49
既存の制度との関係:暫8とEPAの関係
必要工程数
2.LDC(Least Developed Countries:後発開発途上国)とLDC特恵関税について
1.一般特恵関税
4.特恵関税制度の繊維分野原産地規則の一例(一般特恵関税、LDC特恵関税共通):
2010年度まで3.特恵関税の対象製品(繊維分野)
一般特恵 対象国
107カ国・地域が対象。繊維貿易の重要な相手国としては、中国、インド、パキスタン、タイ、インドネ シア、マレーシア、ベトナムなど。但しEPA発効後は原則として一般特恵制度は適用されない。
一般特恵 関税(GSP)
1971年のGATT理事会で規定、79年の「授権条項」に基づき先進各国が自主的に行っている制度、開 発途上国から輸入される物品に対し、最恵国税率(WTO税率)よりも低い税率を適用することにより、
開発途上国からの輸入を促進し、ひいてはそれら諸国の経済発展に資することを目的としている
LDCとは 国連開発政策委員会が認定した基準に基づき、国連経済社会理事会の審議を経て、国連総会の 決議により認定された途上国の中でも特に開発の遅れた国々のことである。
LDC 認定国
現在世界で49ヶ国がLDCと認定されており、アジアは10ヶ国(アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、カンボ ジア、ラオス、ミャンマー、モルディブ、ネパール、東ティモール、イエメン)。他はアフリカ、大洋州諸国など。
LDC特恵関税 LDC産品に対して無税・無枠(関税及び数量制限がない)という更なる優遇措置を与えるものである。
一般特恵 綿織物、衣類(HS61類、62類)等に関しては一部の品目を除き、特恵関税の対象外。
LDC特恵関税 全ての繊維品(HS50類からHS63類)が対象
該当製品 ニット製衣類 (靴下、手袋等の小物を含む)
HS61類 HS62類
布帛製衣類 (ショール等の小物を含む)
1工程 (縫製)
3工程 (糸・編・縫製)
既存の制度との関係:特恵関税制度とEPA
LDC 特恵が EPA より有利な品目あり
51
特恵の原産地規則に関する論点と制度改正の方向( 2011 年度~)
糸
縫製
(1)現状の特恵原産地規則では自国関与が認められていない(日本素材が活用できない)
編
日本 日本
バングラデシュ
日本
バングラデシュ バングラデシュ
バングラデシュ
ニット製品の事例
日本 日本
バングラデシュ
日本+バングラで3工程で は特恵が適用されない
(自国関与適用除外)
バングラで3工程達成の 場合のみ特恵適用
自国関与を認めると特 恵適用となる
伊 日本 バングラデシュ
特恵○
特恵×
特恵○
(2)日本素材を活用する場合(自国関与を認め)原産地規則の緩和も検討必 要
現状の3工程基準の場合
2工程基準に緩和した場合
伊 日本 バングラデシュ 特恵○特恵×
自国関与、ニット製品の原産地規則緩和ともに今回改正で認められる方向
出所:東レ経営企画室作成
特恵の原産地規則改正前・改正後の比較
糸
編
縫製
日本 日本
バングラデシュ
日本
バングラデシュ バングラデシュ
ニット製品(LDC 特恵)の事例
バングラデシュ
伊/台湾 日本 バングラデ シュ
中国
日本 バングラデシュ
中国 バングラデ シュ
バングラデ シュ
○ → ○
× → ○
× → ○
現状 改正後
自国関与
OK2工程 OK
ニット生地(GSP
特恵)の事例 中国
○ → ○
日本 中国
× → ○
自国関与
OK× → ○
× → ○
バングラデ シュ
53
WTO税率(通常の関税率)
1.シーリング方式(有税・有枠 一般特恵関税の相当数の品目がこの方式)
一般特恵税率
2.エスケープ・クローズ方式(無税・無枠 LDCは全てこの方式、一般特恵もこの方式の品目あり )
ゼロ関税シーリング枠(・・億円)
品目毎のシーリング枠(輸入金額)
を超えると通常の関税率が適用される 一定の輸入金額までは通常の関税率
より低い税率(多くは0.6掛け)が適用
ゼロ関税(無税)で輸入金額の制約無く(無枠)輸入出来る。
国内産業への影響により緊急停止が可能。但し影響に関する統計上の証明が必要など、停止措置は困難。
3.関税率設定方式に関する論点
出所:東レ経営企画室作成
・実際にはシーリング枠の大部分を中国からの輸入で使用→他の途上国からの輸入に適用出来ない
・特定国(例:中国)からの輸入拡大(国内産業に影響)の場合、特恵停止(卒業)し易い制度にすべき
