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第3章 アクション・リサーチ

3.3.5 CKSを成功させるための条件

CKSの機能を最大に発揮して成果を出すには、【情熱と執念】言い換えれば 【ス トラテジック・インテント(Strategic Intent)】も必須条件である。また、現状の 自己レベル(企業規模・企業目標)に見合った、【同じ背丈どうしのハーモニー】が 成功確率を大幅にアップさせる。

このとき、各企業もしくは各企業間の「形式知」、「暗黙知」は、逐次実施する会議・

協議や、DR(Design Review)42・AAR(After Action Review)43を実施しなが ら、整備してゆくことが大切である。

これらをベースとして、

① 企業間通しの共有できる目的・目標の存在

② 共有する目的・目標での公平な利益の配分

③ 暗黙知・形式知を共有する絶対的な信頼関係とインフラ整備

④ 情報を共有することによるメリット(見返り)の実感

⑤ 対等な立場による人材交流 などが、成功する土台となっている。

H・イゴール・アンゾフは、仮説として「①環境、②対応力、③組織文化、④能力

-が相互に釣り合うときに、組織は成功する」と唱えている。

まさに、CKSでの知識複合企業でも、全く同じことが言えるのである。

また、CKSでは、ノウハウの開示と共有が重要なポイントとなる。

現状、競合先や顧客に対して、差別化が可能となる技術や品質保証手法を多くは開 示しないのが一般的な競争社会でのやり方である。しかし、CKSではオープンにし ている。それが、共通財産となり、更なるイノベーションのベースとなっている!

そして、そのときの目的と目標ははっきりしており、共生理由が明確である。

42: DR(Design Review)とは、設計段階における成果物を関連部署や関係者が集まって、

チェックする機会のこと。

43: AAR(After Action Review)とは、プロジェクトや活動などが終わった後に成功・失敗 の原因などを振り返りチェックする機会のこと。

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サンシン電気の開発技術部の2007年度スローガンは、『夢と情熱、そして執念』

であった。この言葉をもう少し噛み砕き、判りやすく、そして自己自身の目標になる 言葉が、その年の 10 月に、旧日本海軍から現在の海上自衛隊に伝承されている『五 省』44を参考として完成した。

それを、『五標』と名づけている。『五標』とは、

一、人に夢を語れるか

一、創造や改革を生み出す執念を持っているか 一、楽しみながらも自分に厳しいか

一、情熱を持続しているか

一、人と情報や夢を共有しているか である。

ここに、人に伝えたい、あるいは自分自身が努力する内容、即ち、夢・創造・改革・

鍛錬・情熱・情報・共有のファクターをもれなく、五つの目標=『五標』で整理でき たのである。この『五標』は、社員のモチベーションを上げるための、まさに『スト ラテジック・インテント』を目的としたものであった。

実は、この『五標』は、企業間連携であるCKS運用で成功するためのソフト面で の重要なファクターと合致している。すなわち、

⑥ 同じ目標(事業)をめざす夢・志

⑦ イノベーションを創出する執念

⑧ 夢を語りながら与えられた分野の遂行

⑨ 事業を成功させる情熱

⑩ 情報の共有

の五項目に置きかえられるのである。

44: 『五省』とは、

一、至誠に悖る勿かりしか(真心に反することはなかったか)

一、言行に恥ずる勿かりしか(言葉と行いに恥ずかしいことはなかったか)

一、気力に欠くる勿かりしか(気力が欠けていなかったか)

一、努力に憾み勿かりしか(努力に悔いはなかったか)

一、不精に亘る勿かりしか(不精になっていなかったか)

の五項目で、己に対する一日を反省する戒めである。

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プロジェクトを成功させるためには、3つのWAREすなわち、ハード・ウェア

(hard ware)、ソフト・ウェア(Soft Ware)そしてヒューマン・ウェア(Human Ware)

が必要と言われる。

まさに、この『五標』はCKSを成功させるためのヒューマン・ウエア(Soft Ware) を成立させるための条件なのである。

CKSの成功要件は、先の3.3.1項のコア・アライアンスの使命、3.3.2項でのコア・

アライアンスの品質保証の共有化、3.3.3 項のCKS・プロデューサーとパワー・コ ーディネーターの役割、3.3.4項でのCKSと連動させる自社内事業方針の明確化と、

本項で説明した内容をまとめると、表3.4の通りとなる。

表3.4 <CKS成功要件表>

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