本邦企業
(輸出関連企業)
関税局 税関
関税評価センター
(日本)
関税局・税関
(X国)
WCO関税評価 技術委員会
(参考)最近の取組み
2013年2月、複数の本邦企業から、ヒアリングを通じ、海外(輸出相手国)における関税評価上の問題点を把握。
把握した一の問題点については、WCO関税評価技術委員会(2013年4月開催)において新規検討事項として提案。
他の問題点については、技術協力等の機会を利用して相手国に対し改善を要請していく予定。
恣意的な関税評価 の改善を支援
国際的な指針の公 表を通じて、改善を 間接的に慫慂
本邦企業が輸出を行う際、貨物の仕向地(主に開発途上国)の税関当局において、恣意的に高 い価格による関税評価が行われ、不当に高額な関税等の支払いを要求されるケースがある。
関税局・税関は、WCO関税評価技術委員会への問題提起、また当該相手国への職員派遣を通 じた技術協力を行うことで、適正な関税評価が行われるよう努め、本邦企業支援を行っている。
恣意的な関税評価
輸出
ヒアリングを通じ、
X国における問題点 を把握
技術協力
問題提起
2.関税評価における取組
3.関税分類における取組
各国における適正・公平な関税賦課のためには、世界各国が協調して輸出入貨物の適正な品目分類を 行うことが必要。このため、
WCO
(世界税関機構)において世界共通の品目表(HS
品目表)が作成されてお り、技術進歩等を反映し5
年に1
回改正されている。しかし、近年は技術革新のスピードが速く、各国間の分 類解釈の相違も発生。先進的な技術を数多く用いる我が国の輸出産品について、各国間の分類解釈の相違が我が国産業界の 利益・損害に直結するため、
HS
委員会での分類決定による適正化及び明確化が有益なツール。また、将来国際競争力を持ちうる産品については、
HS
改正により戦略的な品目分類を打ち出すことも検 討していく。例① 半導体製品(
IGBT
デバイス)についての分類解釈相違の解消例②
HS
改正における戦略的な品目分類提案(ハイブリッド車等エコカー)IGBTデバイスは、電気自動車や高速鉄道車両のインバーター(直流を交流に変換する装置)等に組み 込んで使用される、我が国半導体産業の主要産品であるが、本邦輸出企業の製品について、輸入国が、
第85.41項(関税無税、半導体デバイス)から第85.35項(関税率2.7%、スイッチ)への分類変更を実施。
半導体の性格に変更がないこと、本邦輸出企業の競争力への影響も大きいことから、我が国から、
WCO・HS委員会に本件分類問題を提起。
産業界との意見交換による方針の策定、財務省(関税局)を中心とした日本政府当局の積極的な交渉 等により、HS委員会(24年9月)において、IGBTデバイスの85.41項(半導体デバイス)への分類が決定。
外観
内部 デバイスIGBT
現在、WCOでは2017年から適用開始するHS2017改正を検討中であるが、我が国から、産業界との意見交換に基 づき、ハイブリッド車等エコカーの細分新設を改正項目として選定し、提案。
現在、自動車は搭載原動機の種類によって分類されているが、エコカーの独立項目が設定されれば、例えばエコ カーを軸に環境に配慮した品目に係る貿易上の優遇措置等、WTO・APEC等の場で戦略的に政策を打ち出すツール となり得る。
3.関税分類における取組( ITA 関連)
例③ 関税分類問題解決への包括的な取組(デジタル複合機)
非 ITA 品目(有税)
ITA 品目(無税)
レーザープリンター
間接静電式 レーザー 複写機
ファクシミリ デジタル複合機 スキャナー
(多機能 、複合製品)
コンピュータ
その他の 事務用機器
デジタル複合機
“ITAグレー品目”はITA加盟国によってITA品目か否か(有税・無税)取扱いが異なる
⇒取扱いの違いはHS関税分類の解釈の違いが主原因
HS2007 改訂で複合機の関税分類問題を解決する方向で議長裁定
HS
委員会は結論を出せずとして理事会に以下のとおり報告 デジタル複合機の関税分類につき、各国の解釈が相違HS
委員会において関税分類を議論(1998
年~2003
年)二度にわたる投票と留保を経て、
最終的に投票で引分け。
(参考)WTO情報技術協定(ITA)
76か国・地域が参加し、半導体、コンピューター、通信機器等を対象とした関税撤廃を実施。
3.関税分類における取組(続き)
例③ 関税分類問題解決への包括的な取組(デジタル複合機)(続き)
・ 複合機、プリンター、ファクシミリ及び複写機を1つのコードに纏めることにより、関税分類問題を解決。
・ 新関税分類は、財務省関税局主導で作成することに成功。
・ HS改正に伴う解説書を関税局で作成し、解釈を統一。
HS2007改訂(複合機/ファクシミリ/プリンター/複写機)
関税分類でEUを支持したITA加盟国であるアイスランド、ノルウェー、ウクライナ、