・シーリング方式の運用上の課題も多い(輸入業者は何時シーリング枠を超えるか把握し辛い)
既存の特恵の関税率設定方式( 2010 年度まで)に関する論点
LDC 特恵
全品目
後発途上国49ヶ国
GSP
特定の品目(綿織物・衣類等は含まれない)
途上国107ヶ国
エスケープ・クローズ方式
無税無枠。
国内産業への影響により特恵関税の緊急停止が可能。
「国別品別適用除外」可能。
シーリング方式
有税有枠。
限度を超えると特恵関税の 運用を停止。
有税特恵
有税無枠。
税率は、原則として 通常のWTO税率×0.8。
特恵無税
無税無枠。
(原則として、現状と同じ)
新しい「国別品別適用除外」の運用。
HS 4桁品目を集計して、
3年平均 ①輸入額が15億円以上、
且つ、②輸入シェアが50%以上。
現 状 見 直 し
自動的に適用除 外に(通常関税が かかる)
特恵関税率設定方式の現状と見直し( 2011 年度改正)の方向
55
外-外FTA<ASEAN-中国FTA>の活用
日越EPAを使って、
越に日本製生地を輸出
ASEAN
中国
FTAを使って、
日本製生地から縫製した 衣料品を中国に輸出
ASEAN 中国 FTA 概要
<関税>
●
2005年から段階的関税引き下げを実施。
●先進
ASEAN6カ国と中国は
2010年に原則関税撤廃。
●後発
ASEAN4カ国
(越、カンボジア、ミャンマー、ラオス
)は
2015
年に原則関税撤廃。
●中国は羊毛、原綿、綿糸の一部、綿織物の一部、化繊糸の一部、化学繊維等で
関税維持、もしくは
2010年以降の関税撤廃としている。
衣料品については、関税撤廃されている。
<繊維の原産地規則>
■生地:1工程(生機の場合は製織工程、染色済み生地の場合は染色加工)
■衣料品:1工程(生地からの裁断・縫製加工)
越をつかった、
中国市場への進出
55
経済産業省資料
中国-アセアンFTAによる関税削減例(2009→11年)
☝中国側およびアセアン
6カ国は、
2010年に大部分の繊維品の関税を撤廃
☝一方、ベトナム、ミャンマーの関税下げは2011以降段階的に実施。
品目
中国側関税 タイ側関税 インドネシア側関税 通常の輸入
実行税率
アセアン からの輸入
通常の輸入 実行税率
中国 からの輸入
通常の輸入 実行税率
中国 からの輸入
ポリエステル短繊維 5% 0-5%→0-5% 1% 1% →0% 5.0% 0% ポリエステル長繊維 5% 0-5%→0-5% 5% 5% →0% 5.0% 0% ポリエステル長繊維織物 10% 5% →0% 5% 5% →0% 15.0% 5% →0% ニット生地 10% 5% → 0% 5% 5% →0% 10.0% 5% →0% 化合繊製ニットシャツ 17.5% 5% → 0% 30% 5% →0% 15.0% 15%→15% 化合繊製セーター 16.0% 5% → 0% 30% 5% →5% 15.0% 5% →0% 化合繊製ブラウス 17.5% 5% → 0% 30% 5% →5% 15.0% 15%→15%
(注)衣類について中国側の関税については、一部のHSコードでは5%が残る。
61011000 ニット製毛製男子用コート類
61021000 ニット製毛製女子用コート類
61031100 ニット製毛製男子用スーツ類
61031200 ニット製合成繊維製男子用スーツ類
61032300 ニット製合成繊維製男子用スーツ(アンサンブル)類
61032900 ニット製その他繊維製男子用スーツ(アンサンブル)類
61041300 ニット製合成繊維製女子用スーツ類
61042300 ニット製その他繊維製女子用スーツ(アンサンブル)類
57
中国-アセアンFTAによる関税削減例(2009→11年)
品目
ベトナム側関税 ミャンマー側関税 通常の輸入
実行税率
中国 からの輸入
通常の輸入 実行税率
中国 からの輸入 ポリエステル短繊維 0% 0%→ 0% 0.5% 0.5%→0.5%
ポリエステル長繊維 1% 1% → 1% 2% 2%→2% ポリエステル長繊維織物 12% 12%→ 12% 15% 15%→5% ニット生地 12% 12%→ 12% 20% 15%→5% 化合繊製ニットシャツ 20% 20%→15% 20% 15%→10% 化合繊製セーター 20% 20% →15% 20% 15%→10% 化合繊製ブラウス 20% 20%→15% 20% 15%→10%
注目すべき国のFTAの構築状況
●EU、米国、中国はどの国・地域とのFTAに取り組んでいるのか?
