文化会館 19 奈良春日野国際
フォーラム 16 17 東京大学 170 つくば国際会議場 452 開催件数(単位:件)
大学等 コンベンション施設
順位 1件当たりの平均参加者数(単位:人)
大学等 コンベンション施設
順位
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名古屋市国際展⽰場 新第1展⽰館イメージ
このような状況に対応し、名古屋市国際展⽰場(ポ ートメッセなごや)においても、2022(平成 34)
年開業に向け、⽼朽化した第1展⽰館の⾦城ふ頭駅 前への移転改築に着⼿しています。施設全体の展⽰
⾯積を 3.4 万㎡から 4 万㎡に拡張するとともに、新 第 1 展⽰館を多⽬的ホール化することにより、展⽰
会における⾼い汎⽤性に加え、この地域に不⾜して いた興業向けのホールとしても⾼い需要に応えられる仕様としており、今後の産業・⽂化交流拠 点としての更なる活⽤が期待されています。
(4)これまでのMICE戦略の振り返り
本市では、2010(平成 22)年度「名古屋市観光戦略ビジョン ⾶躍する名古屋の観光 〜世 界的な観光交流拠点を⽬指して〜」において「MICEの推進」を施策の柱の⼀つとして掲げ、
コンベンション誘致の推進に取り組んできたところです。また 2010(平成 22)年度「名古屋市 産業振興ビジョン」・2015(平成 27)年度「名古屋市産業振興ビジョン 2020」において、展⽰
場・展⽰会やMICE産業について、地域の産業競争⼒強化の施策として位置付け、取り組んで きました。
具体的な施策としては、コンベンション(C)について、1990(平成2)年に設置した基幹施 設である名古屋国際会議場を運営するとともに、(公財)名古屋観光コンベンションビューローを 中⼼に積極的に誘致活動に取り組んできました。結果として、国際会議開催件数 2017(平成 29)年の実績は 183 件、都市別順位 第5位を⽰しました。(総合計画 2018 上の 2016(平成 28)年度⽬標値 146 件を超過)
展⽰会・⾒本市(E)については、名古屋市国際展⽰場(ポートメッセなごや)を運営し、展
⽰会等による地域経済の活性化を図ってきました。
⼀⽅、残るMICEのM(ミーティング)、I(インセンティブ)については、本市の施策とし ては取り組み途上にありるものの、各⺠間企業単位では⾏われており、とりわけインセンティブ 旅⾏(報奨旅⾏)については、アジアを中⼼に当地域のものづくり企業への視察等のニーズも⾼
まっている事から、詳細な実態を把握し、本市の施策にも繋げて⾏く必要があります。
(5)名古屋のMICEに関する課題
名古屋のMICEを取り巻く状況について、「強み (Strengths)」、「弱み (Weaknesses)」、「機 会 (Opportunities)」、「脅威 (Threats)」の 4 つのカテゴリーで整理をします。
今後は強みを活かしながら脅威に対応する、あるいは機会を活かしながら弱みを克服する等の 対応が求められます。