エジプト、インドが関税を撤廃。中国は10%関税を3%に低減、韓国も関税撤廃。
ブラジル(ITA非加盟)もA3レーザー複合機、カラーレーザー複合機関税を撤廃。
≪HS改訂内容のポイント≫
デジタル複合機のために、コンピューター又はネットワークに接続可能な機械のコードを新設(第8443.31号)。
※ この細分の新設は、ITA品目(無税)の対象を実質的に定義
複合機の新関税分類発効による企業利益への貢献
EUは、WTOの情報技術協定に基づき、対象となる電機製品を無税とすべきところ、製品の多機能化・
高度化を契機として関税を賦課。
我が国の関心品目である複合機については、 2009年、約140億円の関税の過払いが発生。
2008年9月、我が国は、本件の関税賦課はWTO協定に違反するものとして、米国・台湾とともにWTO パネルの設置を要請後、2010年8月16日、同パネルの報告書が公表。内容は我が国の全面勝訴。
WTOパネルにおける勝訴
参考:財務省関税局主催「第1回 国際貿易における商品分類と原産地手続に関する勉強会」 キヤノン(株)長野部長 講演資料
ITA と HS は表裏一体の関係
関税法上の規定により、特許権(発明)、意匠権(形状等のデザイン)、商標権(ブランドのロゴマ ーク等)、著作・著作隣接権(映画・音楽等)等を侵害する物品、及び不正競争防止法違反物品(形 態模倣品等)は輸出入してはならない貨物とされており、税関において取締りを行っている。
平成24年の知的財産侵害物品の輸入差止件数は6年連続で2万件を超えるなど、水際における 取締り強化を通じて税関は日本国内における知的財産の保護に貢献している。
更に、我が国との経済関係の深いアジア等の途上国税関に対し、侵害物品に対する水際取締 技法に関する技術協力を行うことで、海外における知的財産の保護にも貢献。
途上国に対する知的財産侵害物品の水際 取締能力構築支援のための技術協力
世界税関機構(WCO)と協力し、
○ アジア地域を対象とした水際取締りに関するワーク ショップを日本で開催(2012年に2回開催)
○ 我が国専門家(税関職員)を途上国税関に派遣
知的財産侵害物品の輸入差止実績
(H20年~H24年)
途上国税関の侵害物品に対する取締りの能力向上
海外における、日本製品に係る知的財産の保護
4.知的財産侵害物品水際取締りにおける取組
◎ 2年間で、ベトナム側は、日本税関の支援を受けて、NACCSをベースとした新システムを 設計・開発して導入予定。
2012年4月~ 本格的な開発作業を開始。
(1年目) ソフトウェアの詳細設計の作成・確定。ハードウェアの調達。プログラミング。
(2年目) 接続試験、総合運転試験の実施。
上記に加え、事務処理要領作成、利用者登録・管理、ヘルプデスク構築等が必要。
2014年3月 新システム稼働予定。
作業スケジュール これまでの動き
2011年7月 両国税関当局間でNACCS導入について基本的な合意。
2012年3月 無償資金援助に係る交換公文(E/N)を署名(谷崎駐越大使=フエ財政大臣)
(JICA準備協力調査が行われ、日本政府は無償資金援助 (26.61億円)の供与を決定。)
現在のベトナムのシステム
新しい貿易関連システムと関係手続きの一元化(「シングルウィンドウ」の実現)が最重要課題に
→優れた日本のシステム:NACCSの導入を検討 税関を中心に貿易手続きのシステムを整備。
ただし、電子化は部分的(輸出入申告の受付、リスク判定、許可の通知のみ)
→その他、シングルウィンドウ(NSW)、通関システム連動の電子納税は未整備。
5.通関手続きシステム導入支援
① NACCS をベースにした通関システム( MACCS : Myanmar Automated Cargo Clearance System )の導入
②システム導入に伴う通関制度・業務フローの抜本的な整理合理化支援
③基礎的関税制度(関税評価や品目分類など)の運用能力向上支援
○派遣中の JICA 長期専門家を中心に現地や日本での研修を実施し、中核人材を育成
背景1 背景2
通関制度 (含む通関システム) の整備が ASEAN 諸 国内でも大きく出遅れ (現在世銀調査[ Logistics Performance Index ]では域内最低の 122 位 /155 か 国) 、日本企業進出の足かせに
2015 年の ASEAN 地域統合等を見据 え早期の通関システム導入による税 関近代化が政府全体の至上命題
緬側の期待する効果:申告の効率化・重点化による物流 効率化で域内の経済競争力を強化し経済を活性化
日本側の期待する効果:①通関時間の短縮、②通関手続 きの透明性・公平性の向上、によるビジネス環境の改善
政府全体の方針:関税 技術協力などを通じて 日本企業の海外展開 を支援(本年
1
月11
日「日本経済再生に向け た緊急経済対策」)