EU
印
FTA(交渉中)
ASEAN
中国
FTA(2005年より段階的関税削減、
2010年1月1日発効)
米韓
FTA (発効待ち)EU
韓
FTA (2011年7月発効予定)印韓CEPA
(2010年1月1日発効)
EU ASEAN FTA
(共同研究開始)
ASEAN印FTA
(2010年1月1日発効)
58
経済産業省資料
米国
TPPに参加
ECFA(中台
)(2011年1月~アーリーハーベスト)
59
ご静聴有り難うございました
補足資料
61
世界主要国・地域の主要繊維品の関税率比較( 2010 年)
出所:化繊協会 繊維ハンドブック
(%)
品 目 日 本 米 国 E U 韓 国 台 湾 中 国
合 繊 短 繊 維 6.6 4.3 4.0 8.0 1.5 5.0
合 繊 長 繊 維糸 6.6 7.5~8.8 4.0 8.0 1.5~4.0 5.0
合 繊 紡 績 糸 6.6 9.0~13.2 4.0 8.0 4.0 5.0
合 繊 織 物 FY 5.3~5.7 FY 8.5~14.9 FY 8.0 FY 10.0
SF 5.3~6.6 SF 12.0~14.9 SF 10.0 SF 10.0~18.0
1.9%又は13円/kg の高い方
5.6%又は4.4%+
1.52円/㎡の高い方
(ポプリン)
3.7%又は2.9%+
1.01円/㎡の高い方
(その他)
毛 糸 2.7 6.0 3.8~4.0 8.0 7.5 5.0
7.9%又は130円/㎡
の高い方(200g/㎡超)
10.5~12.0 ニット外衣 10.9
セーター 9.1-10.9 ニット下着 7.4 布帛外衣 7.4-9.1 布帛下着 7.4-9.0
化合繊ニット外衣 28.2-32.0 化合繊ニット下着
14.9-15.6 綿シャツ類 15.4-19.7 綿下着類 6.1-11.2
綿製衣類 14.0-17.5 化合繊製衣類
16.0-19.0 8.0
3.7~12.0
12.0 13.0
8.0
6.5~15.5
4.0
8.0
25.0 8.0
4.0 5.0
7.5~10.0
13.0 10.0 10.0
10.0~12.0 7.5~10.0
10.0
衣 類
綿 織 物
綿 糸
毛 織 物
世界主要国・地域の主要繊維品の関税率比較( 2010 年)
(%) 品 目 タ イ イ ン ド ネ シ ア マ レ ー シ ア フ ィ リ ピ ン イ ン ド パ キ ス タ ン
ポリエステル、 ポリエステル 5.0 ナイロン 10.0 アクリル 1.0 アクリル 0 その他 5.0 その他 5.0
ポリエステル加工糸,
ナイロン加工糸 10 その他 0
アクリル純糸 0 その他 10.0
合 繊 織 物 5.0 10.0~15.0 10.0 5.0~10.0 10.0 15.0
綿 糸 5.0 5.0 10.0 7.0 10.0 5.0
綿 織 物 5.0 10.0 10.0 10.0 10.0 15.0~25.0
毛 糸 5.0 5.0 0 1.0 10.0 5.0
毛 織 物 5.0 10.0 0 1.0 10.0 15.0
オーバーコート類 0 スーツ、ジャケット類 15
その他 20
9.0
15.0
30.0 15.0 10.0 25.0
3.0~7.0 ナイロン 10.0 その他 5.0
5.0 7.0
合 繊 長 繊 維糸
合 繊 紡 績 糸
4.5~6.5
5.0~9.0
衣 類
合繊短繊維 0 1.0~3.0
5.0
5.0 5.0
5.0
63
日本の繊維貿易の地域・国別輸出入額(2009年実績)
金額 構成比 金額 構成比
(百万円) (百万円)
アジア 韓国 33,783 4.7% 52,436 1.7%
台湾 21,334 3.0% 31,789 1.1%
中国 280,174 39.2% 2,355,623 77.9%
香港 59,783 8.4% 2,998 0.1%
アセアン* 114,102 16.0% 267,504 8.8%
他東南アジア 47,067 6.6% 20,190 0.7%
インド 7,972 1.1% 30,418 1.0%
パキスタン 2,200 0.3% 6,580 0.2%
西アジア 41,598 5.8% 2,633 0.1%
566,415 79.3% 2,767,538 91.6%
欧州 EU 59,811 8.4% 153,928 5.1%
その他欧州 12,296 1.7% 31,508 1.0%
72,107 10.1% 185,436 6.1%
米州 北米 49,906 7.0% 49,906 1.7%
中南米 5,286 0.7% 11,609 0.4%
55,192 7.7% 54,537 1.8%
その他 アフリカ 16,030 2.2% 10,080 0.3%
大洋州 4,793 0.7% 5,135 0.2%
世界計 714,537 100.0% 3,022,726 100.0%
*アセアン10ヶ国
輸出 輸入
出所:日本化学繊維協会
輸出
中国
39.2% 香港
8.4%
アセアン 16.0%
他アジア 欧州 8.0%
10.1%
米州 7.7%
台湾 3.0%
韓国 4.7%
アフリカ・大洋州 2.9%
輸入
中国 77.9%
欧州 6.1%
台湾 1.1%
アフリカ・大洋州 0.5%
韓国 1.7%
香港 0.1%
米州 1.8%
アセアン 8.8%
他アジア 1.9%